超越ミミックの人類調教計画!~迷宮で宝を得るために異世界を変革させます~

二足のわらじ

文字の大きさ
136 / 172
冒険者ギルド世界を変える

134 至高の霊薬はアフィリエイトの商材と化す

しおりを挟む
「そうでなくてはな。説明は以上だ」

 一通りの説明が終了した。
 最高の報酬【邪神の天秤】使用権についての説明が終わり、トシゾウは参加者に解散を促した。

「あ、トシゾウはん、紹介依頼も言うとかんと。皆さん、ちょいとストップや」

「ああ、そうだったな。ベル、説明を頼む」

「ガッテンや」

 解散しかけた参加者をベルベットが止める。

「説明会に参加した皆さんに冒険者ギルドからお願いがあるんや。ある意味ギルドからの最初の依頼やな。冒険者ギルドのオープンまでに今日聞いた話を広めてほしいんや。初日に登録しに来た冒険者100人につきエリクサーを1本プレゼントするで。ここにいる皆さんの名前を出したら1カウントや。名前を出した冒険者にもギルド謹製の中級ポーションをプレゼントや。ついでにギルド貢献ポイントも弾むで」

「え、エリクサーだと!たった100人紹介するだけでか!?」

「正気か!?これはうかうかしていられない。急いで声をかけて回らねば」

 本日何度目になるかもわからない驚きに包まれる冒険者たち。
 外から見れば腹を空かせた魚が口をパクパクしているようにも見える。
 開いた口が塞がらないとは良く言ったものだなとトシゾウは思った。

 それに100人の紹介を“たった”というあたり、冒険者の横のつながりは思った以上に広いようだ。

「せやな…。勘の良い人はもう気付いとるやろうけど、あえてウチから皆さんにアドバイスするとすれば…手持ちの素材やポーション類は全てコルに替えといた方がええで。情報が大事なんは商人も冒険者も同じやな」

 豊かな赤髪を揺らし、茶目っ気たっぷりにウインクするベルベット。
 ベルベットの仕草にあてられた何人かの男たちが顔を赤くする。
 悔しいが絵になっているとカルストは思った。受付嬢でもやらせれば人気が出るだろう。

 もっとも、ベルベットの本領は別にあることをカルストは知っている。
 これも参加者への土産ということか。

 すぐに動けば、商人の真似事をするだけで大きな富が手に入るだろう。
 新たな装備を新調しても余りある利益になるのは間違いない。

 相場が崩れるのは間違いないだろう。
 ある意味では、冒険者ギルドにかかれば相場を書き換えることすら容易いと、ベルベットはそう言っているのだ。
 慎重かつ疑り深いことを自他ともに認めるカルストでさえ、降って湧いた話に心が昂っていくのを感じていた。

 何も知らずに話だけ聞けば、どれだけ安い詐欺なのかと笑うことだろう。
 力のない者がどれだけ理想を唱えても、そこに悪気がなくとも、それに追従して得られるものはなく、結果だけ見れば詐欺に遭ったのと変わらない結果が待っている。

 だがその逆、圧倒的な力を持つ者が理想を唱えたのなら。
 それは詐欺や偽善といった言葉をすべてひっくり返し、後に続く者に莫大な益をもたらすだろう。
 冒険者ギルド、引いてはトシゾウの力を疑う者はすでにこの場にいなくなっていた。

 とりあえず金策だ。
 そしてギルドに登録し、力を蓄え、いずれは俺の火魔法で祖白竜を…。かつての英雄たちの末席に名を連ねてやる。

「セリカ、やるぞ」

「ししょーが燃えているですぅ。明日は矢の雨が降るですぅ…痛いですぅ!」

 カルストも冒険者の一人なのだ。
 平素は冷静なカルストだが、現状の冒険者の扱いに不満を抱き、胸の内で燻るものがあったのも事実だ。

 カルストほどの冒険者になればともかく、新人冒険者の中には日々の糧を得ることで精いっぱいな者も多い。
 そんな冒険者はやがて身の丈に合わぬ獲物を狙い冒険者を続けられなくなる。
 冒険者のことを分からぬ者には無謀者と笑われて終わるが、それがやむを得ない事情によるものだとカルストは知っている。
 冒険者ギルドが機能すれば、無謀に走る新人も減り、冒険者稼業は大いに勢いづくだろう。

 カルストはこれからの冒険者の在り方、そしてその最前線を進む自分を夢想し期待を馳せる。

 やる気に燃えるカルストと、マイペースなセリカ。
 デコボコなようで意外にバランスの取れた冒険者パーティは、これからも迷宮に潜り続ける。

 やがて二人は伝説の英雄に…なれるかもしれないし、なれないかもしれない。
 いずれにせよ、冒険者ギルドはその二人の冒険に欠かせない存在になっていくのだった。

「セリカとカルストか。面白そうな冒険者だったな」

「ご主人様から名前を覚えられた人はそれだけですごい人です」

「そうか?俺は普通の人間なら名前を憶えているのだが…。シオンが言うならそうなのかもしれないな」

「はい!」

 シオンの良くわからない発言に首を傾げるトシゾウ。
 なぜか尻尾を振りながら返事するシオン。

「セリカさんはとても面白いし、強い人でした。お友達になりました」

「そうか、友人か。切磋琢磨し、互いに価値を高める存在だな。素晴らしいことだ。また相手をしてやると良い」

「はい。ご主人様に助けられた時は、友達を作るどころか、もう会うこともできないと覚悟していました。でもそれは間違いでした。私は幸せ者です」

 耳をパタパタ尻尾をフリフリ、屈託なく笑うシオン。なつき度はすでに振り切れている。
 いつもはかわいいシオンの仕草が今回はなぜか眩しく見え、思わず目を細めるトシゾウ。

「トシゾウはん、おっちゃんが子どもの夢を応援するような顔になっとるで…」

 なんやかんやとありつつも、説明会は無事終了したのだった。
しおりを挟む
感想 26

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~

草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。 レアらしくて、成長が異常に早いよ。 せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。 出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

鬼の兵法伝承者、異世界に転世せしむる

書仙凡人
ファンタジー
俺の名は桜木小次郎。 鬼一法眼を祖とする鬼一兵法の令和の伝承者。 だがある時、なぜか突然死してしまったのだ。 その時、自称神様の変なペンギンが現れて、ファンタジー世界の転生を持ちかけられた。 俺はヤケになって転生受け入れたら、とんでもない素性の奴にログインする事になったのである。 ログイン先は滅亡した国の王子で、従者に毒盛られて殺されたばかり。 なにこれ? クーリングオフねぇのかよ!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

処理中です...