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19話
「結衣、新婚旅行に行かないか!」
ある日のこと、玲司がやけにテンション高く言ってきた。
「え? どうしたの急に」
「いや、正式な夫婦になったのだし、そういえば新婚旅行に行ってないなと思ってな」
玲司はリビングのテーブルの上に、ずらりと旅行雑誌を並べていた。
ハワイにモルディブ、ローマにモンサンミッシェルと、テーマも地域も様々だ。
「結衣はどこがいい?」
「行くのは確定なのね。仕事は大丈夫なの?」
「そのくらい空きは作る。どうしても外せないものはリモートでもいいしな」
ほら、と旅行雑誌を渡される。
「旅行、好きなんだね」
「学生時代は色んなところに行ったぞ。国内なら佐渡島とか、白川郷とか。ワイン発祥の地ジョージアに、青の都ウズベキスタン……」
結構マニアックなところも含めて色々行っているみたいだ。
私と玲司は突然の契約結婚で一緒にいるようになったため、まだお互いの趣味など知らない面が多々ある。
玲司が旅行好きだというのも、私は今日、初めて知った。
これから、お互いのことを色々知っていきたい。そのためにも、新婚旅行はいい機会かも知れない。
「ここなんかどう? 写真が素敵」
「モルディブか、いいな。新婚旅行にぴったりだ」
じゃあ早速予約を……と、玲司が先走る。
「待って待って。いつ行くとか、もう決めちゃっていいの? 社員の人は?」
「大丈夫だ。二月の予定だからまだ先だ。仕事の調整は効く」
モルディブは二月がちょうど乾季で天気も良く、水上コテージを楽しむにちょうどいいシーズンらしい。
玲司はすっかりその気になっており、止めても仕方がないと諦める。
予約したのは、大手ラグジュアリーホテル企業の経営する、水上のプレミアムヴィラ。広々としたリビングとダイニングエリアに、プライベートプールまで備えているらしい。
「結衣、水着を買っておけよ。楽しみにしてるから」
「もう、アラサーの水着姿なんて楽しみにしないでよ!」
玲司は機嫌よく軽口を叩く。本当に旅行が好きらしく、随分とテンションが高い。これからはせっかくだから、時々家族旅行に付き合おうか。
玲司に聞くと、小学校一年生の頃から、中学受験のための勉強優先で家族旅行には行ったことがないのだという。初めて旅行に行ったのは、大学の時。アルバイトで自力で稼いでなんだそうだ。
家族旅行というのは、玲司にとっては憧れなのかも知れない。
仕方がない。ビキニでも用意してやるか。
私は年甲斐もなくそんなことを考えて、ネットで可愛い水着を検索した。アラサーが着ていてもおかしくない程度に落ち着いたデザインで、適度に色気もあるものを。
一月は新婚旅行に向けてバタバタと仕事を片付けて、あっという間に二月が訪れた。
旅行の出発日、玲司は早朝から元気いっぱいだった。
「さあ、飛行機に遅れないように行くぞ。忘れ物はないか?」
「昨日散々チェックしたから大丈夫」
空港に辿り着くと、玲司はスタスタと歩いてファーストクラスラウンジに入って行った。
「え? ここ、ファーストクラスのラウンジじゃないの?」
「そうだが?」
「ってまさか、ファーストクラスを取ったの? 高すぎない!?」
「大事な新婚旅行なんだ。そのくらい当たり前だろ」
知ってはいたが、玲司はセレブだ。それも、自分の努力で一から起業して辿り着いた人。
改めて尊敬の目で玲司を見る。そんな彼が、自身の持つ力を私との新婚旅行のために使ってくれたことが、嬉しい。
「どうした? 結衣」
「ううん。特別な旅行にしてくれて、ありがとう」
私にできることは、感謝を伝えることぐらいだ。
