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JPホラーショー
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赤い花が咲いた。
アーカンソーの片田舎で。
ボストンの閑静な住宅街で。
デトロイトでブルカラーのアメリカ人として模範的に働くご家庭で。
甘い甘いお菓子の匂いに包まれて、赤くニクニクシイ花が咲いた。
御寝坊さんを起こしに来た母親が
体調が悪いと訴える子供を心配した父親が
赤く弾けて散っていく花を見た。
此処までして勝つ必要はあるのか?これは戦争なのか?
答えは無い。
次は誰が?何時何処で?
帝都東京ガ号機関庁舎
「この作戦になんの意味があるんですか!」
作戦の立案者である辻正信に食って掛かったのは、まだ幼い子どもを持つ一人の少佐だった。
意味があるとはとても思えないからだ。恐怖を与えるなら、何時もと同じく敵地に食い物の雨を降らせるだけで十分ではないか?
「子供を狙った攻撃なぞ外道の極みです!今すぐ中止すべきと具申いたします!」
かれの剣幕は凄まじい。もし自分の子供が同じ目にあったら?良識的な親である彼にとってこの作戦はとても許容できる物ではないのだ。
「あるぞ。十分にある」
辻は受け流す様に言った。何を今更と言う顔をしている。
当然だろう支那、ビルマは言うに及ばず、ソ連領に置いても糖蜜やらスコーンやらジャムやらで、都市を住民事、茶菓子に変えているのに、今更良識ぶるな、辻の顔にはそう書いてある。
「我が国はこのまま行けば勝てる。すんなり勝てる。ワシントンを米で埋め、ボストン港を紅茶で染めれば勝てる。だがそれではイカン」
「それの何がいけないのですか!それで良いではないですか!態々子供を狙わんでも!」
辻の言葉に少佐はもう一段ギアを上げた。このハゲ、ただ猟奇殺人が好きなだけだと考えている。
「落ち着け。だからイカンのだ。簡単に白旗を上げて貰っては困るんだよ」
辻正信。いや魔王の腰巾着たる大悪魔の答えは、冷酷な物であった。
「アメリカ人が何人いると思う?凡そ一億三千万だ。それを我れらは制圧しなければいけない。それも奪える物は出来うる限り無傷でだ。支那よりだだっ広い土地に広がる人間をだぞ?しかも全員ライフルで武装しておる」
「それと外道行為のに関係が!」
「だからな簡単に降伏して貰ってはこまるのだ。最後の最後まで、悪魔の権化たる我々に、必死に抵抗して貰うのだよ。子供を狙う外道が攻めてくるのだ、諦められんだろう?ん?今のお前の様に」
あっけらかんと悪魔は続ける。
「子供殺された親はどう思う?諦めるか?違う。怒りを燃やし、抗戦を叫ぶだろう。では無事な親は?まあ、厭戦するわな。果たして両者は和解できるか?出来まい?」
「大佐殿は何をお考えでなんですか!」
判りたくない。帝国は何時から悪鬼外道の住む国になったのだ?これでは、これでは、、、、
「分からんやつだな。アメさんは強い。その結束も悔しいが我が国の比ではない。支那を支配するのとは訳が違うのだ」
悪魔は残酷な真実を告げた、決定事項だと言わんばかりに。
「対立し、憎しみあい、隣人を政府を敵と見てもらわねばならん。ついでに数を減らす。お前は知らんだろうが教えてやろう。満州移民な、あれ引き上げる予定だ。行先は変更する西海岸だよ。だから、、、、」
「殺し合わせるのですか?子供をだしに、、、、」
少佐は肩を落とした。外道の国に帝国はなったのだ。元から酷かったが、少なくとも人が運営していた筈の国は、獣の倫理が支配する国に落ちたのだ。
「そうだ。これからはもっと酷くなるぞ、子供は破裂し、農業はズタズタ、ドイツにくれてやる予定の東海岸には爆撃が起きる。少佐、、諦めろ、、お前も同類なんだ、、皆で幸せになろうじゃないか」
大悪魔は満面の笑みを浮かべた。
