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僕の名前は夏樹。数ヶ月前に「人生の羽休めに。」とこの村へ移住して来た。
何気なく田舎ライフを楽しんでいたところ、先週に村の人から奇妙な話を聞いた。
それが、「深夜1時半を過ぎてから一つしかない村の入り口の真横にある井戸の前を通ると何かに足を引きずられて井戸に引きずり込まれる」らしい。
ほんとほんと。と会話を盛り上げるお向かいさんちの奥さんに「そんな訳無いですよ…」と言ったが内心怖かった。
時刻は午後3時半。
今日は大学以来の仲間と飲みに行く。
場所は村から少し離れた町の路地にある、「飲み屋 秋」という小洒落た名前の居酒屋だ。
家を出て鍵を閉め、歩きだす。
少し歩くと通りすがりのオジサンにこう言われた。「夜は気を付けてな」と。
買い出しの際にいつも通るから知ってはいたが、あの話を聞くとさらに不気味さが増す。
井戸だ。木の蓋がされていて、周りの草がやけに荒れて見える。
今にも幽霊が出て来そうで怖くなって早歩きでそこを抜けた。
早歩きで来たからか、早めに着いてしまった。
腕時計に目をやる。5時だ。
友達が来る集合時間まで15分程あったので、近くの中古屋で時間をつぶす。
「おう!久しぶり!」幹太だ。幹太は、大学で一番仲が良かった親友で、飲み会を計画してくれたのも彼だ。
全力で返事する。「久しぶり!!」
幹太に続いて懐かしのメンバーが集まる。
久しぶり合戦だ。
幹太が口を開く。「卒業してから皆バラバラに引っ越したもんな。LINE交換は絶対な!皆でワイワイやってこー!」「オー!!」戸の前がどっと沸く。
「さみーからとりま中入ろ。」と言って、皆居酒屋へと入って行く。
幹太は大学の時からリーダー的な感じで、絵の具みたいに全く違う性格の皆をいつもまとめていた。
メンバーの半分以上が酔い潰れた頃にしみじみと幹太は喋る。
「またやろうな。」
あぁ。と約束をし、皆は解散。それぞれ帰って行った。
時間を見る。見た瞬間、ぞっとした。
何回見ても深夜2時を回っている。
向かいの奥さんの言葉が頭をよぎる。
「―深夜1時半―」
30分ぐらい良いか。と思ってつぶやく。
「どうせ嘘だろ」
道が暗くて2時間半かかった。「4時半だし、もう良いだろ」と油断をしたその時だった。
何もない所で転んだ。
直ぐに嫌な勘が働く。
そこは、丁度井戸の前だった。灯りが遠のく。
完全に引きずられている。
「やめろぉぉー!」止まらない。
「バチン!」夢じゃない。
後ろを向く。
黒い女性らしき影がいる。
end.
何気なく田舎ライフを楽しんでいたところ、先週に村の人から奇妙な話を聞いた。
それが、「深夜1時半を過ぎてから一つしかない村の入り口の真横にある井戸の前を通ると何かに足を引きずられて井戸に引きずり込まれる」らしい。
ほんとほんと。と会話を盛り上げるお向かいさんちの奥さんに「そんな訳無いですよ…」と言ったが内心怖かった。
時刻は午後3時半。
今日は大学以来の仲間と飲みに行く。
場所は村から少し離れた町の路地にある、「飲み屋 秋」という小洒落た名前の居酒屋だ。
家を出て鍵を閉め、歩きだす。
少し歩くと通りすがりのオジサンにこう言われた。「夜は気を付けてな」と。
買い出しの際にいつも通るから知ってはいたが、あの話を聞くとさらに不気味さが増す。
井戸だ。木の蓋がされていて、周りの草がやけに荒れて見える。
今にも幽霊が出て来そうで怖くなって早歩きでそこを抜けた。
早歩きで来たからか、早めに着いてしまった。
腕時計に目をやる。5時だ。
友達が来る集合時間まで15分程あったので、近くの中古屋で時間をつぶす。
「おう!久しぶり!」幹太だ。幹太は、大学で一番仲が良かった親友で、飲み会を計画してくれたのも彼だ。
全力で返事する。「久しぶり!!」
幹太に続いて懐かしのメンバーが集まる。
久しぶり合戦だ。
幹太が口を開く。「卒業してから皆バラバラに引っ越したもんな。LINE交換は絶対な!皆でワイワイやってこー!」「オー!!」戸の前がどっと沸く。
「さみーからとりま中入ろ。」と言って、皆居酒屋へと入って行く。
幹太は大学の時からリーダー的な感じで、絵の具みたいに全く違う性格の皆をいつもまとめていた。
メンバーの半分以上が酔い潰れた頃にしみじみと幹太は喋る。
「またやろうな。」
あぁ。と約束をし、皆は解散。それぞれ帰って行った。
時間を見る。見た瞬間、ぞっとした。
何回見ても深夜2時を回っている。
向かいの奥さんの言葉が頭をよぎる。
「―深夜1時半―」
30分ぐらい良いか。と思ってつぶやく。
「どうせ嘘だろ」
道が暗くて2時間半かかった。「4時半だし、もう良いだろ」と油断をしたその時だった。
何もない所で転んだ。
直ぐに嫌な勘が働く。
そこは、丁度井戸の前だった。灯りが遠のく。
完全に引きずられている。
「やめろぉぉー!」止まらない。
「バチン!」夢じゃない。
後ろを向く。
黒い女性らしき影がいる。
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