称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう

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第二章 ゴブリン大増殖編

第28話 vs ゴブリンロード

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ゴブリンロードと冒険者たちの戦いは徐々に激しさを増していく。


その巨体に似合わずかなりの素早さを見せるロードに苦戦を強いられる主力部隊。攻撃力・防御力ともに桁違いのステータスに元Aランク冒険者でギルドマスターでもあるアースルドでさえ顔をゆがませていた。


「カレン、君は支援を優先してくれ!」

「分かりました!」


このままでは勝てないと判断したアースルドは残り少ない魔力回復ポーションのことも考え、カレンを支援に回すことにした。これで主力部隊はCランク冒険者のニーアとカレンの魔法使い2人を完全に支援へとまわすことになった。


「こっちだ、ロード!!」


デニムとアースルドがロードの攻撃を引き付ける。その隙に他のメンバーたちが攻撃を入れるという基本的な連携を繰り返している。しかし、ロードも一筋縄でいく相手ではなく徐々にその連携に対応しつつあった。


「グオオオォォォォォォ!!!!!!!!!!」

「うわぁぁぁぁぁぁ!!」


背後から攻撃を仕掛けようとしていたウィークが冒険者たちの連携に対応したロードの一撃をまともにくらってしまった。辛うじて防御したが、ロードの一撃にはほとんど意味を成さなかった。大きく吹き飛ばされ、そのまま壁に勢いよく叩きつけられた。。


「ウィーク!!!!!」


ニーアが絶望的な表情を浮かべて叫ぶ。強烈な一撃によって吹き飛んだ彼の状態は絶望的であることは簡単に予想できた。彼女の脳裏に最悪の事態が浮かび上がる。


そんな中、いち早くゲングがウィークのもとへと駆けつける。ウィークの容態を確認してみると、まだ辛うじて息をしていたが相当なダメージをくらっており戦闘に復帰不可能なことは明白であった。

ゲングはウィークが生きていることをハンドサインで部隊メンバーに伝える。
それを見たニーアはほっと胸をなでおろし、安堵の上場を浮かべる。


「ゲング!ウィークを早くあっちの安全な場所へ!!」

「了解した!」


ゲングはアースルドに指さされた方向へと倒れたウィークを抱えて向かう。
大空間入り口付近の通路横にあった小さな空間にウィークを寝かし、持っていた最後の回復ポーションをウィークの口へと流し込む。回復ポーションのおかげで喋れるくらいには回復したウィークがかすれ声でゲングに話しかける。


「す、すまねぇ...足、引っ張っちまって.,,」

「気にするな!今はここで安静にしておけ」


そういうとウィークはここで力尽き、気を失ってしまった。
ゲングは息をしているのを確認し、急いで大空間へと戻っていった。





======================





「くっ、攻撃力も防御力も化け物級だな」

「油断するなよ、さっきみたいに一撃でもまともに当たったら終わりだからな」

「けど、このままじゃ俺も耐え切れんぞ!」


デニムがロードの攻撃を大盾で受け流しながら苦い顔をする。一撃の威力が高すぎるため、受け流しているのにも関わらずデニムの体にはダメージが蓄積していっている。このまま決め手がなく、受け続けていれば確実に攻撃を受け流しきれなくなることはデニム自身も理解していた。


アースルドもこのままではロードの圧倒的なステータスに押し負けてしまうことを危惧していた。現在は何とか彼とデニムがロードのヘイトを受け持っているが、先ほどのウィークのことからも分かるように徐々にその連携にも綻びが生じ始めている。早急に突破口を見極めなければ主力部隊の負けは必至である。


「待たせた、ウィークはなんとか無事だ。」

「ゲングさん、本当にありがとう...」


ニーアはゲングに弱々しい声で感謝を告げる。
これで主力部隊は数を減らし、さらに厳しい状況に立たされてしまった。


状況を打破するには、そして勝利を掴むためにはここで勝負に打って出るしかない。
アースルドは重大な選択を迫られていた。

ここで一か八か勝負に出なければじりじりと押し負けてしまうだろう。
しかし、もし勝負に出て失敗してしまえば全滅はほぼ確定と言ってもいいだろう。

ギルドマスターとして、そして主力部隊を率いる者としての覚悟を決めなければいけない。


「諸君、このままでは押し負ける。ここから勝負に出るぞ!」


アースルドは覚悟を決め、皆に呼びかける。
その真剣な、そして何かを覚悟した男の顔に皆が事の重大さを理解し気を引き締めた。


この勝負は必ず成功させなければならない。
しかし万が一、失敗に終わったとしても未来ある彼らだけは絶対に守り切ってみせる。
強く、誇り高い決意を胸に...


