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第五章 覚醒める拳士
第七節 魔の性戯
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広い浴場だった。
大きな湯船は、贅を凝らした金色で、ライオンの口からお湯が流れている。
ぎらぎらとした、下品なくらいの光が、壁に埋め込まれた電球の明かりを反射していた。
巨大な椅子が、浴場には設置されていた。男の胴体程の幅はありそうな肘掛けに、フットレスト。脚はまるでエンタシスの柱のように太かった。それだけ、その椅子を使用する人間の身体が大きく、そして重たいという事だ。
紀田勝義――
身長では一七〇を幾らか超えた程度である。だが、たっぷりの脂肪と筋肉を蓄えた天性の肉体は、数値以上の背丈を想起させた。体重は、四半トンに及ぶやもしれない。
手足の指が、赤ん坊のようにころころとしている。掌も足の裏も分厚く、子供の頭くらいなら包み込んでしまえそうだ。
でっぷりと飛び出した腹の中には、どれだけの黒々とした欲望が渦巻いているのだろうか。
ガマガエルのように醜悪な顔をにんまりと歪めた男の股間には、インドで筋力トレーニングに使われる棍棒と言われても信じられるような大層なものが備えられていた。
その紀田勝義の見下ろす前にマットが敷かれており、二人の男が、一人の女を挟んでいた。
男と言っても、どちらともまだ若く、線も細い。女ものの服を着せてしまえば、女湯の暖簾を潜る事が出来そうな美男子であった。浴場の温度で火照った身体に、紫色の痣や緊縛痕などが色濃く浮かび上がっており、悶絶する女の身体がその上を撫でる都度、小さく眉を顰めていた。
二人の美男子に挟まれる女――その両腕は頭の上に持ち上げられ、肘を折り畳まれて手首に縄を巻き付けられていた。両手を結んだ縄は、それぞれの縄尻を反対の足首に結び付けられている。
横に開いて膝を曲げた右足首に左手首の縄が伸び、片膝立ちになった左脚に右手首からの縄が向かっている。この縄は身体の後ろから、腋の下を通って乳房の中心で交差して瘤を作り、肩に回されて背中と胴体を何度か行き来しつつ股間に這い、脚の付け根を通って太腿に巻き付き、そして足首に到達していた。
丁度、股間の所で結び目が作られており、ぎちぎちと束縛された身体を僅かに揺するだけでも、包皮を剥き取られた陰核に瘤が触れる事となっていた。
女の腹には卑猥な連想をさせる刺青が施されており、その所有権が紀田勝義にある事を証明していた。又、縄が作る瘤で虐められる女性器には縫い目が見受けられ、その中に小粒の真珠を埋め込まれているらしかった。
その女を、美男子らが前後から挟んでいるのだった。
彼らのものは、身動きの取れない女の前後を貫き、腰を前後させている。しかし、女と向き合った男は逸物を瘤で擦られるのに痛みを覚えているようであった。又、後ろの人物が腰を動かすたびに、女の孔からは褐色の半固体の物体が漏れ出している。
入れている男も、入れられている女も、自ら望んでの事ではない。だが彼らの持ち主である紀田勝義がそうせよというのであれば、そうしなければならなかった。
そんな光景を見て、紀田は自らのものを膨らませているのだった。
「もっと気合を入れてやれ」
紀田が命令した。先端を包む不快な感触に動きを停滞させていた後ろの男が、怯えながらも腰の動きを速くする。すると益々、漏れ出す大便の量が増え始めている。数日に渡って排泄を禁じられた女に、予め浣腸液を注入した上で挿入させ、この刺激で脱糞させようとしているのだ。
だが、どんなに嫌な事でも理不尽な命令でも、紀田勝義に逆らう事は出来なかった。逆らえばどのような目に遭うのか、三人は重々承知している。
美野秋葉のように、なってしまう。
いや、仮に紀田の命令を遵守し、従順な態度を取っていたとしても、彼の気が変わったならすぐに彼女と同じ運命を辿る事になるだろう。それを回避するべく、彼らは少しでも紀田に気に入られようと命令に従っていた。
彼らも、秋葉と同じような境遇の人間であった。詳しい事情は兎も角、借金などによって生活苦に追いやられ、現状の打破を夢見て勝義会の誘いに乗り、紀田勝義のものとなっている。男女問わず行なわれる性的暴行に耐える事さえ出来れば、旨い料理や温かい寝床が用意されていたし、怪我や病気をしてもすぐに最先端の治療を受ける事が出来る。
そうして支配欲を満たす事で、紀田勝義は自分の力の絶対性を知り、日々の生活の中に幸せを感じているのであった。
