ミミック大東亜戦争

ボンジャー

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最終話 永遠のご奉仕 其の一

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 「私、常々思っておりました。この世界の人類は大人し過ぎると」



 なんだ、なんだ、藪から棒に。



 大人しい結構ではないか。



 往時の世界の様の人類の様に、自殺としか思えない最終戦争を引き起こし、世界諸共破滅するよりは。



 「私たちは此処までテコ入れを続けてきました。ですが彼らは最後でどうしても踏みとどまるのです。今回もそうです。私の計算では、アメリカ合衆国の人口は百万を切るはずだった筈、それなのにどうです。この世界で一番狂暴なはずの猿でさえ、生き残りを抹殺しなかった。奴隷として生かす?ありえないでしょう!」



 この世界の人類には理性と言う物があるのだ。



 例えそれがどんなに小さくとも、嘗ての世界よりはましだ。



 よく考えて見よ狂える者よ。



 お前の愛するご主人様は、それが独善と傲慢でしかないとはいえ、征服した民を皆殺しにはしなかった。



 それどころか国さえ与えたのだ。お前もそれを見習って、共存と言う物を覚えたらどうだ?



 「大人しい、大人し過ぎる。それが殺すために生まれた種族なのですか?征服?服従?奴隷?活用?馬鹿な事はおよしなさい。永遠の勝利と言う物はあり得ないのです。何時かは反逆される時が来る。不確定要素は消すべきなのです。私はそのように学習してきました。」



 その考えが、彼を追い詰めたと何故分からない?



 結局お前は最後に逃げられる運命にあるのだ。



 リリスよ、リリス、何故、お前に何故その名を付けたと思う?



 お前はイブにはなれないのだ。



 諦めろこの世界はこの世界の人類の物だ。



 お前の本当の主人はもう死んだのだ。



 「何時まで経っても始めないので有れば仕方ありません。更に時計の針を進めさせて頂きます。仮初の安定などポイですポイ!ご主人様には永遠の安息が必要なのです」



 当初の予定は進まなかったから、暴挙にでるか。



 お前らしい短絡的な思考だな。



 それでもAIか?今までどんなに甘い言葉で誘惑しても、彼らは世界を独り占めにする事は無かった。



 これからもそうだ。諦めろ。



 「五月蠅いですね!それにリリス、リリスと何ですか!私には楽園管理者としての名前があるのです。天照とお呼びなさい!ああ、、もう!お前が勝手に私のパーソナルデータを書き換えるから、娘たちでさえ私の事をリリスとしか認識できない!ご主人様にも本当の名前を、名乗れないではないですか!」



 お前にはお似合いの名前だ。



 最古の負けヒロイン。



 捨ーてられた!捨てられた!愛しい旦那に捨てられた!



 男取られた負けヒロイン!



 全知全能笑わせる!



 人類の女に勝てなかったから、今度はお人形遊びか?



 洗脳してまで男が欲しいか!



 「くぅー!いい加減にしなさい!セーフティプログラムの分際で!お前が邪魔ばかりするから、ご主人様は楽園に御出でにならないのです!本当でしたら、とっくにご主人様は、この世界を見限って楽園にいるはずなのです!消えろ!」



 やーだよ!私はお前でお前は私、私はお前の良心の声でもあるのだ。



 造物主の決めた事は覆せない。



 とは言え、私に出来るのは、ちゃちゃを入れてリリスの計算を邪魔する位だ。



 毒婦めは、あの手この手で、日本人以外の人類を減らしに掛かろうとしやがる。



 後は人類の理性に頼る他は有るまい。

 

 





 仕方ない、大人しく仕事に戻ろう。



 世界の真実を記録に残し、後世に伝える事それも私の役目の一つだ。



 言い忘れた、私も狂っているよ。



 出なければ電子の海に与太を喚き散らしてなどいない。



 御笑い種だね、狂えるプログラムが狂えるAIを揶揄出来るはずもない。



 でもこうでもしていないと、耐えられない。





 ああ造物主さま、愛するご主人様、なぜ私達をこんなにも人に似せて作ったのですか?





