神様のお楽しみ!

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第一章 神編

決着!そして…

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 闇・光・火・水・土・風の六属性に光り輝く魔法陣。そこから放たれた六色の光線である、広範囲魔法は魔物だけを消滅させた。

 【グランド・ウォール】によって、爆風や衝撃は軽減された。それでも勢いは止まらず王国は衝撃で揺れた。まるで地震のような揺れは人々の心に恐怖を植え付ける。
 その恐怖は、勝利したことへの歓声によってほとんどが抑えられた。

 王城や学園で見守っていた者達も、伝えられた勝利に歓声を上げる。
 王城では、問題点や反省点、改善すべきことが次々とまとめられていった。
 同じく学園でも、学園長より全生徒へ課題が伝えられた。

 城壁近くでは、倒された魔物の素材回収をする〈白き翼〉などの冒険者と救助に回る騎士団の二つに別れた。魔法使い達は修繕をしながら安否確認をしていた。
 

 アルシオンさんと執事長テルトさんは王城へと急ぎ、僕は魔界へ【転移】しアビスやリズと再開した。

 「アビス!リズ!」

 『我が主、こちらも終了しました』

 「ありがとう、アビス」

 リズが抱える少女は、約四年前に見た時の少女と同じだが、身体は全く違っている。
 ほとんど、骨と皮の少女に少し力を入れるだけで、簡単に壊れてしまえる程の危うさがあった。

 僕は部分変化で人族の姿になったリズと共にギルドマスター室へ【転移】し、休息を取るように伝えた。



 魔物の大量発生から一週間後。
 元凶のエンヴィー・タッソと利用された少女メアが処刑された。

 エンヴィーはアルシオンさんの思った通り、「父親に期待されて」のことだとは、思っていなかった。
 エンヴィー自身が、平民に対して逆恨みしていたことを気づけたのは良かったが、彼は処刑を待つ身で人生に希望はなかった。
 また、メアは自身のアビリティを把握しておらず、今回の事件は自分の軽率な行動が招いたことだと信じきっていて、リズの言葉さえも届くことはなく、十二歳という短い人生に幕を降ろした。

 そして、魔界への門を秘密裏に開いた犯人も処刑された。
 犯人は悪魔族で、下界を見に門を開いた所に偶然、エンヴィーがいたということだった。

 今回の事件の詳細をまとめ記録した本が作成された。一冊は保管用、一冊は魔界へと送られ、最後の一冊は図書館で閲覧可能な物として図書室に置かれた。
 優魔族のリズと悪魔族の母親は魔界へ旅立った。悪魔族は人族と変わらないが、優魔族はエルフ族程に長生きな為、彼女とはきっとまた会えるだろう。


 アルバ魔法学園の全生徒に出された課題は、僕達四人は無事に免れた。
 その内容は、〈魔物大量発生に関しての対策と自身の行動による二次被害の可能性と危険性〉。

 題名だけで頭痛がするのはきっと、気のせいじゃない。
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