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~ 第一章 売られた喧嘩 ~
第二話 因縁の相手
『ちょっと手強い相手かも知れない。大袈裟に言うと、フローズンレイン始まって以来の危機かな。最大のライバル登場ってカンジ』
電話で氷雨はそう告げた。
ジョリーをライバルと呼ぶには、実力差があり過ぎる。氷雨の言葉は解せなかった。ただ、因縁の相手と言うならしっくりくるかもしれない。
因縁と言ってもジョリーが一方的にこちらを意識し、常に絡んでくる非常に鬱陶しいものなのだが。
元々ジョリーは、古くからある婦人洋品店だった。長く続く経営不振を打開すべく、社名を変え、取扱商品すべてを若者向けにシフトチェンジしたのは数年前の出来事だ。
それだけならば何の問題もないのだが、ジョリーはフォーチュンの売れ筋商品を模倣し、更に安価で販売するという卑劣な手法を取った。ソックリならば抗議もできるが、アレンジを加えるので今のところ上手くすり抜けられている。
ただし、フォーチュンの真似しか出来ないジョリーに対する評価は冷ややかなもので、売り上げは右肩下がりが続き、衰退の一途をたどっていた。
そんな理由でジョリーの新ブランドに脅威は全く感じていなかったのだが、つい先ほど発表されたブランド名に、氷雨は思う所があったらしい。
新ブランド名は『clear day』。
日本語訳は、『快晴』だ。
一体何が引っかかったと言うのだろう。氷雨の考えを早く聞き出したくて、玲旺は走り続ける。
やがて前方に、五十メートルほど続く行列が見えてきた。表参道の路面に単独で出店すると聞いたときには無謀だと思ったが、「まさかジョリーにこれほど集客力があったとは」と驚く。氷雨の言っていた危機が現実感を持ち始めた。
玲旺は走るのをやめ、新店を横目に路地裏に入る。交通量の多い大通りとは雰囲気が一変し、そこには洒落た外観の一軒家風のショップが立ち並んでいた。
表参道の路地裏は個性的で魅力的なアイテムを取り扱う店も多く、若者に人気のエリアだ。
フローズンレインの二号店の話が出た時、表参道に出店するならば大通り沿いの商業施設のテナントが良いと、玲旺は頑なに推していた。立地も集客も申し分ないと考えたからだ。
しかし、氷雨から提示された一軒家の物件を見て、あっさりその意見を覆す。
「僕たちの、とっておきの秘密基地を作ろうよ。一軒丸ごと、好きなようにレイアウトしてさ。ここに来てくれるお客様も、きっとわくわくするよ」
売り場面積はこちらの方が二倍以上広いのに、路地裏ということもあって家賃はテナント料とそう変わらない。その上「秘密基地を作ろう」などと言われたら、商業施設は一瞬で色褪せて見えたし、実際に外観も含めた店舗作りは楽しくて仕方なかった。
電話で氷雨はそう告げた。
ジョリーをライバルと呼ぶには、実力差があり過ぎる。氷雨の言葉は解せなかった。ただ、因縁の相手と言うならしっくりくるかもしれない。
因縁と言ってもジョリーが一方的にこちらを意識し、常に絡んでくる非常に鬱陶しいものなのだが。
元々ジョリーは、古くからある婦人洋品店だった。長く続く経営不振を打開すべく、社名を変え、取扱商品すべてを若者向けにシフトチェンジしたのは数年前の出来事だ。
それだけならば何の問題もないのだが、ジョリーはフォーチュンの売れ筋商品を模倣し、更に安価で販売するという卑劣な手法を取った。ソックリならば抗議もできるが、アレンジを加えるので今のところ上手くすり抜けられている。
ただし、フォーチュンの真似しか出来ないジョリーに対する評価は冷ややかなもので、売り上げは右肩下がりが続き、衰退の一途をたどっていた。
そんな理由でジョリーの新ブランドに脅威は全く感じていなかったのだが、つい先ほど発表されたブランド名に、氷雨は思う所があったらしい。
新ブランド名は『clear day』。
日本語訳は、『快晴』だ。
一体何が引っかかったと言うのだろう。氷雨の考えを早く聞き出したくて、玲旺は走り続ける。
やがて前方に、五十メートルほど続く行列が見えてきた。表参道の路面に単独で出店すると聞いたときには無謀だと思ったが、「まさかジョリーにこれほど集客力があったとは」と驚く。氷雨の言っていた危機が現実感を持ち始めた。
玲旺は走るのをやめ、新店を横目に路地裏に入る。交通量の多い大通りとは雰囲気が一変し、そこには洒落た外観の一軒家風のショップが立ち並んでいた。
表参道の路地裏は個性的で魅力的なアイテムを取り扱う店も多く、若者に人気のエリアだ。
フローズンレインの二号店の話が出た時、表参道に出店するならば大通り沿いの商業施設のテナントが良いと、玲旺は頑なに推していた。立地も集客も申し分ないと考えたからだ。
しかし、氷雨から提示された一軒家の物件を見て、あっさりその意見を覆す。
「僕たちの、とっておきの秘密基地を作ろうよ。一軒丸ごと、好きなようにレイアウトしてさ。ここに来てくれるお客様も、きっとわくわくするよ」
売り場面積はこちらの方が二倍以上広いのに、路地裏ということもあって家賃はテナント料とそう変わらない。その上「秘密基地を作ろう」などと言われたら、商業施設は一瞬で色褪せて見えたし、実際に外観も含めた店舗作りは楽しくて仕方なかった。
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