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淫魔の夜宴
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誰もが一度は想像する。
魔法や超能力、スキルやギフト、特別な道具や装備でもいい。
どんな力が欲しい?
それを手に入れたら何がしたい?
空を飛んだり、瞬間移動したり、車を持ち上げたり。
手品のようにお菓子を作り出したり、リラックマと話せるようになったり。
色々あると思うけど、私が手に入れた能力は【セイホウシの真髄】と言うらしい。
聖法師?
「何だそれ」
「性別の性に、誰かの為に何かするという意味での奉仕。エッチなご奉仕だな」
目の前で報告書を読みながら師匠のあずにゃん……上原 梓が答えた。
「【性奉仕の真髄】……あれか? 私がビッチだと言いたいのか!?」
──私は今、律のお爺ちゃん家で上原家について説明を受けている。
上原 律は私の婚約者。
高校を卒業したらすぐに結婚して日下部家に婿入りしてもらう予定だけど、律の一族──上原家がかなり特殊らしい。
説明会に招集されたのは、私──日下部 澪と律。
妹弟子の棚橋 紬と、あずにゃんの婚約者。
確か……上原 俊介さん。
主催者側は師匠のあずにゃんの他に、律のお爺ちゃん──上原分家ご当主と、上原家お手伝いの神部さんが居た。
奥座敷に通されて上原本家の成り立ちだの掟だの小難しい話を聴いた。
正直、成り立ちに興味はないし掟の内容も要は上原に関する情報は絶対守秘で、破ったら相応の罰を受けるというありふれたものだった──のだけど──。
守秘契約を結ばされた後の話がヤバい。
「つまり上原家はその……異能使い? が生まれる血統で、あずにゃんや俊介さんも異能使いだと?」
「そうだ。私の異能について説明はできないが──」
目の前で正座していたあずにゃんが、ほんの少しだけ右肩を前に傾ける。
「──どう?」
「何が?」
「ほらコレ」
差し出された左手から吊るされるブラ。
「……!? 私のじゃないか!!」
いつの間に取った!
いや、ニットの上からどうやって!?
「どうぞ♪」
「どうぞじゃねえええ!」
ブラを奪い取ってニットの内側に隠した。
「細かく言うと、律も異能使いだ」
「「「「え?」」」」
紬と俊介さんに加えて、何でか律本人も驚いている。
「百聞は一見に如かず──神部、500円玉をくれ」
500円硬貨を受け取ったあずにゃんは左手でコイントスの準備をする。
「みんなよく見ていろ……御爺様も」
「よかろう」
キン
金属音がして弾き上った硬貨を追う。
頂点に達すると落ち始め、あずにゃんの目線の高さまで来たところで──。
パァン
合掌して硬貨を挟んだ。
そのまま左手を右手に乗せる感じでずらしながら意地悪な微笑みを浮かべて言う。
「数字が表、絵が裏──さあ、上はどっちだ?♪」
「裏」「表っす!」「裏かな?」
私と紬、俊介さんが答えた。
上座ではお爺ちゃんが拳で口を隠しながら笑っている……凄く楽しそうだ。
「神部は?」
「はい。裏か表か──は判りました。ただ、それ以上はご期待にそえません」
軽く一礼する神部さん。
それ以上?
「御爺様」
「俺より先に律の答えが聴きたい」
「あ、はい……梓さん」
「何だ?」
「相変わらず性格悪いですね」
「はう♡」
「ゴホンッ」
律の罵倒に悶えるあずにゃんを婚約者の俊介さんが諫めた。
お互いこの女には苦労しますね……。
「えっと、500円が裏──100円が表、10円は裏……かな?」
「はぁ!?」
あずにゃんが左手をどけて見せる。
「正解♪」
律が正解したのを自分の事の様に喜ぶあずにゃんを見て、少しイラっとした。
「あずさん……」
「律様、お見事です」
「御爺様はどうでしたか?」
「どうせ異能を使っているだろう、までは読めたがの……くくっ」
律やあずにゃんもお爺ちゃんと同じ笑い方するなぁ、上原家の癖なんかな?
なんて、どうでもいいことを考えていたら、あずにゃんの解説が始まった。
「律の異能は上原の男に最も多い身体強化系だが、感覚拡張に特化している」
「感覚拡張?」
「あぁ、五感を越えた六感のその先、未来視すら可能な七感……律のは6.5感といったところか」
「律君は見えたのではなく、予知に近い感覚で感じたということ?」
「その通り【近接未来予知】だ」
頷くあずにゃんを見て渋い顔をする俊介さん。
「ズルいな。おれのはただの身体強化なのに」
「あ、いや、そう言われましても……これが異能だって初めて知りましたよ」
(シャーアアアアア!!)
困っている律の後ろから抱き着きついて、俊介さんを威嚇した。
「ごめん! 嫉妬した」
「いえ! 大丈夫です!」
謝ってくれたけど、ハグしたついでだから胡坐の上に律を乗せて抱っこする。
「♪」
上機嫌な私と無表情のまま抱かれる律。
周囲の視線が生暖かいのは気にしない。
「よし。それでは本題に入ろう」
「本題? って何?」
いつの間にか斜め後ろで片膝を着いていた神部さんから数枚の書類を受け取る。
神部さんにちょこっと会釈して律と一緒に目を通すと──。
『後天性異能調査報告書──』
──タイトルの下に『対象:日下部澪』。
「?」「そういうことね」
「そういうことだ。報告書によれば澪の膣制御能力はもはや人の領域を超えた "異能" と認めらるそうだ」
何言ってんだこいつ……。
「異能の名は──」
──こうして明かされた上原の秘密と私の異能だけど──。
「ビッチというより淫魔……サキュバスだ。詳細を読んでみろ」
淫魔? ビッチより酷くないか!?
動揺を隠しながら報告書をめくる。
【性奉仕の真髄】
・性に関する事柄のみ常識を逸脱した人外の肉体改造が可能。
「「人外の肉体改造ってなんだよ!?」」
一緒に読んでいる律と声が揃った。
・莫大な精力精製手段の獲得。
・自他共に性欲の制御が可能。
「……」「自他共にって……」
・性交時繋がった相手に対して精力の授受が可能。
・特定の対象と性交を繰り返した場合、特定対象の肉体改造も可能。
これか……紬から上原家の男は絶倫だって聞いて納得したけど……何十回も射精できる律は上原家の中でも特殊だと思っていた。
それに律のおちんちんが私好みに成長した……今は、元のカリ高の形のまま15センチくらいまで大きくなっている。
私は単純に喜んでいたけど……これが原因か!!
「……律……」
不安そうに見下ろした私の両手に律の両手が絡まる。
無言だけど優しく擦ってくれて心が癒された。
「相性はあると思うが、他者の性欲を制御できて精力──厳密には、性欲とそれに伴う特定の霊力だけど、それをセックスで奪える。当然一定量奪われた場合は心身障害が発生する」
「律以外とセックスするつもりはない!」
「セックスと言うとおちんぽの挿入を──」
「ゴホァッ」
孫娘が突然吐いた卑猥な単語にお茶を飲んでいたお爺ちゃんがむせた。
あずにゃんは基本何でもできるけど、たまにポンというか……。
「んっ、男性器の挿入を想像すると思うが接吻や手を使った行為も含まれる」
「手で触れただけで相手の性欲をコントロールできるってこと?」
「うむ──訓練は必要だが」
「それが本当なら、確かに淫魔っすね♪」
「紬ぃ……」
「すみませんした!」
淫魔……サキュバス──スマホで検索した──。
〔伝承では女型の悪魔で男の生気を糧に生きたり、男型の淫魔インキュバスに変身して女を妊娠させたりする〕
──らしい。
「モンスターと一緒にしないでくれ」
「神話や伝承の大半は誇張された実話か、実話から派生した空想だからな」
「どういうこと?」
私が質問すると、あずにゃんは一瞬だけお爺ちゃんと視線を合わせた。
あずにゃんの代わりにお爺ちゃんが説明する──。
神話や伝承において、多くの神々が時の権力者や情勢の都合で悪魔や悪神とされたように、特殊な力──異能を持った人間も、悪魔や魔人、魔女と呼ばれ恐れられた。
他者を支配する事が出来る異能使いは特に。
一般的に神や神の敵対者である悪魔を語る場合、単語の示す範囲が広すぎて人それぞれで解釈が違ってしまう。
神や悪魔が実在するのか、実在するならそれがどんな存在なのかは置いといて。
信仰の対象や人を比喩的に神や悪魔と呼ぶ場合、地球上における神や悪魔の──。
──というような、触るな危険話が延々と続いた。
つまりだ、異能使いは時代によっては神や悪魔などと怖がられて、一般的な人にとってはそういう存在に近いらしい。
女型のサキュバスから変身して男型のインキュバスへ──も、私の異能【性奉仕の真髄】を使えば可能という事らしい。
・性交に関する事柄のみ "常識を逸脱した人外の肉体改造" が可能。
そう……おちんちんを生やせるらしい。
律に注いで貰った精液を、私のおちんちんから射精できるらしい。
あざとく気づいたあずにゃんが目を輝かせて叫ぶ。
「澪!」
「やらないから!!」
被せ気味に否定しつつ。
何を期待しているのか解って頭が痛くなった。
「澪さんの異能は、澪さんが思っているより危険だ」
お爺ちゃんから念を押される。
「はい……」
「間違った使い方をすれば自分自身を害する上に、他者を鑑みずに使えば幾らでも悪用できる」
「爺ちゃん! 澪がそんな──」
「──最後まで聴け」
律が私を庇ってくれる……あう、こういうたまに見せる男らしさが堪らなく好き♡
「異能は封印できるが、どうなさる?」
封印する気はない。
自他共に性欲の制御が可能なら仕事中に無駄に発情しないように出来るし。
私の中で精製した精力を律に渡せば疲労回復にもなる。
セックスして疲労や体力が回復するって……ヤバくないか?
何より、能力を研究して律と私の肉体を改造をすれば……不老不死は無理でも不老長寿ならできるのでは!
「封印しない場合は、どうなるのでしょうか?」
「日下部家が上原の分家に入る──すまんが強制だ」
強制……だからこその説明会か。
いくら世界屈指の大企業でも人権を無視した行為は許されない。
強制って言われて「はいそうですか」なんて答えられない。
だけど、あずにゃんやお爺ちゃんと出会って、人外の強さと異能の存在を知ったら嫌でも解らされる。
異能使いは普通の人にとっては神や悪魔、魔女や魔人。
つまり上原の意向に背くということは神や悪魔と争うということ。
なるほどなぁ。
……触らぬ神に祟りなし……律が上原を頼らないわけだ。
「私は構いませんが両親が何と言うか……」
「澪さんのご両親はもともと上原と深い繋がりがある研究者だ。問題ない」
「あ、確かに」
「事のついでに話をしておくと」
「はい」
「日下部 保志《やすし》殿の系譜も上原の分家となる」
「「「え!?」」」
律と紬も驚いていた。
叔父さん家も一緒にか……それがいいかも。
「あ、えっと、お爺ちゃん……」
紬が遠慮がちに手を挙げる。
「何か?」
お爺ちゃんはくしゃくしゃの笑顔で答えた。
紬は最初から可愛がられていたけど、あずにゃんと俊介さんの仲を取り持ってからは、お爺ちゃんのお気に入りになったみたい。
溺愛されていた……。
「日下部 保唯はどうなるっす?」
保唯は、私の許嫁でありながら紬を含め4人の少女を騙して睡眠レイプしたクズ。
「紬ちゃんはどうしたい?」
お爺ちゃんの口角がクイっと上る。
殺気が濃くなると同時にバチッバチッっと周りで静電気が弾けた。
「「「「「ヒッ」」」」」
その場にいる全員が委縮する。
「望むなら俺の権限で消してもいいぞ♪」
「爺ちゃん!」
「くくくっ……」
律の制止を悪魔の笑みで返すお爺ちゃん……いや、座椅子で胡坐をかきながら背もたれに躰を預け、高めのひじ掛けに右ひじを乗せて頬にあてた右手の拳で頭を支えるその姿はもう、悪魔どころか……魔王……。
「う……命は要らないけど、顔は見たくないっす!」
「ふむ、委細承知。任せておけ……くくく」
本当に大丈夫か!?
