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第一章 波乱と契約婚の花嫁生活幕開け
妨害
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今、目の前には秋の紅葉に色付いた渓谷と赤紫色のヒースの花が見える。ここで、「振り返ってみれば私たちの結婚式まではあっという間に進んだ」と言えたらどんなにいいだろう。
しかし、決してそんなことはなかった。私はありとあらゆる妨害を受けた。
地味で冴えない、貧しい家出身の二番手の聖女が国の世継ぎである王子と結婚することは、高位貴族令嬢たちの激しい反感を買ったのだ。
それは、死の恐怖も感じる妨害工作だった。だが、結果的には逆にこのことが私の決意を固くさせるのに十分な効果を発揮した。
私は王子との秘密の契約婚を命をかけてでもやり遂げようと決意したのだ。
結婚が発表された夜、私は火が燃える音と煙の匂いで目が覚めた。
――煙臭い……?火?
私はハッとして起き上がった。小さな家中に煙が充満していて、キッチンではない方から火の手が上がっていた。
「火事だわっ!母さんっ!」
私はスキルを発動して大量の水を撒き散らして火を消そうとした。思わず窓ガラスに手元にあった本を投げつけた。ガラスが割れて、外の空気が一気に流れ込んだ。
――母さんっ!母さんっ!
私は必死に母の寝室に走った。母の部屋も煙で充満していて、私はスキルを発動して窓ガラスを吹き飛ばし、母の体を浮遊させて外に飛ばした。
走って自分も窓から飛び降りた。こういう激しいアクションには慣れている。聖女は危険な目に合う人々や王子を守る必要があるからだ。母の体はゆらゆらと燃え盛る家の上に揺らいでいた。母の体の下を火の粉が飛び、激しい炎が背中を赤く照りつけている。
「母さんっ!母さんっ!」
私は必死で母に呼びかけた。慣れているはずなのに気が動転して、自分のスキルのコントロールがうまくできない。手がぶるぶる震えてしまって、母を思うように地面まで下ろせなかった。母の体は屋根より高い位置で揺らいだままだ。
――どうしようっ!
焦る私は、母の名を叫ぶばかりだ。その時だ。
『ジュノ侯爵家のエリーゼ嬢に媚薬を盛られた』と言った王子の言葉が、私の頭に不意に蘇った。
――この火事も誰かに仕組まれたの?
私は冷や水を浴びたように、一瞬で背筋が寒くなった。
怖いが、母を巻き込んでまで私を殺そうとしたのならばと怒りを覚えた。
「フランソワーズ!」
通りの向こうの暗闇の中から、フェリックス・ブルックが血相を変えて走ってきた。近所の人たちも大勢通りに外に飛び出して来た。
「落ち着けっ!母親をゆっくり下ろせっ!大丈夫だから落ちつくんだ!」
私に駆け寄ってきながら、ブルックは私に向かって真剣に叫んだ。
ふと気づけば、近所中の皆が井戸から水を汲んできてくれていた。皆、必死に燃える私の家に水をかけてくれていた。
――みんな、ありがとう。でも、これは王子と結婚することを発表した私への報復かもしれない。
高位貴族令嬢の多くが王子と結婚したがっていたのは事実だ。
――そのうちの誰かが放火を仕組んだとしたら?
自分で思いついたその考えに対して沸々と怒りが湧いてきて、焦っていた気持ちは冷静になった。
集中しよう。
私が冷静にスキルをコントロールできるようになると、それまで当てもなく空気中を漂っていた母の姿がゆらゆらと空から降りてきた。地上に降りてきた母を、大人の男性たちが何人かで協力して受け止めてくれた。
「母さんっ!」
必死で呼びかける私に、母はゆっくりとうなずいた。母の意識はしっかりしているようだった。
私は安堵のあまりに泣きたくなったが、歯を食いしばって消火のスキルを発動した。
――お願いっ!雨も降って欲しい!
――火よ、鎮まれっ!
