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第九章
鬼退治の真実②
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小鬼の体の一部と付けた犬と雉は、出くわした鬼を次々と切り伏せた。
桃太郎の家来に対する悪趣味な罰は、思わぬ効果も発揮した。出くわした鬼は例外なく、雉と猿の腰についている
小鬼の一部を見て、体を固めるのだった。
その隙をついて、雉は一太刀で鬼を殺していった。
やがて、住宅地を抜けて、城のような建物が一行の前に現れた。
「思った通りだ、やっぱり奴らにも階級みたいなもんがあるんだろう。ここには、上級の鬼が住んでいるはずだ。
そして、目当ての宝物はここに隠されているはずだ。」
「ここからが、本番だぜお前ら。この先は、より一層慎重に確実の鬼を仕留めないとならねぇ。気を引き締めろよ。
それから、猿。破裂玉を俺に、よこせ。」
猿は、破裂玉の入った袋を桃太郎に手渡した。
「猿。ここからはお前にも仕事がある。お前の持っている袋に、火薬が入ってるだろ。それを、建物に入ったら、
壁に沿って撒き続けるんだ。いいな。」
「わかったわ。」
猿は、頷く。
遠くの方では、まだ騒ぎ声が聞こえる。海賊と鬼の戦闘もまだ続いているのだろう。
「よし、城攻め開始だ。」
ここでも、雉を先頭に城の裏口らしきところから攻め入る。
中に侵入すると、そのは慌ただしい雰囲気に満ちていた。どうやら、海賊との戦闘が海沿いの村から
町中にまで広がっているようで、この城からも戦闘員を派遣することにしたようだ。
「これは好都合だな。こいつらこの騒ぎで、守りを固めきれてねぇ。」
一行は、敵との遭遇を避けながら、進んだ。目当ては鬼が隠している宝のみ。
その隠し場所を見つけるのに、一つ一つ扉を開けて確かめていては、いずれ鬼にバレて捕まってしまうだろう。
そうならない為には、内部の事情を知る者から、情報を収集するほかない。
桃太郎は、単独で行動している鬼を探していた。集団行動していなければ、居なくなっても気づかれにくく、都合が良い。
そうこうしているうちに、1匹で大きな鎧のようなものを運んでいる鬼を発見した。
そして、その鬼を尾行し、1匹で部屋に入ったことを確認したあと、押し入り、鬼を気絶させた。
「おい、起きろ!化け物!」
桃太郎が、鬼の顔を何度も殴る。鬼はその痛みで目を覚ました。
「な、なんだお前ら!あの海賊の仲間か!」
鬼は、叫んだ。
「馬鹿か、大きな声上げてんじゃねぇよ。」
桃太郎は、さるぐつわを鬼の口につけると、刀で鬼の足の甲を貫いた。
鬼は、悲鳴を上げるが、さるぐつわを付けられているせいで、声がくぐもっていた。
「おい、聞け。お前は殺す。これはもう決まってる。命はあきらめろ。お前に出来るのは、自分の死にざまを選ぶことだけだ。」
鬼は、目を見開いて目の前の男を見る。その目には、恐怖と怒りの色が見えた。
「お前ら、人間から報酬として受け取った宝を隠してるよな。この建物に。どこだ、教えろ。そうすれば、俺が一太刀で
お前の首と胴体を切り離してやる。痛みは感じない。一瞬だ。これが一番優しい死に方だ。」
次に桃太郎は、犬の腰にぶら下がっている物体を指さす。
「あれが見えるか、鬼。あの大男と横の奴はな、この島についてすぐに子供の鬼を嬲り殺して、バラバラにした。
しかもそれから、ああして腰にぶら下げて手柄として見せしめにしてやがる。どうだい、もし素直に吐かないというならお前は地獄を
見ることになるぞ。俺なら、楽に殺してやる。あえて、苦しませるような趣味は無いからな。どうする、選べ。」