「では、日下部家は上原の分家に入る──それでいいな?」
「あぁ、これからも頼むあずにゃん」
「こちらこそだ♪」
──引き続いて細かい注意事項を確認した。
絶対守秘といっても必要な時は容赦なく異能を使う事、とか。
どうしようもなくなったら本家の異能使いが何とでもするから早めに相談する事、とか──。
◇ ◇
説明会から私達の生活は一変した。
私が異能を制御できるようになるまでは、律と一緒にお爺ちゃん家で暮らすことになった。
週1だった稽古は週5に増えて、あずにゃんが忙しい時はお爺ちゃんや俊介さんが教えてくれるし、お手伝いの神部さんが律と私の専属になって色々お世話してくれる。
──至れり尽くせりだ。
紬はご両親から許可を貰って正式に上原武仙流古武術道場の内弟子になった。
隠し事はもうしないと決意した紬は、俊介さんの愛人──昔で言うと側室、今なら内縁の妻──になったと、ご両親に話したらしい。
普通なら反対されるけど保唯の事もあるし、何より相手が大企業上原グループの御曹司。
変な男に騙されるくらいならよっぽど良い……と、喜ばれた……。
──何事もなく時は過ぎ、秋の装いが目立ち始めた頃──。
お爺ちゃんから2泊3日の紅葉狩り温泉旅行へ誘われた。
参加したのは、律の里親家族、私の家族、紬のご家族。
そして上原グループの重役さん達ご家族に、俊介さんのご家族と親戚、つまり上原本家。
最後に保志叔父さんの家族……もちろん保唯は自宅謹慎。
かなりの人数なので移動手段や宿泊施設も貸し切り。
上原本家のご当主様や、宗主様と呼ばれている上原グループ会長も来るし当然か。
この温泉旅行の主旨は誘われた時にお爺ちゃんから聴いた。
上原分家に加わった日下部家との顔合わせではあるけど、それはどちらかと言うとついでで。
メインは私の異能。
修練によって真価を発揮し始めた私の異能【性奉仕の真髄】は、上原家にとって、とてつもない価値をもたらすモノらしい。
色欲の支配は妊娠確率にも大きな影響を与える事が発覚した。
何より【性奉仕の真髄】がもたらす快楽はマンネリや倦怠期なんて無いものにする。
絶えず変化する膣に、あらゆる体液が甘く時には柑橘系の酸味を帯びて極上のジュースになる。
極上のジュースからは極上の香りが立ち昇り男を誘い寄せる。
体内で精製される莫大な精力は常に肉体を瑞々しく保ち、老化さえ遅らせる事が解った。
異能の名前はアレだけど、間違いなく【性奉仕の真髄】は女にとって理想のひとつと言っていい能力だと思う。
上原家の女たちが欲しがらないわけがない。
だから今ここに集まっている上原グループ重役の奥さんや娘さんたち女性陣は、ほとんどがコピー能力者。
お爺ちゃんの話だと私に危害が及ぶようなコピー能力の使い手は除外してあるから、ここに集まっている異能使いは条件さえ満たせば私に影響を及ぼすことなく異能を模倣できるらしい。
紬も言ってたけど……どこの異世界だよ。
当たり前だけど実験動物のように扱われることは無い。
異能の調査・研究は上原本家の異能使いによって実施されるから、私は普段通り日常生活を送っているだけでいい。
興味本位で「解剖とかされないよな?」とあずにゃんに聴いてみたら──。
「安心しろ。解剖が必要になったら、精神を破壊した重罪人に異能を強制上書きして、そいつを解剖するから」
──って言われた──そしてそれ以上聴くのを止めた──。
──宿泊する高級リゾートホテルは山麓にある。
3棟連なって扇状に並んだ横に広い5階建てのホテルは景観を損なわないためらしい。
中央に温泉スパがあって、スパを挟んだホテルの反対側には純和風一戸建の別荘が8軒、一定の距離をあけて佇んでいる。
主賓扱いの私と両親は、ホテルではなく別荘に案内された──んだけど。
両親がお爺ちゃんに頼んで、律と私、ふたりだけで別荘に泊まる事になった……子作りに励めってことね……。
荷物を置いたらすぐにホテルの最上階で全体の顔合わせパーティ。
上原本家から続いて分家の紹介をしてもらったけど……覚えられない。
人が多すぎて無理。
「とりあえず本家の人達の顔だけ覚えればいいよ」って律に言われたからそうした。
……
…………
4時間近く顔合わせして、やっとパーティが終わった。
気分を変えたいから、山間の川沿いに並走する遊歩道を律とふたりで歩く。
山肌はまだ完全な紅じゃない。
繋いだ手を私のチェスターコートのポケットに入れた。
本当は律のコートのポケットに入れたいけど、身長差で酷い絵面になるので我慢。
繋いだ手の温もりは頬を撫でる寒風も私達に刺さる好奇の視線も気にならないほど、心と躰を暖めてくれる。
紅葉狩りを楽しんだ次は、温泉スパ!
別荘には専用の貸し切り露天風呂があるけど、それは後のお楽しみ……。
あずにゃんと俊介さん、紬を誘って律と一緒に5人でスパへ向かった。
ひと通り躰を洗って温泉に浸る。
「ほぅ」
吐息をつきながら温泉を堪能していると──それはやって来た。
「やぁ、日下部さん、隣いいか?」
「っ、ど、どうぞ」
私の隣に来たのは、時折光の加減で水色や白銀色に輝く白髪に、宝石が散りばめられたかのような彩光を放つ薄青色の瞳を持った超絶美人。
肌は驚くほど白く透き通るようで、一糸纏わないその姿は本当に人間か? と疑うほど神々しい。
妖精や女神だと言われても納得できてしまう。
だが、その神々しさとは反比例して彼女が纏う気配は、今まで感じたことがない圧倒的に濃縮された殺気の塊だった。
宗主様の孫娘、上原 桜花。
見た目は10代後半、私と同じくらいの歳に見えるけど、たしかあずにゃんと同じ24歳。
あずにゃんがよく言う「分家最強」は本家の人を立てて謙遜しているんだと、思っていた。
純粋な戦闘力ならお爺ちゃんより、あずにゃんのほうが高い。
だからあずにゃんは地球最強じゃないかと、私は勝手に思っていた。
桜花さんが私の隣に来ると。
ゾクっと寒気がした。
そして、桜花さんが湯に足の爪先を入れた。
一瞬ジュっという蒸発音が聞こえたあと、ピキッピキッっとありえない音がする。
爪先周辺の温泉が凍っていた──ヤバすぎる──。
私の本能が最大級の警報を鳴らし "逃げろ!!" と必死で叫んでいるが、私の躰は動けなかった。
「おっと、すまない」
桜花さんが謝ると、何事も無かったかのように氷は搔き消えていた。
いやいやいや、おかしいだろ!?
凍ったんだから溶けろよ……周りの温度も一瞬で元に戻るっておかしいだろ!
混乱する私の肩を誰かが叩く。
「細かいことは気にするな」
「あずにゃん……」
私の肩を叩いたあずにゃんは、やれやれといった表情で私の隣に座った。
──結局動けない私は、そのまま恐怖に耐えるしかなかったわけだけど。
私の右隣に桜花さん、続いて桜花さんの妹レベッカさん。
左隣にあずにゃん、紬が座り。
距離を置いて上原グループの女性陣が囲むという、居た堪れない状況に──。
(律助けて!! 律ぅ!!)
心の中で叫んでいると、桜花さんが話を切り出して来た。
「日下部さんの異能をコピーしてもいいだろうか?」
いいだろうか? って拒否権ないだろ!
もともとそのつもりで旅行に参加してるし……。
「もち、もちろん大丈夫です」
「ありがとう」
私の許可を得た女性陣は、それぞれ思い思いに行動を始める。
握手を求めてくる人。
私を凝視したまま一切動かない人。
汗を舐めてもいいですか? と聞いてくる人。
墨汁? で自分の躰に呪文のような文字を書いていく人。
不思議な魔法陣を空中に浮かべる人。
様々だった。
……
…………
「よし、終わったか」
女性陣38名が私の異能【性奉仕の真髄】をコピーした。
お爺ちゃんの話では100%コピーできる人はふたりだけで、他の人はある程度しか出来ないらしい。
それでも妊娠確率を上げたり、完全避妊、生理の完全制御ができるだけでも相当の価値があるんだって。
ピルは毎日1錠飲み続けなくてはいけないし、アフターピルもピルも100%避妊ではない。
妊娠確率が下がることはないけど、上がることもない。
そして何より副作用がまずい。
薬物による副作用は異能の妨げになる可能性があるらしいから異能使いの女はピルには頼らない。
なので一部だけでもコピーしたいらしい。
──とりあえず、これで私の役目は終わりか?
そう思って湯船から出ようとすると、あずにゃんがまた馬鹿な事を言い出した。
「澪、おちんぽ生やすのってどうやるんだ?」
「あ゙?」
「え? 澪先輩おちんぽ生やせるっすか!?」
紬も食いついてきた。
「ほう、それは面白そうだ」
桜花さんまで興味深そうに私を見る。
「はわわわわっ」
桜花さんの妹、レベッカさんはあわあわしていた。
かわいい。
「生やす理由がないから多分生やせない」
「「ぶー! ぶー!」」
あずにゃんと紬が同時に不満を漏らす。
仲いいな。
「律君のお尻は犯さないのか?」
「そんな趣味はありません!!」
桜花さん……上原の女は変態しかいないのか!?
「仕方ない。私がやってみよう」
あずにゃんが浴槽の縁に座り直して股を大きく開いた。
自分の股間を覗き込む。
比較的濃い陰毛をかき分けて、おまんこを開いたり閉じたり、クリの皮を剥いたり被せたりしている。
「あずにゃん……」「あずさん……」「梓……」
みんなドン引きだ。
「ふむ……クリトリスがむずむずするから延びそうな気配はあるんだが」
あるんだ……てか、あずにゃんの異能はアポートだと思っていたけど、違うのか?
いや、そんな単純な能力だったら隠さないか。
「細胞増殖だと不可逆変化になる可能性が高いからクリトリスを延ばすより霊気を圧縮して半物質化のほうが現実的ではないか?」
「それだとペニバンと変わらなくないか?」
「ペニバンって何だ?」
「ペニスバンドだ」
「ペニスの帯? 気色悪いな」
「違う。固定用の帯が付いたディルドだ」
「あぁ。レズ用か」
「そうとも限らん」
白髪碧眼の超絶美女と黒髪パッツンの見た目だけ清楚美女の会話とはとても思えない内容の会話が繰り広げられていた。
すると前方から突然叫び声が上がる。
「出来ました! 出来ましたよ桜花様! 梓様!」
そこには30歳前後の女性が両手を腰に当てながら仁王立ちしていた。
股間には17、8センチくらいの立派なおちんちんが生えている。
「「「「「おぉ……」」」」」
女性陣が何とも言えない反応でざわつく。
「どうやった!?」
「イメージです! あたしは旦那のちんちんをイメージしました!」
「あらまぁ」「丁度いい大きさじゃない」「羨ましいわ」
奥様方……。
「イメージ……概念制御に近いのか? ふむ、私が知っているおちんぽ……」
アドバイスを受けたあずにゃんが集中する。
「ほう、面白い」
桜花さんが呟いた瞬間、あずにゃんの股間が盛り上がって20センチ越え寸胴型仮性包茎のおちんちんが生えた……まじか。
「「「「「わぁ……」」」」」
あちこちで切なそうなため息が漏れる。
「凄いっす! まんま俊介さんのおちんぽ様っすね♡」
蕩けた表情を浮かべ、あずにゃんのおちんちんを見つめる紬から投下された爆弾発言に──。
「ぎゃあああああ!!」
──何故か隣の桜花さんがダメージを受けて倒れていた。
そういえば俊介さんは桜花さんの幼馴染か。
桜花さんにとっては見たくもない身内の巨根を見せられてショックを受けたと……。
ま、まぁいいか……レベッカちゃんが介抱してるし、うん、大丈夫。
「おぉ……感覚がある……こんな感じなのか」
巨根をしごいて感触を確認するあずにゃん。
「あずさん! フェラ! したいっす!」
紬ならそうくるな。
「くくく、いいぞ紬。私に奉仕しろ♪」
「はいっす♡」
チュ、ニュル
軽く亀頭にキスをして被っている皮の中に舌を入れた。
「あぁ、これはこれでアリだ……」
皮の中にあるカリを舐め回されながら、それを楽しそうに眺めているあずにゃん。
「あは♪ 匂いも同じっす♡」
そんな情報はいらない……。
ある程度皮の中を舐め回した紬は、両手でゆっくりと皮を剥きながら先っぽを咥えた。
ジュル、ジュ、ジュポ
紬の口は小さいので、俊介さんのは大きすぎて入らない。
先っぽに吸い付きながら舌で尿道付近を集中攻撃している。
皮を剥き終わったらカリまで舌を這わせてキスをしながら舐める。
レロレロ、チュ、レロ、ジュ、ジュル、チュ
私が律に調教されたフェラだ。
以前成り行きで律と紬と三人でしたことがある。
その時のやり方を真似たっぽい……抜け目ないなこいつ。
「俊介様のおちんぽ様……♡」「素敵♡」「欲しい♡」
紬にフェラされるおちんちんを見て奥様方が色めきだした。
異様な雰囲気に包まれ危機感を感じた女性たちは浴槽を大きく迂回して脱衣場へ向かっている。
ここに残っているのは20代後半から40代前半の女性ばかり。
娘さんや比較的若い奥さんは逃げた……よし、私も逃げよう。
発情し始めた女たちを背に速足で脱衣場へ、迂回組に続いて中へ逃げ込む。
すりガラスの大きな両開きドアをくぐると──。
「おかえり」
「おひゃえりなひゃい♡」
──あずにゃんの目の前に立っていた。
「おい」
間違いなくあずにゃんの仕業だ。
「【性奉仕の真髄】」
異能を発動させて迎え討つ。
「まてまて」
「待たん」
「ほら向こうも始めた。エッチの勉強になると思うぞ?」
指差した先を見る。
おちんちんを生やすことが出来た6人の女性を中心に奥様方が絡み合っていた。
「……」
奉仕の仕方がそれぞれ違う。
確かに勉強になりそう……。
乱れる奥様方を凝視しているとあずにゃんの声が上ずった。
「あ、あああああ、なんかおちんぽを昇って……でりゅ!」
紬の顔の前でビクンビクンと跳ねる巨根。
「精子、出ないっすね」
「ふぁああ」
精子は出ないけど人生初の射精感に酔っているあずにゃん。
「サキュバスの伝承でも、他人の精子を奪ってからインキュバスに変身してその精子を射精するってあったから、生命そのものは生み出せないのかも?」
「異能は基本、創造主の恩恵だから。生命そのものを生みだすような禁忌は犯せない」
ショック状態から回復した桜花さんが私の考えを補足してくれた。
「あ、桜花さん大丈夫ですか?」
「う、む……」
起きて胡坐を組んだ桜花さんが側で介抱していたレベッカちゃんを抱き上げて膝の上に座らせる。
結局レベッカちゃんと一緒に見るんかい!
