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第二章
キビ団子の真実
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盗賊・桃太郎も大きくなり、川で拾われて15年が経ったある日、おばあさんから急にこの家から出て行けと言われる。
「そろそろあんたも親孝行しようって気にはならないのかい。恩知らずだねぇ。」
「おばあさんのいう通りだよ。桃太郎。家を出て何か金目のものでも取っておいで。」
「何を言い出すんだ。じいさんばあさん。急にそんなこと言われても当ても何もねえ」
桃太郎は育ての親に文句を言った。だが、盗人になることに躊躇いがない辺り、流石この夫婦が育てただけある。
「ぐだぐだ言ってるんじゃないよ。桃。」
「なにも手ぶらで行けってんじゃない。立派な盗賊になるには子分が必要だからね。この団子を持っていきな。」
おばあさんは桃太郎に巾着袋に黒い団子を3つ入れて手渡した。
これが桃太郎が家族から初めて貰う贈り物だった。柄にもなく桃太郎は嬉しくなった。
「おばあさん。これ、くれるのかい。嬉しいよ。ありがとう。これを食べれば強くなったりするのかな。」
桃太郎は笑顔でおばあさんに尋ねた。
すると、おばあさんはケタケタと笑い出した。
「馬鹿だね、あんたは。それはあんたが子分にしたい奴に食べさせるのさ。その団子には一口食べたら、幻覚作用を起こす草が入ってるのさ。
だからそれを一口でも食べたやつはあんたから離れられなくなるよ。」
「おばあさんの言う通りだよ。桃。その団子の使い道次第でお前は大盗賊になれるよ。」
アヘンだろうか。麻だろうか。そんな類のものが団子には入っていたのだろう。
その団子を食べたものは、団子を与えた者に対して、恐怖心で縛られてしまうのだ。
普通の子供ならここで、この老夫婦に失望或いは恐怖するだろう。
しかし、そこは狂人に育てられた桃太郎。失望どころかワクワクしていた。
「わははははは。これは最高だ。みてろよ、じいさんばあさん。この団子で最強の盗賊団をつくってやるからよ。」
そう言って、桃太郎は家を飛び出した。家来という名の奴隷を探す旅が始まったのだ。
「そろそろあんたも親孝行しようって気にはならないのかい。恩知らずだねぇ。」
「おばあさんのいう通りだよ。桃太郎。家を出て何か金目のものでも取っておいで。」
「何を言い出すんだ。じいさんばあさん。急にそんなこと言われても当ても何もねえ」
桃太郎は育ての親に文句を言った。だが、盗人になることに躊躇いがない辺り、流石この夫婦が育てただけある。
「ぐだぐだ言ってるんじゃないよ。桃。」
「なにも手ぶらで行けってんじゃない。立派な盗賊になるには子分が必要だからね。この団子を持っていきな。」
おばあさんは桃太郎に巾着袋に黒い団子を3つ入れて手渡した。
これが桃太郎が家族から初めて貰う贈り物だった。柄にもなく桃太郎は嬉しくなった。
「おばあさん。これ、くれるのかい。嬉しいよ。ありがとう。これを食べれば強くなったりするのかな。」
桃太郎は笑顔でおばあさんに尋ねた。
すると、おばあさんはケタケタと笑い出した。
「馬鹿だね、あんたは。それはあんたが子分にしたい奴に食べさせるのさ。その団子には一口食べたら、幻覚作用を起こす草が入ってるのさ。
だからそれを一口でも食べたやつはあんたから離れられなくなるよ。」
「おばあさんの言う通りだよ。桃。その団子の使い道次第でお前は大盗賊になれるよ。」
アヘンだろうか。麻だろうか。そんな類のものが団子には入っていたのだろう。
その団子を食べたものは、団子を与えた者に対して、恐怖心で縛られてしまうのだ。
普通の子供ならここで、この老夫婦に失望或いは恐怖するだろう。
しかし、そこは狂人に育てられた桃太郎。失望どころかワクワクしていた。
「わははははは。これは最高だ。みてろよ、じいさんばあさん。この団子で最強の盗賊団をつくってやるからよ。」
そう言って、桃太郎は家を飛び出した。家来という名の奴隷を探す旅が始まったのだ。
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