犬と雉は何か言いたげな顔をしていたが、ジッと囚われた鬼の顔を見ていた。
鬼は、犬の腰についている鬼の子供の腕を見ると、始めは驚きの表情を浮かべていたが、やがて、その顔は怒りに変わり桃太郎を睨んだ。
「睨んだって何も変わらねぇぞ。吐くなら、そのさるぐつわ外してやる。どうする、早く決めろ。この鬼畜どもが、お前の指を切り落としたがっているぜ。」
鬼は、しばらく桃太郎の顔と犬の顔を交互に見ていたが、やがて、あきらめたように桃太郎に向かって頷いた。
桃太郎が鬼に付けたさるぐつわを外す。
「お前らは、絶対に許さない。俺たちが、何をした。その子が何をした。どうしてそんな残酷なことが出来る!」
鬼が台詞を言い終えるか否かという時、桃太郎は鬼の左足首を切り落とした。
「ああああああああ!」
鬼が悲鳴を上げる。
「ちっ、今ので気づかれたらどうしてくれるんだ?ああ?」
桃太郎は鬼の左の目玉にも、刀を突き立てる。
鬼が悲鳴を上げる前に、桃太郎は無理矢理鬼の口を閉じた。
「お前が殺される理由は、お前には関係ない。言っただろ。これ以上、目方を減らしたくなければ、さっさと吐け。
次はもう一匹鬼を捕まえさせようか。それで、お前の目の前で、切り刻んでやろう。そうなったら、もうお前が宝の在処を謳ったところで
関係ない。俺が、飽きるまで痛めつける。」
「やっぱり、やったのはお前か。」
鬼が、左目を抑えながら、くぐもった声で言う。
「は?あー、ネタ晴らししちまったな。そうだよ、全部俺。俺が優しいって設定ならお前が吐きやすくなるかと思ったが
もう関係ねぇ。鬼、本気で俺がキレる前に吐け。今なら、お前をバラバラにするだけで勘弁してやる。
それとも、お仲間もバラして、どれがお前の腕か分からないように混ぜて村の連中に配ってやろうか。なぁ?」
どちらが鬼か、分からないな。雉はそう思っていた。
「なぁ、鬼さん。本当に早く宝の場所、教えてくれよ。俺はもう無駄な殺しはしたくないんだ。」
雉は耐え切れなくなって、そう言った。
「・・・だってよ。俺は、やさしい家来を持って幸せだ。あいつの言う通りにしてやってくれや。大将。」
桃太郎はニヤニヤと笑っていた。
「・・・わかった。だが、1つだけ頼みがある。殺すなら、その少年に殺してほしい。この基地外だけは勘弁してくれ。」
「誰が基地外だ、誰が。まぁ、いいや。雉、聞いたな。お前が殺せ。」
雉は、鬼の目を見ながら頷く。
鬼は、安堵したように深いため息を吐いた。それから、宝の在処を話し始めた。
「宝は地下にある。この部屋を出て、まっすぐ行った突き当たりを右に行くと、行き止まりになる。
だが、そこは隠し扉になっていて、強く押すと開くようになっている。中に階段があるから、一番下まで降りろ。
そうすれば、後は武器庫と宝物庫があるだけだ。」
「隠し扉か。怪物にしては、上等なもんつくるじゃないの。ありがとよ。望み通り、殺してやるよ。」
桃太郎は雉に、顎で指図する。
雉は小太刀を持って、鬼に近づく。
「・・・すまない。」
「お前らのしたことは許さない。でも、そこの基地外以外はどうやら不本意みたいだな、この襲撃自体。
何かあいつに弱みでも握られているんだろう。お前の顔は、悪に染まり切っていない顔だ。」
「・・・ありがとう。」
そう言って、雉は鬼の心臓に小太刀を突き立てた。
鬼の死を見届けてから、桃太郎一行は地下に向かった。先ほどの鬼の証言通りに、隠し扉はあり、その奥には階段が続いていた。
地下は思っていたよりも長く続いており、最下層に、これまた鬼の証言通り武器庫と宝物庫があった。
