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第三章 復活
第二節 dragonknight
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ドドラグラ族の騎士たちは、密林を切り拓きながら進んだ。
五〇人の騎士を、五人編成の一〇部隊に分けている。その内の先鋒が、手斧や鉈を使って樹を伐り倒し、道を作る。適当な所で役割を後退しながら、敵と出会った場合には戦闘に入る心算だ。
四人で菱形を作り、一人を囲むように進んでいる。四方から攻撃されて一人がやられたとしても、その間に他の騎士が敵への対処を出来るようにする為だ。ドドラグラ族たちは、ダイヤの陣と呼んでいるらしかった。
ドドラグラ族の部隊は、何れも、ヴァーマ・ドゥエルの砦を見下ろす、背の高い崖を臨む位置にやって来ている。あの崖の各所に見張りが立ち、既にドドラグラ族の部隊の位置は把握されている筈だった。
しかし誰もが、ヴァーマ・ドゥエルの反撃を考えてはいなかった。平和の一族である彼らは、いきなり戦いを仕掛けるような事を今までしなかったからだ。それに、戦闘は主に接近戦になる筈で、そうなった場合はドラグール――龍の名を持つ龍殺しの一団が、未開の蛮族に敗ける訳がなかった。
だが、ドドラグラ族を迎えたのは、遠距離からの攻撃であった。
木の枝を手折り、鋭く尖らせたものを、植物の蔓の弾性を利用して遠くまで飛ばす武器――弓矢によるものだった。
それが、一度上空に伸び上がり、弧を描いて、重力を加えて素早く地上のドドラグラ族たちに降り注ぐ。
又は斜めに鋭く一直線に、木々の間を縫って襲って来た。
警告もなしにいきなり攻撃を仕掛けて来るとは些か予想から外れてはいたが、洗練された技術ではない。鎧の薄い部分に当たれば貫通しないという事はないかもしれないが、そのまま進撃しても問題はないくらいの威力だった。
そう思って油断していると、やけに速い矢が飛来し、ごつんという音と共に鎧を貫く場合があった。一番分厚い胸のプレートでさえ、陥没させてしまうくらいの威力だ。
翡翠の矢じりだ。
ヴァーマ・ドゥエルの民にとって、この密林は庭のようなものだ。又、自然の中で暮らす彼らは、文明の発達した都市からやって来たドドラグラ族以上に鋭い感覚を持っている。視覚、聴覚、嗅覚、そして直観に至るまで、この密林に於いてはヴァーマ・ドゥエルに勝る者は、ドドラグラ族にはいなかった。
だから、森の中を進むドドラグラ族の騎士たちを狙い撃ちに出来る。
しかしそれでも、樹の陰に隠れて慎重に進めば、矢は殆ど当たらない。
かと思うと、今度は空気を重々しく唸らせて、人の頭くらいの何ものかが飛翔した。
細い枝を圧し折って、陰に隠れていたドドラグラ族の騎士の兜をひしゃげさせたのは、大きな石だ。
大の男が一抱えにしても、それなりに重量を感じるくらいの大きな石。
そんなものを崖の上から飛ばしてぶつけられれば、幾ら鉄の鎧と言っても一溜まりもない。
ドドラグラ族が驚いたのは、それだけの重量を持つ物体を、あのような距離から投擲する技術を彼らが持っていた事である。
威力の低い矢、石の矢じりを使った矢と、ドドラグラ族を油断させて置いて、本命の巨石投擲によって相手を全滅させる――それがヴァーマ・ドゥエルの作戦であるようだった。
考えてみれば、ヴァーマ・ドゥエルの砦は石造りの城塞だ。高い壁に守られた都市を造り上げるような者たちであり、鉄を製錬する技術は持たずとも、石を運用する術に於いては高度な技術を誇る筈である。