スキルで天気も操りたかったが、そこまでの力は私にはなかった。自分が不甲斐なくて情けなかった。私は必死に家の火が静まるようにスキルを発動し続けた。近所の人たちも懸命に井戸から水を汲んで走ってきて、水をかけてくれた。
いつの間にか王の騎士団が現れた。町の人と一緒になって消火活動に当たってくれていた。王の騎士団を仕切っているのは、クリフトン伯爵の子息のロバートだ。彼は王子の幼馴染で親友だ。寝起きですっとんで来てくれたらしく、赤毛の髪には寝癖がついてくしゃくしゃだった。
私と顔見知りでもある彼は、火の粉が飛び交う中でも勇敢に消火活動にあたってくれた。
「お怪我はないですか?」
ロバート・クリフトン卿は私を気遣って聞いてくれた。私は無言でうなずき、スキルを発動し続けた。そういえば、昨日は彼と待ち合わせをしていたのに、私はすっぽかしてしまったことに今気づいた。
「昨日は待ち合わせの場所に行けず、申し訳ありませんでした」
謝ると、ロバート・クリフトン卿は私に「それは大丈夫です!」と遮るように答えて、水を組む騎士たちの元に走って行った。
フェリックス・ブルックは私という金蔓がなくなるのが困るのかも知れないが、彼も消火を率先して手伝ってくれた。
目を覚まさなかったら、私も母もおそらく死んでいたのだろう。
明け方近くに火は消えたが、家はとてもではないが住める状態ではなかった。
母は近所の修道院に荷車で運ばれて、修道院がベッドを用意してくれて寝かしてくれた。
――これからどうしよう。
私は焼けた家の前で座り込んでいた。
そんな私をじろっと見てフェリックス・ブルックは言った。
「そんな所に座り込んでいる暇はないだろう。母親を受け入れてくれた修道院に行って休むんだ。お前を快く思わない奴は他にも沢山いるだろうから、こんなもので済むと思うな。命が助かっただけありがたいと思え」
ブルックは必死で消火活動をしてくれた。あの困った時にただ一人だけお金を貸してくれたみたいに、彼はまた助けてくれた。
私は我に返ってブルックを見上げた。巨人のような彼の体躯が普段は憎いのに、今日はそうでもない。火がおさまったのは、彼を始めとして近所の人が消火を手伝ってくれたからだ。
私はうなずいて、「ありがとう」とお礼を言った。
「別邸にどうぞと王子がおっしゃっています」
ロバート・クリフトン卿は私の隣にそっとやってきて私に声をかけてくれた。
王子の命を守るために王子に付き添う私は、王子にそんな提案をされたことは一度もなかった。
ただ今は、大好きな人に会いたかった。
私はススで汚れた二番手聖女だ。顔についたススを拭う気持ちの余裕も無く、ロバート・クリフトン卿が準備してくれた馬車で別邸に向かった。母は修道院で良くしてもらって眠っていたので、そのまましばらく預かっていただけることになったのだ。
「こちらをどうぞ」
馬車の中でロバート・クリフトン卿は私に濡れた布を渡してくれた。私がキョトンとしていると、優しい笑みを浮かべて顔をそっと指差す仕草をして、私に顔のススの事を教えてくれた。
私はスキルを使うことも忘れて、ひたすら顔のススを拭った。白い布はすぐに真っ黒に汚れた。
それを見て涙が出た。悔しくて怖くて、情けなくて涙が出てきた。
明け方の空はどこまでも澄み渡り、別邸までの道なりには夏のバラが鮮やかに咲いていた。やがて美しいお堀に囲まれた優美な別邸、ニーズベリー城が姿を現した。
明け方の赤い空を背景に佇むニーズベリー城のお堀の前に王子が従者と共に佇んで、静かに私を待っていた。
馬車がつくと、王子は私に手を差し伸べて馬車からおろしてくれた。こんな事は初めてだった。
「シンデレラ、君が無事で本当に良かった」
私の顔についたススをそっと指の腹で優しく撫でて、王子は私に見せたことも無かった優しい笑顔を見せた。王子の瞳が朝の太陽の下で輝き、私は胸がドクンとした。
「泣かないで。泣くのは僕の前だけにして」
王子にささやかれ、私は自分の目から涙が溢れていることに気づいた。
私は王子の乗る馬の前に一緒に座らされた。王子が後ろから私を抱き抱えるようにして馬を走らせていることに、胸の鼓動はずっと高鳴っていた。
私の目の涙はいつの間にか乾いていた。
「フランソワーズ、無事で本当に良かった」
王子の低い声が聞こえて、私は軽々と抱き抱えられて、馬から降ろされた。
今日だけ、王子は私を特別扱いしてくれる気だろうか。
――私の胸の鼓動に王子さまは気づいていらっしゃいませんよね……。
私は抱かれたまま、王子の腕の中で気を失った。
力が尽きたようだ。
私は心地よい腕の中ですっかり安心しきっていた。
「君がニーズベリー城の新しい女主人だ」
どこかで王子の声が聞こえた気がしたが、私は目覚めた時にはすっかり忘れていた。
しかし、決してそんなことはなかった。私はありとあらゆる妨害を受けた。
地味で冴えない、貧しい家出身の二番手の聖女が国の世継ぎである王子と結婚することは、高位貴族令嬢たちの激しい反感を買ったのだ。
それは、死の恐怖も感じる妨害工作だった。だが、結果的には逆にこのことが私の決意を固くさせるのに十分な効果を発揮した。
私は王子との秘密の契約婚を命をかけてでもやり遂げようと決意したのだ。
結婚が発表された夜、私は火が燃える音と煙の匂いで目が覚めた。
――煙臭い……?火?
