称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう

文字の大きさ
52 / 122
第三章 王都誘拐事件編

第44話 森に潜む者たち


「あ~、暇だな...」


サウスプリングを出発して約10時間、俺たちは穏やかな平原を進んでいた。町を出発してからしばらくはこの広い平原が広がっているので盗賊はもちろん、魔物も出ない。安全なのは良いことなのだが正直やる事がなくて暇を持て余している。途中の昼休憩がこの乗り心地の最悪な馬車から解放されて気持ちよかったっていうのと、あとはセラピィと語らうことが唯一の暇つぶしになっている。

セラピィと俺は何か契約?みたいなので繋がっているらしく言葉を発さずとも念話のような形で会話が出来るのだ。そのおかげでマーカントさんに変な目で見られずにセラピィと話すことが出来ている。


今通っている安全な平原はまだまだ続いていくのだが、しばらく進んでいくと広大なスケーアの森というところを抜けていくことになるのだという。その森は俺が以前行ったことがあるフーリットの森の何倍もの広さがあり、その分魔物もたくさん生息しているのだという。それにスケーアの森は王都へと向かう近道となっており、今回のように多くの商人たちが通るためにそれを狙う盗賊たちもそこに潜んでいることが多いのだとか。


マーカントさん曰く、もう一つ王都へと行ける道があるらしいのだがそちらは遠回りになって今回の倍以上の日数がかかるのだそうだ。護衛を俺一人しか雇えなかったことからも分かる通り、今のマーカント商会には余裕があまりないので王都へ向かうために遠回りをしている余裕がないのだそうだ。

それにもうすぐしたら王都では建国祭という盛大なお祭りが行われるらしいので、この商売チャンスを逃さないよう一刻も早く王都へと辿り着きたいのだそうだ。


「おっ、ユウトさん!そろそろスケーアの森が見えてきますよ!」

「本当ですか?!」


俺は荷台から顔を出すと進行方向の先の地平線から少し顔を出し始めたたくさんの木々が見えた。あれがスケーアの森なのか、俺の地図化スキルでも未だにその全貌が把握しきれないほどの広さがある。これはこの森を抜けるのも時間がかかりそうだな。


俺たちはスケーアの森へと入る前にテントを張って野営をすることとなった。先ほども言った通り、スケーアの森は安全ではないので出来る限り森の中での野営は控えたいのである。とは言っても2,3回ほどは森の中で野営しないといけないのだけれどね。


「明日からは今回の旅で一番気を引き締めないといけないスケーアの森に入っていきます。ユウトさん、ぜひともよろしくお願い致します」

「ええ、任せてください!」


俺はマーカントさんに対して自信満々に答える。
依頼主を安心させるのも護衛としての役割だと思うので俺ははっきりとそう告げた。

どんな脅威が来ようともマーカントさんを守り切るという自信はもちろんあるが、どんなことにも想定外の事態というのはあり得る。この先どんなことが起こるかなんて誰にも分からないのだ。ゴブリン・イクシード並みの脅威なんてそう来ないとは思うが油断は大敵である。


そうしてマーカントさんと俺は交代に見張り番をしながら休息を取った。
幸いにも魔物や盗賊などの襲撃もなく、平和に過ごすことが出来た。





次の日、俺たちはついにスケーアの森へと入っていった。


森には交通のために切り開かれた一本道が通っており、それ以外は完全に自然豊かな木々に囲まれている。もちろん前世とは違って舗装や整備などされていないから今まで以上に馬車の乗り心地が悪い。お尻が痛いっていうのもあるが、俺のスキル『健康体』がなければ確実に乗り物酔いしていただろう。これで酔いもあったら本当に地獄だっただろう。ただただこのスキルには感謝しかない。


森に入ってからはセラピィがとても楽しそうに僕の周りを飛び回り、口数も心なしか増えているように感じた。やっぱりまだ俺以外の人がいるところではなかなか普段通りに出来ないのだろう。特に調べた限りでは精霊というのは人を選ぶとは聞いたが人を嫌っているとは聞いていないので人見知りなだけかもしれないな。