と、浴場の出入り口のすりガラスの向こうに、紫色のシルエットが浮かび上がった。
大きな湯船は、贅を凝らした金色で、ライオンの口からお湯が流れている。
ぎらぎらとした、下品なくらいの光が、壁に埋め込まれた電球の明かりを反射していた。
巨大な椅子が、浴場には設置されていた。男の胴体程の幅はありそうな肘掛けに、フットレスト。脚はまるでエンタシスの柱のように太かった。それだけ、その椅子を使用する人間の身体が大きく、そして重たいという事だ。
紀田勝義――
身長では一七〇を幾らか超えた程度である。だが、たっぷりの脂肪と筋肉を蓄えた天性の肉体は、数値以上の背丈を想起させた。体重は、四半トンに及ぶやもしれない。
手足の指が、赤ん坊のようにころころとしている。掌も足の裏も分厚く、子供の頭くらいなら包み込んでしまえそうだ。
でっぷりと飛び出した腹の中には、どれだけの黒々とした欲望が渦巻いているのだろうか。
ガマガエルのように醜悪な顔をにんまりと歪めた男の股間には、インドで筋力トレーニングに使われる棍棒と言われても信じられるような大層なものが備えられていた。
その紀田勝義の見下ろす前にマットが敷かれており、二人の男が、一人の女を挟んでいた。
男と言っても、どちらともまだ若く、線も細い。女ものの服を着せてしまえば、女湯の暖簾を潜る事が出来そうな美男子であった。浴場の温度で火照った身体に、紫色の痣や緊縛痕などが色濃く浮かび上がっており、悶絶する女の身体がその上を撫でる都度、小さく眉を顰めていた。
二人の美男子に挟まれる女――その両腕は頭の上に持ち上げられ、肘を折り畳まれて手首に縄を巻き付けられていた。両手を結んだ縄は、それぞれの縄尻を反対の足首に結び付けられている。
横に開いて膝を曲げた右足首に左手首の縄が伸び、片膝立ちになった左脚に右手首からの縄が向かっている。この縄は身体の後ろから、腋の下を通って乳房の中心で交差して瘤を作り、肩に回されて背中と胴体を何度か行き来しつつ股間に這い、脚の付け根を通って太腿に巻き付き、そして足首に到達していた。
丁度、股間の所で結び目が作られており、ぎちぎちと束縛された身体を僅かに揺するだけでも、包皮を剥き取られた陰核に瘤が触れる事となっていた。
女の腹には卑猥な連想をさせる刺青が施されており、その所有権が紀田勝義にある事を証明していた。又、縄が作る瘤で虐められる女性器には縫い目が見受けられ、その中に小粒の真珠を埋め込まれているらしかった。
その女を、美男子らが前後から挟んでいるのだった。
彼らのものは、身動きの取れない女の前後を貫き、腰を前後させている。しかし、女と向き合った男は逸物を瘤で擦られるのに痛みを覚えているようであった。又、後ろの人物が腰を動かすたびに、女の孔からは褐色の半固体の物体が漏れ出している。
入れている男も、入れられている女も、自ら望んでの事ではない。だが彼らの持ち主である紀田勝義がそうせよというのであれば、そうしなければならなかった。
そんな光景を見て、紀田は自らのものを膨らませているのだった。
「もっと気合を入れてやれ」
紀田が命令した。先端を包む不快な感触に動きを停滞させていた後ろの男が、怯えながらも腰の動きを速くする。すると益々、漏れ出す大便の量が増え始めている。数日に渡って排泄を禁じられた女に、予め浣腸液を注入した上で挿入させ、この刺激で脱糞させようとしているのだ。
だが、どんなに嫌な事でも理不尽な命令でも、紀田勝義に逆らう事は出来なかった。逆らえばどのような目に遭うのか、三人は重々承知している。
美野秋葉のように、なってしまう。
いや、仮に紀田の命令を遵守し、従順な態度を取っていたとしても、彼の気が変わったならすぐに彼女と同じ運命を辿る事になるだろう。それを回避するべく、彼らは少しでも紀田に気に入られようと命令に従っていた。
彼らも、秋葉と同じような境遇の人間であった。詳しい事情は兎も角、借金などによって生活苦に追いやられ、現状の打破を夢見て勝義会の誘いに乗り、紀田勝義のものとなっている。男女問わず行なわれる性的暴行に耐える事さえ出来れば、旨い料理や温かい寝床が用意されていたし、怪我や病気をしてもすぐに最先端の治療を受ける事が出来る。
そうして支配欲を満たす事で、紀田勝義は自分の力の絶対性を知り、日々の生活の中に幸せを感じているのであった。
と、浴場の出入り口のすりガラスの向こうに、紫色のシルエットが浮かび上がった。
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