【R18】絶倫社長との契約結婚〜借金のカタに売られた私は、契約夫の愛に溺れる〜

布団のノラネコ

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21話

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 新婚旅行から帰ってきたら、結婚式の準備が始まる。

 玲司は家族と絶縁しているから、玲司側の親族は来ない。それだと結構気まずいので、本当に仲のいい友達を呼んでの、こぢんまりとしたパーティー形式でやることになっている。

 私側の親族は、両親だけを呼ぶことにした。

 式は、歴史ある洋館を利用した高級レストランを、貸し切って行う予定だ。

 私側の招待客は、大学時代の友人数人に絞った。親の会社に就職すると言っても、嫉妬したり嫌味を言ったりしてこなかった信頼できる友人たちだ。
 自分で言うのもなんだけれど、玲司は見た目もいい上に成功している社長である。彼との結婚を知られて変に関係が拗れそうな相手は呼びたくなかった。

 準備は玲司もよく手伝ってくれた。
 
「全部似合うな。どれがいいかわからない」

 結婚式に向けて、ウェディングドレスのレンタルをしようと試着に赴くと、玲司はそんな寝ぼけたことを言い始めた。

「もう、真剣に選んでよ」

 店員が微笑ましそうに私たちを見守っている。どのドレスに着替えても玲司が手放しで褒め称えるものだから、一向にドレスが決まらない。

「もう、玲司さんじゃ話にならない! 店員さん、どれがいいと思いますか?」
「えっ? ええと、お客様は足が長くていらっしゃるので、私はこのマーメイドラインのドレスがお似合いかと思いますが」

 結局、ドレスは店員さんと相談して決めた。背中が大きく開いたデザインの、マーメイドラインの優美なドレスだ。

 招待状のデザイン決めや、料理のメニューチェックなども済ませる。

 バタバタと過ごしながら、当日を迎えた。

 会場の洋館はとても瀟洒で美しかった。重厚な石造りの建物に、丁寧に整えられた中庭。ヨーロッパの古城を思わせる歴史ある佇まいだ。

 当日の控え室には、母と父が揃っていた。

「結衣……とても綺麗だ。それに幸せそうだな。本当に、本当に良かった……」

 父が目を潤ませて、もうすでに涙を溢さんばかりになっている。

「もう、お父さん。泣くの早いよ。お母さんも、うるうるしないの」
「だって……」

 両親はすでに泣きそうになっていた。玲司側には結婚を喜んでくれる両親はいない。そのことが少し心苦しいけれど、その分精一杯幸せな式にしようと思う。

 今回の結婚式は、形式ばらない食事会形式だ。お世話になった人たちを集めて、挨拶をしながら食事をするという形のもの。

 玲司と一緒に会場に入ると、そこには懐かしい友人たちと、玲司側の招待客が待っていた。
 貸切の会場は、ビュッフェ形式で食事が用意されている。

「結衣ー! おめでとうー!」
「社長、めっちゃ男前っす!」

 口々に祝福の言葉をかけられ、私たちはそれぞれに挨拶を返す。

 招待客をもてなしながら、食事会は和やかに進んで行った。

「結衣ー! とんでもない優良物件捕まえたじゃん! おめでとう!」
「もー、揶揄わないでってば」

 大学時代の友人たちは、私を揶揄いながらも、嬉しそうな顔で抱きついてきた。

 玲司の友人たちも気のいい人たちで、みんな私を祝福してくれる。

「玲司は気難しいやつだからなー。捨てないでやってくださいよ、奥さん!」
「おい、ふざけるなよ」

 友人たちに揶揄われて、不服そうにしている玲司は、それでも幸せそうだ。

 幸福な時間は、あっという間に過ぎていった。

 結婚記念パーティーを終え、私はドレス姿を解くと、玲司と共に家に帰っていく。

「楽しかったね。玲司さん」
「ああ。結衣のご両親に晴れ姿を見せることができて良かった」

 玲司は私の父から借金のカタに私を奪う形になったことを気にしているようで、何かにつけて私の両親のことを気遣ってくれる。

「俺の家族が厄介なせいで、正式な結婚式にしてやれなくてすまないな」
「そんな。玲司さんのせいじゃないし、私はこういう気楽な結婚式で良かったと思ってるよ」

 私がそう言うと、玲司は少しホッとしたように微笑んだ。

「そうか?」
「うん。大切な人たちに囲まれて、祝福してもらって、十分幸せ」

 タクシーの中、玲司の方に頭を乗せる。

「疲れたか?」
「うん。でも、充実した疲れだよ」

 私たちはタクシーの中、寄り添いながら家に帰った。
 
 結婚式というのは一つの区切りで、それから私たちは夫婦として一段階仲が深まったような気もする。

 子供ができた後の話をしたり、時には老後の話をしたり。未来のこと、過去のこと、互いに隠すことなく語り合って、私たちは仲を深めていった。

 それから、変わったことはもう一つある。

 玲司が休日出勤をする日。

 今日は、玲司がいない間、何をして過ごそうか。

 そんなことを考えながら、スーツに着替えた玲司を見送る。

「玲司さん、いってらっしゃい」

 そう言うと、玲司は私のおでこにちゅ、とキスをしてきた。

「ああ。いってきます」

 いってきますとただいま。そんな何気なくも温かい言葉が、私たちの家庭には溢れるようになったのだった。



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お読みいただきありがとうございます。本作、第19回恋愛小説大賞にエントリーしております。
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