スローライフに憧れる伝説の王子

78話

**第七十八話：「補給線の破壊—奇襲と罠」**  

### **奇襲成功——敵補給線を寸断**  

夜の霧に包まれた国境付近。  

ノブ率いる王国軍の奇襲部隊は、敵の補給線を狙った攻撃を仕掛けた。  

補給隊を護衛するリンゴー兵たちは、王国軍の襲撃に驚き、防戦する間もなく壊滅した。  

「奇襲はあっけなく成功した。こちらの怪我人はゼロ。」  

ノブは馬上から戦場を見渡し、静かに状況を確認する。  

倒れたリンゴー兵、散乱する補給物資、焦りの表情を浮かべる生存兵。  

エルザが剣を納めながら、疑問を口にした。  

「敵も補給を狙うことは分かっているはず……なのに、警戒が甘すぎる。」  

ノブは小さく頷きながら、敵の補給隊を見下ろす。  

「何か裏があるかもしれん……だが今は考える時間はない。とりあえず、この物資を焼き払う。」  

ノブは短く指示を出し、王国軍の兵士たちが**補給物資へ火を放つ準備を開始する。**  

火が灯され、積まれた物資に燃え広がり始めた。  

**敵の補給線は壊滅——戦局は大きく揺らぎ始める。**  

### **さらなる奇襲——二度、三度の補給破壊**  

ノブは冷静に戦況を見極めながら、補給攻撃の継続を決意する。  

「この補給線が断たれれば、敵の前線は崩れる。もう一度仕掛けるぞ。」  

王国軍の奇襲部隊は迅速に移動し、次の補給隊を襲撃した。  

夜間の攻撃、素早い撤退、そして補給物資の完全破壊——この流れを繰り返し、**二度、三度と補給攻撃を成功させる。**  

火の手が上がり、敵の補給基地が次々と焼け落ちていった。  

「……これで、前線の兵たちは物資不足になる。」  

エルザは無言で頷きながら、燃え上がる炎を見つめていた。  

王国軍の作戦は成功しつつある——砦戦の裏で、補給線の断絶が進行していた。  

### **リンゴー軍の混乱——補給不足の危機**  

翌朝、リンゴー軍の指揮官たちは、連続する補給攻撃に深刻な懸念を抱いていた。  

「昨夜の襲撃で輸送隊が三度も焼き払われた……補給物資が足りなくなる！」  

食料、武器、魔力回復薬——すべての補給が減少し、兵士たちの士気にも影響を与えていた。  

「このままでは戦えない！補給路を守れ！」  

しかし、王国軍の襲撃は常に迅速であり、補給部隊の警戒を強化しても奇襲を完全に防ぐことは難しかった。  

「敵はどこから攻めてくる！？どこに潜んでいる！？」  

リンゴー軍の焦燥が戦場に広がり、王国軍の計略は着実に効果を発揮していた。  

**砦戦の裏で繰り広げられる補給破壊——それは戦局を大きく動かしつつあった。**  

### **リンゴー軍の罠——攻撃部隊の出現**  

ノブたちはさらに補給部隊を攻撃し、補給物資を燃やし尽くした。  

「これで戦況は決定的だ……そろそろ砦へ帰還しよう。」  

しかし、帰還のために馬を走らせようとした瞬間——  

**林の奥から、不穏な気配が漂う。**  

「……何だ！？」  

ノブが振り向くと、林の中から**大規模なリンゴー軍の攻撃部隊**が姿を現した。  

騎兵、弓兵、そして歩兵隊——数百の兵が一斉に布陣し、ノブ達を囲んでいた。  

「まずい……！」  

エルザが剣を構え、周囲を警戒する。  

**どうやら誘い込まれたらしい。**  

敵は王国軍が補給線を狙っていることを察知し、わざと脆弱な補給隊を配置して王国軍の襲撃を待っていた。  

「ここで仕留めるつもりか……！」  

ノブは剣の柄を握りしめながら、戦局を見極める。  

**王国軍の奇襲部隊は罠にかかった——撤退の道を封じられていた。**  

（続く）