Mae'n stori amhosibl【殺戮の迷宮路(ラビリンス)】

上社玲衣

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ハジマリ

第Ⅱ話 錬金術師

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リベット街、この地区にある第二の商人の町と呼ばれる。
なぜならこの場所は主な商品が「錬金術」や「魔術」と呼ばれるオカルト的な商品を多く取り扱っているからだ。
しかし、魔術といっても魔女と呼ばれる人種が作る薬が
錬金術師は代わりに「宝石」や「宝飾」の2点のみを取り扱うことを許されている。
その中でも宝石店【Arweiniad y ser】は無愛想で偏屈な店主ではあるが確かな目利きと手腕で人気の店だった。

カランカランとベルを鳴らしながら店に入る

「はーい、いらっしゃいませ!」
とパタパタと走ってくる明るい緑色の髪の毛をポニーテールにしている、青色の目。茶色のエプロンに藍色のつなぎを着た女性が出てくる。

「あ、こんにちは!ルイス大侯爵様。ご依頼のものですね!」
「やあ、リジェントさん。いつも早い対応ありがとうございます。」
「いえいえー、それは師匠に言ってください!というか、お客様が来るのに師匠ったらお店空けてしまいすみません。」

彼女の名前はリジェント・キュロン、この店の従業員であり。彼女も錬金術師の見習いである。
この店の主人とは師弟であり、無愛想な主人の代わりに接客をメインにしているのだ。

「まぁ、ご主人がいなくとも品物を受け取りにきただけですので。
特には問題ないかと思います。」
「そうですか?とにかく、こちらが仕上がったものですので。どうぞ、ご確認ください。」
と箱に入ったブローチを見せてくる。

「たしかに。元通りにしていただきましてありがとうございます。」
「いえいえ、原型が残っていたのであとは枠を取り外して錬金術で修理しただけですから~。」
「はは、そういうことをさらりとできるのは羨ましいですね。」
「そうですか?・・・・あ、すみません。もうそろそろ夜会に行かないといけない時間ですよね。準備もありますし!長話をして引き留めてしまってもうしわけないです!」
「いえいえ、こちらこそ。それではリジェントさん。またお会いできたらお会いしましょう。」
「はい、こちらこそまたのご来店をお待ちしています。」

店をあとにする二人。
同時に店の奥から足音がする。
黒いマントに黒いシャツ。真っ黒な長い長髪に赤く細長い切れ目の男性だ。顔立ちが整ってはいるが冷たい印象を受ける。

「あ、師匠。もう戻っていらしたんですか?」

男の名はアルフレッド・ハモンド。この店の店主であった。

「・・・大侯爵プリンス様が来ていたのか。」
「ええ、師匠がいらっしゃらないので私が対応していましたけどね!」
「・・・ふん。俺は接客には向いていないといつも言っているだろう、それに・・・他人との関わりなど煩わしいだけだ。」
「もー、そんなことばっかり言うんですから!だから、錬金術師のお友達が少ないんですよ!」
「錬金術師は大多数は商売敵だ・・・仲良くなるなどどうでもいい。それに、自らの生涯の研究を邪魔するやつらもいるからな。」
「じゃあ、私はどうなんです?師匠の生涯の研究に邪魔になります?」
「は、お前のようなひよっこに俺の研究を読み解ける技量があれば弟子になどしない。」
「えー!ひどいですってば。」
「それに・・・俺の生涯の研究成果は。すでに完成しているからな。」
「え?それってどういう・・・・。」
「お前は知る必要ない。」

そういいながら胸から下げている赤い色の雫型のペンダントにキスをして

「そうか・・・お前の行く道は、もう決めているんだな。ルイス。」
小さく呟いた。
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