平和の都を謳っていたので今まで使わなかっただけで、その高度な技術を戦いに活用する事も、出来ていて当然であった。
ドドラグラ族は、相手が未開の地に住まう蛮族だと決め付けて掛かった為、思わぬ大打撃を受ける事となったのである。
だが――
およそ五〇名のドラグールの軍勢は、途中から五名編成の一〇部隊に分かれている。
一〇の部隊の中で、最も後方に位置していた部隊の中に、ダブーラが驚いた、ヒヒイロカネの鎧を身に着けた男がいた。
鎧と言っても、ヒヒイロカネ製の部分は右腕だけだ。
ドドラグラ族の身に着けている鎧は、くすんだ銀色の光沢を放っている。鉄の特徴だ。しかしヒヒイロカネの表面は薄っすらと赤い光を放っているように見えた。
「意外とやるもんだなぁ……」
右腕にヒヒイロカネの鎧を纏った男は、ぼんやりと呟いた。
体格はそこまで立派な訳ではなく、重装甲の騎士たちと比べると、寧ろ小柄に見えるくらいだった。
だがそれは、その男が纏う鎧そのものが、他の騎士たちのものよりも薄く、軽量に造られているからだ。
「如何致しますか、バラド候……」
騎士の一人が言った。敬語を用い、爵位を付けている事から、バラドと呼ばれた人物の地位の高さが伺える。
バラドはうーんと唸りながら、一歩前に出て、右腕を頭上に掲げた。陽光を反射する赤い鎧の煌きが、崖の上の投擲部隊からも確認出来ただろう。忽ちバラドに向けて、人頭大の石が投げ付けられた。
バラドはその石を、握り込んだ右の拳で軽々と打ち砕いてしまった。矢継ぎ早に迫った他の巨石も、炎を絡めたが如く右腕を振るうと、またたく間に粉と砕かれてしまうのだ。
「大したものだな、オリハルコンの鎧は……」
バラドは薄手の兜の奥で、にんまりと唇を吊り上げていた。樹の陰に身を隠した部隊の騎士たちは、分かっていても驚きを隠せない。
「バラド候! 無茶はおやめ下さい! 他の部位に直撃すれば……」
「分かってる、分かってる。俺の鎧はお前たちのものよりも軽くて薄い。だがな、こいつを十二分に使うには、その方がやり易いんだよ。何せ、オリハルコンの鎧は、軽いくせに通常の鉄の鎧の何倍もの硬さがあるのだからな――」
バラドの装着した鎧は確かに軽量で、他の鈍重な騎士たちではとても躱せない弓矢での攻撃も、軽やかなステップで回避してしまっている。それは全て、ヒヒイロカネ……彼らがオリハルコンと呼ぶ赤みを帯びた金属の特殊な性質によるものだ。
バラドの言うように、オリハルコンは極めて軽いが、通常の騎士たちが纏っている鎧の兜を思い切り叩き付けても傷一つ付かないくらいに頑丈だ。熱伝導率は極めて悪く、装着したまま太陽の下に何時間いても火傷一つ負わない。だのに、枝の梢に点けたほんの小さな火を近付けるだけで、湯を沸かせるくらいだった。
その軽量な鎧が全身揃っていれば良いのだが、ドドラグラ族が手に入れたのはその右腕部分だけであった。折角手にした不可思議な鎧を使わない手はないが、通常の鎧では同じ形状でも重さのバランスがおかしくなってしまう。そこでバラドの鎧は、オリハルコンと同じ重量にするべく、防御力など皆無に等しい薄手の造りになっているのだ。
「しかし――」
「それに、俺の運動能力の高さはお前たちも知っているだろう? 誰か、鎧を着たままの組打ちや駆けっこで、俺に勝てた奴がいるのか?」
バラドは眼の前に迫った石を右手で受け止めると、それを逆に投げ返した。ヴァーマ・ドゥエルの投擲機程の飛距離までは届かないものの、人の手で投げるよりも遥かに高く、遠くまで飛んだ。