そう言うと、玲司は照れたように頬を掻いた。
飛行機の中もまた、すごかった。案内されたのは個室のような空間になっていて、内装はまるで高級ホテルだ。ベッドまで用意されている。
「すごい、これが本当に飛行機なの?」
「ああ、長時間のフライトだから、しっかり休めるようにしておいた」
離陸後、シャンパンが運ばれてくる。
「お前と出会えて良かった、結衣。毎日温かい食事をありがとう。乾杯」
その言葉に、思わず私は泣きそうになった。冷たい家庭で育った玲司のため、せめて温かい食事をと、仕事が忙しくても作り置きを駆使して用意していた。その努力をちゃんと見ていてくれたのだ、玲司は。
「こちらこそ、こんな素敵な時間を過ごさせてくれてありがとう。乾杯」
コツン、とシャンパングラスを合わせる。
シャンパンの細かな泡が喉を通っていく。こんな贅沢な時間を過ごせるなんて、半年前の私には想像もつかなかった。
機内食も、ファーストクラスは格別だった。コース料理のように、一品ずつ運ばれてくる。前菜からデザートまで、どれも繊細で美味しい。
「玲司さん、このお肉、すごく柔らかい」
「お前の料理には敵わないけどな」
玲司がそう言って微笑む。その笑顔を見ていると、本当に幸せだと実感する。
食事の後、私は少し眠ることにした。フルフラットのベッドは本当に快適で、あっという間に眠りに落ちた。
どのくらい眠っただろうか。目を覚ますと、玲司が隣で仕事をしていた。
ノートパソコンを開いて、何やらメールをチェックしているようだ。
「あれ、仕事してたの?」
「ああ、少しだけな。起こしたか?」
「ううん。もう着くの?」
「ああ、もうすぐだ」
窓の外を見ると、青い海が広がっていた。珊瑚礁に囲まれた小さな島々が点在している。
「わあ……綺麗」
「本当だな」
玲司も窓の外を見て、感嘆の声を漏らした。
飛行機はスムーズに着陸し、私たちは国際空港に降り立った。
空港を出ると、むっとするような暑さと湿気が肌にまとわりつく。
「暑いねぇ」
「南国だからな。でも、気持ちいい暑さだ」
空港からは、リゾートへの専用ボートに乗る。
青い海の上を滑るように進むボートから見える景色は、まさに絶景だった。透き通った海。白い砂浜。ヤシの木。
「すごい……本当に楽園みたい」
「ここは地上の楽園と呼ばれているからな」
三十分ほどボートに揺られると、目的地に到着した。
桟橋から見えるのは、海の上に浮かぶ水上コテージ。どれも広々としていて、プライベート感満載だ。
「氷室様、ようこそ。こちらへどうぞ」
スタッフが笑顔で出迎えてくれる。
案内されたのは、水上ヴィラの中でも最も広いプレミアムスイート。ドアを開けた瞬間、私は息を呑んだ。
「わぁ……!」
目の前に広がるのは、広々としたリビング。大きな窓からは海が一望できる。床の一部はガラス張りになっていて、下を泳ぐ熱帯魚が見える。
「すごい、床がガラス! 魚が泳いでる!」
私が興奮して駆け寄ると、玲司がくすくすと笑った。
「気に入ったか?」
「うん! すごく素敵!」
リビングの先には、ダイニングエリアとキッチン。そして、広々としたベッドルーム。
さらに驚いたのは、プライベートプールがテラスにあることだ。
「プールまであるの!?」
「ああ、誰にも邪魔されずに、二人で泳げる。……水着、楽しみにしてるぞ」
玲司がからかうように言った。
テラスに出ると、目の前には無限に広がる青い海。
インフィニティプールの水面が、海と一体化しているように見える。
「綺麗……」
私が呆然と立ち尽くしていると、玲司が後ろから抱きしめてきた。
「結衣、幸せか?」
「うん。夢みたい」
「そうか。良かった」
玲司の腕の中で、私は大きく息を吸った。