「ひゃはははははは!!!遂に見つけたぜ!!思った通りだ、あいつらたんまりとため込んでやがる!!」
桃太郎が興奮するのも無理はない。そこには、桃太郎たち4人が、これから先、遊んで暮らしても使いきれないだけの金銀財宝があったのだ。
嬉々として、桃太郎はその宝を持参した箱や袋に詰めていく。全体の半分も詰めていなかったが、これ以上は、船に乗り切りそうもないので
残りはあきらめて、城を脱出することにした。
帰りは元来た道を慎重に戻り、敵に出くわすことなく、裏口まで来ることが出来た。
裏口から出る直前、桃太郎は猿がここまで言いつけ通りに壁沿いに撒いてきた火薬に火を放った。
火薬は爆発しながら、すぐに燃え広がった。また、火薬は地下の武器庫まで伸びていたので、桃太郎一行が城を
出た後、武器庫の火薬に火が移ったのだろう。突如、城の中心部が丸ごと吹き飛んだ。
ここからは、単純な殺戮が始まった。桃太郎、犬、雉がそれぞれ、出くわした鬼を切り殺す。
その騒ぎを聞きつけた鬼を、更に切り殺した。加えて、桃太郎は破裂玉に火をつけて辺りの鬼の家に投げ込んでいた。
島中が混乱と恐怖で包まれ、敵味方の区別がつかなくなった鬼の内乱も起こっていた。
だれかが、この混乱を招きいれたと噂が広まったのだ。
そうとなっては最早、この混乱を納める方法は人間か鬼、どちらかの殲滅しかあり得なくなってしまった。
これこそが、桃太郎の作戦だったのである。
この混乱に乗じ、桃太郎は更に殺戮の速度を速める。犬と雉に鬼を切り殺させ、自身は破裂玉を辺りに投げ入れ
また、道路や家に火薬を仕込み遠くから火を放った。辺りは、火と血しぶきに覆われ、さながら地獄の様だったという。
この世の地獄を創り出した桃太郎は、一通り鬼の虐殺を楽しんだ後、乗ってきた船に奪った宝を乗せて鬼ヶ島を後にした。
その後、鬼ヶ島は火に包まれ、1匹の鬼も残らず死に絶えたと言われている。
こうして、善良な鬼が死に絶え、人の皮を被った悪魔が英雄の名を手にしたのである。
桃太郎の家来に対する悪趣味な罰は、思わぬ効果も発揮した。出くわした鬼は例外なく、雉と猿の腰についている
小鬼の一部を見て、体を固めるのだった。
その隙をついて、雉は一太刀で鬼を殺していった。
やがて、住宅地を抜けて、城のような建物が一行の前に現れた。
「思った通りだ、やっぱり奴らにも階級みたいなもんがあるんだろう。ここには、上級の鬼が住んでいるはずだ。
そして、目当ての宝物はここに隠されているはずだ。」
「ここからが、本番だぜお前ら。この先は、より一層慎重に確実の鬼を仕留めないとならねぇ。気を引き締めろよ。
それから、猿。破裂玉を俺に、よこせ。」
猿は、破裂玉の入った袋を桃太郎に手渡した。
「猿。ここからはお前にも仕事がある。お前の持っている袋に、火薬が入ってるだろ。それを、建物に入ったら、
壁に沿って撒き続けるんだ。いいな。」
「わかったわ。」
猿は、頷く。
遠くの方では、まだ騒ぎ声が聞こえる。海賊と鬼の戦闘もまだ続いているのだろう。
「よし、城攻め開始だ。」
ここでも、雉を先頭に城の裏口らしきところから攻め入る。
中に侵入すると、そのは慌ただしい雰囲気に満ちていた。どうやら、海賊との戦闘が海沿いの村から
町中にまで広がっているようで、この城からも戦闘員を派遣することにしたようだ。
「これは好都合だな。こいつらこの騒ぎで、守りを固めきれてねぇ。」
一行は、敵との遭遇を避けながら、進んだ。目当ては鬼が隠している宝のみ。
その隠し場所を見つけるのに、一つ一つ扉を開けて確かめていては、いずれ鬼にバレて捕まってしまうだろう。
そうならない為には、内部の事情を知る者から、情報を収集するほかない。
