某勇者パーティに最も大事にするべき仲間について語ってみた件

ふくまめ

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脳筋パーティ今日も行く!

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「お客さん、またかい。」
「す、すみません…。」

チラシの張り出しから戻ると、お父さんはお客さんの対応をしていた。
どうやら男3人組のようだ。というか、見覚えがありすぎる後ろ姿。

「かれこれ、4か月になるかしらねぇ。お兄さんたち。
 今まで何回もうちに来てくれるのに、持ち合わせが全く足りないの。」
「…これで冷やかしじゃないなんて、そろそろ無理があるんじゃないの?お母さん。」
「そうは言っても、お兄さんたち持ち合わせが足りないと思ってなかったって。」

それが本当の話だとしても、同じ店で同じ失敗を繰り返し続けられる神経が分からん。
そう、この3人組。
数か月前にこの街にやってきた冒険者のようなのだが、いつまでたっても次の町に向かう様子がないのだ。
普通うちの店に寄って行く冒険者は1,2か月で姿を見なくなるのに、このパーティはいつまでたっても顔を出す。
常連さんと喜ぶところ、と思ったあなた。残念。
この男たちは1ゴールドたりとも支払ったことが無いのだ。
毎度毎度会計の段階になって「お客様、お手持ちが足りないようですね。」これだ。
悪い意味ですっかり顔なじみになってしまった。

「何だよ、今日こそは買い物行くからって用意してたんじゃなかったのかよ。
 ウィル、こんなんじゃこの街から出て魔獣退治なんてできやしないぜ。」
「そうだよなぁ…。」
「いくら格闘家だって、素手で魔獣と戦うなんて無謀だし。
 戦士なのに木こりが持つような斧で戦うなんてしまらねぇだろ。なぁアレックス。」
「う、うん…。でもお金がないなら仕方がないよ。今回は出直そう?」
「今回はじゃねぇよ。今回も、だろ。」
「確かに、レイの言う通りだな。何とかしないと…。」

結局買い物ができなかった3人は私の横を通って出口へ向かう。
正直、こいつらの接客に割く時間がもったいない。だって確実に購入にこぎつけないんだから。

「てかどうして金がいつも足りねぇんだよ。」
「何でだろ。いつの間にか減っちゃってるんだよなぁ…。」
「むしろこの店の料金高ぇんじゃねぇの?」
「そ、そんなことはないと思うけど…。」

ちょっと待ちなさい。何で私たちのせいになるのよ。あんたたちの財布の薄さが問題なんでしょうが!
聞き捨てならないわ!

「ちょっとあんたたち!」
「え?」
「なんだよ、お前。」
「なんだよ、じゃないわよ!何度も何度も、会計になって初めてお金が足りないことに気づくなんて。
 自分たちのお財布の中にどれくらいお金が入っているか分からないの?
 子供だって自分の買い物に行くときは十分なお金を握りしめてお店に行くわよ!」
「何だと!オレたちが子供以下だって言ってんのか!?」
「ユイ、そのくらいにして止めなさい?」
「止めないでお母さん!お客さんならいざ知らず、この人たちは一度もお金を払っていったことが無いのよ。
 つまりお客さんではない。よって!理不尽な言いがかりには反論しなきゃ!」
「いや客でも理不尽な言いがかりには反論していいと思うよ。」
「気になるところそこじゃねぇだろ、ウィル。オレたちバカにされてるんだぜ?」
「で、でも、僕たちがお金持ってなくて、いつも買い物できずに帰るのは手持ちがいくらか分からないせいだよ。
 こ、この子が言ってることは、当たってるんじゃないかなぁ…?」
「アレックス、お前までそんなこと言うのかよ。いや、お前は強く言われたら反論できないタイプだもんな。」

どうやら話の分かるやつもいるみたいね。
さ、私たちへの失礼な物言いを謝罪して頂いて、きっちりお金を用意してからご来店くださいませー。

「ねぇキミ、もしよかったら俺たちがこれからどうしたらいいか教えてくれない?」
「え?」
「はぁ!?ウィル、本気で言ってんのか?こんなガキに…。」
「ガキじゃないわよ!この武器・防具屋「すずらん」の一人娘、ユイよ!」
「知らねえよ!オレは反対だぜ。」
「まぁまぁ、俺たちが装備を新調できない原因が分かるきっかけになるかもしれないじゃないか。」
「ぼ、僕も、いいと思う。自分たちだけでどうにかできる自信ないし…。」

なぜ文句を言ってやったら状況打破の指南をする流れになっているのか。
話の分かるやつはもしかしたら騒いでいるこいつの方なのかもしれない。

「ユイさん、俺たちにこれからどうするべきか、教えてくれるかい?
 もしこの状況が改善したら、このお店で絶対装備一式、揃えさせてもらうよ。」
「…いいわ、これから私が言うことを実践するならね。
 まずはあんたたち、お財布の中身、全部出しなさい。」
「「「は?」」」
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