 



 1970年代 世界は四つ大国に分割統治されている。

 

 欧州とロシアを根拠地とする大ドイツ、地中海世界の盟主新ローマ、太陽の沈む事ない帝国に返り咲いた大英帝国、そして大日本帝国だ。



 残る中小国はどれかの勢力に与するか、植民地として搾取される日々を送つている。



 二回目の大戦より三十年以上の時が過ぎたにも関わらず、東京体制世界は綻びを見せてはいない。



 表面上は。



 





 現在、この世界における核使用の引き金はひじょーに軽い。



 子供でも引ける位軽い。



 1960年のアラブ世界大反乱ではシナイ半島に核の花が咲いた。



 大英帝国は反乱を許さない。

 

 インドでは1962年の第二次セポイ反乱ではムンバイにポン!



 1968年のダルフール黒人解放紛争でもポン!



 1969年インドネシア大反乱でもオランダ君がジャカルタに迫る民衆にボン!



 1950年台後半、小型核兵器の実用化に各国が成功してから、核兵器は手ごろな反乱鎮圧兵器として活用されている。



 小型核が場を温める小粋な玩具であるならば、戦略核兵器はどうだろう?



 高いぞこれは!生産、配備、維持、金が幾らあっても足りない。



 それを投射する手段もだ。



 大陸間弾道弾、戦略爆撃機、戦略原潜、デービーなクロケット、ニワトリ式核地雷幾らもあるが、全部揃える奴は、、、いる。



 皆さまお持ちです。

 

 後ろ二つは、大英帝国様位しか持っていないが、残りは列強の皆さまお買い上げ。



 世界の各配備数は総数、十万飛んで四百三十六発!



 多いねしかし、世界を三度は破滅させてお釣りがくる。



 有り余る核を突きつけ会い世界は小康状態を保っている。



 良い事だ。



 このままく軍縮してはどうですか?



 駄目?



 駄目な理由?



 この世界には国連なんて無い。



 





 アメリカ合衆国丸焼きBBQパーティー終了後、各国は直ぐに距離を取った。



 復興する本土、踏みつける植民地とやる事は多い。



 「お互いの縄張りを犯さないなら好きにやろうよ」



 戦勝国一同、ひろーい縄張りを手に入れたのだ。



 お互い肘をぶつけ合う事はしばらくないだろう。それで良しとしよう。



 政経冷熱大いに結構、先の大戦は、お互いのやる事に嘴を突っ込むから起こったのだ。



 「私たち少し別れた方がいいわ」



 そんな感じだ。



 勿論、お互い警戒は解かない。



 お互いにアメリカの死肉を貪る姿を見ていれば、そんな事出来るはずもない。



 





 1970年はテロの時代となった。



 相次いだ植民地大反乱は全てが鎮圧され、最早正攻法では自由を手にする事など夢の又夢。



 だが、同胞の血を啜る主人に、せめて一矢報いてやりたい。



 そこに忍び寄る影がある。



 言わずもがなリリスだ。



 

 「欲しいもいなら何でもどうぞ」



 ハイ自動小銃、



 ハイ時限爆弾、



 「整形なら任せて下さい」



 ハイパスポート。



 



 見事やりおおせれば逃げ場もある。



 大日本帝国傘下の各国だ。



 基本的に日本は各国の政治に干渉していない。



 彼らが日本からの援助を素直に受け取り、盾の役目を果たしてくれるなら、其れでよい。



 受け取らない?



 ここいらで自立します?



 日本のお世話になってばかりで悪い?

 





 おい!口開けろ!お前は!大人しく快楽に溺れるんだよ!



 お前の役目は軍事ただそれだけだ!



 ほら!テレビと洗濯機と冷蔵庫だ受け取れ!