潮の香りと、南国の花の甘い香り。それを包む、玲司の温もり。
全てが夢のようだった。
ある日のこと、玲司がやけにテンション高く言ってきた。
「え? どうしたの急に」
「いや、正式な夫婦になったのだし、そういえば新婚旅行に行ってないなと思ってな」
玲司はリビングのテーブルの上に、ずらりと旅行雑誌を並べていた。
ハワイにモルディブ、ローマにモンサンミッシェルと、テーマも地域も様々だ。
「結衣はどこがいい?」
「行くのは確定なのね。仕事は大丈夫なの?」
「そのくらい空きは作る。どうしても外せないものはリモートでもいいしな」
ほら、と旅行雑誌を渡される。
「旅行、好きなんだね」
「学生時代は色んなところに行ったぞ。国内なら佐渡島とか、白川郷とか。ワイン発祥の地ジョージアに、青の都ウズベキスタン……」
結構マニアックなところも含めて色々行っているみたいだ。
私と玲司は突然の契約結婚で一緒にいるようになったため、まだお互いの趣味など知らない面が多々ある。
玲司が旅行好きだというのも、私は今日、初めて知った。
これから、お互いのことを色々知っていきたい。そのためにも、新婚旅行はいい機会かも知れない。
「ここなんかどう? 写真が素敵」
「モルディブか、いいな。新婚旅行にぴったりだ」
じゃあ早速予約を……と、玲司が先走る。
「待って待って。いつ行くとか、もう決めちゃっていいの? 社員の人は?」
「大丈夫だ。二月の予定だからまだ先だ。仕事の調整は効く」
モルディブは二月がちょうど乾季で天気も良く、水上コテージを楽しむにちょうどいいシーズンらしい。
玲司はすっかりその気になっており、止めても仕方がないと諦める。
予約したのは、大手ラグジュアリーホテル企業の経営する、水上のプレミアムヴィラ。広々としたリビングとダイニングエリアに、プライベートプールまで備えているらしい。
「結衣、水着を買っておけよ。楽しみにしてるから」
「もう、アラサーの水着姿なんて楽しみにしないでよ!」
玲司は機嫌よく軽口を叩く。本当に旅行が好きらしく、随分とテンションが高い。これからはせっかくだから、時々家族旅行に付き合おうか。
玲司に聞くと、小学校一年生の頃から、中学受験のための勉強優先で家族旅行には行ったことがないのだという。初めて旅行に行ったのは、大学の時。アルバイトで自力で稼いでなんだそうだ。
家族旅行というのは、玲司にとっては憧れなのかも知れない。
仕方がない。ビキニでも用意してやるか。
私は年甲斐もなくそんなことを考えて、ネットで可愛い水着を検索した。アラサーが着ていてもおかしくない程度に落ち着いたデザインで、適度に色気もあるものを。
一月は新婚旅行に向けてバタバタと仕事を片付けて、あっという間に二月が訪れた。
旅行の出発日、玲司は早朝から元気いっぱいだった。
「さあ、飛行機に遅れないように行くぞ。忘れ物はないか?」
「昨日散々チェックしたから大丈夫」
空港に辿り着くと、玲司はスタスタと歩いてファーストクラスラウンジに入って行った。
「え? ここ、ファーストクラスのラウンジじゃないの?」
「そうだが?」
「ってまさか、ファーストクラスを取ったの? 高すぎない!?」
「大事な新婚旅行なんだ。そのくらい当たり前だろ」
知ってはいたが、玲司はセレブだ。それも、自分の努力で一から起業して辿り着いた人。
改めて尊敬の目で玲司を見る。そんな彼が、自身の持つ力を私との新婚旅行のために使ってくれたことが、嬉しい。
「どうした? 結衣」
「ううん。特別な旅行にしてくれて、ありがとう」
私にできることは、感謝を伝えることぐらいだ。
そう言うと、玲司は照れたように頬を掻いた。