「くちゅん!」
心の中でツッコミを入れているとレベッカちゃんが可愛いくしゃみをした。
──その瞬間。
大浴場に暖かい風が吹く。
「ありがと! お姉ちゃん♪」
「ふふ」
レベッカちゃんが冷えないように桜花さんが異能で室温を上げた。
気遣い合うふたりに心が洗われる。
真っ裸だけど……。
「だが……射精出来ないと面白くないな」
「そうっすね♡」
馬鹿ふたりのせいで現実に引き戻された。
「【性奉仕の真髄】は精力の授受も可能……だったな?」
「あぁ、そうか。精子の代わりにエクトプラズムを出せばいいのか!」
「「え?」」
そうだった! みたいな顔で言ってるけどエクトプラズムって何!?
私と紬の反応を無視してオナニーを始めるあずにゃん。
「手伝うっす♡」
「おう……」
紬があずにゃんのおちんちんの上から唾を落とす。
亀頭から竿の方へ流れた唾はしごいている手に絡まった。
紬はそのまま頭を下げて尿道付近を中心に舐め始める。
「紬……出そう」
「はいっす!」
亀頭に被せるように大きく口を開いて舌を伸ばす。
「あ、あっ。来る。また昇ってくりゅ!」
ビュ、ビュ、ビュ
「あ、こりぇしゅごい」
ビュー、ビュル、ビュ
短い射精を繰り返した後、大量の精液が一気に噴き出た。
見た目は精液そのものだけど独特の匂いがしない。
「甘い、この精液……おいしい! 練乳っぽい味がするっす!」
顔中精液まみれの紬は、口の中の精液を舐め溶かすように咀嚼している。
「棚橋さん……私も精液頂いてよろしいでしょうか?♡」
「「私も……」」
オナニーを観察していた3人の奥様が我慢できないとばかりに近づいてきた。
「うちの顔にかかってるのでよければ!」
「「「ありがとう♡」」」
奥様方は「甘ずゅっぱい♡」「俊介様のお精子♡」「俊介様♡ 俊介様♡」なんて独り言を呟きながら紬の顔にかかった精液を丁寧に舐めとっている。
俊介さんのじゃないと思うけど、あずにゃんはそれでいいのか?
3人の奥様方に奉仕されてトリップしている紬を見ながら、口角を上げたお爺ちゃんそっくりな悪人顔で満足そうにしているあずにゃん。
本人がいいならいいか。
なんて適当に流していたら──。
「「「「あひいいいいい♡」」」」
──突然の嬌声が響いた。
「あずさん! おちんぽ! おちんぽいれてぇ♡」
「あれ、これって俊介様のおちんちん? 生えちゃったぁ♡」
「わ、私にもある……」
「相良さん! 牧さん! 素敵♡ お願い! それ頂戴♡」
4人とも目にハートマークが浮かんでいる。
比喩表現ではなく実際に浮かんでいる……。
「これは……」
「催淫だ……おい梓! それは不味い。催淫を解除しろ!」
桜花さんが注意するけど──。
「くくく! だが断る!!」
──あずにゃんは止まらない。
「澪さん頼む」
「了解です」
桜花さんなら実力行使で止めることは出来ると思うけど、親類を傷つけたくないんだろう。
催淫で理性を失くして獣のように腰を動かしている奥様にそっと触れた。
発動したままの異能を使って催淫を解除──。
「出来ない!?」
あずにゃんは自分のおちんちんをフェラしている紬を離して立ち上がりながら勝ち誇った表情で言う。
「実力の差だ……私の【性奉仕の真髄】は劣化版だが本体の実力差がありすぎて今の澪では私の異能は解除できない──まぁ、流石オリジナルだけあって私の干渉も澪には届かないが」
離れるおちんちんを追いかけながら左脚に絡みつき太ももの内側を舐め始める紬。
完全に自我を失っている。
「だが、直接注ぎ込めば──どうなるかな?♪」
「無理矢理入れたら膣圧で嚙み千切る」
実力行使に出られたら敵わない。
それは解っているけど、ここは譲れない。
「くく、冗談だ。無理矢理したら桜花に殺される……それより今は……」
左脚に絡みつく紬を少しだけ離して両膝を床に着いた。
そして私に向かって祈るあずにゃん。
別の異能を使うつもりかもしれないと身構えると──。
「ご奉仕させてください」
「は?」
「澪さんそれ……」
ご奉仕の意味が分らないでいると桜花さんが私の下半身を指差してきた。
そこには──15センチくらいのカリ高で見慣れたおちんちんが──。
「なんでえええええ!!」
律のおちんちんが生えていた。
みんなに律のおちんちんを見られたくない私は、咄嗟に前かがみになって両手で隠した。
「恐らく私がおちんぽを生やしたことで、澪の異能がそれを真似た」
真似たって!
「制御漏れだな」
私が未熟ってことか。
それはいいけど、静まれ!
「もどらねぇ……」
「射精すれば戻る」
「いやそれあんたが中出しされたいだけだろ!」
「どう思う桜花」
あずにゃんに聴かれて私の股間を探るように数秒眺めた桜花さんは軽く頷くと口を開いた。
「そうだな、生やし方を真似たとしたら梓のが元に戻ればそれも真似ると思う」
「あずにゃん、戻して!」
「断る!」
クソが!
「梓を犯して満足させるのが一番早い気はするが、どう?」
「律のおちんちんは──」
(──待ってください澪さん!)
「ん?」
誰かの声が頭の中に直接響いてきた。
(レベッカです。梓さんに聞かれないように念話で直接お話ししてます)
(テレパシーってこんな感じなのか……)
(私を経由してお姉ちゃんと話せるようにしますね)
(分った)
あずにゃんに聞かれたくない話か……。
(澪さん)
(あ、はい)
(律君のが嫌なら他のに変えてみてはどうだ?)
(出来るんですか?)
(【性奉仕の真髄】ならできる。異能使いに大切な事は──)
(──出来ないと思いこまない事!)
(解ってるじゃないか)
それなら丁度いいのがある……。
嫌悪感で吐きそうになるけど、それは異能で抑え込もう。
あいつのは今の律のよりちょっとだけ小さい。
正しい判断が出来ないくらい興奮しきっているあずにゃんなら、充分騙せる!
両手で隠したまま、意識を集中して異能にイメージを伝える──。
長さは2センチくらい短く、直径が2センチくらい太くなって相対的にカリが低くなった。
保唯のは長さは普通だけど太い。
でもこれ、太さが2センチ違うと印象が変わってくるな。
カリも含めて1センチだけ細く──出来た!
(よし! 調整できました!)
(いいぞ!)
「あずにゃん……」
「はい♡」
期待に目を輝かせ、微笑むあずにゃん。
大人しくしてるとホントに清楚美人……。
「1回だけ……1回イったら終わりだからな!!」
「感謝する……」
目から一筋の涙が落ちて頬を伝う。
マジで律のこと好きなんだ。
ちょっと良心が痛むけど……ごめん、あずにゃん、これだけは譲れない。
両手をどけて保唯のおちんちんを晒した。
「あああああ♡」
感激に喘ぐあずにゃん。
「さっさとしてくれ」
「はい♡」
すっと近づいて、私の両太ももを捕まえる。
チュ
そのまま、おちんちんの先っぽにキスした。
レロレロ、ピチャ、チュ
両手は使わずに、舌と口だけで愛撫してくる。
先っぽから尿道口、カリまで丁寧に舐めてから竿の部分を唇で甘噛みした。
フェラって、こんな感じなのか……想像してたよりは気持ちよくない。
快感に流されないよう構えてた分、拍子抜けして冷静になった。
そしてあずにゃんの奉仕は続く。
ヂュ、チュ
竿を吸いながら私の股の中に潜り込んだ。
「あれ? タマタマないぞ?」
「知るかボケ!」
タマを舐めるつもりで股の中に入ったのか……。
「仕方ないな」
残念そうに躰を戻して、奉仕を再開する。
チュ、ハム
先っぽにキスして咥えて来た。
ジュ、ジュルルル、ジュポ
大きな音をだしながら吸い付く。
これ……あれだ……保唯が好きなフェラだ。
どちらかと言えばSのあずにゃんが、こんなドMのフェラをって気になってたけど、紬のを真似したのか……。
ジュポ、ジュポ、ジュル、ジュポ、ジュポ
一定のリズムでテンポよくカリを中心に吸いながら頭を上下する。
あ、ちょっと気持ちよくなってきた。
バキュームはこうやるのね。
怒鳴りながら教える保唯に嫌気がさして、適当にやってた私とは……全然違う。
あいつが好きなフェラなのは癪だけど気持ちいいし、律にやってあげよう。
ジュポ、ジュポ、ジュル、ジュポ、ジュポ
──もう30分近く続けている──。
顎痛くないのかな……って心配していたら──。
「澪しぇんぱーい♡」
──奥様と絡み合っていた紬が私のお尻に顔を埋めてきた。
「私にもご奉仕させてくらはいっすぅ♡」
相変わらず催淫されたままだけど、さっきよりは落ち着いている。
「んー、どうしようかなぁ」
なんて、ドMの紬をじらして遊んでいたら──何んとなしに思い出した──。
紬って保唯のセフレ……見られたらバレる!!
危なかった。
気付いてよかった……。
「よし紬、そこで仰向けに寝ろ」
「ふぇ? ご奉仕──」
「──いいから寝ろ」
「ひゃい!」
普段から強く命令すると逆らえない紬は大人しく従った。
「あずにゃん」
ジュル、ジュポ、ジュポ
「んっ♡、んっ♡、ん? なんだ?」
「このおちんちん、おまんこに欲しい?」
「欲しい!」
「じゃあ、まず紬にあずにゃんのを入れてあげて」
「えー」
「そしたら後ろから犯してあげる。私の顔が見えないほうが興奮するでしょ?」
「確かに!」
発情しすぎて、いつもの聡明さが欠片もない。
「ほら紬、大好きなしゅんのおちんぽ様だぞ♪」
「わーい♡ しゅんしゅけしゃんのおちんぽ様っす♡」
おちんぽ様って……そう言ったほうが男は喜ぶのかな?
後で律に聞いてみよ……。
あずにゃんが正常位で紬に挿入する。
「ぶっといの来たああ♡ これ、これっす♡」
紬は被さってきたあずにゃんの腰を両脚で挟んで密着した。
「よし! そのまま尻を上げろ♪」
「はいっす♡」
お尻が上るとあずにゃんはそのまま紬に体重を預けて押しつぶす。
「んぎいいいいい♡ しぎゅううううう♡ しぎゅうに刺さるっす♡」
うわぁ……中3の少女にぶっ刺さるふたなり巨根……犯罪臭が半端ない。
紬本人はもちろん、ご両親の承諾も貰ってるらしいから、犯罪ではないけど……絵面がやばい。
「律きてぇ♡ 後ろから犯してぇ♡」
お尻を浮かしたままの紬に挿入しているから、ちょうどバックスタイルになっていた。
「律ぅ♡」
あずにゃんが甘えた声で誘う。
「律じゃねぇ!!」
バシッ
「あん♡」
思いっきりお尻を叩いたけど、まったく効いてない……クソが。
仕方ないので保唯のおちんちんを後ろからあてがって──。
「いひいいいい♡」
──容赦なしに貫いた。
「どう?」
「大きさはしゅんと同じくらい。でも短い……」
「抜く?」
「らめぇ♡ お腹のほう擦ってぇ♡」
Gスポットね。
「了解」
ゆっくりお腹のほうを擦ると、あからさまに感触が違う場所があった。
何だこれ? ざらざら感が強い。
おちんちんの先っぽで擦ると凄まじい快感に襲われた。
「しょこ♡ しょこいっぱいこしゅってえ♡」
うわぁ……あずにゃんでもセックスの時は乱れるんだ……一応武術の師匠で、友人というか親友に近い女の喘ぐ姿を見るのって気まずい。
「みおしぇんぱい!」
「何?」
「上からぁ、勢い付けて上から突いてくらしゃい♡」
「あー」
反動であずにゃんの腰を動かして一緒にピストンさせろって事ね。
「いいよ。そのかわり研究の成果を見せろ!」
「はいっす! 思いっきり膣絞めて吸い上げるっす♡」
「よし!」
Gスポットを狙いながら勢いをつけてリズムよく上下させる。
「「お゙ほ」」
私の動きに合わせて紬も腰を振ると──。
「にゃにこれえええ! だめ……両方同時はらめえええええ♡」
──あずにゃんが悶えだした。
「いいぞ紬!」
「はいっす♡ 澪しぇんぱいいいいいい!!」
「どうした?」
「お慕いしてますぅ♡」
「紬……」
「あずさん越しでいいっすからぁ♡ うちの事も犯してくらしゃい♡」
催淫で本心が漏れたか……なんだかんだで可愛い妹弟子だな。
「しゃーない。特別だぞ!」
「あああああ♡ 澪しぇんぱい♡ 来てえええええ♡」
リズミカルでいて力強く。
私とあずにゃんのおちんちんの動きを意識して。
ちゃんと気持ちいところを擦るように。
一定のリズムで流れるようにピストン。
おちんちんと膣の両方からくる快楽に悶えて逃げようとするあずにゃんの腰を捕まえて調整しながら──。
突く、突く、突く。
淡々とピストン。
「いひひひひひ♡ いぎゅ♡ らめっ♡ もういってりゅからあああああ♡」
さっきから小さくイッてる。
イクたびにキュと膣全体が締まるし、腰もぷるぷる痙攣している。
でも駄目。
射精させないと駄目だから容赦しない。
「いいぞ澪さん! そのまま絶頂させろ!」
(了解!)
挨拶した時はクールで他人には興味ないって印象だった桜花さんが興奮している。
超絶美女が出す興奮した声。
私もあてられて高揚してきたところで──。
(ガ……ガ、ガ……)
──ノイズ化した音声が頭の中に直接流れてきた。
ホラー映画とかでたまに聞くやつに似ている。
レベッカちゃんの念話からだ……桜花さんは気付いてないのか?
(レベッカちゃん大丈夫!?)
