異世界でのんびり暮らしたい!?

日向墨虎

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第二章 幼少期~領地編

34.大伯父様

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 アーレント王国王都のギルド本部に冒険者見習いの登録に行き、そこのギルドマスターが私の大伯父様だということを知った。
 しかも、お婆様の双子のお兄様だと言う。
 でも、お婆様にお兄様がいることも知らなかったし、家族の話を聞いたことがないことに気づいた。

 私がグルグル考え込んでいる間に、大伯父様は目の前に優しい笑顔でしゃがんでいた。
 ソファーに座っている私に目線をあわせるために、大きな身体を小さくしてしゃがんでくれている。
 優しい人だ。何より私を見る眼差しが優しい。

 「大伯父としても、初めましてだね。君のお婆様の双子の兄だ。よろしくね。アルにはユーリと呼んでほしいな♪」

 「はい。アルフォンス・フォン・カネッティと申します。よろしくお願いいたします」

 「う~ん。硬いな~。ほら、ユーリって呼んでみて」

 「えっ、ユッ、ユーリ大伯父様?」

 「チッ! チッ! チッ! ユーリ!!」

 「えーっ? ユーリさん?」

 「呼び捨てで!」

 「ユーリ! いい加減にせんか! 本当に嫌われても知らんぞ?」

 シュテファン先生が助け舟を出してくれた。

 「ちっ。まぁ、今はそれでいいことにしよう」

 えっ、舌打ちしたよ…。今はって、いずれ呼び捨てで呼ばせようってこと?
 本部のギルマスだよ? 無理だよ~!
 表情も行動も優しそうなんだが、曲者臭が凄い……。これは心して相手をしないと、簡単にからかわれてしまいそうだ。


 
 ユーリさんは、もう一度私をじーっと見てから聞いてきた。

 「テレジアの話を聞きたいかい?」

 お婆様の話を聞きたいかと言われれば、興味はある。でも、これは他の人に聞いてはいけない気がする。聞くのなら、お婆様本人からでないといけないと、私の第六感?が訴える。

 「はい。聞きたいかと聞かれれば聞きたいです。ですが、私はお婆様ご本人が話してくださるまで待ちたいと思います」

 私は、思案にうつむいていた顔を上げて、キッパリと答えた。

 「うん。良い眼だ。そうだね。詳しい話は、テレジアから話すのを待った方がいいだろう」

 「ただ、これだけは先に言っておくことにしよう。森の動きが気になるからね」

 「私達兄妹は、エルフ族と人族のハーフだよ」

 ハッと息をのんだ。

 この世界には多種多様な種族が存在する。人族が一番多く、次が獣人族だ。人族と他の種族の婚姻も多く、ハーフも普通に受け入れられている。

 しかし、例外が存在する。エルフ族だ。エルフ族は純血主義でハーフを忌み嫌うという。もしハーフが見つかれば、他種族と交わったエルフも子も粛清され、一族は生涯日の目を見ることは無いという。

 あまりに重い事実に、苦い澱のようなものが腹の底に溜まる気がした。
 それとともに、やり場のない怒りが湧いてくる。
 それでも、ここで私が怒りを露わにするわけにはいかない。
 当人達が凪いでいる今は、私は感情を抑えるべきだろう。
 いずれ、お婆様が話してくださるだろうし、ユーリさんの様子だと、森の動きが気になるようだ。
 何か動きがあった時に冷静に行動するためにも、この感情は抑えなければならない。

 拳をきつく握ることで、怒りを鎮めようとして、爪が掌に食い込んでしまったらしく、血が滴っていた。
 ユーリさんに拳を優しくひらかれて、回復魔法をかけられた。

 「アル。私達のために怒ってくれるのは嬉しいが、単独で行動するんじゃないぞ? 何かあったら、些細なことでも必ず私に報告して指示を仰ぐこと。よいね?」

 今の私の実力では、単独で事を構えることはできないから、うっかりやらないように胆に銘じることにしよう。
 下手をすると、ユーリさんやお婆様に類が及ぶ。それは絶対に避けなければならない。

 今後は、私も森の動きを常に気にするようにしようと心に誓った。





 ~~~~~~~~~~~~~

 ※本当にしばらくぶりの投稿で申し訳ありません。
  少しだけ時間が取れました。二日投稿します。
  牛歩より遅い歩みになりそうですが、続けて書きたいと思っていますので、
  のんびりお待ちいただけると幸いでございます。
  



 
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