1945年7月 ホワイトハウス
「ハーイ!皆さんお元気!今日も私は元気でーす!」
ラジオから矢鱈と姦しい声が聞こえる。
「東京ローズの今日のお天気よほー!カンザスには雨が降るでしょう!ああ、傘は必要ありませーん!だってぜーんぶ塩だからね!可哀そうな牛さん達、、、、これも何時までたっても諦めない、悪い子ちゃんたちのせいよねー!さあ此処でお便り!ペンシルヴァニアにお住まいのトム君から!何々~?「お母さんがおやつに甘い物をくれません」それは可哀そうねぇ。「チョコを一杯食べたいので送ってください」いいわよ~!お腹いっぱいたべてねぇ~!でも~もしかしたら本当にお腹が破裂しちゃうかも~!きゃはははh、、、、、」
「その忌々しいラジオを止めろ!」
合衆国大統領ハリー・S・トルーマンは、タブレットを操作する部下に怒鳴りつけた。
日本は近頃、中西部や東海岸の工業地区に対する爆撃(巨大な氷菓子でだ)の合間、この忌々しいラジオ放送と「今日のお天気」と題する爆撃予報を垂れ流すタブレットを落としてきている。
この場に持ち込みたくはないが、この放送が言っている事は真実なのだ。リアルタイムで聞いて対策を立てる必要がある。
このタブレット、回収しようにも、数が数で少なくない数が一般に流通してしまっていた。
流通しているのだ。
放送以外にも無断での映像コンテンツ配信や、音楽配信等が利用できる魔法の板を密かに利用している。
心理戦だとは分かっている。政府だとて無策ではない。必死にキャンペーンを打ち、敵の言葉に耳を貸さない様に訴えている。だが上手くいかない。
皆不安なのだ。訳が分からん内に、偉大なるステイツは追い詰められ様としてる。
だから国民は情報を求める。それが面白いのなら猶更だ。
「食料の備蓄は?」
怒りを収めた大統領は農務長官に尋ねる。
「持って一年でしょう。買い付けは進めていますが、南米諸国は渋っています。どうやら、ドイツから浸透を受けているようです」
「裏切り者共め、、、、アフリカの状況は?」
次第に離れつつある友好国に恨みを込めて呟いた後、大統領は戦況を尋ねた。
「海軍としましては、まず持って航路の安全は保障できます。Uボートも殆ど狩り尽くしたと見て良いでしょう。ドイツの戦力回復は再来年まで不可能かと見ています」
「陸軍としては、B29の爆撃による戦果は上がっております。ドイツを除く枢軸への攻撃は順調です。ですが、、、ドイツは新鋭のジェット機を投入しつつあります。来年には護衛なしでの爆撃は不可能かと、、」
報告は思わしくない。海上では無敵でも決定打が与えられない。損害を積み上げてはいるのだが、英国を下したドイツは次第に反撃能力を蓄えつつある。
「太平洋は、、、、聞くまでもないか、、、、戦力の回復はどうなっている?」
だが一番の問題は太平洋だ。
「ミッドウェー級空母も訓練を終え、配備可能です。エセックス級も数は揃えられましたが、、練度の面では、、あの敗北が痛いですな、、ですが、今の日本艦隊相手でしたら十分かと」
恐るべし合衆国!艦隊が三つは消えたと言うのに回復したのだ。其れ戦えるかは別であるが、真面にぶつかれば連合艦隊は粉砕されるであろう。
「それで良い。原子爆弾の生産は順調だ。一気に仕掛けてあの国を消滅させる、それまでは訓練を続けてくれ」
大統領は決意を固める様に言った。
もうなりふり等構わない。なんなら毒ガスだろうと細菌兵器だろうと使う!奴らは合衆国の国民を、、、、何の罪もない子供を狙っているのだ。
ここで勝負を決めなければ、、、あとひと月!あとひと月だ!
「所で~、今は暑いよねぇ!だから私達、アメリカの皆さまに冷たーいプレゼントをしようと思うの!」
「だから止めろと言ったろ!」
「失礼しました!突然音が、、、、」
突如大音量で鳴り響いたラジオ放送に、飛び上がった大統領の叱責が会議の場に響いた。
????