私はハッとして起き上がった。小さな家中に煙が充満していて、キッチンではない方から火の手が上がっていた。
「火事だわっ!母さんっ!」
私はスキルを発動して大量の水を撒き散らして火を消そうとした。思わず窓ガラスに手元にあった本を投げつけた。ガラスが割れて、外の空気が一気に流れ込んだ。
――母さんっ!母さんっ!
私は必死に母の寝室に走った。母の部屋も煙で充満していて、私はスキルを発動して窓ガラスを吹き飛ばし、母の体を浮遊させて外に飛ばした。
走って自分も窓から飛び降りた。こういう激しいアクションには慣れている。聖女は危険な目に合う人々や王子を守る必要があるからだ。母の体はゆらゆらと燃え盛る家の上に揺らいでいた。母の体の下を火の粉が飛び、激しい炎が背中を赤く照りつけている。
「母さんっ!母さんっ!」
私は必死で母に呼びかけた。慣れているはずなのに気が動転して、自分のスキルのコントロールがうまくできない。手がぶるぶる震えてしまって、母を思うように地面まで下ろせなかった。母の体は屋根より高い位置で揺らいだままだ。
――どうしようっ!
焦る私は、母の名を叫ぶばかりだ。その時だ。
『ジュノ侯爵家のエリーゼ嬢に媚薬を盛られた』と言った王子の言葉が、私の頭に不意に蘇った。
――この火事も誰かに仕組まれたの?
私は冷や水を浴びたように、一瞬で背筋が寒くなった。
怖いが、母を巻き込んでまで私を殺そうとしたのならばと怒りを覚えた。
「フランソワーズ!」
通りの向こうの暗闇の中から、フェリックス・ブルックが血相を変えて走ってきた。近所の人たちも大勢通りに外に飛び出して来た。
「落ち着けっ!母親をゆっくり下ろせっ!大丈夫だから落ちつくんだ!」
私に駆け寄ってきながら、ブルックは私に向かって真剣に叫んだ。
ふと気づけば、近所中の皆が井戸から水を汲んできてくれていた。皆、必死に燃える私の家に水をかけてくれていた。
――みんな、ありがとう。でも、これは王子と結婚することを発表した私への報復かもしれない。
高位貴族令嬢の多くが王子と結婚したがっていたのは事実だ。
――そのうちの誰かが放火を仕組んだとしたら?
自分で思いついたその考えに対して沸々と怒りが湧いてきて、焦っていた気持ちは冷静になった。
集中しよう。
私が冷静にスキルをコントロールできるようになると、それまで当てもなく空気中を漂っていた母の姿がゆらゆらと空から降りてきた。地上に降りてきた母を、大人の男性たちが何人かで協力して受け止めてくれた。
「母さんっ!」
必死で呼びかける私に、母はゆっくりとうなずいた。母の意識はしっかりしているようだった。
私は安堵のあまりに泣きたくなったが、歯を食いしばって消火のスキルを発動した。
――お願いっ!雨も降って欲しい!
――火よ、鎮まれっ!
