称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう

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第四章 極寒山脈の凶龍編

第66話 手合わせ


「て、手合わせって一体どういうことですか?!」


俺は突然のグランドマスターからの提案を上手く呑み込めずにいた。
何をどうしたら手合わせってことになるんだ?!


「ちょっと待ってください!いくらユウトさんが強いからと言ってもまだCランクですよ?!この国一番の強さを誇るグランドマスターと手合わせなんて...!」


レイナさんは俺の身を案じているようで心配そうな表情でこちらを見ていた。普通にランク差を考えたら、グランドマスターからの提案は勝負にもならないようなもので俺が一方的にボコボコにされる未来しか見えないのが当たり前だろう。


「そう心配することはないさ。さてユウト君、私は先に地下の演習場で待っているから準備が出来たら来てくれよ」


グランドマスターはそう告げると満足げな表情で颯爽と部屋を出ていった。
彼が出ていった後の部屋にはさっきまでとは打って変わって静けさが辺りを包んでいた。


「...ユウトさん、グランドマスターと手合わせされるんですか?」


レイナさんは先ほどよりもより一層心配そうな顔をして質問する。彼女に心配はかけたくはないが状況的に戦わないという選択肢はないだろうし、それに俺自身が少しグランドマスターとの手合わせに興味を持ってしまっているのだ。


「レイナさん、心配していただきありがとうございます。でも大丈夫です!僕だってそこそこ強いんですから」


俺はレイナさんを励ますように優しい口調で話しかける。
そんな俺を見て、何かを悟ったような諦めたような表情になり深くため息をついた。


「...分かりました。でも無理はしないでくださいね!」

「もちろんです」


俺はレイナさんに返事を返すとグランドマスターの元へと向かうために立ち上がる。すると目の前に座っていたお嬢様もほぼ同時に立ち上がってドアの前へと向かい、ドアの側で立ち止まった。


「では、私がご案内しますね」

「ありがとうございます」


どうやらお嬢様が地下にあるという演習場まで案内してくれるそうだ。何だかお嬢様に案内してもらうのは立場的に大丈夫なのかと少し心配になるが今この場で演習場の場所を知っているのはお嬢様しかいないのでお願いするしかないんだよな...


俺たちは応接室を出て演習場へと向かい歩き始める。
すると向かう途中の廊下で向こう側から歩いてくるメイド服姿の女性が見えた。


「あっ、マリアさん!」

「ご無沙汰しております、ユウト様」


そこにいたのはロードウィズダム公爵家のメイドでセレナお嬢様の専属メイド兼護衛のマリアさんだった。やっぱりお嬢様だけがいるはずがないとは思っていたけれど、案の定マリアさんもここに来ていたようだ。


「マリア、用事はもう済んだの?」

「ええ、たった今終わってお嬢様の元へと向かっていたところです。ところでお嬢様たちはどちらへ?」


お嬢様は先ほどの応接室での話を簡潔にマリアさんに説明する。
話を聞き終わるとマリアさんが同情の念のこもった表情でこちらを向いた。


「...ユウトさん、お気をつけて」

「あ、ありがとうございます,,,?」


もしかしてマリアさんはグランドマスターと戦ったことがあるのだろうか?
何だか少しマリアさんが遠い目をして何かを思い出しているようにも感じる。


そうして俺たちはマリアさんも同行することになり、地下の演習場へと辿り着いた。


長い階段を降りるとそこには大きな空間が広がっており、真ん中には土の床が広がっている長方形の演習スペースが広がっていた。その周りは腰上辺りまでの高さがある壁で囲まれており、さらにその外側には観戦できるように段差上の観客席が設けられている。


「おっ、ようやく来ましたか!待ちくたびれましたよ」


演習場にはたった一人グランドマスターがポツンと立っており、腕や足を伸ばして戦う前の準備運動を行っていた。いや、やる気満々じゃないかと突っ込みたくなるほど念入りに準備をしていて驚いた。


「あれがグランドマスターの相手か?」

「Cランクだって噂だぜ、相手になんねーよ」

「なんでグランドマスターもあんな奴なんかと...」

「可哀想なやつだな」


その周囲にある見物席には同じ冒険者と思しき人たちが少なくない人数集まっていた。どこから情報が漏れたのか分からないが、集まっている人たちはすでにこの手合わせのことを知っていたようだ。普通に考えたらグランドマスターが集めたとしか思えないが、なぜ単なる手合わせに観衆を集める必要があるのだろうか?


「ユウトさん、頑張ってくださいね!」


するとすぐ隣にいるお嬢様が俺にエールを送ってくれた。そういえば先ほどから彼女の顔には心配や不安といった感情はないように感じる。それだけ俺のことを信じてくれているということなのだろうか。もしそうならばこの手合わせ、簡単に負けるわけにはいかないな。


「では、行ってきます!」


レイナさんやマリアさん、そしてお嬢様にそう告げて俺はグランドマスターの待つ演習場へと足を踏み入れる。その瞬間、周囲の観衆から歓声が沸き起こる。


「おー、想像以上に盛り上がってるな」

「どうして人を集めたんですか?」


のんきに観衆を見渡しているグランドマスターに向かって質問を投げかける。
すると彼は何となく聞いた時に分かっていた答えを返す。


「んー、もし私に勝てたら教えてあげようかな」


俺はその回答を聞いてため息をつく。

グランドマスターはこの国最強と言われる人物だ。
そんな人にただの手合わせとはいえ、勝てたらなんて条件は教える気ないだろ。


まあこんな見え見えの挑発に普段なら乗らないが今だけは乗ることにしよう。俺だって今まで努力を続けて強くなってきたんだ、最強だろうが何だろうが...絶対に勝ってやるよ。


「あっ、そうだ。おーい、マリア!審判やってくれないかな?」


すると何か思い出したかのようにグランドマスターはお嬢様たちと一緒に観戦しようとしていたマリアさんに声をかけた。それを見たマリアさんは少し面倒そうな顔をしながらも渋々という感じでこちらへとやってきた。

やっぱりマリアさんとグランドマスターは知り合いなのだろうか。


「...それでは、これからグランドマスターと冒険者ユウトの手合わせを始めます」


先ほどまでの観衆の声が一瞬にして静まる。
すると先ほどまでとは一変し、この演習場に緊張感が走る。


「では両者、準備はよろしいですか?」

「ああ、こちらは問題ないよ」

「...はい、大丈夫です」


俺とグランドマスターに確認を取るとマリアさんは右手を天井へとまっすぐ伸ばした。
そうして大きく息を吸い込み始める。


「では...始め!!!」

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