「ですって。どうします東条さーん?」
「計画は変わらんよ。最後の希望を摘み取るまでだ」
遠く離れた場所で、全てを把握している者が居ると神ならぬ合衆国大統領には知る由もなかった。
アーカンソーの片田舎で。
ボストンの閑静な住宅街で。
デトロイトでブルカラーのアメリカ人として模範的に働くご家庭で。
甘い甘いお菓子の匂いに包まれて、赤くニクニクシイ花が咲いた。
御寝坊さんを起こしに来た母親が
体調が悪いと訴える子供を心配した父親が
赤く弾けて散っていく花を見た。
此処までして勝つ必要はあるのか?これは戦争なのか?
答えは無い。
次は誰が?何時何処で?
帝都東京ガ号機関庁舎
「この作戦になんの意味があるんですか!」
作戦の立案者である辻正信に食って掛かったのは、まだ幼い子どもを持つ一人の少佐だった。
意味があるとはとても思えないからだ。恐怖を与えるなら、何時もと同じく敵地に食い物の雨を降らせるだけで十分ではないか?
「子供を狙った攻撃なぞ外道の極みです!今すぐ中止すべきと具申いたします!」
かれの剣幕は凄まじい。もし自分の子供が同じ目にあったら?良識的な親である彼にとってこの作戦はとても許容できる物ではないのだ。
「あるぞ。十分にある」
辻は受け流す様に言った。何を今更と言う顔をしている。
当然だろう支那、ビルマは言うに及ばず、ソ連領に置いても糖蜜やらスコーンやらジャムやらで、都市を住民事、茶菓子に変えているのに、今更良識ぶるな、辻の顔にはそう書いてある。
「我が国はこのまま行けば勝てる。すんなり勝てる。ワシントンを米で埋め、ボストン港を紅茶で染めれば勝てる。だがそれではイカン」
「それの何がいけないのですか!それで良いではないですか!態々子供を狙わんでも!」
辻の言葉に少佐はもう一段ギアを上げた。このハゲ、ただ猟奇殺人が好きなだけだと考えている。
「落ち着け。だからイカンのだ。簡単に白旗を上げて貰っては困るんだよ」
辻正信。いや魔王の腰巾着たる大悪魔の答えは、冷酷な物であった。
「アメリカ人が何人いると思う?凡そ一億三千万だ。それを我れらは制圧しなければいけない。それも奪える物は出来うる限り無傷でだ。支那よりだだっ広い土地に広がる人間をだぞ?しかも全員ライフルで武装しておる」
「それと外道行為のに関係が!」
「だからな簡単に降伏して貰ってはこまるのだ。最後の最後まで、悪魔の権化たる我々に、必死に抵抗して貰うのだよ。子供を狙う外道が攻めてくるのだ、諦められんだろう?ん?今のお前の様に」
あっけらかんと悪魔は続ける。
「子供殺された親はどう思う?諦めるか?違う。怒りを燃やし、抗戦を叫ぶだろう。では無事な親は?まあ、厭戦するわな。果たして両者は和解できるか?出来まい?」
「大佐殿は何をお考えでなんですか!」
判りたくない。帝国は何時から悪鬼外道の住む国になったのだ?これでは、これでは、、、、
「分からんやつだな。アメさんは強い。その結束も悔しいが我が国の比ではない。支那を支配するのとは訳が違うのだ」
悪魔は残酷な真実を告げた、決定事項だと言わんばかりに。
「対立し、憎しみあい、隣人を政府を敵と見てもらわねばならん。ついでに数を減らす。お前は知らんだろうが教えてやろう。満州移民な、あれ引き上げる予定だ。行先は変更する西海岸だよ。だから、、、、」
「殺し合わせるのですか?子供をだしに、、、、」
少佐は肩を落とした。外道の国に帝国はなったのだ。元から酷かったが、少なくとも人が運営していた筈の国は、獣の倫理が支配する国に落ちたのだ。
「そうだ。これからはもっと酷くなるぞ、子供は破裂し、農業はズタズタ、ドイツにくれてやる予定の東海岸には爆撃が起きる。少佐、、諦めろ、、お前も同類なんだ、、皆で幸せになろうじゃないか」
大悪魔は満面の笑みを浮かべた。
1945年7月 ホワイトハウス
「ハーイ!皆さんお元気!今日も私は元気でーす!」
ラジオから矢鱈と姦しい声が聞こえる。
