スローライフに憧れる伝説の王子

猫の手も借りたいおじさん

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70話

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**第七十話:「義兄弟の誓い—連合軍の進軍」**  

王国の旗が風にはためき、軍馬の蹄が大地を叩く。ノブ率いる王国軍、そしてアナハイム・バルトの連合軍は、南方防衛部隊との合流を目指して進軍していた。  

ノブの右にはアナハイム軍の指揮官**ゼクス・フォン・アナハイム**、左にはバルト軍の指揮官**ノックス・バルト**。どちらも百戦錬磨の指揮官であり、何よりノブの婚約者である**アリシア**と**フィオナ**の兄だった。  

ノブは二人を見渡しながら、静かに口を開いた。  
「……まさか、義兄弟となるお前たちと並んで戦場へ向かう日が来るとはな。」  

ゼクスは馬を軽く操りながら、余裕のある笑みを浮かべた。  
「俺も驚いているよ、ノブ王子。だが、アナハイムが王国を見捨てることはない。それに、アリシアが国を守るために動いたのなら、俺が援軍を出さない理由もない。」  

ノックスも静かに頷く。  
「フィオナからの手紙を読んだときは、すぐに兵を集めたよ。お前が彼女を守ろうとしているなら、それに応えない義兄はいない。」  

ノブは二人の言葉を聞き、ふっと笑った。  
「本当に感謝する、ゼクス、ノックス。王国を助けてくれたこと、決して忘れない。」  

ゼクスは無骨な笑みを浮かべ、ノブの肩を軽く叩いた。  
「義兄弟になるんだから、困った時はお互い様だろ?」  

ノックスも笑みを見せる。  
「そういうことだ。お前の国の戦いでもあるが、俺たちの家族の戦いでもある。だから、勝つぞ、ノブ。」  

ノブは彼らの視線を受け止めながら、静かにうなずいた。  

**「もちろんだ。王国の存亡をかけた戦いだ——勝つために、全力を尽くす。」**  

### **ゼクス・フォン・アナハイムの戦闘スタイル**  
ゼクスはアナハイム軍の伝統を受け継ぐ戦士であり、**冷静沈着な指揮官**として知られる。彼の戦法は、**重装騎兵を中心とした強固な布陣を作り、敵を確実に消耗させる堅実な戦術**だ。  

「アナハイム騎兵は直線突破を得意とする。防御陣を敷き、敵が混乱したところへ一気に叩き込む。それが俺たちの戦い方だ。」  

彼自身も剣の腕は王国屈指で、戦場では先陣を切ることを厭わない。だが、無謀な戦いは避け、戦況を冷静に分析しながら戦うタイプだ。  

「勝つためには、戦場を読むことが重要だ。無駄な犠牲は避けたい。」  

### **ノックス・バルトの戦闘スタイル**  
ノックスはバルト軍の中でも特異な戦士であり、**迅速果断な戦術を得意とする指揮官**だ。彼の戦法は、**機動力の高い遊撃兵と奇襲部隊を駆使し、敵の弱点を突いて戦場を支配する**スタイル。  

「速さこそ戦場での支配力だ。相手に考える時間を与えず、一気に撹乱する。それが俺たちバルト軍の戦い方だ。」  

彼自身も槍術の名手で、馬上槍での戦いでは彼に並ぶ者はいない。戦場では果敢に敵陣へ突撃し、戦線を乱しながら指揮を取る。  

「前線に出るのが俺の仕事だ。指示は出しながら戦う。待つなんて性に合わない。」  

### **ノブの作戦説明**  
ノブは二人に現在の状況と作戦を伝える。  

「まずは、**南方防衛部隊と合流し、戦線を強化する**。現時点で王国軍8万、俺の軍5万、そしてお前たちの連合軍10万。これで合計23万の兵力になる。」  

ゼクスが興味深そうに地図を確認しながら問う。  
「それでも、敵の40万にはまだ及ばないが……どう戦うつもりだ?」  

ノブは地図を指差しながら続ける。  
「敵の補給線を断ち、長期戦を避ける。リンゴー軍は持久戦を見据えた布陣を敷いているが、補給が滞れば撤退するしかなくなる。」  

ノックスが顎に手を当てながら言う。  
「奇襲部隊の運用か?」  

「その通りだ。」ノブは頷く。  
「少数精鋭の部隊を編成し、敵補給拠点を突く。うまくいけば、敵の行軍は遅れ、補給を絶たれた軍は前線維持ができなくなる。」  

ゼクスが冷静な口調で問う。  
「奇襲部隊の編成はどうする? アナハイム軍から選抜した兵を加えることもできるが。」  

ノブは考えながら答える。  
「王国軍とバルト軍からも精鋭を出す。補給拠点への襲撃は敵が最も警戒するだろう。慎重に動かねばならない。」  

ノックスは納得したように頷き、続けた。  
「では、我々は南方防衛部隊と合流し、戦線を維持。奇襲部隊が補給線を断てば、戦況は好転するはずだな。」  

ノブは、改めて二人を見渡した。  
「援軍として駆けつけてくれたこと、本当に感謝する。義兄弟として、お互いの国を守るために戦うのは、心強い。」  

ゼクスが笑みを見せる。  
「気にするな、ノブ。こうして肩を並べるのも、悪くない。」  

ノックスも静かに頷いた。  
「義兄弟として、お互いを支え合う。それが俺たちの誓いだ。」  

こうして、王国軍とアナハイム・バルトの連合軍**総勢30万**の兵士たちは、王国を守るために進軍を続ける。  

(続く)  
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