スケーアの森に入った初日は何事もなく進むことが出来た。
この長旅も残るはあと2日、おそらくは明日が山場と思われる。

明日からがこの森でも一番深いところを進むこととなっているのでそこからが一番危険度が増すのだという。狂暴な魔物や金目の物を狙っている盗賊たちも討伐隊に発見されにくい森の奥深くに潜んでいるらしい。明日はより一層気を引き締めていかないといけないな。





そして翌朝、俺たちは太陽が昇って辺りが明るくなってきたタイミングで出発する。出来れば今日中にこの森を抜け切りたいところだそうだ。そうすれば予定通り明日のお昼ごろには王都へと到着する予定とのこと。このまま何事も起こらずに終わってくれたらいいのだけれど...俺の尻のためにも。


「...?!」


するとフラグを回収するかの如く、俺の地図化スキルに反応が現れた。
俺たちの進行方向の道を取り囲むようにいくつもの魔力反応が確認できる。

反応からするにこれは魔物ではなく人だろう。
まあ盗賊、だろうな。


残念ながら森の中の道は一本道であるが故にここから回り道をするなんてことも出来ない。このまま奴らのもとへと正面から突っ込んでいくしかないのだ。幸いなことにまだ目視でも確認することが出来ないほどの距離はあるから対策をしておくとするか。


そうして俺はマーカントさんにこのことを告げ、時間を稼ぐためにわざとスピードを若干遅くしてもらった。明らかにスピードを落としすぎると盗賊たちに怪しまれてしまうのでそこは上手く調整してもらった。



「俺たちは盗賊狩りに行くとしますか。セラピィ、手伝ってくれる?」

「うん!もちろんいいよ~!!」


俺たちは馬車から飛び降りて森へと入っていった。

俺は気配遮断を使って音や気配を断ち切り、そしてセラピィにお願いして透明化することによって完全に姿を消すことに成功した。これで盗賊たちがセラピィはもちろん俺を認識することは出来ないだろう。相手のレベル的に正面からやりあっても勝てるだろうけれど念には念をってね。


実はこの透明化の魔法は一度俺も挑戦したことがあるのだが、以前の並列思考の時と同じようにどうやればいいのか分からず断念したという経緯がある。しかしまさかセラピィがその魔法を使えるとは知らず、あとからそれを知ったときには思わず「使えるんかい!」と突っ込みたくなったものだ。


それはさておき初めての盗賊退治だ、油断せず全員残らず捕縛して牢屋に入れてやろう。そうして俺は先回りして盗賊たちの潜んでいる地点へと猛スピードで向かっていった。
感想 24

あなたにおすすめの小説

転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜

家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。 そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?! しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...? ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...? 不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。 拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。 小説家になろう様でも公開しております。

10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)

犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。 意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。 彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。 そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。 これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。 ○○○ 旧版を基に再編集しています。 第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。 旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。 この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!

武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生したユウトは、十三歳になり成人の儀式を受け神様からスキルを授かった。 しかし、授かったスキルは『レベル1』という聞いたこともないスキルだった。 『ハズレスキルだ!』 同世代の仲間からバカにされるが、ユウトが冒険者として活動を始めると『レベル1』はとんでもないチートスキルだった。ユウトは仲間と一緒にダンジョンを探索し成り上がっていく。 そんなユウトたちに一人の少女た頼み事をする。『お父さんを助けて!』

レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル 異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった 孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。 5レベルになったら世界が変わりました

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す

紅月シン
ファンタジー
 七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。  才能限界0。  それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。  レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。  つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。  だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。  その結果として実家の公爵家を追放されたことも。  同日に前世の記憶を思い出したことも。  一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。  その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。  スキル。  そして、自らのスキルである限界突破。  やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。 ※小説家になろう様にも投稿しています

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。