桜花さんのほうを振り向くと、脱力して放心したレベッカちゃんが見えた。
(……問題アリマセン……)
いや、何か変だ──桜花さんに声を掛けようとした──その時。
視線が合った瞬間──レベッカちゃんの深い藍色の瞳が弾けて目の周囲に飛び散り──象形文字を形取る──。
(ハイ、母様、御心ノ、ママニ)
──と同時に私の脊髄を電撃にも似た衝撃が這い上がって脳天を貫いた。
脳が揺さぶられ全身が痺れる──あまりの衝撃に言葉も出ない。
そのまま惚けていると全身の痺れが甘い快感を呼び起こす──。
「「「「「ああああああ♡」」」」」
──大浴場に女たちの声が反響した。
今度は腰がムズムズし始めて、おちんちんに向かって何かが──。
「登ってくるっ!」
──これが──射精感!?
「あ!? らしてぇ♡ おぐっ♡、おぐにいいいいいい♡」
思わず、あずにゃんの望みに従う。
「うあああああ♡」
本能のまま根元まで一気に貫くと──。
「いひいいいいい♡」
ブシュっと、あずにゃんのおまんこから、おしっこが漏れた。
「おほおおおおお♡ 刺さる♡ 刺さるっす♡」
後を追ったあずにゃんの巨根が紬の子宮を押し上げて──
「うぐううううういひっ♡ お゙っ、おちんぽ様ああ♡ しぎゅうの中にぎでぇええ♡」
──二人の腰が密着した。
「ぎだぎだぎだああああああ♡ いだぎもぢいいいいいい♡」
とうとう中に入ったらしい……。
そういうのもありなのか? いったい普段どういう変態セックスしてるんだこいつら……。
なんて呆れていたら──。
「あ、やばっ、なんこれ!?」
──私のおちんちんに色んなおまんこのイメージと感触が重なった。
周囲の女性たちが感じている挿入の快感、特に紬を貫いているあずにゃんのおちんちんの快楽が私の躰に流れ込んでくる。
「無理無理無理! でっりゅううううう♡」
十数人分の射精感。
ビューッ、ビューッ、ドビュ、ビュ、ビューッ
我慢できるわけがない。
大量の疑似精液が一気にあずにゃんの子宮に流れ込む。
「あぁああぢゅいいいいい♡ りちゅの精子♡ 孕んでえええええ♡」
だから律のじゃねぇ!
あと俊介さん裏切んな!
快感に酔いながらも、ツッコミを入れていると──。
「「「「「ひぃあああああ!!」」」」」
──私の射精に共鳴した女性たちの嬌声が木霊する。
「同調したか」
桜花さんは状況分析に集中していて抱っこしているレベッカさんの異常に気付いていない。
「あ、あ……ぁあああああ!!」
なんだこれ……今度はレベッカさんの中から何かが流れ込んでくる。
『条件ヲ達成シマシタ。只今ヲモッテ【性奉仕ノ真髄】ハ【性奉仕ノ神髄】ヘト進化シマス』
これは会話とは違う。
念話? いや違う。
念話も会話だから違う。
もっと原始的で強力な繋がり……無意識下での意思そのものの伝達。
魂レベルでの絆……だから "真髄" と "神髄" の違いを無意識で理解できる……けど。
……何が起きてる!?
『仮契約中ノ眷属カラ充分ナ霊気ノ供給ヲ受ケマシタ。ソレニヨッテ、ワタクシトノ直結ガ可能トナリマシタ』
そうじゃない。
神髄ってなんだ……お前は誰だ!!
『ワタクシハ【性奉仕ノ神髄】。アナタニ恩恵ヲ与エシモノ。神髄トハ神ノ領域ニ通ジル道。ワタクシヲ受ケ入レマスカ?』
神の領域に通じる道!?
『異能は基本、創造主の恩恵だから──』
桜花さんの言葉がよぎる。
お前は創造主なのか?
『ワタクシハ【性奉仕ノ神髄】。創造主ト共ニ生ミ出デシモノ。ワタクシヲ受ケ入レマスカ?』
なんか……めんどいぞこいつ……。
『……受ケ入レマスカ?』
受け入れたらどうなる?
『魂ガ格上ゲサレマス。ソレニヨッテ、物理干渉ヲ超エタ能力ノ発動ガ可能トナリマス』
もう少し解りやすく説明して。
『……魂ノ格ガ上ガルト半神半人トナリマス。半神半人トハ、エデン──主様ノ世界デ言ウ地球──ノ伝承、北欧神話デ例エルト "ヴァルキリー" デス』
ヴァルキリー……戦乙女か。
『ハイ。我々ハ "ヴァルキューレ" ト呼ンデイマス。神ノチカラヲ魂ニ宿シ、仮初ノ肉体ヲ持ッテ禍ヨリ神々ヲ護ルモノ』
問題は無いの?
『明確ナ問題ハ、フタツデス』
何?
『ヒトノ肉体ノ老化ガ止マリ、死後神々ノ世界ヘ召喚サレマス』
老化が止まるのに死ぬの!?
『ヒトトシテ悠久ニ生キル事ハ可能デスガ、ヒトノ肉体ガ生命維持不能ナ状態ニナルト死ヲ迎エマス』
あ、そっか……。
『明確ナ利点モ、フタツデス』
利点?
『ハイ。ヴァルキューレハ英雄ヲ神界ヘ導ク事ガ可能デス』
それが利点?
『ハイ。律様ヲ英雄ニ選ベバ死後モ神界デ暮ラセマス』
なんだと!?
『英雄ニ選ブニハ条件ガ在リマスガ律様ハ上原ノ氏族ナノデ、既ニ条件ヲ満タシテイマス』
上原の氏族だから?
『上原ガヴァルキューレト英雄ノ子孫ダカラデス』
マジか……。
『ハイ。肉体ハ地球人ト同ジデスガ、存在ノ定義ガ根本的ニ異ナリマス』
死んでもずっと一緒に暮らせる……私は嬉しいけど律はどうだろう。
相談しないと……。
『ワタクシトノ直結ハ今シカデキマセン』
そこは融通利かせてよ。
『申シ訳アリマセン』
駄目か……じゃあ、もうひとつの利点って?
『【性奉仕ノ真髄】デ可能ナ能力全テ、対象トノ性交渉ヲ必要トシナクナリマス』
はぁ!?
それってヤバすぎじゃ?
『ハイ。ヒトトシテハ、アリエナイチカラデス……ヴァルキューレトシテモ……強スギルチカラデス』
大丈夫かそれ?
『強イチカラハ、ヨリ強イチカラヲ引キ寄セル傾向ガアリマス。チカラニ溺レレバ要ラヌ災厄ヲ招クデショウ』
でもそれは異能を持ってなくても同じよね。
『ハイ』
私は律の力になりたくて、律と同じ世界に居たくて……異能を鍛えた。
強すぎる力……だとしても要は使い手の問題。
『……ワタクシヲ受ケ入レマスカ?』
あぁ、受け入れる!
律と私の力になって!
『承認シマス』
──その瞬間、意識を失った。
永遠のようで一瞬かもしれない真っ白な世界で。
私は生まれ変わった。
誰かの意思が流れ込む。
『愛しきヒト。目覚めなさい』
【性奉仕の神髄】に似ているけど違う。
『……15項──承認──因果律ヘ干渉──成功──神威武装構築──成功──完了──転装』
今度のは【性奉仕の神髄】の意思だ。
因果律? 神威武装?
おい、何してんだ?
『再起動シマス』
意識が肉体に戻る──。
「GUGYyyyyy!!」
グギー!?
人とは思えない咆哮を上げる私。
「穢れ落ち!? 違うこれは……神威武装!!」
桜花さんの叫び声が聞こえた。
言葉を使わないで直接【性奉仕の神髄】と意思疎通していたから時間はほぼ経っていないっぽい。
っと、そんなことはどうでもいい!
力が溢れる! 制御できないぞ! おい!!
返事がない……。
くそ! 直結したんじゃないのか!?
『主様、聞コエマスカ?』
あ、どうなってる!?
『主様、聞コエマスカ? 契約完了ニヨリ念話ガ可能トナリマシタ。心ノ中デ会話シテクダサイ』
(これでいいか?)
『ハイ。聞コエマシタ』
(おい! 力が制御できない! どうすればいい!?)
『問題アリマセン。武装ガ完了スレバ落チ着キマス』
(そうか……うん?)
両腕の肌が褐色……日焼けした!?
私の肌は白すぎて体質的に焼けない。
赤く腫れてすぐ白に戻るのに……。
「澪さん鏡見て!」
声のほうを向くと目が合った。
桜花さんはお爺ちゃんそっくりの邪悪な笑みを浮かべている。
期待と不安、畏怖と羨望が混じり合った邪悪な笑み。
そして桜花さんの背後にはガラス窓。
『転送完了』
……これが……私……?
ガラス窓に映っていたのは──。
黒目に深紅の瞳が輝き、長く尖った耳と後頭部から額に向けて伸びる捻じれた白角。
背中には3対6枚の漆黒の羽。
腰からお尻を通る漆黒の尻尾は2メートル以上ありながら、光沢を帯びてしなやかに舞う。
白肌から褐色に塗り替えられた躰には不思議な文様が青白く輝いていた。
青白く輝く文様はそれ一式を以ってタキシードドレスの様だった。
それは、まるで……伝承に語られる……。
「サキュバスじゃねぇか!!」
凄まじい力が魂から放出されているのが解る。
躰中にある青白い文様は多分制御装置。
これが無かったら力の放出だけで周りを傷つけてしまう。
「おいこら!! これ! 戻るんだろうな!?」
『ハイ。何時デモ戻レマス』
「そうか、ならいいけど……これが私のヴァルキューレとしての姿なのか?」
『イエ。神威武装ハ、ヴァルキューレの上位存在 "ヴァルキュリア" ノ戦闘形態デス』
「ん!? どういうこと?」
「待った! ちょっと待て澪さん!」
桜花さんが割り込んで来た。
「なんですか?」
「今、ヴァルキューレと言ったか?」
「あ、はい……(バレたらマズイ?)」
『イエ。桜花様ハ英雄デ桜花様ノヴァルキューレガ、レベッカナノデ大丈夫デス』
「え!? レベッカちゃんて神様だったの!?」
『ハイ』
「先ほどから誰と話している?」
(あ、言っていい?)
『ハイ。誤魔化スト問題ニナリマス』
(分った)
簡潔に説明する──。
……
…………
「──って感じで【性奉仕の神髄】と直結しました……」
「ふむ……異能に愛されしものか……」
少しだけ桜花さんの表情が曇った。
「異能に愛されしもの? ってマズイですか?」
「澪さんなら大丈夫だと思うが、異能に魅せられて狂う奴もいるんだよ」
「あぁ、さっき注意されました」
「そうか、どうやらまともな異能みたいで安心した」
まともじゃない異能もあるのか……神話の神様って結構狂ってるもんね……。
ってさっきから尻尾が邪魔。
『装備品ハ出シ入レ自由、伸縮自在デス』
「これって装備品なの?」
試しで尻尾を縮めて丸っこくモフモフな感じに、白角を立たせて黒くしてモフモフな感じに。
羽は全部収納……って──。
「バニーガールやんか!!」「バニーガールじゃないか!?」
桜花さんとツッコミが被った。
「これは色々楽しめそう……」
「お、おう。というか澪さん」
「はい」
「今ならあの馬鹿の催淫も解ける。頼めるか?」
そうだった、あずにゃんの暴走で乱交状態になっていた。
「了解です! 【性奉仕の神髄】!」
『御意』
私の射精に同調して失神している奥様方の下腹部に、特殊なハート型の文様が浮かび上がる。
「「え……」」
『梓様ヲ除イテ眷属化ノ本契約ガ完了シマシタ。梓様ノ眷属化ニハ御本人ノ同意ガ必要デス』
「何してくれてんの!?」
「どうした!?」
「勝手に眷属化したみたいです……」
「面白い! 眷属になったらどうなる?」
『主様ノ裁量デ主様ノチカラノ一部ヲ付与デキマス。付与スルチカラハ主様ノ裁量デ調整可能デス』
「桜花さんの声が聞こえてる!?」
『ハイ。主様ト五感ヲ共有シテイマス』
「なるほど」
「澪さん、異能は何と?」
「眷属には【性奉仕の真髄】、まことのほうの能力を付与したり調整もできるそうです」
「素晴らしい! デメリットは?」
『主様ニ逆ラエマセン。マタ、眷属ガ生ミ出ス霊力ノイチ割ガ主様ニ還元サレマス』
「私に逆らえなくなるそうです。あと……霊力の1割を私に吸われるそうです……」
「ふむ、まさにサキュバスだな」
「言わないでえええええ!」
◇ ◇
【性奉仕の神髄】がレベッカちゃんの力を使って無理矢理私を格上げした事を桜花さんに伝えると、やっとレベッカちゃんの異常に気付いた。
レベッカちゃんが同意しないと使えない力らしく、力を使わせた事は問題にならなかった。
それより私のほうが問題らしい。
半神半人になったのもアレだけど、その上、神威武装で神格化したらしい私の身柄は上原本家預かりになるみたい。
それもそっか……。
本当なら神格化した時点で人間を辞めて神界で暮らさないといけないらしいけど。
【性奉仕の神髄】を与えてくれた神様が、なんかすっごい偉いらしくて……律が死ぬまで地球で暮らしたいという私の我儘を通してくれただけ有難い──。
すっかり意気投合した律と俊介さんが稽古の終わりにふたりで楽しそうに牛乳を飲んでいるのを、遠巻きで眺める女性たち。
その視線はふたりの股間に釘付け……。
上気した顔で羨ましそうに眺める彼女たちを、ぼんやり見ながら。
──神様に感謝していた。
自分たちが世界の大きな流れに飲み込まれた事など──気付きもせずに──。
魔法や超能力、スキルやギフト、特別な道具や装備でもいい。
どんな力が欲しい?
