Toy Soldier

教祖

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第一章

カエリミチ

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 四月の終わり頃。
 桜も散って夏に向けて新芽が徐々に太陽へ葉を伸ばし始める頃合い。
 新入生として、新たに高校生活をスタートさせた俺は決意を新たにしていた。
 それは、高校は帰宅部でいること。
 これを決めたのには訳がある。
 中学時代、半ば強制的に部活に入らなければならず、親からはできる限り運動部には入れとのお達し。
 お世辞にも運動神経がいいとはいえない俺が泣く泣く選んだのは、運動部で最も運動量が少ないと言われる卓球部であった。
 ノリと雰囲気でどうにか三年間を乗り切ろうと軽~い気持ちで入ったのが運の尽き。入って分かったのだがそこの卓球部、県下有数の強豪で、あわよくば全国を狙うとんでも部活だったのだ。
 毎日無駄に大変なメニューをこなしてヘトヘトになりながら帰路につく日々を送った。
 辛い日々をなんとか乗り越えたおかげでそれなりに友達も出来たが、おれは密かに心に決めた。
 高校は意地でも帰宅部に入って、アルバイトと恋愛に時間をフルで使おうと。
 幸い高校では部活の縛りもなく、俺はこれから始まる幸せ絶頂ライフに想いを馳せていた。
 今日も学校から帰ろうと校門へと向かう道すがら、周りの熱心な部活動勧誘を眺めながら歩いていると、突然目の前が真っ暗になり、手足の自由を奪われ、口には何かを突っ込まれ、感覚でどこかに運ばれていることを悟った。
 そして先ほどの一連の流れがあり、今に至る。
 この人の顔でこれを思い出したのは、学校内に貼られた部活勧誘ポスターでこの人の顔を拝んでいたから。
 紙の一面にデカデカとプリントされたこの人の顔は自信に満ち溢れていて、選挙ポスターにしか見えなかった。
 そういえば、クラスで兄貴が同じ学校を卒業したとかいうやつが言っていた気がする。
 サバイバルゲーム部は、部活動勧誘で新入生を拉致るらしいと。
 これで繋がった。
 つまり、俺はサバイバルゲーム部の部活動勧誘に巻き込まれたというわけか。

 いやはや納得・・・・・・できません!
 
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