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学びの宝箱
しおりを挟むミライはいつものように、みんなが学校に行っている時間に静かに散歩をしていた。
公園のベンチに、一人の小学生くらいの女の子が座っているのを見つける。
「こんにちは、どうしたの?」
ミライが声をかけると、その子は少し俯きながら答えた。
「病気で学校を休んでたら、勉強がどんどん追いつかなくなっちゃって…。
それで、学校に行くのがどんどん嫌になって、今はずっと休んでるの」
ミライはその言葉に心がしめつけられるような気持ちになった。
「そうなんだ…つらかったね」
心の中で、ふと思った。
「私にも同じような時期があった。だから、何か役に立てることがあるかも」
家に帰ったミライは、早速作業を始めた。
勉強が遅れても、無理なく学べるように助けてくれる機械を作ろう。
大量の知識を詰め込み、優しく教えてくれる人工知能も搭載する。
…
ミライは懐中電灯を手に、薄暗い洞窟の入口に立っていた。
今回は洞窟の中か…
外の光はもう届かず、ひんやりとした空気が肌を包む。
彼女はゆっくりと洞窟の奥へ足を踏み入れた。
足元の岩がごつごつと音を立てる。壁には長い年月を感じさせる苔がびっしりと生えている。
遠くからは水滴がぽつりぽつりと落ちる音が響いてきた。
ミライは周囲を注意深く見回しながら、手持ちのライトを動かす。
すると、岩の隙間にかすかな光の反射が映った。
「もしかして…」
近づくと、そこには古びた木製の宝箱が置かれていた。
頑丈な鉄の鎖で閉じられている。
…
数日後、ミライはその子の家を訪ね、そっと機械を手渡した。
「これで、少しでも勉強が楽になるといいな」
女の子は目を輝かせ、嬉しそうに微笑んだ。
「本当にありがとう!これならわかりやすくて、一人でも勉強できそう!」
その日、女の子はリビングの机に座り、ミライが作った機械の前に向かった。
機械は優しい声で、ゆっくりと教え始める。
「こんにちは。今日は分数の足し算をやってみましょう。1/4と1/3を足すときは、まず分母を同じにする必要がありますね。」
「1/4の分母は4、1/3は3…両方の分母の最小公倍数は12だから、1/4は3/12に、1/3は4/12になるんだ!」
機械がうなずくように続ける。
「その通りです。では、3/12と4/12を足すと…?」
「7/12!」
女の子は目を輝かせて答えた。
「素晴らしい!この調子で、次は漢字の練習をしましょう。」
画面に「植物」という漢字が表示される。
「この漢字は‘しょくぶつ’と読みます。書き順も一緒に練習しましょうね。」
女の子は何度も画面の漢字をなぞりながら、楽しそうに練習を続けた。
「すごい!わかりやすいよ!これなら一人でも勉強できそう!」
「これで、少しずつ自信がついていくといいな」
ミライはそっと微笑んだ。
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