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第2章 魔法騎士学園での再会と学生ギルド
第6話 リズワール王国までの観光と少年
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季節が巡り花が咲き誇る時期を迎え、無事にリズワール王国魔法騎士学園中等部編入が決まった。レンは入学式の一週間前から、リノワール王国からリズワール王国へ、歩いて観光しようと考えていた。
「レン、本当に歩いて行くのか? 僕がゲートで、簡単に送って行くよ」
「はい、大丈夫です。折角なので、学園の寮まで歩いて行きます。それに、途中の村にある温泉に入りたいので」
レイジ兄さんが心配している中、レンは温泉が入りたくて、ウキウキしている。
「レイジ、レンはもう子供ではないのだから、レンのやりたい用にさせてあげないさい」
「そうだぞ。それに、レンには精霊エレントが付いているので大丈夫だろう」
マイクとセリアが若干心配しているが、精霊が護ってくれるだろうと考えていた。
「それじゃ、父様、母様、レイジ兄さん行ってきます」
「気をつけて、行くのよ!」
「荷物は後で、レイジにゲートを使って、届けさせるからな」
「レン、時々手紙を送ったり、休みの日は自宅に帰ってきてねぇ」
家族に別れを告げて、リズワール王国へ向けて歩くはずが、何故か中心部へ足を運んでいた。
【レン様、何故中心部を歩いているのですか?】
レンの不可が異な行動に、姿を消しているエレントが尋ねて来たので、万が一に備え保存食を買いに、雑貨屋フィルフォントのギリアに伝えていたことを教えた。雑貨屋フィルフォントに着くと、干し肉と乾パンをギリアから受け取り、リュックに入れて今度こそリズワール王国へ向けて、歩き始めたのだ。それから歩き始めて数時間、リノワール平原からエレイント森林へ、辿り着いていた。
「ここを通ったら暫く来ないから、寂しくないエレント」
【レン様と一緒にいられれば、問題ないですわ。それに、私が見たことのない世界を見れますので】
何百年もエレイント森林に棲んでいたので、未練はないか聞いたが不要だったみたい。むしろレンと契約したことで、自由に慣れて喜んでいた。レンは苦笑いしながら、リズワール王国へ向けて歩き出した。途中、エレイント森林にある大きな湖で休憩と昼食を兼ねていた。
「エレント、僕はここで昼食をしているから、何処で遊んでくれば」
【分かりましたわ、遊ばないですが、湖にいますね】
「湖に? もしかして‥‥‥」
【うふふ、姿が見えてないのに、レン様、何か変な事考えてませんか?】
レンは頬を赤くしながら顔を背向き、食事をしていた。その間、エレントは湖に向いていった。それからお昼を終えて、出発しようとした時、茂みから可愛いモンスターが現れた。
「何、この可愛い白いウサギは?」
【まぁ、珍しい、キャロットですわ。人目に滅多に現れないウサギで、かなり珍しいですね】
エレントがキャロットの事を教えていると、キャロットをマジマジと見つめている。すると、キャロットは警戒しつつ近付いて来た。
【まぁ、珍しい、人に近づく何て。レン様が可愛いから近づいて、来たのでしょうか】
エレントの発言に若干頬を膨らませていたが、可愛いキャロットを見て直ぐやめる。
「キャロットを抱く事、出来ないかな?」
【警戒心が強いので、無理でしょう】
キャロットを抱きたくて仕方がない為、近づいたが逃げられた。暫くその状態が永遠と続いた。エレント曰く、キャロットを追いかける姿が、凄く可愛かったらしい。日が暮れて、レンは歩きながらエレントに向かって怒っていた。
「どうして、時間教えてくれなかったの、村までまだ距離あるのに」
【レン様があまりに可愛いかったので、見取れていましたわ】
エレイント森林の先にある村まで、まだかなり距離があるので寝床をどうしようか、頭を抱えながら悩んでいた。
どうしよう。まさかここで野宿するの? 無理だよ。それに前みたいに、スターウルフに襲われたら僕、死ぬよ。
いろいろと想定してる間にも、辺りは暗くなり、夜を迎えていた。夜のエレイント森林は、昼間と違ってかなり不気味な雰囲気が辺りを覆っていた。
【仕方ありませんわね。ちょっと待っていて下さい】
「ちょ、待って、一人にしないで」
エレントは、周りの様子を見に飛んでいった。一人になったレンは、顔を強張りながら体を震えるさせていた。遠くの方からモンスターの呻き声が聞こえるなか必死にその場に留まり、エレントが戻って来るのを待った。数分後、エレントが戻り近くに小さな湖が道から、外れた所にあるので、指示されながら茂みをかき分け歩いた。案内された小さい湖に来ると、レンは目を輝かせている。
「凄い、昼間の景色とまた違うよ!」
目に映った光景は、月が湖に映り込んでいて、月の光でまた違った景色を纏っている。
【喜んでくれて、うれしいですわ!】
夜になり、人目もなくなっていたので、何時の間にか姿を現していた。レンは買って置いた、保存食を食べながら、夜の湖を眺めているのだった。
