いつかまた、バス停で。

おぷてぃ

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第4話「千鶴と志保」①

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    椅子を引く音で目が覚めた。目を開けると白い天井。さっきまで見ていたはずの夢は、既に微睡みの向こう側にあった。無理矢理に現実へと引き戻されたことへの落胆に似た気持ちから、何か都合の良い夢だったのだろうと推測した。

「志保ちゃん」

    声のした方を見ると、いつもの見舞客がそこにいた。ベッド横の丸椅子に座り、心配そうに私の顔を覗き込む。

「調子はどう?志保ちゃん」
「ちいちゃん…。まあまあかな」

    ちいちゃん…千鶴ちゃんとは幼い頃からずっと友達で、父の故郷であるこの町に帰ると、必ず会っては毎日を共に過ごした。お互いをちゃん付けで呼び合い、いつも二人一緒にいるので「まるで姉妹のようね」とからかわれたものだった。

「無茶したんだって?おじいちゃん困ってたよ」
「うん…」それだけ言って天井をまた見つめた。
「ま、無茶ならおじいちゃんも人のこと言えないだろうけどねー」
「そうだね」

    私の祖父はこの町で小さな診療所を営んでいた。私は今、そこに入院している。しばらく他愛の無い世間話をした。

「樹君…」
「ん?」

    ちいちゃんは立ち上がり、カーテンを開けて室内に明かりを取り込む。私はベッドの上で起き上がってそれを見ていた。外は今日も眩しいくらいの天気で、締め切った窓の向こうからは蝉の声が聞こえた。
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