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第一章
支配者と札束
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「やっと会えたよ、小春ちゃん」
「こんにちは。忙しいところ、ありがとうございます。」
「なんだよー。仰々しいなー。」
瑛斗王子は、いつものように明るく、笑顔で接してくれて、少しほっとした。
「薬の過剰摂取なんだって?まあ、薬の量から考えて、死ねるほどではないってわかってただろうから、自殺じゃなくてとにかく結婚を阻止して帰りたいってことでしょう?」
「…」
まさに私が意図していたことを、遠慮なく言ってくるあたりが、王子らしいと思った。
医師から受け取れた薬は1週間分しかなく、初めて飲む薬だったらこともあり、一番弱い薬だと思う。
こんな量で死ぬことは絶対に不可能だとわかっていた。
しかし、このまま何もしなければ、本当に自分が無くなっていくと思い、一縷の望みにかけて、薬を飲んだ。
もし、あの時に珀斗王太子が私の部屋に現れなければ、誰にも見つからず治療されなければ、死ねたかもしれないとも思う。
つまりは、うまく行けば結婚を考え直してくれると思ったし、どうせ戸籍すらない私なのだから死んでも問題ない。
私は、これ以上瑛斗王子に詮索されたくないと、話題を変えた。
「どうしてここに私がいるとわかったんですか?」
私が珀斗王太子と婚約をしたことは、まだ公表されているわけではないので、一部の人しか知らない。
ましてや私が病院に搬送されていることを知る人は限られているはずだった。
「内通者が、ちゃんといるの。小春ちゃんも王族に関わるなら見極める目が必要だよ。」
瑛斗王子は、いつもの明るい声色で、なんとも恐ろしいことを言っている。
「俺のことは信用していいよ。小春ちゃんの味方だからね」
「え、でも私の近くに内通者を送り込んでる時点で、敵じゃないですか?」
「あ、痛いとこ突かれちゃったなぁ。でもこれは信じて、俺、小春ちゃんのためなら、なんでもするから」
瑛斗王子はいつも軽い口調だが、一言一言がとても重い気がして、少し警戒してしまう。
だが、この王室の世界において、珀斗王太子と同等の権力を持っていることには違いなく、利用しない手はない。
「私の周りに内通者をつけているのであれば、瑛斗王子が私の内通者になってもらえませんか」
「王子と交渉とはなかなか強気だねぇ。いいよ、何をしてほしいの?」
「私が働いていた花屋と施設に、まだ王室から圧力がかけられているのか知りたいんです。」
「すぐに調べさせるね。他には?」
「お願いになるのですが、できれば自分のスマホを取り戻すことはできますか?」
「うーん。取り戻すこと自体はできないかもしれないね。新しい物ならすぐに手配できるよ。」
怖いのは、そのスマホでのやり取りや検索履歴まで知られる可能性が高いことだが、外部との連絡ツール、情報源としては必要だ。
「では、新しい物をいただきたいです。」
「了解。準備が出来次第、渡すね。あ、でも宮殿内で会うのは難しいからなぁ。渡し方はあとで考えるね」
これまでの経験から、宮殿内での行動は全て監視されているし、限られた場所にしか立ち入ることは出来ない。
どうやってスマホを渡してもらえるのかは、瑛斗王子に任せるしかない。
「瑛斗王子、ありがとうございます」
「いいんだよ。秘密を共有できて、もう共犯者だね」
共犯者と言われると、少し怖くなる。
瑛斗王子を信用していいのかも分からないし、珀斗王太子に知られれば、事態を悪化させてしまうリスクもある。
体調も悪いうえに、大きな不安も尽きない。こんな環境の中、私は生きていけるのだろうか。
「こんにちは。忙しいところ、ありがとうございます。」
「なんだよー。仰々しいなー。」
瑛斗王子は、いつものように明るく、笑顔で接してくれて、少しほっとした。
「薬の過剰摂取なんだって?まあ、薬の量から考えて、死ねるほどではないってわかってただろうから、自殺じゃなくてとにかく結婚を阻止して帰りたいってことでしょう?」
「…」
まさに私が意図していたことを、遠慮なく言ってくるあたりが、王子らしいと思った。
医師から受け取れた薬は1週間分しかなく、初めて飲む薬だったらこともあり、一番弱い薬だと思う。
こんな量で死ぬことは絶対に不可能だとわかっていた。
しかし、このまま何もしなければ、本当に自分が無くなっていくと思い、一縷の望みにかけて、薬を飲んだ。
もし、あの時に珀斗王太子が私の部屋に現れなければ、誰にも見つからず治療されなければ、死ねたかもしれないとも思う。
つまりは、うまく行けば結婚を考え直してくれると思ったし、どうせ戸籍すらない私なのだから死んでも問題ない。
私は、これ以上瑛斗王子に詮索されたくないと、話題を変えた。
「どうしてここに私がいるとわかったんですか?」
私が珀斗王太子と婚約をしたことは、まだ公表されているわけではないので、一部の人しか知らない。
ましてや私が病院に搬送されていることを知る人は限られているはずだった。
「内通者が、ちゃんといるの。小春ちゃんも王族に関わるなら見極める目が必要だよ。」
瑛斗王子は、いつもの明るい声色で、なんとも恐ろしいことを言っている。
「俺のことは信用していいよ。小春ちゃんの味方だからね」
「え、でも私の近くに内通者を送り込んでる時点で、敵じゃないですか?」
「あ、痛いとこ突かれちゃったなぁ。でもこれは信じて、俺、小春ちゃんのためなら、なんでもするから」
瑛斗王子はいつも軽い口調だが、一言一言がとても重い気がして、少し警戒してしまう。
だが、この王室の世界において、珀斗王太子と同等の権力を持っていることには違いなく、利用しない手はない。
「私の周りに内通者をつけているのであれば、瑛斗王子が私の内通者になってもらえませんか」
「王子と交渉とはなかなか強気だねぇ。いいよ、何をしてほしいの?」
「私が働いていた花屋と施設に、まだ王室から圧力がかけられているのか知りたいんです。」
「すぐに調べさせるね。他には?」
「お願いになるのですが、できれば自分のスマホを取り戻すことはできますか?」
「うーん。取り戻すこと自体はできないかもしれないね。新しい物ならすぐに手配できるよ。」
怖いのは、そのスマホでのやり取りや検索履歴まで知られる可能性が高いことだが、外部との連絡ツール、情報源としては必要だ。
「では、新しい物をいただきたいです。」
「了解。準備が出来次第、渡すね。あ、でも宮殿内で会うのは難しいからなぁ。渡し方はあとで考えるね」
これまでの経験から、宮殿内での行動は全て監視されているし、限られた場所にしか立ち入ることは出来ない。
どうやってスマホを渡してもらえるのかは、瑛斗王子に任せるしかない。
「瑛斗王子、ありがとうございます」
「いいんだよ。秘密を共有できて、もう共犯者だね」
共犯者と言われると、少し怖くなる。
瑛斗王子を信用していいのかも分からないし、珀斗王太子に知られれば、事態を悪化させてしまうリスクもある。
体調も悪いうえに、大きな不安も尽きない。こんな環境の中、私は生きていけるのだろうか。
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