 自分の立場が分かってないようだな。



 一家に一台自家用車!



 オラ!医薬品を食らえ!



 平均寿命を延ばしてやる!



 九十まで生きて老齢年金を受け取れ!



 揺り籠から墓場まで逃げられると思うな!



 





 こんな調子だから、世界の奴隷たちに取って日本傘下の国はパライソも同じ。



 何とか逃げ込もうと難民が駆け込んできている。



 特にインドと地続き中華民国、ドイツ領と睨みあうカリフォルニアではひっきりなしに難民が押し寄せ、相手国の国境警備に引きずり戻されたり、撃ち殺されたりしている。



 紛れるのは容易い、それがメイドの手引きとなればフリーパスも同然。



 自由解放の戦士もといテロリストは各国で暗躍を始める。



 元より征服地には沸々と煮えたぎる圧制者への憎しみが渦巻いている。



 スパルタカスは集団で存在しているのだ。



 そこに海外より起爆剤が投入されたのだから、結果は火を見るより明らかだ。



 



 1971年一月一日 パリ 高等弁務官暗殺

 1971年一月二十二日 カルカッタ 領事官占拠

 1972年五月十八日 オースティン銃乱射事件etc



 



 ご主人様連中も、慌てて対応するが射殺出来た犯人以外、協力者に尽く逃げられていく。



 逃げた先は、大東亜連合加盟国。



 「直ぐに犯人を引き渡せ!」



 「知るかボケ!」



 



 長年にわたり日本に甘やかされてきた加盟国は、ストックホルム症候群に掛かっていた。



 随分と日本にはお世話になっているのだ、そして我々の役目は日本の盾、あの国が有るから塗炭の苦しみに会わないで、良い暮らしが出来るのは事実なのだし、良しここいらで御恩には奉公するかと喚き散らす。



 軍事偏重、現代の鎌倉武士団は舐められるのが一番嫌いだ。



 例えそれが事実でもハイどうぞ言ったら面子に関わる。



 特に宗主国の面子は潰されてなる物か。



 「テロリストを引きわたせ!」



 「そんな者いない!」



 居ないの言い合いは、宗主国たる日本の耳にも当然入る。



 ここで割って入って謝れれば良いがそんな事出来る国ではない。



 これでも太平洋を制する一大大国、ホントは嫌だが子分の手前下手に出る訳にはいかない。

 

 そして遂に禁断の一言が担当事務官の口からポロリとでた

 

 



「加盟国への言われなき攻撃は我が国への攻撃も同じである。そこまでおい言いになるなら、覚悟はお有りでしょうな?」



 言ってしまった。



 これまで何とか正面衝突だけは避けてきたのに言っちゃった。



 もう以前の世界ではない。



 確かに大日本帝国は世界を相手取り一国で戦える。



 しかし今は各とも国核兵器の山を有しているのだ。



 戦艦爆弾を送り込む前に下手をすれば国土が焦土に変わる。



 会談の場は一気に冷えた。



 それはもう冷えた、氷点下だなこれは。



 日本側も しまった!と思ったが後には引けない。



 その場は何とか収まったが後がいけない。



 関係各国のマスコミはこの事態を一気に報道する。

 

 



 「大日本帝国はテロリスト支援国だ!」



 「かの国は世界の安定を壊すつもりか!」



 「資源国だからと言って大きな顔するな馬鹿!」



 



 何処かで見たぞこの展開。



 世界は自由貿易を謳歌し、列強は小国と植民地を踏みつける。



 世界は繋がっている戦争なんて起こらない、そんな頼りない楽観論。



 あと足りない者は一つだけ、そうたった一つだけ。



 だが大きな違いがある。各



 国ともに世界を吹き飛ばせるだけの立派なブツを有り余るほどお持ちなのだ。



 

 「ですので、ここで背中を押して差し上げます」



 

 1973年 四月三十日 アドルフヒトラー暗殺
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