不思議な短篇集

さきがけ

文字の大きさ
2 / 20

声の幽霊

しおりを挟む
 何かが聞こえた気がして健三は立ち止まった。耳を澄ますがなにも聞こえない。ただ森の中にありふれた音達が聞こえてくるだけだった。神経が高ぶっているとよく起こることだ。そう思うと健三はまた歩き出した。しかし、しばらくするとまたさっきと同じような音がどこか遠くの方で響いているのを聞いた。今度はもう疑いようがなかった。

 本当だった。健三は思った。声の幽霊は本当だったんだ。そう思うと急に骨の中から恐ろしくなってきた。いつの間にか森はさっきまでとはまるで違う異様な雰囲気に包まれていて、とてつもなく心細くなった。不気味な音は鳴り続けている。遠くから聞こえてくるのでくぐもったような微かな音だが、今度は確実に聞こえてくる。この不気味な森に自分と得体の知れない何かだけがいる。その考えだけで手が震え始めた。

 まずい。これは本当にまずい。健三は迷わず走り出した。恐怖で足が勝手に動くようだった。音は嫌でも聞こえてくる。音が近づくにつれ、段々と人の声である事に気が付いた。たくさんの男女が一斉に叫び声を上げているような、気味の悪い不協和音だった。声はまだ木々の間にこだまして遠くから聞こえてくるが、少しずつ大きくなっているあたり、どうやらこちらに近づいて来ているようだった。自分は声の幽霊に見つかってしまったのだ。

 健三は必死で逃げた。一刻も早くこの異常な空間から脱出しなければいけない。その時体が前につんのめった。木の幹に足が当たってつまずいたのだ。気づいた時には健三の体は道から投げ出されて下の崖のように急な斜面に落ちていった。

 落ちていく途中堅い木の幹が腰や頭を打った。やっと下の地面について止まったはいいが、体中が痛くて歩くことはおろか体を起こすこともできなかった。声はゆっくりと近づいてきていた。しかし痛みを耐えることに精一杯で、恐ろしくても体が動いてくれなかった。もう遠くに姿が見えていいほど、叫び声の塊はこちらに近づいてきていた。その時健三は急に、声の幽霊についての噂はどれも遭遇しただけで終わっていて、そのどれも姿を見てはいないことに気づいた。健三がその姿を最初に見ることになるのか。それか、姿を見たものは誰も帰ってこれなかったのか。健三は絶望的な気分になった。声は今や健三を取り囲んでいた。悍ましい嘆くような声が健三の周り全方位から響いている。耳を塞いでみても響いてくる絶叫に気が触れそうだ。にもかかわらず声の幽霊はまだ現れない。

 健三は首を傾げた。そうか、姿が無いのか。声の幽霊は姿を持たない、声だけの存在なんだ。健三はどうすることもできずにこの奇妙な存在について考えた。響いているものはたくさんの人間の声が交ざっているように聞こえるが、その中から一人の声を聞き分けてみようとしても決してできなかった。健三を囲んでいた輪を縮めるように、無数の声は健三に近づき始めた。今ではいろいろな人間の叫び声、話し声、泣き声、笑い声がぐちゃぐちゃに混ざり合って一体となって健三を取り巻いていて、気分が悪くなってきた。めまいがして視界が回転しながらゆがんできた。体の周りを飛び交う声の塊が健三の皮膚から浸透して内側と混ざり合うような感覚がしてきて、健三は苦しみのあまり絶叫した。

  気が付いたら健三は気を失って倒れていたようで、あたりは日が暮れかけていた。いつの間にかあの声だけの幽霊はいなくなっていた。今あった出来事は健三の中で急速に現実味を失ってきていて、健三は夢か幻聴だったのでは無いかとさえ思い始めていた。
 
 しかしその次の日から異変は起き始めた。それは朝、目覚まし時計が鳴って目を覚ました瞬間から始まった。彼がさあ起きるかと思った瞬間、見知らぬ声が聞こえてきた。

"まだ寝ていたい。""もう朝かよ。""今日何曜日だっけ。""あと5分寝てよ。"

 声達は口々にしゃべり始めた。健三は最初、それが自分の心の声だと思った。それが自分の耳からでは無く、心の中から聞こえたからだ。しかし声は明らかに自分とは異質なものだった。これには昨日の出来事が関係しているのは明白だ。なんとか助かったと思っていたが、どうやらこの身に何か変化が起こったらしい。健三に昨日の恐怖がよみがえってきた。これは呪いか何かなのだろうか。しかし彼は思い直した。まだ声が聞こえたというだけだなのだし、この変化を悪いものと決めつけるのは早い。自分は声の幽霊の正体について何一つ知らないのだから。
 健三は朝の支度を済ませると市民図書館へ行った。ここで様々な本を読むのが健三の最近の日課だった。しかし別段本に興味があるわけでは無く、またそうしなければいけないわけでも無かった。健三には居場所がないのだ。

 彼はこの国のどこにでもありふれたごく普通の人生を送ってきた。普通の家庭に育ち、皆と同じように学校に行き、企業で働く平凡な会社員になり、そして年を取った。普通であるということは、彼にとって最も居心地いいことだった。何か特別な夢や野心を持っていたことは一度も無かった。そんなのは特別で、普通じゃない事だからだ。

 子供が家を出て、退職してからは妻と二人で暮らしていたが、最近妻が亡くなり、一人息子の夫婦の家で一緒に暮らし始めた。しかし、彼らの健三に対する態度は必ずしもいいものでは無かった。

 健三はある日の夜、布団に入った後、無性に喉が渇いて下に水を飲みに行こうとした。廊下を歩いていると、居間から話し声が聞こえてきた。何の気なしに聞いていると、「今はまだああして元気だからいいけど、いつ認知症になったり、怪我をして寝たきりになったりして介護が必要になるか分からないわ。今のうちに入れておきましょう。なってからじゃ遅いのよ。」「そうだな。そうなったら介護も大変だって言うしな。」

 健三はすっかり元気が無くなってしまって、寝室へ戻った。その晩はひどく気分が落ち込んでなかなか寝付けなかった。

 それからというものずっと家にいるのがいたたまれなくなって、健三は時間を潰すために図書館に来るようになった。いつも必ず隅の席に座る。もう面白そうな本はほとんど読んでしまって、最近はあまり惹かれない本にも手を出し始めた。

 そこで偶然見つけたのが声の幽霊だった。それは維新の頃のとても古い本に少しだけ触れられていた。この町の外れには、ごくたまに奇妙な現象が起こる森がある。誰もいないにもかかわらず人間の叫び声のようなものが聞こえるという話がいくつかあるというものだった。声の幽霊か。そう思った健三はこんな怪談じみた話が真面目な本に載っていたことに興味を引かれ、その本の少ない情報を頼りに問題の場所を探していたら、本当に出会ってしまったのだった。

 健三が図書館に歩いている時も、健三の心の中に住み着いた得体の知れない声達は相変わらずその場に居座っていた。その時すれ違った若い男の肩がぶつかった。

"気をつけろよ。""いて。""何?""まったく。"
 
 声は口々に言った。しばらく歩いて図書館に着くと、鯛焼きの販売車が来ているのを見かけた。

"今は食う気がしない"。"鯛焼きだ!""帰りまであったら買っていこう。"

 図書館の中で大声で泣いている子供がいた時も声は聞こえた。

"うるせえ餓鬼だ。""子供だから仕方ないな。""何があったんだろう。""親は大変だな。"

 声はそんな調子で一日中聞こえ続けた。一つ健三が気づいたのは、声達一つ一つには全くと言っていいほど個性が無く、いうなれば超平均的と言うことだった。健三は不気味だと思っていたが、それと同時に一種の心地よさを感じていた。健三には何か、その声達が自分の思い描く「普通の人々」そのもののような感じがしてならなかったからだった。一人一人が誰だかは分からないが、集まって「全体」になったとき大きな存在感があった。

 それからの毎日を健三は心の中に同居した謎の声達と過ごした。もちろん息子家族には決してこのことを言わなかった。話しても信じられるどころか、ぼけ始めたと思われるだろうし、周りと違う人間だと思われることは健三にとって何よりも苦痛なことだった。声達は健三の周りのありふれた出来事達に、おおよそ一般的な人間がするような反応を返し続けた。それがいつだってあまりにも普通で平凡だったから、彼は、声達は世界中の人間の考えや価値観を混ぜて均一にしてできたものではないかとさえ思えてきた。

 ある日彼は二つの本の間で、どちらを読むかを考えていた。その時声達が言った。

"左の本がいい。""右はこの前似たような本を読んだよな。""どっちでもいいけど左の方が面白そう。"

 健三は、左の本を取った。迷ったときは声達の言うことを聞いてその通りにするのがいつの間にか彼の習慣になっていた。もし声が何も言わなかったとしたら自分は左の本を取っていただろうか。健三はふと思った。ああ、そうだろう。これまでの経験上、声達は常に、普通の人だったらこうする、といった決断をするのだ。これは世界中の人間に多数決を取っているようなものだ。彼らの言うことを参考にすれば絶対に失敗することは無い。彼は思った。普通の人間であることは、健三の無意識にまで染みついた、不動の目標だった。それこそが彼の当たり前だった。

 「お父さん、ちょっとお話があるんです。」ある朝息子の嫁は言った。健三はひやりとした。"ついに来たか。""嘘だろ。こんな早いなんて。"声達は口々に言った。彼女は案の定健三に老人ホームに入ることを勧めてきた。いままでもそれとなくほのめかす形で勧められたことは何回かあったが、こうして面と向かって言われたのは初めてで、彼は分かってはいたがショックを受けた。「ねえ、これはお父さんのためにもなると思って二人で考えたのよ。お友達もたくさんできるに違いないし。ね、あなた。」私は一抹の期待を持って息子を見た。しかし息子は嫁にうなずいた。私が、費用はどうするんだ、といったことで少しばかりの抵抗を試みようとしたとき、声達がしゃべり始めて、健三に道筋を示した。

"仕方ないよ。諦めよう。""いつまでも世話掛けさせるわけにはいかないからな。"

 「まあ確かに、そうだよな。」健三は言った。緑茶の表面に移った自分の顔を見た。「そうだよな...」

 引っ越しの段取りは前々から予定されていただけあってとてもあっさり進んだ。荷物を持って家を出る時、健三はもうしばらく、もしかしたら一生会えないかも知れない孫の所に行って、しゃがんで目の高さを合わせていった。「おじいちゃんはこれから別なと事に住むことになった。だからもうしばらく会えないんだ。」孫は最近買ってもらったタブレット端末の画面に夢中だった。健三がもう一度話しかけようとしたとき、また声達が言った。

"もう時間が無いから行かなくちゃな。""ああ、これは話しかけたって機嫌を損ねるだけだな。"

 健三は立ち上がって、息子夫婦の家を後にした。

 施設について、手続きが一通り終わると、看護師は健三を部屋へと案内した。「こちらが健三さんのお部屋になります。」看護師は事務的で冷たい口調で言ってドアを閉めた。そこは家具らしい家具が無く、ベッドと洗面台だけの殺風景な部屋だった。余生。健三はこの言葉が本当は嫌いだった。これから新生活が始まるというのに未来を感じさせないこの部屋には、そんな言葉がぴったりだった。

 「私は、ここで死ぬのか。」健三は気づかないうちにつぶやいていた。誰にも気に掛けられずに、ただ漫然と繰り返される毎日の中で。私はこれから死ぬためだけに生きるのだ。

"じゃあもうやらなきゃいけないことは一つだけだな。"

 「え?」心の中に聞こえたその声は健三の声にそっくりだった。気が付くと手のなかにネクタイが輪になるように結ばれてあった。

"ここで暮らすのは苦痛だ。""早かろうと遅かろうと同じ事だもんな。""もうやり残した事なんて、無い。"