「そうだ、そもそも俺は、合戦なんて気が進まねぇんだよな。やるならやっぱり、男と男、一対一の決闘って奴でよ、全てを決めたい所だねぇ」
バラドはそう言うと、いきなり隊列に関係なく飛び出した。森の中を風のように駆け抜けて、木々を右腕の鎧で伐り倒しながら進撃し、あっと言う間に崖の手前まで辿り着いてしまった。
「よぉ、ヴァーマ・ドゥエルの諸君! 俺と一対一で決着を付けねぇか!?」
バラドは赤い右腕を突き上げて、そんな事を叫んだ。
「何だ、あいつは……」
オウマは櫓から外の様子を眺めつつ、右拳を振り上げる軽装の男に眉を顰めた。
あの赤い鎧は、先程、崖から投擲した石を投げ返した者だった。目立つくせにやたらと素早く、狙いをつけにくい上に、確実に当たったと思ったら矢を躱したり、石を受け止めたり、破壊したりする。
「何て言ってるんだ、あいつ」
オウマは近くにいた者に訊いた。オウマは他の部族の言葉が分からない。オウマに質問された人物が、別の誰かに質問し、別の集落の言葉が分かる人間がそれを訳した。
「一対一での決闘を望んでいるようです」
「決闘だと? 莫迦じゃないのか」
「そうだとは思うのですが、その……」
通訳が出来る男は言い淀みながらも、オウマに告げた。
「長老や戦士長ガムラが、その要求を呑むという事でした……」
ダブーラは木の葉で樹上に身を隠して、バラドを追った。自分たちしか持っていない筈のヒヒイロカネの鎧を身に着けた男を、放っては置けなかった。幸い、遠距離の武器はバラドにのみ集中し、余程の下手を撃たなければダブーラには当たらなかった。
ダブーラはバラドが容易にヴァーマ・ドゥエルの砦の門の前に辿り着いた事に驚きながらも、息を潜めて彼の動向を見守っていた。
バラドが一頻り騒いだ後、弓矢や投石がやみ、やがて砦の門が、ゆっくりと開き始めた。
五〇人の騎士を、五人編成の一〇部隊に分けている。その内の先鋒が、手斧や鉈を使って樹を伐り倒し、道を作る。適当な所で役割を後退しながら、敵と出会った場合には戦闘に入る心算だ。
四人で菱形を作り、一人を囲むように進んでいる。四方から攻撃されて一人がやられたとしても、その間に他の騎士が敵への対処を出来るようにする為だ。ドドラグラ族たちは、ダイヤの陣と呼んでいるらしかった。
ドドラグラ族の部隊は、何れも、ヴァーマ・ドゥエルの砦を見下ろす、背の高い崖を臨む位置にやって来ている。あの崖の各所に見張りが立ち、既にドドラグラ族の部隊の位置は把握されている筈だった。
しかし誰もが、ヴァーマ・ドゥエルの反撃を考えてはいなかった。平和の一族である彼らは、いきなり戦いを仕掛けるような事を今までしなかったからだ。それに、戦闘は主に接近戦になる筈で、そうなった場合はドラグール――龍の名を持つ龍殺しの一団が、未開の蛮族に敗ける訳がなかった。
だが、ドドラグラ族を迎えたのは、遠距離からの攻撃であった。
木の枝を手折り、鋭く尖らせたものを、植物の蔓の弾性を利用して遠くまで飛ばす武器――弓矢によるものだった。
それが、一度上空に伸び上がり、弧を描いて、重力を加えて素早く地上のドドラグラ族たちに降り注ぐ。
又は斜めに鋭く一直線に、木々の間を縫って襲って来た。
警告もなしにいきなり攻撃を仕掛けて来るとは些か予想から外れてはいたが、洗練された技術ではない。鎧の薄い部分に当たれば貫通しないという事はないかもしれないが、そのまま進撃しても問題はないくらいの威力だった。
