2 / 3
ハジマリ
第Ⅱ話 錬金術師
しおりを挟む
リベット街、この地区にある第二の商人の町と呼ばれる。
なぜならこの場所は主な商品が「錬金術」や「魔術」と呼ばれるオカルト的な商品を多く取り扱っているからだ。
しかし、魔術といっても魔女と呼ばれる人種が作る薬が
錬金術師は代わりに「宝石」や「宝飾」の2点のみを取り扱うことを許されている。
その中でも宝石店【Arweiniad y ser】は無愛想で偏屈な店主ではあるが確かな目利きと手腕で人気の店だった。
カランカランとベルを鳴らしながら店に入る
「はーい、いらっしゃいませ!」
とパタパタと走ってくる明るい緑色の髪の毛をポニーテールにしている、青色の目。茶色のエプロンに藍色のつなぎを着た女性が出てくる。
「あ、こんにちは!ルイス大侯爵様。ご依頼のものですね!」
「やあ、リジェントさん。いつも早い対応ありがとうございます。」
「いえいえー、それは師匠に言ってください!というか、お客様が来るのに師匠ったらお店空けてしまいすみません。」
彼女の名前はリジェント・キュロン、この店の従業員であり。彼女も錬金術師の見習いである。
この店の主人とは師弟であり、無愛想な主人の代わりに接客をメインにしているのだ。
「まぁ、ご主人がいなくとも品物を受け取りにきただけですので。
特には問題ないかと思います。」
「そうですか?とにかく、こちらが仕上がったものですので。どうぞ、ご確認ください。」
と箱に入ったブローチを見せてくる。
「たしかに。元通りにしていただきましてありがとうございます。」
「いえいえ、原型が残っていたのであとは枠を取り外して錬金術で修理しただけですから~。」
「はは、そういうことをさらりとできるのは羨ましいですね。」
「そうですか?・・・・あ、すみません。もうそろそろ夜会に行かないといけない時間ですよね。準備もありますし!長話をして引き留めてしまってもうしわけないです!」
「いえいえ、こちらこそ。それではリジェントさん。またお会いできたらお会いしましょう。」
「はい、こちらこそまたのご来店をお待ちしています。」
店をあとにする二人。
同時に店の奥から足音がする。
黒いマントに黒いシャツ。真っ黒な長い長髪に赤く細長い切れ目の男性だ。顔立ちが整ってはいるが冷たい印象を受ける。
「あ、師匠。もう戻っていらしたんですか?」
男の名はアルフレッド・ハモンド。この店の店主であった。
「・・・大侯爵様が来ていたのか。」
「ええ、師匠がいらっしゃらないので私が対応していましたけどね!」
「・・・ふん。俺は接客には向いていないといつも言っているだろう、それに・・・他人との関わりなど煩わしいだけだ。」
「もー、そんなことばっかり言うんですから!だから、錬金術師のお友達が少ないんですよ!」
「錬金術師は大多数は商売敵だ・・・仲良くなるなどどうでもいい。それに、自らの生涯の研究を邪魔するやつらもいるからな。」
「じゃあ、私はどうなんです?師匠の生涯の研究に邪魔になります?」
「は、お前のようなひよっこに俺の研究を読み解ける技量があれば弟子になどしない。」
「えー!ひどいですってば。」
「それに・・・俺の生涯の研究成果は。すでに完成しているからな。」
「え?それってどういう・・・・。」
「お前は知る必要ない。」
そういいながら胸から下げている赤い色の雫型のペンダントにキスをして
「そうか・・・お前の行く道は、もう決めているんだな。ルイス。」
小さく呟いた。
なぜならこの場所は主な商品が「錬金術」や「魔術」と呼ばれるオカルト的な商品を多く取り扱っているからだ。
しかし、魔術といっても魔女と呼ばれる人種が作る薬が
錬金術師は代わりに「宝石」や「宝飾」の2点のみを取り扱うことを許されている。
その中でも宝石店【Arweiniad y ser】は無愛想で偏屈な店主ではあるが確かな目利きと手腕で人気の店だった。
カランカランとベルを鳴らしながら店に入る
「はーい、いらっしゃいませ!」
とパタパタと走ってくる明るい緑色の髪の毛をポニーテールにしている、青色の目。茶色のエプロンに藍色のつなぎを着た女性が出てくる。
「あ、こんにちは!ルイス大侯爵様。ご依頼のものですね!」
「やあ、リジェントさん。いつも早い対応ありがとうございます。」
「いえいえー、それは師匠に言ってください!というか、お客様が来るのに師匠ったらお店空けてしまいすみません。」
彼女の名前はリジェント・キュロン、この店の従業員であり。彼女も錬金術師の見習いである。
この店の主人とは師弟であり、無愛想な主人の代わりに接客をメインにしているのだ。
「まぁ、ご主人がいなくとも品物を受け取りにきただけですので。
特には問題ないかと思います。」
「そうですか?とにかく、こちらが仕上がったものですので。どうぞ、ご確認ください。」
と箱に入ったブローチを見せてくる。
「たしかに。元通りにしていただきましてありがとうございます。」
「いえいえ、原型が残っていたのであとは枠を取り外して錬金術で修理しただけですから~。」
「はは、そういうことをさらりとできるのは羨ましいですね。」
「そうですか?・・・・あ、すみません。もうそろそろ夜会に行かないといけない時間ですよね。準備もありますし!長話をして引き留めてしまってもうしわけないです!」
「いえいえ、こちらこそ。それではリジェントさん。またお会いできたらお会いしましょう。」
「はい、こちらこそまたのご来店をお待ちしています。」
店をあとにする二人。
同時に店の奥から足音がする。
黒いマントに黒いシャツ。真っ黒な長い長髪に赤く細長い切れ目の男性だ。顔立ちが整ってはいるが冷たい印象を受ける。
「あ、師匠。もう戻っていらしたんですか?」
男の名はアルフレッド・ハモンド。この店の店主であった。
「・・・大侯爵様が来ていたのか。」
「ええ、師匠がいらっしゃらないので私が対応していましたけどね!」
「・・・ふん。俺は接客には向いていないといつも言っているだろう、それに・・・他人との関わりなど煩わしいだけだ。」
「もー、そんなことばっかり言うんですから!だから、錬金術師のお友達が少ないんですよ!」
「錬金術師は大多数は商売敵だ・・・仲良くなるなどどうでもいい。それに、自らの生涯の研究を邪魔するやつらもいるからな。」
「じゃあ、私はどうなんです?師匠の生涯の研究に邪魔になります?」
「は、お前のようなひよっこに俺の研究を読み解ける技量があれば弟子になどしない。」
「えー!ひどいですってば。」
「それに・・・俺の生涯の研究成果は。すでに完成しているからな。」
「え?それってどういう・・・・。」
「お前は知る必要ない。」
そういいながら胸から下げている赤い色の雫型のペンダントにキスをして
「そうか・・・お前の行く道は、もう決めているんだな。ルイス。」
小さく呟いた。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる