わたしの婚姻

山岸ンル

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三、花は秘めて

セシリア嬢の秘密 第四話

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「『彼』には別に生殖器がある。君をもっと、深く満足させることができるものだ」
「そ……れ、は」
「理解したかね? 私は見たいのだ。君が、人外の化け物と『交尾』するところをね。ああ、彼らと人間の間で交尾の結果が……つまり繁殖が成功することは本当に稀だ。記録では一つしか例がない。君が触手に妊娠させられることは多分ほとんど無いと言っていいだろうから、安心したまえ。君はただ、この愛らしい肉の壷に『彼』のペニスを受け入れ、つがいのようにまぐわえばいい。まあ、万一彼の仔を身籠っても心配いらない。君が化け物を産み落としたら私が責任を持ってそれを取り扱おう」

 セシリアは青ざめていた。この人は、倒錯している。「お遊び」ではなく、触手と生殖行為を行なえと言っている。結果としてどういうことが起こってもいいと言っている。

「君は知らないだろう、セシリア。私は君がこの遊びを始めた頃から君のことを知っているんだ。まだ子供のような少女だった君を、私は愛してしまったんだよ。けれど、私は自分自身が君と性交することよりも、『彼』を用いたらどうだろうと思ってしまった。君も解っているとおり、私と君は結婚するだろう。だからいずれ、君には私の子種で子を産んでもらわねばならない。それまでの戯れのようなものだよ。気持ちいいことがしたいだろう、セシリア?」

 セシリアの心は疼いた。非人道的なことを言われているのは解っているが、ジャスティンの提案に魅力を感じてしまうのは、数年身体を重ねた触手への愛着からか。それとも自分の汚れた欲望のせいだろうか。
 ジャスティンが、触手の根本を調べ始めた。

「この大きさなら、多分基部は……」

 何やら薬のようなものを地面に擦り込むと、数本の触手の根本に短い触手が生え、コブのようなものが盛り上がった。それは質量を増し、歪な樹木のような形になる。

「これが彼らの基部だ。ここに生殖器が仕舞われていて、必要に応じて勃起する。おや、君の匂いに興奮したようだね。粘液を出して性器が硬くなってきている。セシリア、脚を開いて。交尾の予行演習はさんざんやったろう? 同じようにするだけだ。……なんだ、君も準備万端だな」

 ジャスティンの手で秘裂を広げられ、触手がちゅくちゅくと膣口を浅くつつく。基部が揺れ、セシリアの下半身に覆いかぶさるように密着した。ぴったりとくっついた部分を、押し上げるように生殖器が表に出る。くっついているから、現れた生殖器はそのままセシリアの膣に挿入される。

「あ……っ、あ」
「うん、この感じなら人間の陰茎と同じか、少し太めといったところかな。どうだね?」
「んんっ、んっ、ん」
「セシリア」

 促され、セシリアはとぎれとぎれに自分の現状を伝える。

「あっ、あ、なにか、太いものが入って、あぁっ! や、奥、奥だめぇっ! あっ、ごつごつ、して、ひぐっ!」
「木の幹のような形の性器が体内に入って、一気に奥まで突き入ってきた、ということだね。動きはやはりつたないな。どう動いていいものかわからないんだろう。ほう、セシリア、腰が浮いてるじゃないか。初めての交尾は気持ちが良いんだね?」
「あ、あぁぁっ、深いの、あぁ、中、んぅうっ!」

 びくんとセシリアが仰け反った。

「ああ……、さっきイッたばかりだったね。おめでとう、オスとの交尾で達したら立派なメスだ。おっと、触手が手持ち無沙汰のようだね。せっかくたくさんあるんだ、乳房や色んなところを触ってあげなさい」

 触手に向かってジャスティンが囁く。まるでスポーツの助言をしているような声音で。

「そうだ、余っている触手で彼女の尻の穴をほぐしてもらおうかな」
「えっ……、あ、いや、だめ、だめぇ!」

 ジャスティンに言われるまま、触手が先端をセシリアの肛門に埋め込もうとし、セシリアが身を捩った。

「やめ、やめさせて」
「いいや、君が彼と交尾している間、私は後ろを楽しめるようにしようと思ってね。大丈夫、少しずつ慣らせば痛くはないはずだ。……ふふ、セシリア。美しい君にも糞をだす穴があるなんてね」

 ジャスティンが愉しそうに端正な顔を歪める。セシリアは涙を浮かべて抵抗したが、結局は無駄だった。
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