スローライフに憧れる伝説の王子

猫の手も借りたいおじさん

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73話

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**第七十三話:「要塞の守り—南の砦の全貌」**  

**南の大平原——王国軍砦**  

王国の広大な平野部を横切るように、巨大な砦がそびえ立っていた。これは単なる前線基地ではない。  

**この砦は古い時代から存在する要塞であり、ノブによって補修・強化された王国最後の盾である。**  

全長**25キロ**、高さ**15メートル**にも及ぶ圧倒的な壁は、王都への進軍を阻む**二重防壁**となっている。  

### **砦の構造**  
- **外壁と内壁の二重構造**  
  砦は**外側と内側の二重構造**を持っており、敵が第一の壁を突破したとしても、第二の防壁が彼らを阻む。  
- **壁の間に流れる小川**  
  壁と壁の間は**約500メートル**の広さがあり、その中央には小川が流れている。これは穀倉地帯へと水を供給する役割も果たしている。広大な空間によって、敵が外壁を突破してもすぐには内壁に到達できず、弓兵や魔術師による迎撃の余地が大きく確保されている。  
- **周囲の水車と農業施設**  
  周囲には水車が並び、穀倉地帯へ川の水を送っている。これにより、砦の背後に広がる農地は戦時下においても機能し続ける。  

### **防衛の要**  
- **長距離弓部隊と魔術師団の配置**  
  城壁上には王国の弓兵隊と魔術師団が配置され、敵を遠距離から攻撃できるように調整されている。壁の間の広大なスペースを活かし、敵が突破した場合でも複数層の迎撃が可能。  
- **機動力のある騎兵隊の準備**  
  内壁の側には騎兵の駐屯地が存在し、万が一突破された場合に迅速に迎撃可能な編成となっている。  

ノブはこの砦を王国防衛の要として、幾度となく改修を重ねてきた。  

**ノブの決意と最後の手段——**  

砦の巨大な壁を前に、ノブは馬を降りてじっとその構造を見上げた。  

「……出来れば**最後の手段**は使いたくない。」  

彼は小さく呟くが、その口調にはどこか割り切った響きも含まれていた。  

「だが、この兵力差はどうしようもないか……。」  

王国軍は援軍を加えて**30万**の戦力を得た。しかし、リンゴー軍はさらに増援を受け、**総計60万**の規模に達している。  

ノブは拳を握り締め、深く息を吸う。  

「敵の兵站を叩いた上で、**南の大平原へと誘導する**。ここを通るのは王都への最短ルートだから、必ず通るだろう。」  

彼は最後に砦の壁を叩き、低く呟いた。  

「ここで奴らを食い止めるしかない。」  

**王国軍は砦に集結し、リンゴー軍を迎え撃つ準備を開始する。**  

(続く)  
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