スキルで天気も操りたかったが、そこまでの力は私にはなかった。自分が不甲斐なくて情けなかった。私は必死に家の火が静まるようにスキルを発動し続けた。近所の人たちも懸命に井戸から水を汲んで走ってきて、水をかけてくれた。
いつの間にか王の騎士団が現れた。町の人と一緒になって消火活動に当たってくれていた。王の騎士団を仕切っているのは、クリフトン伯爵の子息のロバートだ。彼は王子の幼馴染で親友だ。寝起きですっとんで来てくれたらしく、赤毛の髪には寝癖がついてくしゃくしゃだった。
私と顔見知りでもある彼は、火の粉が飛び交う中でも勇敢に消火活動にあたってくれた。
「お怪我はないですか?」
ロバート・クリフトン卿は私を気遣って聞いてくれた。私は無言でうなずき、スキルを発動し続けた。そういえば、昨日は彼と待ち合わせをしていたのに、私はすっぽかしてしまったことに今気づいた。
「昨日は待ち合わせの場所に行けず、申し訳ありませんでした」
謝ると、ロバート・クリフトン卿は私に「それは大丈夫です!」と遮るように答えて、水を組む騎士たちの元に走って行った。
フェリックス・ブルックは私という金蔓がなくなるのが困るのかも知れないが、彼も消火を率先して手伝ってくれた。
目を覚まさなかったら、私も母もおそらく死んでいたのだろう。
明け方近くに火は消えたが、家はとてもではないが住める状態ではなかった。
母は近所の修道院に荷車で運ばれて、修道院がベッドを用意してくれて寝かしてくれた。
――これからどうしよう。
私は焼けた家の前で座り込んでいた。
そんな私をじろっと見てフェリックス・ブルックは言った。
「そんな所に座り込んでいる暇はないだろう。母親を受け入れてくれた修道院に行って休むんだ。お前を快く思わない奴は他にも沢山いるだろうから、こんなもので済むと思うな。命が助かっただけありがたいと思え」
ブルックは必死で消火活動をしてくれた。あの困った時にただ一人だけお金を貸してくれたみたいに、彼はまた助けてくれた。
私は我に返ってブルックを見上げた。巨人のような彼の体躯が普段は憎いのに、今日はそうでもない。火がおさまったのは、彼を始めとして近所の人が消火を手伝ってくれたからだ。
私はうなずいて、「ありがとう」とお礼を言った。
「別邸にどうぞと王子がおっしゃっています」
ロバート・クリフトン卿は私の隣にそっとやってきて私に声をかけてくれた。
王子の命を守るために王子に付き添う私は、王子にそんな提案をされたことは一度もなかった。
ただ今は、大好きな人に会いたかった。
私はススで汚れた二番手聖女だ。顔についたススを拭う気持ちの余裕も無く、ロバート・クリフトン卿が準備してくれた馬車で別邸に向かった。母は修道院で良くしてもらって眠っていたので、そのまましばらく預かっていただけることになったのだ。
「こちらをどうぞ」
馬車の中でロバート・クリフトン卿は私に濡れた布を渡してくれた。私がキョトンとしていると、優しい笑みを浮かべて顔をそっと指差す仕草をして、私に顔のススの事を教えてくれた。
私はスキルを使うことも忘れて、ひたすら顔のススを拭った。白い布はすぐに真っ黒に汚れた。
それを見て涙が出た。悔しくて怖くて、情けなくて涙が出てきた。
明け方の空はどこまでも澄み渡り、別邸までの道なりには夏のバラが鮮やかに咲いていた。やがて美しいお堀に囲まれた優美な別邸、ニーズベリー城が姿を現した。
明け方の赤い空を背景に佇むニーズベリー城のお堀の前に王子が従者と共に佇んで、静かに私を待っていた。
馬車がつくと、王子は私に手を差し伸べて馬車からおろしてくれた。こんな事は初めてだった。
「シンデレラ、君が無事で本当に良かった」
私の顔についたススをそっと指の腹で優しく撫でて、王子は私に見せたことも無かった優しい笑顔を見せた。王子の瞳が朝の太陽の下で輝き、私は胸がドクンとした。
「泣かないで。泣くのは僕の前だけにして」
王子にささやかれ、私は自分の目から涙が溢れていることに気づいた。
私は王子の乗る馬の前に一緒に座らされた。王子が後ろから私を抱き抱えるようにして馬を走らせていることに、胸の鼓動はずっと高鳴っていた。
私の目の涙はいつの間にか乾いていた。
「フランソワーズ、無事で本当に良かった」
王子の低い声が聞こえて、私は軽々と抱き抱えられて、馬から降ろされた。
今日だけ、王子は私を特別扱いしてくれる気だろうか。
――私の胸の鼓動に王子さまは気づいていらっしゃいませんよね……。
私は抱かれたまま、王子の腕の中で気を失った。
力が尽きたようだ。
私は心地よい腕の中ですっかり安心しきっていた。
「君がニーズベリー城の新しい女主人だ」
どこかで王子の声が聞こえた気がしたが、私は目覚めた時にはすっかり忘れていた。
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