それを手に入れたら何がしたい?
空を飛んだり、瞬間移動したり、車を持ち上げたり。
手品のようにお菓子を作り出したり、リラックマと話せるようになったり。
色々あると思うけど、私が手に入れた能力は【セイホウシの真髄】と言うらしい。
聖法師?
「何だそれ」
「性別の性に、誰かの為に何かするという意味での奉仕。エッチなご奉仕だな」
目の前で報告書を読みながら師匠のあずにゃん……上原 梓が答えた。
「【性奉仕の真髄】……あれか? 私がビッチだと言いたいのか!?」
──私は今、律のお爺ちゃん家で上原家について説明を受けている。
上原 律は私の婚約者。
高校を卒業したらすぐに結婚して日下部家に婿入りしてもらう予定だけど、律の一族──上原家がかなり特殊らしい。
説明会に招集されたのは、私──日下部 澪と律。
妹弟子の棚橋 紬と、あずにゃんの婚約者。
確か……上原 俊介さん。
主催者側は師匠のあずにゃんの他に、律のお爺ちゃん──上原分家ご当主と、上原家お手伝いの神部さんが居た。
奥座敷に通されて上原本家の成り立ちだの掟だの小難しい話を聴いた。
正直、成り立ちに興味はないし掟の内容も要は上原に関する情報は絶対守秘で、破ったら相応の罰を受けるというありふれたものだった──のだけど──。
守秘契約を結ばされた後の話がヤバい。
「つまり上原家はその……異能使い? が生まれる血統で、あずにゃんや俊介さんも異能使いだと?」
「そうだ。私の異能について説明はできないが──」
目の前で正座していたあずにゃんが、ほんの少しだけ右肩を前に傾ける。
「──どう?」
「何が?」
「ほらコレ」
差し出された左手から吊るされるブラ。
「……!? 私のじゃないか!!」
いつの間に取った!
いや、ニットの上からどうやって!?
「どうぞ♪」
「どうぞじゃねえええ!」
ブラを奪い取ってニットの内側に隠した。
「細かく言うと、律も異能使いだ」
「「「「え?」」」」
紬と俊介さんに加えて、何でか律本人も驚いている。
「百聞は一見に如かず──神部、500円玉をくれ」
500円硬貨を受け取ったあずにゃんは左手でコイントスの準備をする。
「みんなよく見ていろ……御爺様も」
「よかろう」
キン
金属音がして弾き上った硬貨を追う。
頂点に達すると落ち始め、あずにゃんの目線の高さまで来たところで──。
パァン
合掌して硬貨を挟んだ。
そのまま左手を右手に乗せる感じでずらしながら意地悪な微笑みを浮かべて言う。
「数字が表、絵が裏──さあ、上はどっちだ?♪」
「裏」「表っす!」「裏かな?」
私と紬、俊介さんが答えた。
上座ではお爺ちゃんが拳で口を隠しながら笑っている……凄く楽しそうだ。
「神部は?」
「はい。裏か表か──は判りました。ただ、それ以上はご期待にそえません」
軽く一礼する神部さん。
それ以上?
「御爺様」
「俺より先に律の答えが聴きたい」
「あ、はい……梓さん」
「何だ?」
「相変わらず性格悪いですね」
「はう♡」
「ゴホンッ」
律の罵倒に悶えるあずにゃんを婚約者の俊介さんが諫めた。
お互いこの女には苦労しますね……。
「えっと、500円が裏──100円が表、10円は裏……かな?」
「はぁ!?」
あずにゃんが左手をどけて見せる。
「正解♪」
律が正解したのを自分の事の様に喜ぶあずにゃんを見て、少しイラっとした。
「あずさん……」
「律様、お見事です」
「御爺様はどうでしたか?」
「どうせ異能を使っているだろう、までは読めたがの……くくっ」
律やあずにゃんもお爺ちゃんと同じ笑い方するなぁ、上原家の癖なんかな?
なんて、どうでもいいことを考えていたら、あずにゃんの解説が始まった。
「律の異能は上原の男に最も多い身体強化系だが、感覚拡張に特化している」
「感覚拡張?」
「あぁ、五感を越えた六感のその先、未来視すら可能な七感……律のは6.5感といったところか」
「律君は見えたのではなく、予知に近い感覚で感じたということ?」
「その通り【近接未来予知】だ」
頷くあずにゃんを見て渋い顔をする俊介さん。
「ズルいな。おれのはただの身体強化なのに」
「あ、いや、そう言われましても……これが異能だって初めて知りましたよ」
(シャーアアアアア!!)
困っている律の後ろから抱き着きついて、俊介さんを威嚇した。
「ごめん! 嫉妬した」
「いえ! 大丈夫です!」
謝ってくれたけど、ハグしたついでだから胡坐の上に律を乗せて抱っこする。
「♪」
上機嫌な私と無表情のまま抱かれる律。
周囲の視線が生暖かいのは気にしない。
「よし。それでは本題に入ろう」
「本題? って何?」
いつの間にか斜め後ろで片膝を着いていた神部さんから数枚の書類を受け取る。
神部さんにちょこっと会釈して律と一緒に目を通すと──。
『後天性異能調査報告書──』
──タイトルの下に『対象:日下部澪』。
「?」「そういうことね」
「そういうことだ。報告書によれば澪の膣制御能力はもはや人の領域を超えた "異能" と認めらるそうだ」
何言ってんだこいつ……。
「異能の名は──」
──こうして明かされた上原の秘密と私の異能だけど──。
「ビッチというより淫魔……サキュバスだ。詳細を読んでみろ」
淫魔? ビッチより酷くないか!?
動揺を隠しながら報告書をめくる。
【性奉仕の真髄】
・性に関する事柄のみ常識を逸脱した人外の肉体改造が可能。
「「人外の肉体改造ってなんだよ!?」」
一緒に読んでいる律と声が揃った。
・莫大な精力精製手段の獲得。
・自他共に性欲の制御が可能。
「……」「自他共にって……」
・性交時繋がった相手に対して精力の授受が可能。
・特定の対象と性交を繰り返した場合、特定対象の肉体改造も可能。
これか……紬から上原家の男は絶倫だって聞いて納得したけど……何十回も射精できる律は上原家の中でも特殊だと思っていた。
それに律のおちんちんが私好みに成長した……今は、元のカリ高の形のまま15センチくらいまで大きくなっている。
私は単純に喜んでいたけど……これが原因か!!
「……律……」
不安そうに見下ろした私の両手に律の両手が絡まる。
無言だけど優しく擦ってくれて心が癒された。
「相性はあると思うが、他者の性欲を制御できて精力──厳密には、性欲とそれに伴う特定の霊力だけど、それをセックスで奪える。当然一定量奪われた場合は心身障害が発生する」
「律以外とセックスするつもりはない!」
「セックスと言うとおちんぽの挿入を──」
「ゴホァッ」
孫娘が突然吐いた卑猥な単語にお茶を飲んでいたお爺ちゃんがむせた。
あずにゃんは基本何でもできるけど、たまにポンというか……。
「んっ、男性器の挿入を想像すると思うが接吻や手を使った行為も含まれる」
「手で触れただけで相手の性欲をコントロールできるってこと?」
「うむ──訓練は必要だが」
「それが本当なら、確かに淫魔っすね♪」
「紬ぃ……」
「すみませんした!」
淫魔……サキュバス──スマホで検索した──。
〔伝承では女型の悪魔で男の生気を糧に生きたり、男型の淫魔インキュバスに変身して女を妊娠させたりする〕
──らしい。
「モンスターと一緒にしないでくれ」
「神話や伝承の大半は誇張された実話か、実話から派生した空想だからな」
「どういうこと?」
私が質問すると、あずにゃんは一瞬だけお爺ちゃんと視線を合わせた。
あずにゃんの代わりにお爺ちゃんが説明する──。
神話や伝承において、多くの神々が時の権力者や情勢の都合で悪魔や悪神とされたように、特殊な力──異能を持った人間も、悪魔や魔人、魔女と呼ばれ恐れられた。
他者を支配する事が出来る異能使いは特に。
一般的に神や神の敵対者である悪魔を語る場合、単語の示す範囲が広すぎて人それぞれで解釈が違ってしまう。
神や悪魔が実在するのか、実在するならそれがどんな存在なのかは置いといて。
信仰の対象や人を比喩的に神や悪魔と呼ぶ場合、地球上における神や悪魔の──。
──というような、触るな危険話が延々と続いた。
つまりだ、異能使いは時代によっては神や悪魔などと怖がられて、一般的な人にとってはそういう存在に近いらしい。
女型のサキュバスから変身して男型のインキュバスへ──も、私の異能【性奉仕の真髄】を使えば可能という事らしい。
・性交に関する事柄のみ "常識を逸脱した人外の肉体改造" が可能。
そう……おちんちんを生やせるらしい。
律に注いで貰った精液を、私のおちんちんから射精できるらしい。
あざとく気づいたあずにゃんが目を輝かせて叫ぶ。
「澪!」
「やらないから!!」
被せ気味に否定しつつ。
何を期待しているのか解って頭が痛くなった。
「澪さんの異能は、澪さんが思っているより危険だ」
お爺ちゃんから念を押される。
「はい……」
「間違った使い方をすれば自分自身を害する上に、他者を鑑みずに使えば幾らでも悪用できる」
「爺ちゃん! 澪がそんな──」
「──最後まで聴け」
律が私を庇ってくれる……あう、こういうたまに見せる男らしさが堪らなく好き♡
「異能は封印できるが、どうなさる?」
封印する気はない。
自他共に性欲の制御が可能なら仕事中に無駄に発情しないように出来るし。
私の中で精製した精力を律に渡せば疲労回復にもなる。
セックスして疲労や体力が回復するって……ヤバくないか?
何より、能力を研究して律と私の肉体を改造をすれば……不老不死は無理でも不老長寿ならできるのでは!
「封印しない場合は、どうなるのでしょうか?」
「日下部家が上原の分家に入る──すまんが強制だ」
強制……だからこその説明会か。
いくら世界屈指の大企業でも人権を無視した行為は許されない。
強制って言われて「はいそうですか」なんて答えられない。
だけど、あずにゃんやお爺ちゃんと出会って、人外の強さと異能の存在を知ったら嫌でも解らされる。
異能使いは普通の人にとっては神や悪魔、魔女や魔人。
つまり上原の意向に背くということは神や悪魔と争うということ。
なるほどなぁ。
……触らぬ神に祟りなし……律が上原を頼らないわけだ。
「私は構いませんが両親が何と言うか……」
「澪さんのご両親はもともと上原と深い繋がりがある研究者だ。問題ない」
「あ、確かに」
「事のついでに話をしておくと」
「はい」
「日下部 保志《やすし》殿の系譜も上原の分家となる」
「「「え!?」」」
律と紬も驚いていた。
叔父さん家も一緒にか……それがいいかも。
「あ、えっと、お爺ちゃん……」
紬が遠慮がちに手を挙げる。
「何か?」
お爺ちゃんはくしゃくしゃの笑顔で答えた。
紬は最初から可愛がられていたけど、あずにゃんと俊介さんの仲を取り持ってからは、お爺ちゃんのお気に入りになったみたい。
溺愛されていた……。
「日下部 保唯はどうなるっす?」
保唯は、私の許嫁でありながら紬を含め4人の少女を騙して睡眠レイプしたクズ。
「紬ちゃんはどうしたい?」
お爺ちゃんの口角がクイっと上る。
殺気が濃くなると同時にバチッバチッっと周りで静電気が弾けた。
「「「「「ヒッ」」」」」
その場にいる全員が委縮する。
「望むなら俺の権限で消してもいいぞ♪」
「爺ちゃん!」
「くくくっ……」
律の制止を悪魔の笑みで返すお爺ちゃん……いや、座椅子で胡坐をかきながら背もたれに躰を預け、高めのひじ掛けに右ひじを乗せて頬にあてた右手の拳で頭を支えるその姿はもう、悪魔どころか……魔王……。
「う……命は要らないけど、顔は見たくないっす!」
「ふむ、委細承知。任せておけ……くくく」
本当に大丈夫か!?