「デニムとゲング、全てを出し切っても構わない。ロードのヘイトを買い、攻撃を防ぎきれ!」

「「了解!」」

「そしてニーアはデニムとゲングに支援を集中!防御面を重点的に補うこと!!」

「分かりました!」

「私とアレン、そしてローナは全力をもってロードを攻撃する。カレンはアレンとローナに支援を集中!」

「「「分かりました!!」」」

「残りのポーションも惜しみなく使って構わない。諸君、これで決め切るぞ!!」

「「「「「「はい!!!!!!」」」」」」


アースルドの指示を聞き、それぞれの配置につく。
それぞれが残りのポーションを使い、最後の勝負への万全の体制を整える。

そしてアースルドは諸刃の剣となりうる切り札を使う。


「身体強化!!!」


彼のステータスが先ほどまでとは比べ物にならないくらい大幅に上昇していた。

しかし身体強化魔法は使えば使うほどに魔力を消費してしまうのだが、アースルドのステータスは近接戦闘に特化したタイプなので魔力量はそこまで多くない。つまりはこの切り札を使えるのは2~3分が限界であり、魔力を使い切ってしまえばその後はまともに戦闘することは出来なくなってしまうだろう。

まさしく諸刃の剣であるが、ここで使わなければ勝機はない。
魔力がなくなった後は皆を逃がすための肉壁にでもなればいい、文字通りの決死の覚悟であった。


「お前の相手はこっちだ!ロード!!!」


デニムが大盾をどっしりと構え、ロードにスキル『挑発』を使う。
するとロードの意識はデニムに釘付けになり、視野が従来よりも狭まった。

『挑発』は知力の低い者により効果を発揮するスキルで相手の視野を狭めてヘイトをスキル使用者に集中させる効果があるのだが、それは一人がしばらくタコ殴りにされてしまうということであるので使いどころが非常に難しいスキルである。しかし、デニムは今がその時だと、自分も覚悟を決めなければならないと判断したのである。


ロードの全ての攻撃がデニムに集中し始める。この状態は長くはもたないことは明白であった。ゲングもデニムを援護し、ロードの攻撃を何とか一部捌いているが徐々に二人へのダメージは蓄積していく。ニーアの支援も確実に効果を成しているが、やはりロードの攻撃は凄まじいためじわじわと押されていく。


しかし、デニムたちに完全にヘイトが向かったおかげでロードには明らかな隙が出来ていた。それは主力部隊にとっての一筋の光、勝利への道筋であった。そこをアレンもローナも、そしてアースルドも見逃すはずがなく、三人は己が全力の一撃を喰らわすために走り出す。


「はぁっ!!!」


ローナが鋭い剣筋で背後からロードの首筋を狙い斬る。
タンクにヘイトが向いていたこともあり、その一撃はロードにダメージを与えることに成功した。


「グアアアアァァァァァァ!!!!」


初めてまともに受けたダメージにより冒険者たちへの怒りが溢れ出る。
より攻撃的にそして狂暴化したロードはさらに激しさを増して彼らに襲い掛かる。


「ぐっ!!!」


その激しい攻撃を捌くことが出来ず、ゲングが吹き飛ばされてしまう。
幸いにも着地に成功し、戦闘を続行できるくらいのダメージで済ませることが出来た。
徐々に前衛が崩壊し始めているのが目に見えだし、主力部隊に残されている時間は僅かとなってきた。


「はあぁぁぁぁぁ!!!!!!」

「ギャアァァァァァ!!!」


確実に大ダメージを喰らわせられる瞬間を見極めて、ロードの肩口から腰にかけてアースルドの強烈な一撃を斬り刻まれた。大量の血しぶきを上げ、思わずロードも悲痛な叫び声をあげて膝をついてしまった。

しかしアースルドも狂乱したロードのストレートパンチを受け、後方に大きく弾き飛ばされてしまう。身体強化魔法によって防御力も強化されていたために深刻なダメージには至らなかったものの、追撃が出来なくなってしまった。


「今だ!アレン!!!」


アースルドは止めの一撃をアレンに託す。

アレンは自身の攻撃の中で最大威力を誇るユニークスキル『一撃の刃』を発動させていた。このスキルは発動後の一撃を自身の数十倍もの威力に高めることが出来るものであるが、発動までに時間がかかるのと一度使えば数日は使えなくなってしまうという使い勝手の悪いものである。

彼もまた使うべき時を間違わず、今ここで使う以外ないと英断を下していたのだ。



「これで終わりだ!ロードォォォォ!!!!!!」


強烈なアレンの一撃の刃がロードを襲う。
先ほどのアースルドの一撃によって大ダメージを負っていたロードにそれを避ける術はなかった。


「グアァァァァ......!!」


渾身の一撃はロードの体を水平に真っ二つに切り裂いた。
ロードは最後まで抵抗の意思を見せていたが叶わず、斬られた上半身はそのまま地面に崩れ落ちる。


意識が薄れていきながらも大空間の奥で横たわっている守るべき母、マザーの方をじっと見つめていた。しかし次第にその瞳からは光が失われていく。


そして静かにロードの命の灯は消えていった。



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