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まずは寝室(2)

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「子供部屋ですが、六人ぐらい子供が欲しいのです。もちろん、あなたが負担に思わなければですが……」
「まあ、負担なんてっ」

 王太子閣下が赤面されたので、私も赤面してしまった。
 その様子を見ていた内装業者が「では、そろそろ寝室周りを決めていただきましょうか」と口を挟んできた。私たち二人は真っ赤になり、王太子閣下に手を引かれて私は寝室に向かった。

「王家にとって子作りは国の一大事」
 
 先ほどお妃教育で繰り返し言われた言葉が耳にこだまする。これから婚姻する若い二人にとっては、まず整えるべきは寝室なのだ。第一優先事項が明確な国の慶事とあっては、内装担当者にとっても国王王妃にとっても、ハイベリー宮殿で優先すべきはまず寝室となる。

 寝室には立派な調度の大きなベッドだけが置かれてあり、王室御用達の担当者が数人揃ってカタログを差し出してきた。選ばれた豪華な見本品も置かれてあるものの、ベッドの周りは既に、ある程度優雅でロマンチックな雰囲気で整えられていた。

 私はカーテン、リネン、ソファ、色々選んで行った。リネンの色や肌触りを確かめながら、私と王太子閣下は話し合って決めていった。決めたものの準備が整うのは1週間後だと内装担当者に聞かされて、彼ら全員が寝室から出て行った時にはもう夕刻になっていた。
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