飛行機の中もまた、すごかった。案内されたのは個室のような空間になっていて、内装はまるで高級ホテルだ。ベッドまで用意されている。
「すごい、これが本当に飛行機なの?」
「ああ、長時間のフライトだから、しっかり休めるようにしておいた」
離陸後、シャンパンが運ばれてくる。
「お前と出会えて良かった、結衣。毎日温かい食事をありがとう。乾杯」
その言葉に、思わず私は泣きそうになった。冷たい家庭で育った玲司のため、せめて温かい食事をと、仕事が忙しくても作り置きを駆使して用意していた。その努力をちゃんと見ていてくれたのだ、玲司は。
「こちらこそ、こんな素敵な時間を過ごさせてくれてありがとう。乾杯」
コツン、とシャンパングラスを合わせる。
シャンパンの細かな泡が喉を通っていく。こんな贅沢な時間を過ごせるなんて、半年前の私には想像もつかなかった。
機内食も、ファーストクラスは格別だった。コース料理のように、一品ずつ運ばれてくる。前菜からデザートまで、どれも繊細で美味しい。
「玲司さん、このお肉、すごく柔らかい」
「お前の料理には敵わないけどな」
玲司がそう言って微笑む。その笑顔を見ていると、本当に幸せだと実感する。
食事の後、私は少し眠ることにした。フルフラットのベッドは本当に快適で、あっという間に眠りに落ちた。
どのくらい眠っただろうか。目を覚ますと、玲司が隣で仕事をしていた。
ノートパソコンを開いて、何やらメールをチェックしているようだ。
「あれ、仕事してたの?」
「ああ、少しだけな。起こしたか?」
「ううん。もう着くの?」
「ああ、もうすぐだ」
窓の外を見ると、青い海が広がっていた。珊瑚礁に囲まれた小さな島々が点在している。
「わあ……綺麗」
「本当だな」
玲司も窓の外を見て、感嘆の声を漏らした。
飛行機はスムーズに着陸し、私たちは国際空港に降り立った。
空港を出ると、むっとするような暑さと湿気が肌にまとわりつく。
「暑いねぇ」
「南国だからな。でも、気持ちいい暑さだ」
空港からは、リゾートへの専用ボートに乗る。
青い海の上を滑るように進むボートから見える景色は、まさに絶景だった。透き通った海。白い砂浜。ヤシの木。
「すごい……本当に楽園みたい」
「ここは地上の楽園と呼ばれているからな」
三十分ほどボートに揺られると、目的地に到着した。
桟橋から見えるのは、海の上に浮かぶ水上コテージ。どれも広々としていて、プライベート感満載だ。
「氷室様、ようこそ。こちらへどうぞ」
スタッフが笑顔で出迎えてくれる。
案内されたのは、水上ヴィラの中でも最も広いプレミアムスイート。ドアを開けた瞬間、私は息を呑んだ。
「わぁ……!」
目の前に広がるのは、広々としたリビング。大きな窓からは海が一望できる。床の一部はガラス張りになっていて、下を泳ぐ熱帯魚が見える。
「すごい、床がガラス! 魚が泳いでる!」
私が興奮して駆け寄ると、玲司がくすくすと笑った。
「気に入ったか?」
「うん! すごく素敵!」
リビングの先には、ダイニングエリアとキッチン。そして、広々としたベッドルーム。
さらに驚いたのは、プライベートプールがテラスにあることだ。
「プールまであるの!?」
「ああ、誰にも邪魔されずに、二人で泳げる。……水着、楽しみにしてるぞ」
玲司がからかうように言った。
テラスに出ると、目の前には無限に広がる青い海。
インフィニティプールの水面が、海と一体化しているように見える。
「綺麗……」
私が呆然と立ち尽くしていると、玲司が後ろから抱きしめてきた。
「結衣、幸せか?」
「うん。夢みたい」
「そうか。良かった」
玲司の腕の中で、私は大きく息を吸った。
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