桃太郎は、単独で行動している鬼を探していた。集団行動していなければ、居なくなっても気づかれにくく、都合が良い。
そうこうしているうちに、1匹で大きな鎧のようなものを運んでいる鬼を発見した。
そして、その鬼を尾行し、1匹で部屋に入ったことを確認したあと、押し入り、鬼を気絶させた。
「おい、起きろ!化け物!」
桃太郎が、鬼の顔を何度も殴る。鬼はその痛みで目を覚ました。
「な、なんだお前ら!あの海賊の仲間か!」
鬼は、叫んだ。
「馬鹿か、大きな声上げてんじゃねぇよ。」
桃太郎は、さるぐつわを鬼の口につけると、刀で鬼の足の甲を貫いた。
鬼は、悲鳴を上げるが、さるぐつわを付けられているせいで、声がくぐもっていた。
「おい、聞け。お前は殺す。これはもう決まってる。命はあきらめろ。お前に出来るのは、自分の死にざまを選ぶことだけだ。」
鬼は、目を見開いて目の前の男を見る。その目には、恐怖と怒りの色が見えた。
「お前ら、人間から報酬として受け取った宝を隠してるよな。この建物に。どこだ、教えろ。そうすれば、俺が一太刀で
お前の首と胴体を切り離してやる。痛みは感じない。一瞬だ。これが一番優しい死に方だ。」
次に桃太郎は、犬の腰にぶら下がっている物体を指さす。
「あれが見えるか、鬼。あの大男と横の奴はな、この島についてすぐに子供の鬼を嬲り殺して、バラバラにした。
しかもそれから、ああして腰にぶら下げて手柄として見せしめにしてやがる。どうだい、もし素直に吐かないというならお前は地獄を
見ることになるぞ。俺なら、楽に殺してやる。あえて、苦しませるような趣味は無いからな。どうする、選べ。」
犬と雉は何か言いたげな顔をしていたが、ジッと囚われた鬼の顔を見ていた。
鬼は、犬の腰についている鬼の子供の腕を見ると、始めは驚きの表情を浮かべていたが、やがて、その顔は怒りに変わり桃太郎を睨んだ。
「睨んだって何も変わらねぇぞ。吐くなら、そのさるぐつわ外してやる。どうする、早く決めろ。この鬼畜どもが、お前の指を切り落としたがっているぜ。」
鬼は、しばらく桃太郎の顔と犬の顔を交互に見ていたが、やがて、あきらめたように桃太郎に向かって頷いた。
桃太郎が鬼に付けたさるぐつわを外す。
「お前らは、絶対に許さない。俺たちが、何をした。その子が何をした。どうしてそんな残酷なことが出来る!」
鬼が台詞を言い終えるか否かという時、桃太郎は鬼の左足首を切り落とした。
「ああああああああ!」
鬼が悲鳴を上げる。
「ちっ、今ので気づかれたらどうしてくれるんだ?ああ?」
桃太郎は鬼の左の目玉にも、刀を突き立てる。
鬼が悲鳴を上げる前に、桃太郎は無理矢理鬼の口を閉じた。
「お前が殺される理由は、お前には関係ない。言っただろ。これ以上、目方を減らしたくなければ、さっさと吐け。
次はもう一匹鬼を捕まえさせようか。それで、お前の目の前で、切り刻んでやろう。そうなったら、もうお前が宝の在処を謳ったところで
関係ない。俺が、飽きるまで痛めつける。」
「やっぱり、やったのはお前か。」
鬼が、左目を抑えながら、くぐもった声で言う。
「は?あー、ネタ晴らししちまったな。そうだよ、全部俺。俺が優しいって設定ならお前が吐きやすくなるかと思ったが
もう関係ねぇ。鬼、本気で俺がキレる前に吐け。今なら、お前をバラバラにするだけで勘弁してやる。
それとも、お仲間もバラして、どれがお前の腕か分からないように混ぜて村の連中に配ってやろうか。なぁ?」
どちらが鬼か、分からないな。雉はそう思っていた。
「なぁ、鬼さん。本当に早く宝の場所、教えてくれよ。俺はもう無駄な殺しはしたくないんだ。」
