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第三章 囚われの身から幸せへ
巻き戻し ヴァイオレットSide(1)
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奇妙な状況だ。
純斗の事務所の運転手が、人気若手俳優である純斗の迎えにワゴン車でアパートまでやってきた。マネージャーが助手席に乗っていたが、純斗は私を後部座席に乗せた。大学まで私を送ると言って純斗がきかなかったのだ。
そこになぜか、スーツを着た爽やか美青年のヒューも乗り込んできた。すると慌てて魔導師ジーニンも美青年を追って乗り込んできた。純斗の事務所のマネージャーは助手席から振り向いて、目をむいて怒った表情をしてきたが、純斗は完全無視していた。
「こちらがよく話している僕の大好きなとみちゃん。週刊誌に写真を撮られた時のためにも、バレないように何人も乗っていた方がカモフラージュになるでしょう」
純斗はマネージャーにそう説明した。マネージャは私と爽やか美青年と魔導師ジーニンをジロジロ見たが、諦めたような表情で頭を振って推し黙った。黙認ということか。
「会社には遅れると連絡したから大丈夫」
私と純斗に爽やかに説明した美青年は、「で?」と促してきた。
「ヴァイオレットのスキルを封じ込めたのは何だったの?あの後、原因が分かったの?」
「そうだ、俺もそれが聞きたかった」
純斗とスーツ姿の美青年に詰め寄られて、二人の顔面偏差値の高さに私はクラクラっときた。ぽつぽつと、あの後何があったかを私は説明した。
「君をカール大帝の妻にするだって!?」
「あぁ、世継ぎ問題か。最悪だ」
「カール大帝の乳母のシャーリーンが盲目的にカール大帝を甘やかしているという噂はあった。バリドン公爵家に術のかかった食料を仕入れさせていたとは、全く気づかなかったな」
「しかし、ソフィー妃と離婚してまで、次の妃に隣国ボアルネハルトの聖女を強制的に拉致して据える計画とは……」
純斗と爽やか美青年はボアルネハルトとハープスブートに関する知識レベルが同等で、非常に気が合った。
二人とも私の話を聞いておぞましいといった表情を互いに浮かべていた。
「ねえ、ヒューはビール純粋法を制定しようとしていたわね。それに反対する人はいたかしら?」
私はふと気になって聞いた。
「いたよ。ゼルニエ侯爵夫人とその夫のゼルニエ侯爵だ」
「シャーロットおばさまが?」
私は思わぬ名前が出てきて、驚きのあまりに動きを止めた。頭の中で何かが警告する。私はシャーロットおばさまを非常に信頼していた。10歳の時に突然死した母の葬式にも、一緒に馬車に乗って墓地に行ったぐらいだ。
しかし、最初の人生で親友だと思っていたマルグリッドが私を裏切っていたのは既に判明している。私が処刑される時、ヒューのそばにいたのはマルグリッドだった。彼女は私が火炙りの刑に処されるのを内心喜んで見ていたに違いない。
――私は信頼していた人に裏切られている。もし、シャーロットおばさまもそうなら……。
「以前にシャーロットおばさまが、継母のルイーズに説教していたのよ。自分の生まれ育った伯爵領の食べ物だけでなく、他の地の食料も食べなさいと説教していたわ。ただの偶然かもしれないけれど」
私の言葉を受けて、ヒューは考えながら話し始めた。
「不自然な言葉ではないが、今から考えると、継母ルイーズが自分の実家のベジューランダ伯爵領の食べ物に固執したことが、結果的にヴァイオレットを守っていたわけだから、ゼルニエ侯爵夫人が本当に何を意図していたかは、分からなくなるな」
「もしかすると……最後にソフィー妃が言いかけた言葉だ。『あなたの身近に本当の敵がいる』それは、思わぬ身近な人が本当の敵だと言っているのではないか?シャーロットおばさまなら、思わぬ身近な人だな」
純斗がハッとした様子で言った。
純斗はすっかりレキュール辺境伯のような話っぷりだった。助手席から私たちを時折振り返って見るマネージャーは、胡散臭いものを見つめるような目で私たちを見ている。何かの素人芝居に純斗を巻き込んでいると疑っていそうだ。
「彼女に動機はあるのだろうか」
「動機ゼルニエ侯爵夫人の高祖父はリチャード4世だ。父の国王陛下が死んで、ヒューが死んで、アルフレッドが死ぬと……ボアルネハルトの王位継承権第一位はゼルニエ侯爵夫人になる。僕はアルフレッドが僕の死を願うとは思えない」
ハンサムな爽やか青年はシャツのネクタイを緩めながら、遠くを見つめながら言った。魔導師ジーニンはじっと黙って、皆の話を聞いている。黒いワゴン車の外がまるで馬車道であるかのように、皆が中世の前世にどっぷりハマった会話を繰り広げていた。
私は目をつぶった。今頃、ヴァイオレットはカール大帝から逃げ延びただろうか。しかし、シャーロットおばさまが怪しいとなると、バリドン公爵邸に戻っても危ない。
「ジーニン、いますぐにやりなそう」
爽やかな美青年が言った。
「そうしよう!」
純斗も魔導師ジーニンにそう言った。そして助手席のマネージャーに切羽詰まった様子で声をかけた。
「マネージャー、ごめんなさい。まだ時間の猶予はあるよね?現場に30分到着が遅れると伝えてくれないかな。今日の俺の撮影はもっと遅くでもいいはずだから」
助手席のマネージャーは振り向いて、純斗の顔をじっと見たが、仕方ないと言った様子でうなずいた。
「オーケー」
