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第一章
王太子と私
しおりを挟む「俺を呼び出すとは、いい度胸だな。」
「そんなつもりは…ただ、お会いしたいと…」
私は、王太子の目を見ることもできず、声を震わせながら、言葉を慎重に選ぶ。
「まあいい。要件はなんだ。」
「あの…結婚のお話を…お、お断りしたいと…思っています…」
「まだそんなこと言っているのか。王太子の命令に背くつもりか」
「えっと…命令と言いましても、結婚というのは流石に…」
「お前は、何も知らないんだな」
王太子は、ソファから立ち上がると、徐(おもむ)ろに私に歩み寄った。
そして、私の右腕を強く掴み、ベッドの方向に連れて行き、私をベッドに突き飛ばした。
「いたっ…」
「俺の命令は、どんな場合でも絶対だ。」
私は、ベッドから起きあがろうとするも、王太子はそんな私の体を押さえつけ、馬乗りになった。
動けなくなった私は、さらに恐怖に怯え、体中が震えた。
「離してください!」
「大声を出したところで無駄だ。」
焦る私とは対照的に、王太子は顔色ひとつ変わらない。
王太子は、私のパジャマの下に手を入れ、王太子の冷たい手が、私の体に直に触れる。
「いや、いやだ!誰か…!」
「もう誰も来ない」
「やめてください…」
恐怖で涙が溢れ、必死に抵抗したが、軍人として鍛えられた肉体に敵(かな)うはずもなく、なされるがままだ。
やがて、この王室という場所に味方がいないことに絶望した私は、力尽きてしまい、抵抗することをやめた。
「それでいい。俺に抵抗しても無駄だとわかっただろう」
「…」
これから何をされるのか想像するだけで、胸を抉られるような苦しみが襲い、私は声を殺して泣き続けた。
コンコンッ…
その時、ドアをノックする音が聞こえた。
「王太子様、国王がお呼びでございます。すぐにお戻りを。」
「ったく、なんでこんな時に…今日は終わりだ。もう休め。」
ドアの外から聞こえた声に、王太子は苛立ちながら、私を解放した。
私は脱力感に襲われ、解放された後も力が入らず、逃げることすらできなかった。
王太子は、乱れた衣服を少し整えると、部屋から出ていった。
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