雉は耐え切れなくなって、そう言った。
「・・・だってよ。俺は、やさしい家来を持って幸せだ。あいつの言う通りにしてやってくれや。大将。」
桃太郎はニヤニヤと笑っていた。
「・・・わかった。だが、1つだけ頼みがある。殺すなら、その少年に殺してほしい。この基地外だけは勘弁してくれ。」
「誰が基地外だ、誰が。まぁ、いいや。雉、聞いたな。お前が殺せ。」
雉は、鬼の目を見ながら頷く。
鬼は、安堵したように深いため息を吐いた。それから、宝の在処を話し始めた。
「宝は地下にある。この部屋を出て、まっすぐ行った突き当たりを右に行くと、行き止まりになる。
だが、そこは隠し扉になっていて、強く押すと開くようになっている。中に階段があるから、一番下まで降りろ。
そうすれば、後は武器庫と宝物庫があるだけだ。」
「隠し扉か。怪物にしては、上等なもんつくるじゃないの。ありがとよ。望み通り、殺してやるよ。」
桃太郎は雉に、顎で指図する。
雉は小太刀を持って、鬼に近づく。
「・・・すまない。」
「お前らのしたことは許さない。でも、そこの基地外以外はどうやら不本意みたいだな、この襲撃自体。
何かあいつに弱みでも握られているんだろう。お前の顔は、悪に染まり切っていない顔だ。」
「・・・ありがとう。」
そう言って、雉は鬼の心臓に小太刀を突き立てた。
鬼の死を見届けてから、桃太郎一行は地下に向かった。先ほどの鬼の証言通りに、隠し扉はあり、その奥には階段が続いていた。
地下は思っていたよりも長く続いており、最下層に、これまた鬼の証言通り武器庫と宝物庫があった。
「ひゃはははははは!!!遂に見つけたぜ!!思った通りだ、あいつらたんまりとため込んでやがる!!」
桃太郎が興奮するのも無理はない。そこには、桃太郎たち4人が、これから先、遊んで暮らしても使いきれないだけの金銀財宝があったのだ。
嬉々として、桃太郎はその宝を持参した箱や袋に詰めていく。全体の半分も詰めていなかったが、これ以上は、船に乗り切りそうもないので
残りはあきらめて、城を脱出することにした。
帰りは元来た道を慎重に戻り、敵に出くわすことなく、裏口まで来ることが出来た。
裏口から出る直前、桃太郎は猿がここまで言いつけ通りに壁沿いに撒いてきた火薬に火を放った。
火薬は爆発しながら、すぐに燃え広がった。また、火薬は地下の武器庫まで伸びていたので、桃太郎一行が城を
出た後、武器庫の火薬に火が移ったのだろう。突如、城の中心部が丸ごと吹き飛んだ。
ここからは、単純な殺戮が始まった。桃太郎、犬、雉がそれぞれ、出くわした鬼を切り殺す。
その騒ぎを聞きつけた鬼を、更に切り殺した。加えて、桃太郎は破裂玉に火をつけて辺りの鬼の家に投げ込んでいた。
島中が混乱と恐怖で包まれ、敵味方の区別がつかなくなった鬼の内乱も起こっていた。
だれかが、この混乱を招きいれたと噂が広まったのだ。
そうとなっては最早、この混乱を納める方法は人間か鬼、どちらかの殲滅しかあり得なくなってしまった。
これこそが、桃太郎の作戦だったのである。
この混乱に乗じ、桃太郎は更に殺戮の速度を速める。犬と雉に鬼を切り殺させ、自身は破裂玉を辺りに投げ入れ
また、道路や家に火薬を仕込み遠くから火を放った。辺りは、火と血しぶきに覆われ、さながら地獄の様だったという。
この世の地獄を創り出した桃太郎は、一通り鬼の虐殺を楽しんだ後、乗ってきた船に奪った宝を乗せて鬼ヶ島を後にした。
その後、鬼ヶ島は火に包まれ、1匹の鬼も残らず死に絶えたと言われている。
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