「では、日下部家は上原の分家に入る──それでいいな?」
「あぁ、これからも頼むあずにゃん」
「こちらこそだ♪」
──引き続いて細かい注意事項を確認した。
絶対守秘といっても必要な時は容赦なく異能を使う事、とか。
どうしようもなくなったら本家の異能使いが何とでもするから早めに相談する事、とか──。
◇ ◇
説明会から私達の生活は一変した。
私が異能を制御できるようになるまでは、律と一緒にお爺ちゃん家で暮らすことになった。
週1だった稽古は週5に増えて、あずにゃんが忙しい時はお爺ちゃんや俊介さんが教えてくれるし、お手伝いの神部さんが律と私の専属になって色々お世話してくれる。
──至れり尽くせりだ。
紬はご両親から許可を貰って正式に上原武仙流古武術道場の内弟子になった。
隠し事はもうしないと決意した紬は、俊介さんの愛人──昔で言うと側室、今なら内縁の妻──になったと、ご両親に話したらしい。
普通なら反対されるけど保唯の事もあるし、何より相手が大企業上原グループの御曹司。
変な男に騙されるくらいならよっぽど良い……と、喜ばれた……。
──何事もなく時は過ぎ、秋の装いが目立ち始めた頃──。
お爺ちゃんから2泊3日の紅葉狩り温泉旅行へ誘われた。
参加したのは、律の里親家族、私の家族、紬のご家族。
そして上原グループの重役さん達ご家族に、俊介さんのご家族と親戚、つまり上原本家。
最後に保志叔父さんの家族……もちろん保唯は自宅謹慎。
かなりの人数なので移動手段や宿泊施設も貸し切り。
上原本家のご当主様や、宗主様と呼ばれている上原グループ会長も来るし当然か。
この温泉旅行の主旨は誘われた時にお爺ちゃんから聴いた。
上原分家に加わった日下部家との顔合わせではあるけど、それはどちらかと言うとついでで。
メインは私の異能。
修練によって真価を発揮し始めた私の異能【性奉仕の真髄】は、上原家にとって、とてつもない価値をもたらすモノらしい。
色欲の支配は妊娠確率にも大きな影響を与える事が発覚した。
何より【性奉仕の真髄】がもたらす快楽はマンネリや倦怠期なんて無いものにする。
絶えず変化する膣に、あらゆる体液が甘く時には柑橘系の酸味を帯びて極上のジュースになる。
極上のジュースからは極上の香りが立ち昇り男を誘い寄せる。
体内で精製される莫大な精力は常に肉体を瑞々しく保ち、老化さえ遅らせる事が解った。
異能の名前はアレだけど、間違いなく【性奉仕の真髄】は女にとって理想のひとつと言っていい能力だと思う。
上原家の女たちが欲しがらないわけがない。
だから今ここに集まっている上原グループ重役の奥さんや娘さんたち女性陣は、ほとんどがコピー能力者。
お爺ちゃんの話だと私に危害が及ぶようなコピー能力の使い手は除外してあるから、ここに集まっている異能使いは条件さえ満たせば私に影響を及ぼすことなく異能を模倣できるらしい。
紬も言ってたけど……どこの異世界だよ。
当たり前だけど実験動物のように扱われることは無い。
異能の調査・研究は上原本家の異能使いによって実施されるから、私は普段通り日常生活を送っているだけでいい。
興味本位で「解剖とかされないよな?」とあずにゃんに聴いてみたら──。
「安心しろ。解剖が必要になったら、精神を破壊した重罪人に異能を強制上書きして、そいつを解剖するから」
──って言われた──そしてそれ以上聴くのを止めた──。
──宿泊する高級リゾートホテルは山麓にある。
3棟連なって扇状に並んだ横に広い5階建てのホテルは景観を損なわないためらしい。
中央に温泉スパがあって、スパを挟んだホテルの反対側には純和風一戸建の別荘が8軒、一定の距離をあけて佇んでいる。
主賓扱いの私と両親は、ホテルではなく別荘に案内された──んだけど。
両親がお爺ちゃんに頼んで、律と私、ふたりだけで別荘に泊まる事になった……子作りに励めってことね……。
荷物を置いたらすぐにホテルの最上階で全体の顔合わせパーティ。
上原本家から続いて分家の紹介をしてもらったけど……覚えられない。
人が多すぎて無理。
「とりあえず本家の人達の顔だけ覚えればいいよ」って律に言われたからそうした。
……
…………
4時間近く顔合わせして、やっとパーティが終わった。
気分を変えたいから、山間の川沿いに並走する遊歩道を律とふたりで歩く。
山肌はまだ完全な紅じゃない。
繋いだ手を私のチェスターコートのポケットに入れた。
本当は律のコートのポケットに入れたいけど、身長差で酷い絵面になるので我慢。
繋いだ手の温もりは頬を撫でる寒風も私達に刺さる好奇の視線も気にならないほど、心と躰を暖めてくれる。
紅葉狩りを楽しんだ次は、温泉スパ!
別荘には専用の貸し切り露天風呂があるけど、それは後のお楽しみ……。
あずにゃんと俊介さん、紬を誘って律と一緒に5人でスパへ向かった。
ひと通り躰を洗って温泉に浸る。
「ほぅ」
吐息をつきながら温泉を堪能していると──それはやって来た。
「やぁ、日下部さん、隣いいか?」
「っ、ど、どうぞ」
私の隣に来たのは、時折光の加減で水色や白銀色に輝く白髪に、宝石が散りばめられたかのような彩光を放つ薄青色の瞳を持った超絶美人。
肌は驚くほど白く透き通るようで、一糸纏わないその姿は本当に人間か? と疑うほど神々しい。
妖精や女神だと言われても納得できてしまう。
だが、その神々しさとは反比例して彼女が纏う気配は、今まで感じたことがない圧倒的に濃縮された殺気の塊だった。
宗主様の孫娘、上原 桜花。
見た目は10代後半、私と同じくらいの歳に見えるけど、たしかあずにゃんと同じ24歳。
あずにゃんがよく言う「分家最強」は本家の人を立てて謙遜しているんだと、思っていた。
純粋な戦闘力ならお爺ちゃんより、あずにゃんのほうが高い。
だからあずにゃんは地球最強じゃないかと、私は勝手に思っていた。
桜花さんが私の隣に来ると。
ゾクっと寒気がした。
そして、桜花さんが湯に足の爪先を入れた。
一瞬ジュっという蒸発音が聞こえたあと、ピキッピキッっとありえない音がする。
爪先周辺の温泉が凍っていた──ヤバすぎる──。
私の本能が最大級の警報を鳴らし "逃げろ!!" と必死で叫んでいるが、私の躰は動けなかった。
「おっと、すまない」
桜花さんが謝ると、何事も無かったかのように氷は搔き消えていた。
いやいやいや、おかしいだろ!?
凍ったんだから溶けろよ……周りの温度も一瞬で元に戻るっておかしいだろ!
混乱する私の肩を誰かが叩く。
「細かいことは気にするな」
「あずにゃん……」
私の肩を叩いたあずにゃんは、やれやれといった表情で私の隣に座った。
──結局動けない私は、そのまま恐怖に耐えるしかなかったわけだけど。
私の右隣に桜花さん、続いて桜花さんの妹レベッカさん。
左隣にあずにゃん、紬が座り。
距離を置いて上原グループの女性陣が囲むという、居た堪れない状況に──。
(律助けて!! 律ぅ!!)
心の中で叫んでいると、桜花さんが話を切り出して来た。
「日下部さんの異能をコピーしてもいいだろうか?」
いいだろうか? って拒否権ないだろ!
もともとそのつもりで旅行に参加してるし……。
「もち、もちろん大丈夫です」
「ありがとう」
私の許可を得た女性陣は、それぞれ思い思いに行動を始める。
握手を求めてくる人。
私を凝視したまま一切動かない人。
汗を舐めてもいいですか? と聞いてくる人。
墨汁? で自分の躰に呪文のような文字を書いていく人。
不思議な魔法陣を空中に浮かべる人。
様々だった。
……
…………
「よし、終わったか」
女性陣38名が私の異能【性奉仕の真髄】をコピーした。
お爺ちゃんの話では100%コピーできる人はふたりだけで、他の人はある程度しか出来ないらしい。
それでも妊娠確率を上げたり、完全避妊、生理の完全制御ができるだけでも相当の価値があるんだって。
ピルは毎日1錠飲み続けなくてはいけないし、アフターピルもピルも100%避妊ではない。
妊娠確率が下がることはないけど、上がることもない。
そして何より副作用がまずい。
薬物による副作用は異能の妨げになる可能性があるらしいから異能使いの女はピルには頼らない。
なので一部だけでもコピーしたいらしい。
──とりあえず、これで私の役目は終わりか?
そう思って湯船から出ようとすると、あずにゃんがまた馬鹿な事を言い出した。
「澪、おちんぽ生やすのってどうやるんだ?」
「あ゙?」
「え? 澪先輩おちんぽ生やせるっすか!?」
紬も食いついてきた。
「ほう、それは面白そうだ」
桜花さんまで興味深そうに私を見る。
「はわわわわっ」
桜花さんの妹、レベッカさんはあわあわしていた。
かわいい。
「生やす理由がないから多分生やせない」
「「ぶー! ぶー!」」
あずにゃんと紬が同時に不満を漏らす。
仲いいな。
「律君のお尻は犯さないのか?」
「そんな趣味はありません!!」
桜花さん……上原の女は変態しかいないのか!?
「仕方ない。私がやってみよう」
あずにゃんが浴槽の縁に座り直して股を大きく開いた。
自分の股間を覗き込む。
比較的濃い陰毛をかき分けて、おまんこを開いたり閉じたり、クリの皮を剥いたり被せたりしている。
「あずにゃん……」「あずさん……」「梓……」
みんなドン引きだ。
「ふむ……クリトリスがむずむずするから延びそうな気配はあるんだが」
あるんだ……てか、あずにゃんの異能はアポートだと思っていたけど、違うのか?
いや、そんな単純な能力だったら隠さないか。
「細胞増殖だと不可逆変化になる可能性が高いからクリトリスを延ばすより霊気を圧縮して半物質化のほうが現実的ではないか?」
「それだとペニバンと変わらなくないか?」
「ペニバンって何だ?」
「ペニスバンドだ」
「ペニスの帯? 気色悪いな」
「違う。固定用の帯が付いたディルドだ」
「あぁ。レズ用か」
「そうとも限らん」
白髪碧眼の超絶美女と黒髪パッツンの見た目だけ清楚美女の会話とはとても思えない内容の会話が繰り広げられていた。
すると前方から突然叫び声が上がる。
「出来ました! 出来ましたよ桜花様! 梓様!」
そこには30歳前後の女性が両手を腰に当てながら仁王立ちしていた。
股間には17、8センチくらいの立派なおちんちんが生えている。
「「「「「おぉ……」」」」」
女性陣が何とも言えない反応でざわつく。
「どうやった!?」
「イメージです! あたしは旦那のちんちんをイメージしました!」
「あらまぁ」「丁度いい大きさじゃない」「羨ましいわ」
奥様方……。
「イメージ……概念制御に近いのか? ふむ、私が知っているおちんぽ……」
アドバイスを受けたあずにゃんが集中する。
「ほう、面白い」
桜花さんが呟いた瞬間、あずにゃんの股間が盛り上がって20センチ越え寸胴型仮性包茎のおちんちんが生えた……まじか。
「「「「「わぁ……」」」」」
あちこちで切なそうなため息が漏れる。
「凄いっす! まんま俊介さんのおちんぽ様っすね♡」
蕩けた表情を浮かべ、あずにゃんのおちんちんを見つめる紬から投下された爆弾発言に──。
「ぎゃあああああ!!」
──何故か隣の桜花さんがダメージを受けて倒れていた。
そういえば俊介さんは桜花さんの幼馴染か。
桜花さんにとっては見たくもない身内の巨根を見せられてショックを受けたと……。
ま、まぁいいか……レベッカちゃんが介抱してるし、うん、大丈夫。
「おぉ……感覚がある……こんな感じなのか」
巨根をしごいて感触を確認するあずにゃん。
「あずさん! フェラ! したいっす!」
紬ならそうくるな。
「くくく、いいぞ紬。私に奉仕しろ♪」
「はいっす♡」
チュ、ニュル
軽く亀頭にキスをして被っている皮の中に舌を入れた。
「あぁ、これはこれでアリだ……」
皮の中にあるカリを舐め回されながら、それを楽しそうに眺めているあずにゃん。
「あは♪ 匂いも同じっす♡」
そんな情報はいらない……。
ある程度皮の中を舐め回した紬は、両手でゆっくりと皮を剥きながら先っぽを咥えた。
ジュル、ジュ、ジュポ
紬の口は小さいので、俊介さんのは大きすぎて入らない。
先っぽに吸い付きながら舌で尿道付近を集中攻撃している。
皮を剥き終わったらカリまで舌を這わせてキスをしながら舐める。
レロレロ、チュ、レロ、ジュ、ジュル、チュ
私が律に調教されたフェラだ。
以前成り行きで律と紬と三人でしたことがある。
その時のやり方を真似たっぽい……抜け目ないなこいつ。
「俊介様のおちんぽ様……♡」「素敵♡」「欲しい♡」
紬にフェラされるおちんちんを見て奥様方が色めきだした。
異様な雰囲気に包まれ危機感を感じた女性たちは浴槽を大きく迂回して脱衣場へ向かっている。
ここに残っているのは20代後半から40代前半の女性ばかり。
娘さんや比較的若い奥さんは逃げた……よし、私も逃げよう。
発情し始めた女たちを背に速足で脱衣場へ、迂回組に続いて中へ逃げ込む。
すりガラスの大きな両開きドアをくぐると──。
「おかえり」
「おひゃえりなひゃい♡」
──あずにゃんの目の前に立っていた。
「おい」
間違いなくあずにゃんの仕業だ。
「【性奉仕の真髄】」
異能を発動させて迎え討つ。
「まてまて」
「待たん」
「ほら向こうも始めた。エッチの勉強になると思うぞ?」
指差した先を見る。
おちんちんを生やすことが出来た6人の女性を中心に奥様方が絡み合っていた。
「……」
奉仕の仕方がそれぞれ違う。
確かに勉強になりそう……。
乱れる奥様方を凝視しているとあずにゃんの声が上ずった。
「あ、あああああ、なんかおちんぽを昇って……でりゅ!」
紬の顔の前でビクンビクンと跳ねる巨根。
「精子、出ないっすね」
「ふぁああ」
精子は出ないけど人生初の射精感に酔っているあずにゃん。
「サキュバスの伝承でも、他人の精子を奪ってからインキュバスに変身してその精子を射精するってあったから、生命そのものは生み出せないのかも?」
「異能は基本、創造主の恩恵だから。生命そのものを生みだすような禁忌は犯せない」
ショック状態から回復した桜花さんが私の考えを補足してくれた。
「あ、桜花さん大丈夫ですか?」
「う、む……」
起きて胡坐を組んだ桜花さんが側で介抱していたレベッカちゃんを抱き上げて膝の上に座らせる。
結局レベッカちゃんと一緒に見るんかい!
