世界は兄弟!皆死体!ネクロ大戦大日本

ボンジャー

文字の大きさ
18 / 60

熊は!悪くないクマ!

しおりを挟む
 ウラジオストク陥落!



 この知らせは、ソ連中央を震撼させた。



 十分な兵力を与えた上での、局地紛争と考えていた戦いでの大敗北なのだ。



 擁護するわけではないが、これはソ連側の認識が甘かったわけではない。



 史実のノモンハン事件であれば、圧倒的な勝利を収めていたであろう兵力が、極東には集積されていた筈なのだ。負ける方がおかしい。





 相手が死霊術であったとしてもだ。並みの死霊術師が、繰り出してくる死者の津波であれば、極東軍はこれを叩き返し、援軍の来訪を待った上で、返す刀でハルピン辺りまで進撃できたであろう。



 相手が悪いのだ。



 死霊術師永山は、現代戦争のど素人であるが、制空権が、勝利の要である事ぐらい知っているし、現代の砲兵火力が如何に強力かをしっている。



 そして彼の支配する(なんか近ごろ良いように利用されている気もする)帝国は、この時代の一応の近代国家である。彼のブレーンたる不死者は、如何に無限に近い兵力を持とうと、剣と馬で圧倒的な勝利が得られると思うほど能天気ではない。



 もしもの話であるが、ソ連がダークエイジの世界に召喚された、異世界国家であったなら、結果は変わっていただろう。



 



 ソ連を征服せんと襲いくる、暗黒の勢力は、現代軍について無知なのだ。



 悪戯に、大規模な死者でに平押しを続け、ソ連に研究させる時間を与えた上、空と陸から火力を叩きつけられ、本拠地たるカタコンペごと埋葬される運命を辿っているの違いない。



 死者の津波に対抗する手段は幾らでもある。



 火砲火砲と言っても、現代では、その種類は多い。



 重砲、野砲、平射砲、対戦車砲、山砲に迫撃砲、、、、



 迫撃砲などは骨津波対策に適任だろう。重機関銃、鉄条網、地雷で防御された陣地に一万や二万突っ込ませた所で、降り注ぐ擲弾でバラバラにされるのが落ち。



 その内、近代国家たるソ連は、軽戦車と野砲(重砲なんて贅沢だ)を主体とした部隊で、全戦線で反撃に打ってでるだろう。



 空からの攻撃も暗黒軍は対抗できない。I-16で全ては事足りる。新鋭機など不必要、複葉機で空はソ連の物だ。



 全ての暗闇を打ち破る、大神マルクスと、使途レーニンの加護の元、ソ連邦は、異世界を赤き光で清め、常しえに世界を支配する事になっただろう。

 

 

 

 でも駄目、この世界では駄目。



 いま、極東に忍び寄る魔の手は、相手のやり口をよーく知っている。



 手加減などしない。舐めた真似など絶対にしない。永山は、圧倒的な兵力で踏みつぶすのが、好きなのだ(だから死霊術師なんてジョブを選んだ)。



 

 



 夜の闇を一機の輸送機が飛んでいる。九七式輸送機。日本軍の輸送機だ。



 目的は、敵野戦飛行場への、空挺強襲である。



 どうやら首尾よく、目的地にたどり着いたようだ。良くもまあ、真っ暗闇の中、飛んでこれた物だが、パイロットは可視光に頼って飛んでいない。



 では何を頼って操縦してるのか?



 魂だ。



 獲物が発する温かい光を、幾ら離れていても、不死者の無常の目は逃さない。そして、夜は彼らの世界なのだ。 昼の日中に飛ぶ、不健康極まりない任務より、安心して操縦桿を握れる。それは、乗客にしても同じ事。



 乗客である、空挺部隊員を見てみよう。

 

 空挺とは大変な仕事だ。体中に必要な物を巻き付け、嵩張る落下傘なんて物を抱えて、、、、、?



 彼らは何一つ、空挺降下に必要な物を持ってない。

 その姿、ほぼ唯の歩兵。



 彼らは、目的地上空にたどり着くと、無言で立ち上がり、ハッチを開けて、、、



 飛び降りた。



 自殺にしか見えないが、躊躇なく飛び降りていく。



 落ちる、落ちる、落ちる、ドスン!



 グチャ!とかメキャ!とかビチャ!と言うグロテスクで、人が高度千メートル以上から、飛び降りたら、当然に聞こえる重力の洗礼による音はなかった。



 頭から地面に突き刺さり、藻掻いている阿呆はいるが、それは御愛嬌。今、仲間に引っこ抜かれたところだ。



 

 

 「何回やっても、慣れませんねこれ」



 「ボヤくな。これからは、落下傘なんて高価な物は使えん。早く慣れんと、またぞろ、地面と接吻する事になるぞ」



 引き抜かれた空挺隊員のボヤキに、引き抜いた方の隊員が、諦めろと言う風に答えた。その言葉には何とも言えない虚しさが漂っている。



 



 「肉体的に耐えられるなら、落下傘なんて必要ないよね!」

 

 と言う上からの鶴の一声で、空の神兵たちは、挺進兵から、自由落下歩兵に格下げされてしまっていた。



 「「そんな理由で人間を止めさせられるこっちの身になれ!」」



 空の神兵一同も抗議したのだが、問答無用で、全員化け物に変えられてしまったのだ。

 

 「近代化は、金は掛かるが、妖怪化ならタダ!」



 死霊術師の悪影響を受けた、帝国軍はフルスロットルで斜め上に突き抜けようとしてのだ。



 

 

 「金がない、金がない。嫌ですねぇ、化け物になっても金から逃げられないんだ。はぁ~あ、、行きますか」



 同僚に言葉に、自分もまた虚しさを覚えた隊員は、ため息をつき、任務を開始すべく、その姿を闇に消した、同僚の方また、相方に続いて行く。



 



 そして、悲鳴と僅かな咀嚼音が、風に乗り、辺りに響いた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-

ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。 1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。 わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。 だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。 これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。 希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。 ※アルファポリス限定投稿

ゲームコインをザクザク現金化。還暦オジ、田舎で世界を攻略中

あ、まん。
ファンタジー
仕事一筋40年。 結婚もせずに会社に尽くしてきた二瓶豆丸。 定年を迎え、静かな余生を求めて山奥へ移住する。 だが、突如世界が“数値化”され、現実がゲームのように変貌。 唯一の趣味だった15年続けた積みゲー「モリモリ」が、 なぜか現実世界とリンクし始める。 化け物が徘徊する世界で出会ったひとりの少女、滝川歩茶。 彼女を守るため、豆丸は“積みゲー”スキルを駆使して立ち上がる。 現金化されるコイン、召喚されるゲームキャラたち、 そして迫りくる謎の敵――。 これは、還暦オジが挑む、〝人生最後の積みゲー〟であり〝世界最後の攻略戦〟である。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

処理中です...