そう思って油断していると、やけに速い矢が飛来し、ごつんという音と共に鎧を貫く場合があった。一番分厚い胸のプレートでさえ、陥没させてしまうくらいの威力だ。
翡翠の矢じりだ。
ヴァーマ・ドゥエルの民にとって、この密林は庭のようなものだ。又、自然の中で暮らす彼らは、文明の発達した都市からやって来たドドラグラ族以上に鋭い感覚を持っている。視覚、聴覚、嗅覚、そして直観に至るまで、この密林に於いてはヴァーマ・ドゥエルに勝る者は、ドドラグラ族にはいなかった。
だから、森の中を進むドドラグラ族の騎士たちを狙い撃ちに出来る。
しかしそれでも、樹の陰に隠れて慎重に進めば、矢は殆ど当たらない。
かと思うと、今度は空気を重々しく唸らせて、人の頭くらいの何ものかが飛翔した。
細い枝を圧し折って、陰に隠れていたドドラグラ族の騎士の兜をひしゃげさせたのは、大きな石だ。
大の男が一抱えにしても、それなりに重量を感じるくらいの大きな石。
そんなものを崖の上から飛ばしてぶつけられれば、幾ら鉄の鎧と言っても一溜まりもない。
ドドラグラ族が驚いたのは、それだけの重量を持つ物体を、あのような距離から投擲する技術を彼らが持っていた事である。
威力の低い矢、石の矢じりを使った矢と、ドドラグラ族を油断させて置いて、本命の巨石投擲によって相手を全滅させる――それがヴァーマ・ドゥエルの作戦であるようだった。
考えてみれば、ヴァーマ・ドゥエルの砦は石造りの城塞だ。高い壁に守られた都市を造り上げるような者たちであり、鉄を製錬する技術は持たずとも、石を運用する術に於いては高度な技術を誇る筈である。
平和の都を謳っていたので今まで使わなかっただけで、その高度な技術を戦いに活用する事も、出来ていて当然であった。
ドドラグラ族は、相手が未開の地に住まう蛮族だと決め付けて掛かった為、思わぬ大打撃を受ける事となったのである。
だが――
およそ五〇名のドラグールの軍勢は、途中から五名編成の一〇部隊に分かれている。
一〇の部隊の中で、最も後方に位置していた部隊の中に、ダブーラが驚いた、ヒヒイロカネの鎧を身に着けた男がいた。
鎧と言っても、ヒヒイロカネ製の部分は右腕だけだ。
ドドラグラ族の身に着けている鎧は、くすんだ銀色の光沢を放っている。鉄の特徴だ。しかしヒヒイロカネの表面は薄っすらと赤い光を放っているように見えた。
「意外とやるもんだなぁ……」
右腕にヒヒイロカネの鎧を纏った男は、ぼんやりと呟いた。
体格はそこまで立派な訳ではなく、重装甲の騎士たちと比べると、寧ろ小柄に見えるくらいだった。
だがそれは、その男が纏う鎧そのものが、他の騎士たちのものよりも薄く、軽量に造られているからだ。
「如何致しますか、バラド候……」
騎士の一人が言った。敬語を用い、爵位を付けている事から、バラドと呼ばれた人物の地位の高さが伺える。
バラドはうーんと唸りながら、一歩前に出て、右腕を頭上に掲げた。陽光を反射する赤い鎧の煌きが、崖の上の投擲部隊からも確認出来ただろう。忽ちバラドに向けて、人頭大の石が投げ付けられた。
バラドはその石を、握り込んだ右の拳で軽々と打ち砕いてしまった。矢継ぎ早に迫った他の巨石も、炎を絡めたが如く右腕を振るうと、またたく間に粉と砕かれてしまうのだ。
「大したものだな、オリハルコンの鎧は……」
バラドは薄手の兜の奥で、にんまりと唇を吊り上げていた。樹の陰に身を隠した部隊の騎士たちは、分かっていても驚きを隠せない。
「バラド候! 無茶はおやめ下さい! 他の部位に直撃すれば……」