「くちゅん!」
心の中でツッコミを入れているとレベッカちゃんが可愛いくしゃみをした。
──その瞬間。
大浴場に暖かい風が吹く。
「ありがと! お姉ちゃん♪」
「ふふ」
レベッカちゃんが冷えないように桜花さんが異能で室温を上げた。
気遣い合うふたりに心が洗われる。
真っ裸だけど……。
「だが……射精出来ないと面白くないな」
「そうっすね♡」
馬鹿ふたりのせいで現実に引き戻された。
「【性奉仕の真髄】は精力の授受も可能……だったな?」
「あぁ、そうか。精子の代わりにエクトプラズムを出せばいいのか!」
「「え?」」
そうだった! みたいな顔で言ってるけどエクトプラズムって何!?
私と紬の反応を無視してオナニーを始めるあずにゃん。
「手伝うっす♡」
「おう……」
紬があずにゃんのおちんちんの上から唾を落とす。
亀頭から竿の方へ流れた唾はしごいている手に絡まった。
紬はそのまま頭を下げて尿道付近を中心に舐め始める。
「紬……出そう」
「はいっす!」
亀頭に被せるように大きく口を開いて舌を伸ばす。
「あ、あっ。来る。また昇ってくりゅ!」
ビュ、ビュ、ビュ
「あ、こりぇしゅごい」
ビュー、ビュル、ビュ
短い射精を繰り返した後、大量の精液が一気に噴き出た。
見た目は精液そのものだけど独特の匂いがしない。
「甘い、この精液……おいしい! 練乳っぽい味がするっす!」
顔中精液まみれの紬は、口の中の精液を舐め溶かすように咀嚼している。
「棚橋さん……私も精液頂いてよろしいでしょうか?♡」
「「私も……」」
オナニーを観察していた3人の奥様が我慢できないとばかりに近づいてきた。
「うちの顔にかかってるのでよければ!」
「「「ありがとう♡」」」
奥様方は「甘ずゅっぱい♡」「俊介様のお精子♡」「俊介様♡ 俊介様♡」なんて独り言を呟きながら紬の顔にかかった精液を丁寧に舐めとっている。
俊介さんのじゃないと思うけど、あずにゃんはそれでいいのか?
3人の奥様方に奉仕されてトリップしている紬を見ながら、口角を上げたお爺ちゃんそっくりな悪人顔で満足そうにしているあずにゃん。
本人がいいならいいか。
なんて適当に流していたら──。
「「「「あひいいいいい♡」」」」
──突然の嬌声が響いた。
「あずさん! おちんぽ! おちんぽいれてぇ♡」
「あれ、これって俊介様のおちんちん? 生えちゃったぁ♡」
「わ、私にもある……」
「相良さん! 牧さん! 素敵♡ お願い! それ頂戴♡」
4人とも目にハートマークが浮かんでいる。
比喩表現ではなく実際に浮かんでいる……。
「これは……」
「催淫だ……おい梓! それは不味い。催淫を解除しろ!」
桜花さんが注意するけど──。
「くくく! だが断る!!」
──あずにゃんは止まらない。
「澪さん頼む」
「了解です」
桜花さんなら実力行使で止めることは出来ると思うけど、親類を傷つけたくないんだろう。
催淫で理性を失くして獣のように腰を動かしている奥様にそっと触れた。
発動したままの異能を使って催淫を解除──。
「出来ない!?」
あずにゃんは自分のおちんちんをフェラしている紬を離して立ち上がりながら勝ち誇った表情で言う。
「実力の差だ……私の【性奉仕の真髄】は劣化版だが本体の実力差がありすぎて今の澪では私の異能は解除できない──まぁ、流石オリジナルだけあって私の干渉も澪には届かないが」
離れるおちんちんを追いかけながら左脚に絡みつき太ももの内側を舐め始める紬。
完全に自我を失っている。
「だが、直接注ぎ込めば──どうなるかな?♪」
「無理矢理入れたら膣圧で嚙み千切る」
実力行使に出られたら敵わない。
それは解っているけど、ここは譲れない。
「くく、冗談だ。無理矢理したら桜花に殺される……それより今は……」
左脚に絡みつく紬を少しだけ離して両膝を床に着いた。
そして私に向かって祈るあずにゃん。
別の異能を使うつもりかもしれないと身構えると──。
「ご奉仕させてください」
「は?」
「澪さんそれ……」
ご奉仕の意味が分らないでいると桜花さんが私の下半身を指差してきた。
そこには──15センチくらいのカリ高で見慣れたおちんちんが──。
「なんでえええええ!!」
律のおちんちんが生えていた。
みんなに律のおちんちんを見られたくない私は、咄嗟に前かがみになって両手で隠した。
「恐らく私がおちんぽを生やしたことで、澪の異能がそれを真似た」
真似たって!
「制御漏れだな」
私が未熟ってことか。
それはいいけど、静まれ!
「もどらねぇ……」
「射精すれば戻る」
「いやそれあんたが中出しされたいだけだろ!」
「どう思う桜花」
あずにゃんに聴かれて私の股間を探るように数秒眺めた桜花さんは軽く頷くと口を開いた。
「そうだな、生やし方を真似たとしたら梓のが元に戻ればそれも真似ると思う」
「あずにゃん、戻して!」
「断る!」
クソが!
「梓を犯して満足させるのが一番早い気はするが、どう?」
「律のおちんちんは──」
(──待ってください澪さん!)
「ん?」
誰かの声が頭の中に直接響いてきた。
(レベッカです。梓さんに聞かれないように念話で直接お話ししてます)
(テレパシーってこんな感じなのか……)
(私を経由してお姉ちゃんと話せるようにしますね)
(分った)
あずにゃんに聞かれたくない話か……。
(澪さん)
(あ、はい)
(律君のが嫌なら他のに変えてみてはどうだ?)
(出来るんですか?)
(【性奉仕の真髄】ならできる。異能使いに大切な事は──)
(──出来ないと思いこまない事!)
(解ってるじゃないか)
それなら丁度いいのがある……。
嫌悪感で吐きそうになるけど、それは異能で抑え込もう。
あいつのは今の律のよりちょっとだけ小さい。
正しい判断が出来ないくらい興奮しきっているあずにゃんなら、充分騙せる!
両手で隠したまま、意識を集中して異能にイメージを伝える──。
長さは2センチくらい短く、直径が2センチくらい太くなって相対的にカリが低くなった。
保唯のは長さは普通だけど太い。
でもこれ、太さが2センチ違うと印象が変わってくるな。
カリも含めて1センチだけ細く──出来た!
(よし! 調整できました!)
(いいぞ!)
「あずにゃん……」
「はい♡」
期待に目を輝かせ、微笑むあずにゃん。
大人しくしてるとホントに清楚美人……。
「1回だけ……1回イったら終わりだからな!!」
「感謝する……」
目から一筋の涙が落ちて頬を伝う。
マジで律のこと好きなんだ。
ちょっと良心が痛むけど……ごめん、あずにゃん、これだけは譲れない。
両手をどけて保唯のおちんちんを晒した。
「あああああ♡」
感激に喘ぐあずにゃん。
「さっさとしてくれ」
「はい♡」
すっと近づいて、私の両太ももを捕まえる。
チュ
そのまま、おちんちんの先っぽにキスした。
レロレロ、ピチャ、チュ
両手は使わずに、舌と口だけで愛撫してくる。
先っぽから尿道口、カリまで丁寧に舐めてから竿の部分を唇で甘噛みした。
フェラって、こんな感じなのか……想像してたよりは気持ちよくない。
快感に流されないよう構えてた分、拍子抜けして冷静になった。
そしてあずにゃんの奉仕は続く。
ヂュ、チュ
竿を吸いながら私の股の中に潜り込んだ。
「あれ? タマタマないぞ?」
「知るかボケ!」
タマを舐めるつもりで股の中に入ったのか……。
「仕方ないな」
残念そうに躰を戻して、奉仕を再開する。
チュ、ハム
先っぽにキスして咥えて来た。
ジュ、ジュルルル、ジュポ
大きな音をだしながら吸い付く。
これ……あれだ……保唯が好きなフェラだ。
どちらかと言えばSのあずにゃんが、こんなドMのフェラをって気になってたけど、紬のを真似したのか……。
ジュポ、ジュポ、ジュル、ジュポ、ジュポ
一定のリズムでテンポよくカリを中心に吸いながら頭を上下する。
あ、ちょっと気持ちよくなってきた。
バキュームはこうやるのね。
怒鳴りながら教える保唯に嫌気がさして、適当にやってた私とは……全然違う。
あいつが好きなフェラなのは癪だけど気持ちいいし、律にやってあげよう。
ジュポ、ジュポ、ジュル、ジュポ、ジュポ
──もう30分近く続けている──。
顎痛くないのかな……って心配していたら──。
「澪しぇんぱーい♡」
──奥様と絡み合っていた紬が私のお尻に顔を埋めてきた。
「私にもご奉仕させてくらはいっすぅ♡」
相変わらず催淫されたままだけど、さっきよりは落ち着いている。
「んー、どうしようかなぁ」
なんて、ドMの紬をじらして遊んでいたら──何んとなしに思い出した──。
紬って保唯のセフレ……見られたらバレる!!
危なかった。
気付いてよかった……。
「よし紬、そこで仰向けに寝ろ」
「ふぇ? ご奉仕──」
「──いいから寝ろ」
「ひゃい!」
普段から強く命令すると逆らえない紬は大人しく従った。
「あずにゃん」
ジュル、ジュポ、ジュポ
「んっ♡、んっ♡、ん? なんだ?」
「このおちんちん、おまんこに欲しい?」
「欲しい!」
「じゃあ、まず紬にあずにゃんのを入れてあげて」
「えー」
「そしたら後ろから犯してあげる。私の顔が見えないほうが興奮するでしょ?」
「確かに!」
発情しすぎて、いつもの聡明さが欠片もない。
「ほら紬、大好きなしゅんのおちんぽ様だぞ♪」
「わーい♡ しゅんしゅけしゃんのおちんぽ様っす♡」
おちんぽ様って……そう言ったほうが男は喜ぶのかな?
後で律に聞いてみよ……。
あずにゃんが正常位で紬に挿入する。
「ぶっといの来たああ♡ これ、これっす♡」
紬は被さってきたあずにゃんの腰を両脚で挟んで密着した。
「よし! そのまま尻を上げろ♪」
「はいっす♡」
お尻が上るとあずにゃんはそのまま紬に体重を預けて押しつぶす。
「んぎいいいいい♡ しぎゅううううう♡ しぎゅうに刺さるっす♡」
うわぁ……中3の少女にぶっ刺さるふたなり巨根……犯罪臭が半端ない。
紬本人はもちろん、ご両親の承諾も貰ってるらしいから、犯罪ではないけど……絵面がやばい。
「律きてぇ♡ 後ろから犯してぇ♡」
お尻を浮かしたままの紬に挿入しているから、ちょうどバックスタイルになっていた。
「律ぅ♡」
あずにゃんが甘えた声で誘う。
「律じゃねぇ!!」
バシッ
「あん♡」
思いっきりお尻を叩いたけど、まったく効いてない……クソが。
仕方ないので保唯のおちんちんを後ろからあてがって──。
「いひいいいい♡」
──容赦なしに貫いた。
「どう?」
「大きさはしゅんと同じくらい。でも短い……」
「抜く?」
「らめぇ♡ お腹のほう擦ってぇ♡」
Gスポットね。
「了解」
ゆっくりお腹のほうを擦ると、あからさまに感触が違う場所があった。
何だこれ? ざらざら感が強い。
おちんちんの先っぽで擦ると凄まじい快感に襲われた。
「しょこ♡ しょこいっぱいこしゅってえ♡」
うわぁ……あずにゃんでもセックスの時は乱れるんだ……一応武術の師匠で、友人というか親友に近い女の喘ぐ姿を見るのって気まずい。
「みおしぇんぱい!」
「何?」
「上からぁ、勢い付けて上から突いてくらしゃい♡」
「あー」
反動であずにゃんの腰を動かして一緒にピストンさせろって事ね。
「いいよ。そのかわり研究の成果を見せろ!」
「はいっす! 思いっきり膣絞めて吸い上げるっす♡」
「よし!」
Gスポットを狙いながら勢いをつけてリズムよく上下させる。
「「お゙ほ」」
私の動きに合わせて紬も腰を振ると──。
「にゃにこれえええ! だめ……両方同時はらめえええええ♡」
──あずにゃんが悶えだした。
「いいぞ紬!」
「はいっす♡ 澪しぇんぱいいいいいい!!」
「どうした?」
「お慕いしてますぅ♡」
「紬……」
「あずさん越しでいいっすからぁ♡ うちの事も犯してくらしゃい♡」
催淫で本心が漏れたか……なんだかんだで可愛い妹弟子だな。
「しゃーない。特別だぞ!」
「あああああ♡ 澪しぇんぱい♡ 来てえええええ♡」
リズミカルでいて力強く。
私とあずにゃんのおちんちんの動きを意識して。
ちゃんと気持ちいところを擦るように。
一定のリズムで流れるようにピストン。
おちんちんと膣の両方からくる快楽に悶えて逃げようとするあずにゃんの腰を捕まえて調整しながら──。
突く、突く、突く。
淡々とピストン。
「いひひひひひ♡ いぎゅ♡ らめっ♡ もういってりゅからあああああ♡」
さっきから小さくイッてる。
イクたびにキュと膣全体が締まるし、腰もぷるぷる痙攣している。
でも駄目。
射精させないと駄目だから容赦しない。
「いいぞ澪さん! そのまま絶頂させろ!」
(了解!)
挨拶した時はクールで他人には興味ないって印象だった桜花さんが興奮している。
超絶美女が出す興奮した声。
私もあてられて高揚してきたところで──。
(ガ……ガ、ガ……)
──ノイズ化した音声が頭の中に直接流れてきた。
ホラー映画とかでたまに聞くやつに似ている。
レベッカちゃんの念話からだ……桜花さんは気付いてないのか?
(レベッカちゃん大丈夫!?)
