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しおりを挟む「殿下、少しよろしいでしょうか?」
ひどく憔悴した表情で、ミアが私の前に現れた。
場所はカレンとの逢瀬の場所だ。
あぁ、女々しいと言ってくれ。
私はカレンを追いかけることも出来ずに、毎日ここでカレンを待っていたのだ。
カレンは毎日、ミアの婚約者・ヒューイを追いかけまわしている。
ヒューイはミアから一時も離れない。
それなのにカレンは、事あるごとにヒューイにしがみついたり、私に言っていたような嫌がらせを受けていると言ったりとやりたい放題だという。
ヒューイは、当然そんなカレンを乱暴に振り払う。
しかし、その度に攻撃されるのはミアだった。
転んだふりをして飲み物をかけたり、ぶつかって転ばせたり、時には泣きながらミアにひどいひどいと見当違いな難癖をつけては暴れた。
そんなカレンを引き離し学園の警備員に渡すのは、その様子にすっかり慣れた生徒たちだった。
学園と王家もカレンに接近禁止を命じた。
警備も強化したのに、カレンはどこからともなく現れては二人に絡む。
もう退学にしてしまえばいい、そう言う人がほとんどだ。
しかし、将来ある学生だからと学園は消極的だ。
そして学園内で起こったことは、学園の裁量で不問に出来る。
その最大の理由は、カレンが私の婚約者……だからだ。
父は言った、
愛する者の手綱を握れと……。
「分かっている。本当に、すまない」
長い沈黙の後、ミアが何か話す前に、私はそう言った。
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