「東京ローズの今日のお天気よほー!カンザスには雨が降るでしょう!ああ、傘は必要ありませーん!だってぜーんぶ塩だからね!可哀そうな牛さん達、、、、これも何時までたっても諦めない、悪い子ちゃんたちのせいよねー!さあ此処でお便り!ペンシルヴァニアにお住まいのトム君から!何々~?「お母さんがおやつに甘い物をくれません」それは可哀そうねぇ。「チョコを一杯食べたいので送ってください」いいわよ~!お腹いっぱいたべてねぇ~!でも~もしかしたら本当にお腹が破裂しちゃうかも~!きゃはははh、、、、、」
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合衆国大統領ハリー・S・トルーマンは、タブレットを操作する部下に怒鳴りつけた。
日本は近頃、中西部や東海岸の工業地区に対する爆撃(巨大な氷菓子でだ)の合間、この忌々しいラジオ放送と「今日のお天気」と題する爆撃予報を垂れ流すタブレットを落としてきている。
この場に持ち込みたくはないが、この放送が言っている事は真実なのだ。リアルタイムで聞いて対策を立てる必要がある。
このタブレット、回収しようにも、数が数で少なくない数が一般に流通してしまっていた。
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皆不安なのだ。訳が分からん内に、偉大なるステイツは追い詰められ様としてる。
だから国民は情報を求める。それが面白いのなら猶更だ。
「食料の備蓄は?」
怒りを収めた大統領は農務長官に尋ねる。
「持って一年でしょう。買い付けは進めていますが、南米諸国は渋っています。どうやら、ドイツから浸透を受けているようです」
「裏切り者共め、、、、アフリカの状況は?」
次第に離れつつある友好国に恨みを込めて呟いた後、大統領は戦況を尋ねた。
「海軍としましては、まず持って航路の安全は保障できます。Uボートも殆ど狩り尽くしたと見て良いでしょう。ドイツの戦力回復は再来年まで不可能かと見ています」
「陸軍としては、B29の爆撃による戦果は上がっております。ドイツを除く枢軸への攻撃は順調です。ですが、、、ドイツは新鋭のジェット機を投入しつつあります。来年には護衛なしでの爆撃は不可能かと、、」
報告は思わしくない。海上では無敵でも決定打が与えられない。損害を積み上げてはいるのだが、英国を下したドイツは次第に反撃能力を蓄えつつある。
「太平洋は、、、、聞くまでもないか、、、、戦力の回復はどうなっている?」
だが一番の問題は太平洋だ。
「ミッドウェー級空母も訓練を終え、配備可能です。エセックス級も数は揃えられましたが、、練度の面では、、あの敗北が痛いですな、、ですが、今の日本艦隊相手でしたら十分かと」
恐るべし合衆国!艦隊が三つは消えたと言うのに回復したのだ。其れ戦えるかは別であるが、真面にぶつかれば連合艦隊は粉砕されるであろう。
「それで良い。原子爆弾の生産は順調だ。一気に仕掛けてあの国を消滅させる、それまでは訓練を続けてくれ」
大統領は決意を固める様に言った。
もうなりふり等構わない。なんなら毒ガスだろうと細菌兵器だろうと使う!奴らは合衆国の国民を、、、、何の罪もない子供を狙っているのだ。
ここで勝負を決めなければ、、、あとひと月!あとひと月だ!
「所で~、今は暑いよねぇ!だから私達、アメリカの皆さまに冷たーいプレゼントをしようと思うの!」
「だから止めろと言ったろ!」
「失礼しました!突然音が、、、、」
突如大音量で鳴り響いたラジオ放送に、飛び上がった大統領の叱責が会議の場に響いた。
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毎週の月曜日00:00に次話公開を目指しています。
スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。
(2022.04.04)
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