桜花さんのほうを振り向くと、脱力して放心したレベッカちゃんが見えた。
(……問題アリマセン……)
いや、何か変だ──桜花さんに声を掛けようとした──その時。
視線が合った瞬間──レベッカちゃんの深い藍色の瞳が弾けて目の周囲に飛び散り──象形文字を形取る──。
(ハイ、母様、御心ノ、ママニ)
──と同時に私の脊髄を電撃にも似た衝撃が這い上がって脳天を貫いた。
脳が揺さぶられ全身が痺れる──あまりの衝撃に言葉も出ない。
そのまま惚けていると全身の痺れが甘い快感を呼び起こす──。
「「「「「ああああああ♡」」」」」
──大浴場に女たちの声が反響した。
今度は腰がムズムズし始めて、おちんちんに向かって何かが──。
「登ってくるっ!」
──これが──射精感!?
「あ!? らしてぇ♡ おぐっ♡、おぐにいいいいいい♡」
思わず、あずにゃんの望みに従う。
「うあああああ♡」
本能のまま根元まで一気に貫くと──。
「いひいいいいい♡」
ブシュっと、あずにゃんのおまんこから、おしっこが漏れた。
「おほおおおおお♡ 刺さる♡ 刺さるっす♡」
後を追ったあずにゃんの巨根が紬の子宮を押し上げて──
「うぐううううういひっ♡ お゙っ、おちんぽ様ああ♡ しぎゅうの中にぎでぇええ♡」
──二人の腰が密着した。
「ぎだぎだぎだああああああ♡ いだぎもぢいいいいいい♡」
とうとう中に入ったらしい……。
そういうのもありなのか? いったい普段どういう変態セックスしてるんだこいつら……。
なんて呆れていたら──。
「あ、やばっ、なんこれ!?」
──私のおちんちんに色んなおまんこのイメージと感触が重なった。
周囲の女性たちが感じている挿入の快感、特に紬を貫いているあずにゃんのおちんちんの快楽が私の躰に流れ込んでくる。
「無理無理無理! でっりゅううううう♡」
十数人分の射精感。
ビューッ、ビューッ、ドビュ、ビュ、ビューッ
我慢できるわけがない。
大量の疑似精液が一気にあずにゃんの子宮に流れ込む。
「あぁああぢゅいいいいい♡ りちゅの精子♡ 孕んでえええええ♡」
だから律のじゃねぇ!
あと俊介さん裏切んな!
快感に酔いながらも、ツッコミを入れていると──。
「「「「「ひぃあああああ!!」」」」」
──私の射精に共鳴した女性たちの嬌声が木霊する。
「同調したか」
桜花さんは状況分析に集中していて抱っこしているレベッカさんの異常に気付いていない。
「あ、あ……ぁあああああ!!」
なんだこれ……今度はレベッカさんの中から何かが流れ込んでくる。
『条件ヲ達成シマシタ。只今ヲモッテ【性奉仕ノ真髄】ハ【性奉仕ノ神髄】ヘト進化シマス』
これは会話とは違う。
念話? いや違う。
念話も会話だから違う。
もっと原始的で強力な繋がり……無意識下での意思そのものの伝達。
魂レベルでの絆……だから "真髄" と "神髄" の違いを無意識で理解できる……けど。
……何が起きてる!?
『仮契約中ノ眷属カラ充分ナ霊気ノ供給ヲ受ケマシタ。ソレニヨッテ、ワタクシトノ直結ガ可能トナリマシタ』
そうじゃない。
神髄ってなんだ……お前は誰だ!!
『ワタクシハ【性奉仕ノ神髄】。アナタニ恩恵ヲ与エシモノ。神髄トハ神ノ領域ニ通ジル道。ワタクシヲ受ケ入レマスカ?』
神の領域に通じる道!?
『異能は基本、創造主の恩恵だから──』
桜花さんの言葉がよぎる。
お前は創造主なのか?
『ワタクシハ【性奉仕ノ神髄】。創造主ト共ニ生ミ出デシモノ。ワタクシヲ受ケ入レマスカ?』
なんか……めんどいぞこいつ……。
『……受ケ入レマスカ?』
受け入れたらどうなる?
『魂ガ格上ゲサレマス。ソレニヨッテ、物理干渉ヲ超エタ能力ノ発動ガ可能トナリマス』
もう少し解りやすく説明して。
『……魂ノ格ガ上ガルト半神半人トナリマス。半神半人トハ、エデン──主様ノ世界デ言ウ地球──ノ伝承、北欧神話デ例エルト "ヴァルキリー" デス』
ヴァルキリー……戦乙女か。
『ハイ。我々ハ "ヴァルキューレ" ト呼ンデイマス。神ノチカラヲ魂ニ宿シ、仮初ノ肉体ヲ持ッテ禍ヨリ神々ヲ護ルモノ』
問題は無いの?
『明確ナ問題ハ、フタツデス』
何?
『ヒトノ肉体ノ老化ガ止マリ、死後神々ノ世界ヘ召喚サレマス』
老化が止まるのに死ぬの!?
『ヒトトシテ悠久ニ生キル事ハ可能デスガ、ヒトノ肉体ガ生命維持不能ナ状態ニナルト死ヲ迎エマス』
あ、そっか……。
『明確ナ利点モ、フタツデス』
利点?
『ハイ。ヴァルキューレハ英雄ヲ神界ヘ導ク事ガ可能デス』
それが利点?
『ハイ。律様ヲ英雄ニ選ベバ死後モ神界デ暮ラセマス』
なんだと!?
『英雄ニ選ブニハ条件ガ在リマスガ律様ハ上原ノ氏族ナノデ、既ニ条件ヲ満タシテイマス』
上原の氏族だから?
『上原ガヴァルキューレト英雄ノ子孫ダカラデス』
マジか……。
『ハイ。肉体ハ地球人ト同ジデスガ、存在ノ定義ガ根本的ニ異ナリマス』
死んでもずっと一緒に暮らせる……私は嬉しいけど律はどうだろう。
相談しないと……。
『ワタクシトノ直結ハ今シカデキマセン』
そこは融通利かせてよ。
『申シ訳アリマセン』
駄目か……じゃあ、もうひとつの利点って?
『【性奉仕ノ真髄】デ可能ナ能力全テ、対象トノ性交渉ヲ必要トシナクナリマス』
はぁ!?
それってヤバすぎじゃ?
『ハイ。ヒトトシテハ、アリエナイチカラデス……ヴァルキューレトシテモ……強スギルチカラデス』
大丈夫かそれ?
『強イチカラハ、ヨリ強イチカラヲ引キ寄セル傾向ガアリマス。チカラニ溺レレバ要ラヌ災厄ヲ招クデショウ』
でもそれは異能を持ってなくても同じよね。
『ハイ』
私は律の力になりたくて、律と同じ世界に居たくて……異能を鍛えた。
強すぎる力……だとしても要は使い手の問題。
『……ワタクシヲ受ケ入レマスカ?』
あぁ、受け入れる!
律と私の力になって!
『承認シマス』
──その瞬間、意識を失った。
永遠のようで一瞬かもしれない真っ白な世界で。
私は生まれ変わった。
誰かの意思が流れ込む。
『愛しきヒト。目覚めなさい』
【性奉仕の神髄】に似ているけど違う。
『……15項──承認──因果律ヘ干渉──成功──神威武装構築──成功──完了──転装』
今度のは【性奉仕の神髄】の意思だ。
因果律? 神威武装?
おい、何してんだ?
『再起動シマス』
意識が肉体に戻る──。
「GUGYyyyyy!!」
グギー!?
人とは思えない咆哮を上げる私。
「穢れ落ち!? 違うこれは……神威武装!!」
桜花さんの叫び声が聞こえた。
言葉を使わないで直接【性奉仕の神髄】と意思疎通していたから時間はほぼ経っていないっぽい。
っと、そんなことはどうでもいい!
力が溢れる! 制御できないぞ! おい!!
返事がない……。
くそ! 直結したんじゃないのか!?
『主様、聞コエマスカ?』
あ、どうなってる!?
『主様、聞コエマスカ? 契約完了ニヨリ念話ガ可能トナリマシタ。心ノ中デ会話シテクダサイ』
(これでいいか?)
『ハイ。聞コエマシタ』
(おい! 力が制御できない! どうすればいい!?)
『問題アリマセン。武装ガ完了スレバ落チ着キマス』
(そうか……うん?)
両腕の肌が褐色……日焼けした!?
私の肌は白すぎて体質的に焼けない。
赤く腫れてすぐ白に戻るのに……。
「澪さん鏡見て!」
声のほうを向くと目が合った。
桜花さんはお爺ちゃんそっくりの邪悪な笑みを浮かべている。
期待と不安、畏怖と羨望が混じり合った邪悪な笑み。
そして桜花さんの背後にはガラス窓。
『転送完了』
……これが……私……?
ガラス窓に映っていたのは──。
黒目に深紅の瞳が輝き、長く尖った耳と後頭部から額に向けて伸びる捻じれた白角。
背中には3対6枚の漆黒の羽。
腰からお尻を通る漆黒の尻尾は2メートル以上ありながら、光沢を帯びてしなやかに舞う。
白肌から褐色に塗り替えられた躰には不思議な文様が青白く輝いていた。
青白く輝く文様はそれ一式を以ってタキシードドレスの様だった。
それは、まるで……伝承に語られる……。
「サキュバスじゃねぇか!!」
凄まじい力が魂から放出されているのが解る。
躰中にある青白い文様は多分制御装置。
これが無かったら力の放出だけで周りを傷つけてしまう。
「おいこら!! これ! 戻るんだろうな!?」
『ハイ。何時デモ戻レマス』
「そうか、ならいいけど……これが私のヴァルキューレとしての姿なのか?」
『イエ。神威武装ハ、ヴァルキューレの上位存在 "ヴァルキュリア" ノ戦闘形態デス』
「ん!? どういうこと?」
「待った! ちょっと待て澪さん!」
桜花さんが割り込んで来た。
「なんですか?」
「今、ヴァルキューレと言ったか?」
「あ、はい……(バレたらマズイ?)」
『イエ。桜花様ハ英雄デ桜花様ノヴァルキューレガ、レベッカナノデ大丈夫デス』
「え!? レベッカちゃんて神様だったの!?」
『ハイ』
「先ほどから誰と話している?」
(あ、言っていい?)
『ハイ。誤魔化スト問題ニナリマス』
(分った)
簡潔に説明する──。
……
…………
「──って感じで【性奉仕の神髄】と直結しました……」
「ふむ……異能に愛されしものか……」
少しだけ桜花さんの表情が曇った。
「異能に愛されしもの? ってマズイですか?」
「澪さんなら大丈夫だと思うが、異能に魅せられて狂う奴もいるんだよ」
「あぁ、さっき注意されました」
「そうか、どうやらまともな異能みたいで安心した」
まともじゃない異能もあるのか……神話の神様って結構狂ってるもんね……。
ってさっきから尻尾が邪魔。
『装備品ハ出シ入レ自由、伸縮自在デス』
「これって装備品なの?」
試しで尻尾を縮めて丸っこくモフモフな感じに、白角を立たせて黒くしてモフモフな感じに。
羽は全部収納……って──。
「バニーガールやんか!!」「バニーガールじゃないか!?」
桜花さんとツッコミが被った。
「これは色々楽しめそう……」
「お、おう。というか澪さん」
「はい」
「今ならあの馬鹿の催淫も解ける。頼めるか?」
そうだった、あずにゃんの暴走で乱交状態になっていた。
「了解です! 【性奉仕の神髄】!」
『御意』
私の射精に同調して失神している奥様方の下腹部に、特殊なハート型の文様が浮かび上がる。
「「え……」」
『梓様ヲ除イテ眷属化ノ本契約ガ完了シマシタ。梓様ノ眷属化ニハ御本人ノ同意ガ必要デス』
「何してくれてんの!?」
「どうした!?」
「勝手に眷属化したみたいです……」
「面白い! 眷属になったらどうなる?」
『主様ノ裁量デ主様ノチカラノ一部ヲ付与デキマス。付与スルチカラハ主様ノ裁量デ調整可能デス』
「桜花さんの声が聞こえてる!?」
『ハイ。主様ト五感ヲ共有シテイマス』
「なるほど」
「澪さん、異能は何と?」
「眷属には【性奉仕の真髄】、まことのほうの能力を付与したり調整もできるそうです」
「素晴らしい! デメリットは?」
『主様ニ逆ラエマセン。マタ、眷属ガ生ミ出ス霊力ノイチ割ガ主様ニ還元サレマス』
「私に逆らえなくなるそうです。あと……霊力の1割を私に吸われるそうです……」
「ふむ、まさにサキュバスだな」
「言わないでえええええ!」
◇ ◇
【性奉仕の神髄】がレベッカちゃんの力を使って無理矢理私を格上げした事を桜花さんに伝えると、やっとレベッカちゃんの異常に気付いた。
レベッカちゃんが同意しないと使えない力らしく、力を使わせた事は問題にならなかった。
それより私のほうが問題らしい。
半神半人になったのもアレだけど、その上、神威武装で神格化したらしい私の身柄は上原本家預かりになるみたい。
それもそっか……。
本当なら神格化した時点で人間を辞めて神界で暮らさないといけないらしいけど。
【性奉仕の神髄】を与えてくれた神様が、なんかすっごい偉いらしくて……律が死ぬまで地球で暮らしたいという私の我儘を通してくれただけ有難い──。
すっかり意気投合した律と俊介さんが稽古の終わりにふたりで楽しそうに牛乳を飲んでいるのを、遠巻きで眺める女性たち。
その視線はふたりの股間に釘付け……。
上気した顔で羨ましそうに眺める彼女たちを、ぼんやり見ながら。
──神様に感謝していた。
自分たちが世界の大きな流れに飲み込まれた事など──気付きもせずに──。
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