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第一章

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 次の日の夜、ベッドの上で念じている。


 (こ~~~い。こい。こいっ!)


 おっおーーー!!
 とうとう僕の手元に『本科・魔法』が届いたぞーーー!

 『魔法全集』ではないけれど、この時代の魔法を知ることができるだろう。
 さてさて、期待を胸に、早速読んでみよう。




 …………………………………………。




 
 最後まで読んで、静かに本を閉じた。

 ホッと小さく息を吐く。

 うん。やはり僕の過去生の時代とは違いがあるようだ。
 この本は、魔法の基礎を学ぶためにとても良く考えられている。
 
 
 魔法は魔力を元に発動するが、各自が内包している魔力には個人差があること。
 また、属性により使える魔法が違うこと。その属性に適性がないとその魔法が使えないこと。
 内包している魔力量の違いで、使用できる魔法の種類や威力に違いがあること。

 そんな基礎知識に始まり、各属性の初級魔法はすべて発動までの解説付きで載っている。
 中級魔法は、抜粋してあるがいくつかを載せており、初級の魔法陣の図解説明もあった。


 魔法の基本的な考え方には大きな違いはないようだが、より明確に属性分けされていると感じた。
 前の時代は、もっとざっくりした認識で使っていたもんだ。

 属性は、火・風・水・地・光・闇・無と違いはないが、生活魔法なんてものはなかった。
 当時も使っていただろうが、明確には分類されていなかったものだ。
 生活魔法は、属性関係なしに使えるようになるらしい。
 うん。当時も誰もが少しは使っていたからね。


 詠唱文は例文が載っていて、自分で使いやすいように変更可能らしい。
 例文てなんだ…、例文て…。

 当時は発動すれば何でもありだったから、自分で創意工夫したもんだ。
 今使うのは非常に恥ずかしいから、僕は全魔法を無詠唱で発動するよ…。
 詠唱文なんて…ムリムリ


 魔法陣に関しては、あまり変化は見当たらない。
 しいていえば、魔法陣の文字が、当時の言葉で描いてあるものを指して、【古代語】と記述があったことに驚いたが……。
 【古代語】で描く魔法陣は威力が高いらしい。

 それは重畳…。
 僕の描く魔法陣は全て威力マシマシってことだね♪

 でも、当時の言葉が【古代語】と言われるほどに、今と過去生とは時代の隔たりがあるということだ。


 今日の読書タイムは大変有意義だった。
 魔法の練習はしていないが、また明日にしよう。

 本を片付けて…………っと。

 よしっ!

 おやすみなさい……ZZZ





 

 


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