「分かってる、分かってる。俺の鎧はお前たちのものよりも軽くて薄い。だがな、こいつを十二分に使うには、その方がやり易いんだよ。何せ、オリハルコンの鎧は、軽いくせに通常の鉄の鎧の何倍もの硬さがあるのだからな――」
バラドの装着した鎧は確かに軽量で、他の鈍重な騎士たちではとても躱せない弓矢での攻撃も、軽やかなステップで回避してしまっている。それは全て、ヒヒイロカネ……彼らがオリハルコンと呼ぶ赤みを帯びた金属の特殊な性質によるものだ。
バラドの言うように、オリハルコンは極めて軽いが、通常の騎士たちが纏っている鎧の兜を思い切り叩き付けても傷一つ付かないくらいに頑丈だ。熱伝導率は極めて悪く、装着したまま太陽の下に何時間いても火傷一つ負わない。だのに、枝の梢に点けたほんの小さな火を近付けるだけで、湯を沸かせるくらいだった。
その軽量な鎧が全身揃っていれば良いのだが、ドドラグラ族が手に入れたのはその右腕部分だけであった。折角手にした不可思議な鎧を使わない手はないが、通常の鎧では同じ形状でも重さのバランスがおかしくなってしまう。そこでバラドの鎧は、オリハルコンと同じ重量にするべく、防御力など皆無に等しい薄手の造りになっているのだ。
「しかし――」
「それに、俺の運動能力の高さはお前たちも知っているだろう? 誰か、鎧を着たままの組打ちや駆けっこで、俺に勝てた奴がいるのか?」
バラドは眼の前に迫った石を右手で受け止めると、それを逆に投げ返した。ヴァーマ・ドゥエルの投擲機程の飛距離までは届かないものの、人の手で投げるよりも遥かに高く、遠くまで飛んだ。
「そうだ、そもそも俺は、合戦なんて気が進まねぇんだよな。やるならやっぱり、男と男、一対一の決闘って奴でよ、全てを決めたい所だねぇ」
バラドはそう言うと、いきなり隊列に関係なく飛び出した。森の中を風のように駆け抜けて、木々を右腕の鎧で伐り倒しながら進撃し、あっと言う間に崖の手前まで辿り着いてしまった。
「よぉ、ヴァーマ・ドゥエルの諸君! 俺と一対一で決着を付けねぇか!?」
バラドは赤い右腕を突き上げて、そんな事を叫んだ。
「何だ、あいつは……」
オウマは櫓から外の様子を眺めつつ、右拳を振り上げる軽装の男に眉を顰めた。
あの赤い鎧は、先程、崖から投擲した石を投げ返した者だった。目立つくせにやたらと素早く、狙いをつけにくい上に、確実に当たったと思ったら矢を躱したり、石を受け止めたり、破壊したりする。
「何て言ってるんだ、あいつ」
オウマは近くにいた者に訊いた。オウマは他の部族の言葉が分からない。オウマに質問された人物が、別の誰かに質問し、別の集落の言葉が分かる人間がそれを訳した。
「一対一での決闘を望んでいるようです」
「決闘だと? 莫迦じゃないのか」
「そうだとは思うのですが、その……」
通訳が出来る男は言い淀みながらも、オウマに告げた。
「長老や戦士長ガムラが、その要求を呑むという事でした……」
ダブーラは木の葉で樹上に身を隠して、バラドを追った。自分たちしか持っていない筈のヒヒイロカネの鎧を身に着けた男を、放っては置けなかった。幸い、遠距離の武器はバラドにのみ集中し、余程の下手を撃たなければダブーラには当たらなかった。
ダブーラはバラドが容易にヴァーマ・ドゥエルの砦の門の前に辿り着いた事に驚きながらも、息を潜めて彼の動向を見守っていた。
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