「月が太陽と眠る夜」 〜出自が分からず無戸籍の孤児として育った小春の前に現れたのは、日本王国の王子の兄弟?!〜

みなみ

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第一章

支配者と札束

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王太子との接見から一週間が経った。王太子はずっと王宮にいるそうだが、一度も会ってはいない。


スマホやテレビ、新聞もなく、外からの情報がほとんど入ってこないため、不安に思った私は担当官に交渉してみたものの、状況は何も変わらなかった。


痺れを切らした私は、王太子に会いたいと伝えて、待機するしかなかった。


一度、脱走したと見なされているため、当然のことだが、以前のように瑛斗王子と会うことも叶わない。





ただし、外出を全て禁止されているわけではなく、担当官の許可の元、宮殿の庭の散歩や書庫での読書はできるように取り計らってもらっていた。


私は、ひとり、庭先に出て、花を摘んで部屋に持ち帰り、フラワーアレンジメントをして過ごすことが多くなった。


部屋にある棚や窓の外に飾り、気を紛らしていた。




相変わらず食欲は戻らず夕食も断り、入浴を済ませてベッドでゆっくりしていた。


睡眠もあまり取れておらず、睡眠導入剤を処方してもらい、服用してベッドに入った。



しばらくすると、眠気を感じうとうととし始めていた。


しかし、そのとき、ドアがノックされた音が聞こえた。
王太子とようやく接見ができるのだと気づき、体を起こしたが、立ち上がりベッドから離れることが出来ずに困惑していた。


すると、ドアが開き、王太子が入ってきたことがはっきりとわかった。


「いい度胸だな。ベッドで出迎えとは」


「はい、殿下…あの…」


王太子は、ベッドサイドテーブルの上に置いていた睡眠導入剤を確認すると、私が服薬後であると理解してくれたようで、私が動かなくていいよう王太子がベッドに腰掛けた。



「もう、契約書のサインは不要だ。プライベートでの行動は今後ないと思え。」


「仕事のことは…」


「退職の手続きは全て担当官が行う。住んでいた家も荷物を処分するから、必要なものは伝えておけ。」


「…」


まだ仕事先への圧力がかけられているのか、気がかりではあったが、一週間前の出来事を思い出して、言葉を飲み込んだ。







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