 いつの間にか健三は聞こえてくる声のどれが自分の声なのか分からなくなっていた。彼は夢遊病者のようにドアの方に歩いて行き、ネクタイの輪をドアノブに掛けた。これで終わりにするのだ。 

"今時高齢者の自殺なんて珍しくない。普通のことだ。" 
もう疲れたんだ。
"これで息子夫婦に金銭面で迷惑を掛けることも無い。"

 健三は輪の中に首を掛けた。
 嫌だ。やっぱり止めたい。健三は急に恐くなって、首をネクタイから離した。その時だった。

"やりきれよ!""ああ、あきれた。""この意気地なしが!""非合理的だな。""は?絶対やるべきだったろ。""死ねよ!"

 膨大な数の心の声達が、一斉に騒ぎ始めた。それはこれまで聞いたことの無いほど凄まじいもので、その溢れんばかりの敵意が全て彼に向いていた。今や満員のスタジアムが健三を取り巻き、彼を責め立てていた。もう彼の声はかき消されて聞こえなかった。

 声達は健三の体を動かし、彼の首を凄まじい力でドアノブに縛り付けた。「ぐっ。」今度こそ首が絞められた。健三は苦しさにあえいで外そうとしたが、腕は釘で固定されたかのようにその場に押さえつけられて微動だにしなかった。彼は死を意識し始めた。

 ああ、これで終わりか。健三は考えた。私は何がしたくて生きていたのだろう。ずっと何も考えずに生きてきた彼は、この時初めて自分の人生に目を向けた。ただただ周りがどう思うかだけ気にして生きて、何で死ななきゃいけないかも分からずに死ぬのか。健三は思った。私が死んだのを誰かが見つけても、そいつは私がこんなに苦しんだとは少しも思わずに、私は死にたいから死んだのだと思うだろう。それなら、最初から心が無いのと同じじゃないか。嫌だ。死にたくない。私は絶対に嫌だ!

 健三がもう一度腕に力を込めると、さっきまでは岩のように重かった腕がほんの少しずつ動き始めた。そうだ。これは私の体だ。他の人間とは別の、私のものなんだ。声は心なしか弱まり始めた。健三は渾身の力を込めて、抑え込もうとする力と戦った。健三はもうこの部屋に来たときの彼とは違かった。彼は自分に力が満ちてきているのを感じた。それは彼が遠い昔に無視し続けて、消えてしまったはずの力だった。

 「くはあっ!」健三はついにネクタイを首から外し、後ろに手をついた。

"これでいいと思っているのは君だけだ。いずれ自分が間違っていたことを知るだろう。"

 大分小さくなった声が毒づいた。「それは私が決めることだ。黙って消えろ、負け犬が。」

"...あなたも私たちの一人になるはずだったのに.."

 声の幽霊はどんどん小さくなって、ついに消えてしまった。

 健三は立ち上がって服についたほこりを払った。なんだか体が軽かった。彼は顔を上げた。鏡に映った自分は十歳くらい若く見えた。

 やっと気が付いた。健三は思った。私はずっと自分の人生を生きてはいなかった。あまりにも長い間。ありもしない声を聞くのははもう沢山だ。私は本当はこんな場所にはいたくない。体はまだ元気だし、私には使い道も無く貯めてきた金もある。ここをでて外国でも何処でも自分の生きたいところに行ってやる事だって、私にはできる。そうだ。本当に行ってしまうのも私の勝手だ。

 健三はさっき広げたばかりの荷物を旅行鞄にしまい込んだ。額に入った妻の写真も忘れずにもって、部屋を出る。

 さようなら声の幽霊。健三は心の中で言った。自分の心には、自分の声だけで十分だ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。 漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。 陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。 漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。 漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。 養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。 陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。 漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。 仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。 沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。 日本の漁師の多くがこの形態なのだ。 沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。 遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。 内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。 漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。 出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。 休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。 個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。 漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。 専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。 資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。 漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。 食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。 地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。 この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。 もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。 翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。 この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...