「マネージャー、ありがとう!運転手さん、そこで車を停めてくれる?」
純斗は少し先に行った先のコンビニの駐車場を運転手さんに指定していた。
純斗の事務所の運転手が、人気若手俳優である純斗の迎えにワゴン車でアパートまでやってきた。マネージャーが助手席に乗っていたが、純斗は私を後部座席に乗せた。大学まで私を送ると言って純斗がきかなかったのだ。
そこになぜか、スーツを着た爽やか美青年のヒューも乗り込んできた。すると慌てて魔導師ジーニンも美青年を追って乗り込んできた。純斗の事務所のマネージャーは助手席から振り向いて、目をむいて怒った表情をしてきたが、純斗は完全無視していた。
「こちらがよく話している僕の大好きなとみちゃん。週刊誌に写真を撮られた時のためにも、バレないように何人も乗っていた方がカモフラージュになるでしょう」
純斗はマネージャーにそう説明した。マネージャは私と爽やか美青年と魔導師ジーニンをジロジロ見たが、諦めたような表情で頭を振って推し黙った。黙認ということか。
「会社には遅れると連絡したから大丈夫」
私と純斗に爽やかに説明した美青年は、「で?」と促してきた。
「ヴァイオレットのスキルを封じ込めたのは何だったの?あの後、原因が分かったの?」
「そうだ、俺もそれが聞きたかった」
純斗とスーツ姿の美青年に詰め寄られて、二人の顔面偏差値の高さに私はクラクラっときた。ぽつぽつと、あの後何があったかを私は説明した。
「君をカール大帝の妻にするだって!?」
「あぁ、世継ぎ問題か。最悪だ」
「カール大帝の乳母のシャーリーンが盲目的にカール大帝を甘やかしているという噂はあった。バリドン公爵家に術のかかった食料を仕入れさせていたとは、全く気づかなかったな」
「しかし、ソフィー妃と離婚してまで、次の妃に隣国ボアルネハルトの聖女を強制的に拉致して据える計画とは……」
純斗と爽やか美青年はボアルネハルトとハープスブートに関する知識レベルが同等で、非常に気が合った。
二人とも私の話を聞いておぞましいといった表情を互いに浮かべていた。
「ねえ、ヒューはビール純粋法を制定しようとしていたわね。それに反対する人はいたかしら?」
私はふと気になって聞いた。
「いたよ。ゼルニエ侯爵夫人とその夫のゼルニエ侯爵だ」
「シャーロットおばさまが?」
私は思わぬ名前が出てきて、驚きのあまりに動きを止めた。頭の中で何かが警告する。私はシャーロットおばさまを非常に信頼していた。10歳の時に突然死した母の葬式にも、一緒に馬車に乗って墓地に行ったぐらいだ。
しかし、最初の人生で親友だと思っていたマルグリッドが私を裏切っていたのは既に判明している。私が処刑される時、ヒューのそばにいたのはマルグリッドだった。彼女は私が火炙りの刑に処されるのを内心喜んで見ていたに違いない。
――私は信頼していた人に裏切られている。もし、シャーロットおばさまもそうなら……。
「以前にシャーロットおばさまが、継母のルイーズに説教していたのよ。自分の生まれ育った伯爵領の食べ物だけでなく、他の地の食料も食べなさいと説教していたわ。ただの偶然かもしれないけれど」
私の言葉を受けて、ヒューは考えながら話し始めた。
「不自然な言葉ではないが、今から考えると、継母ルイーズが自分の実家のベジューランダ伯爵領の食べ物に固執したことが、結果的にヴァイオレットを守っていたわけだから、ゼルニエ侯爵夫人が本当に何を意図していたかは、分からなくなるな」
「もしかすると……最後にソフィー妃が言いかけた言葉だ。『あなたの身近に本当の敵がいる』それは、思わぬ身近な人が本当の敵だと言っているのではないか?シャーロットおばさまなら、思わぬ身近な人だな」
純斗がハッとした様子で言った。
純斗はすっかりレキュール辺境伯のような話っぷりだった。助手席から私たちを時折振り返って見るマネージャーは、胡散臭いものを見つめるような目で私たちを見ている。何かの素人芝居に純斗を巻き込んでいると疑っていそうだ。
「彼女に動機はあるのだろうか」
「動機ゼルニエ侯爵夫人の高祖父はリチャード4世だ。父の国王陛下が死んで、ヒューが死んで、アルフレッドが死ぬと……ボアルネハルトの王位継承権第一位はゼルニエ侯爵夫人になる。僕はアルフレッドが僕の死を願うとは思えない」
ハンサムな爽やか青年はシャツのネクタイを緩めながら、遠くを見つめながら言った。魔導師ジーニンはじっと黙って、皆の話を聞いている。黒いワゴン車の外がまるで馬車道であるかのように、皆が中世の前世にどっぷりハマった会話を繰り広げていた。
私は目をつぶった。今頃、ヴァイオレットはカール大帝から逃げ延びただろうか。しかし、シャーロットおばさまが怪しいとなると、バリドン公爵邸に戻っても危ない。
「ジーニン、いますぐにやりなそう」
爽やかな美青年が言った。
「そうしよう!」
純斗も魔導師ジーニンにそう言った。そして助手席のマネージャーに切羽詰まった様子で声をかけた。
「マネージャー、ごめんなさい。まだ時間の猶予はあるよね?現場に30分到着が遅れると伝えてくれないかな。今日の俺の撮影はもっと遅くでもいいはずだから」
助手席のマネージャーは振り向いて、純斗の顔をじっと見たが、仕方ないと言った様子でうなずいた。
「オーケー」
「マネージャー、ありがとう!運転手さん、そこで車を停めてくれる?」
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