算術の秘密

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3人の秩序

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真理(まり)が高校に入学してから、1ヶ月半が過ぎた。
毎日が少しずつ慣れ始め、教室や廊下の風景、友達の顔もだんだんと覚えてきた。

「ねえ、まり!今日は放課後、図書室で勉強しようよ!」
元気な声がまりを呼ぶ。声の主はひなた。明るく元気で、クラスのムードメーカー的存在だ。運動も得意で、休み時間にはよく公園で遊んでいる。

「いいね、ひなた!」
まりは笑顔で答えた。ひなたと一緒にいると、不思議な力を使わなくても心が軽くなるようだった。

教室の奥では、あかねが静かに本を読んでいる。落ち着いた雰囲気の彼女は知的で、数学や理科の話題になると熱心に話してくれる。
「まり、この公式の意味、こう考えると面白いよ」
あかねはそう言って、まりのノートに小さなメモを書き込む。

さらに、ことねは手元のスケッチブックに向かっていた。創造力豊かで、絵や手芸が得意なことねは、まりの不思議な力にも興味津々。
「その光の動き、すごく面白い!描いてもいい?」
まりはうなずき、ことねに手を差し出す。

こうして、まりは少しずつ自分の居場所を見つけ始めていた。

ところで、教室の隅で、一人の少女がじっと本を読んでいた。彼女の手元には、ボロボロになった一冊の本――『算法心訓』――が置かれている。

「やはり、この一節が正しい……」
少女は眉をひそめながらページをめくる。その姿はまるで、重要な企業の指針書を熟読する幹部のようだった。

その周囲には、二人の生徒が控えている。男の子の蛇尾は背筋を伸ばし、真剣な眼差しで本をのぞき込む。女の子の詩菜は手を組み、頭を少し下げて、敬意を示していた。

「さくの様、今日も大切なお言葉をありがとうございます」
詩菜の声には、緊張と尊敬が入り混じっている。まるで社長に日報を提出する社員のようだ。

「この教えこそ、正しい行動の指針……」
蛇尾も静かに頷き、低い声で続けた。
「目の前の善意より、自己の利益を優先すること――これが算法心訓の真理です」

さくのは微かに口元を緩め、ゆっくりと頷く。
「その通りです。正しい判断とは、結果を見極め、最善の行動を取ること――これが我々の道です」

二人はさくのの言葉に深く頷き、まるで会社の理念を叩き込まれた社員のように、忠実に受け止めていた。

まりは遠くからその光景を見つめ、少し眉をひそめる。
「……なんだか、学校の道徳と真逆の世界みたい……」

教室には静かな緊張感が漂い、算法心訓の影響が、この三人の間に強く息づいていることを、まりは直感したのだった。
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