いつかまた、バス停で。

おぷてぃ

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第7話「見上げた夜空」①

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    バスに揺られながら、帰りが遅くなったいいわけを考えていた。腕時計を見ると、とっくに午後九時を過ぎている。
    いっそこのままバスが着かなければ。馬鹿げたことだとは思いながらも、そんな暗い奇跡を願ってみたりもした。窓の外を眺めながら、向かって来ては後方へ流れて行く街灯を、ただぼんやりと眺める。

    今通っている予備校では、三ヶ月に一度『定期実力テスト』と呼ばれるものを受けることになっている。読んで字のごとく、定期的に実力を測り、志望する大学への合格基準にどの程度近づいているのかを判定するのだ。

    今日は七月に行ったテストの結果が返ってくる日だった。自信があるとはいえなかったが、それなりに予習や復習を行い、準備を整えていたつもりだった。しかし、結果は『D判定』で、点数の方も散々なものだった。予備校の中でも自分の成績はいつも中途半端で、なんともいいがたい状態だった。
    受験自体は一年以上先で、それまでに実力をつける以外に合格する道はない。しかし、高校二年の夏の時点でこの体たらくでは…。この先が思いやられた。

    去年の夏、初めて父に自分の夢を伝えた。すると『それなら他のやつより勉強せんとな!』と言う父の勧めで、予備校へ通わせてもらえることになった。しかし、これまでに受けたテストはどれも似たような成績だった。
    自分が通っている高校は、特別に偏差値が高いというわけでもなかったが、その中ではわりと成績は良い方だったのに。所詮は無茶な夢だったのだろうか。志望する大学が実力に見合っていないことは端からわかってはいたが、こうも手が届かないものなのか。

    諦めにも似た気持ちが首をもたげる。それでも志望校を変えなかったのには、理由がある。それは憧れでもあり、贖罪しょくざいでもあった。
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