「さて、寝床どうしようか?」
食事も終わり、寝床をどうしようか考えている時、エレントが何か唱えていた。すると、目の前に植物の揺りかごが出来ていた。
【レン様、ここで一緒に寝ましょう】
エレントは楽しそうにしているが、レンは急に顔を赤くしていた。
「まさか、ここに寝るの?」
顔を赤くしながら嫌そうな表情をしているが、エレントが手招きをしている。
【モンスターに襲われますよ。さぁ、レン様早く】
エレントの説得にしぶしぶ了承して、揺りかごに入った。それから顔を赤くしながら、隣にはエレントが見つめていた。
「あのう、眠りにくいのですが?」
【大丈夫、しっかりと、レン様を護っていますから】
エレントはクスクスと笑っていた。レンは、何で精霊に護られているんだ、僕のバカと、心で叫びながら、眠りについた。
朝を迎えて、少し顔を赤くしながら揺りかごから出ると、エレントが何か唱えて揺りかごのあった場所が元通りになっていた。それから朝食は、昨日食べた保存食を食べ、再びエレイント森林を歩き、経由地の村に向けて歩き出た。昼前には経由地の村、フリップ村に着く。ここフリップ村は、国と国の間にある村で、貿易が盛んで近くの山には、火山地帯ではないのに温泉が沸いている珍しい所である。レンは、取りあえず今日泊まる宿を探してフリップ村を歩いていた。
「エレント、他の人に姿見えているから、空を飛ばないようにね」
【大丈夫ですわ。レン様との約束守りますから】
エレントはウキウキしながら、フリップ村をレンと一緒に歩いてフリップ村の宿にやって来ていた。
「すみません。二人用の部屋ありますか?」
「おや、僕一人じゃないか?」
「へっ」
後ろを振り向くと、エレントは姿を消していた。小さな声で可愛い人間扱いしてくれるのですねと、言っていた。
いつの間に、でも周りが叫んでないから上手くやったな。
ため息を吐きながら、
「すみません。二人用からだと、思ったので。一人用の部屋、空いてますか」
「空いてるよ。合金貨六枚だね」
お金を払った後、温泉について宿の人に聞いていた。
「フリップ村の近くにある、フリップ山脈密林に温泉があるのですか?」
「そうだよ。あそこはたくさん沸いているから、自由に温泉に入れるんだ。だが、最近モンスターを見かける報告があるから、行くなら気を付けるように」
宿の人の情報を元に、フリップ山脈密林に向けて宿を後にした。若干モンスターが気掛かりだが、武器をリュックから取り出し、腰脇に取り付け、フリップ山脈密林に向けて歩いていた。
「しかし、山脈なのに、まるでジャングルだね。本当に温泉あるのかな?」
【私も初めて来ましたが、植物や森が密集する所にあるのでしょうか?】
心配になっていた。温泉なら普通蒸気が見えても良いのだが、歩いても一向に見えないのだ。道を迷ったのかと思ったが、一本道の為、間違うはずがなかった。フリップ山脈密林を歩いていたが、一向に着かないので取りあえず、少し道外れの開けた場所で少し遅い昼食をした。
「全然、目的地に着かないんだけど、もう少し詳しく聞けばよかった」
頬を膨らませながら、エレントに八つ当たりしている。
【レン様が、ちゃんと聞かなかったのが、悪いのですよ】
可愛い仕草をする、レンを慰めながら優しく答えていた。すると、奥の茂みが若干揺れいるのにエレントが気付く。
【レン様、何か来ます!】
「もしかして、モンスター?」
モンスターの気配を感じて、身構えている。奥から現れたのは、体長1メートル位のアルマジロらしきモンスターが、レンに向かってやって来ていたのだ。
「あれって、アルジロットだよね」
【そうですわね。凶暴なモンスターですわ。レン様のご飯に、釣られたのかも】
その場を離れたかったが、直ぐ近くにいるので、むやみに動けなかった。アルジロットはレンに向かって走って来た。
「エレント、僕が合図したら足止めお願い。その間に、アルジロットに攻撃するから」
【かしこまりましたわ、レン様。くれぐれも無理をしないで】
エレントに指示して、アルジロットがエレントの足止め範囲に来るのを待っていた時、
「ソニックブレード」
風刃がアルジロットに命中して、飛ばされていた。その光景を漠然と目撃していた。
【レン様、大丈夫ですか】
「僕は大丈夫だけど、いった何が起こったんだ?」
未だに何が起きているのか、理解出来ないまま、アルジロットは密林地帯の奥に向かって逃げていた。
「大丈夫か? 間一髪だったな。俺が来たからもう安心だぜ」
声が聞こえる方を見ると、自信満々に馴れ馴れしく話し掛けてくる少年がいた。
誰、この少年、何か自信満々に言ってくるのですが。しかも髪、金髪見たいだけど、汚れいて、長すぎて、顔の輪郭すら見えないし、服がボロボロ、お風呂入っているの。
残念そうに目を細めて、少年を見ていると、
「何、俺を残念君みたいに、見てるんだ」
少年は、かなり怒っていた。
「いや、君誰なの、馴れ馴れしく話し掛けてきて」
すると、少年は自信満々に答えていた。
「俺は、リズワール王国の有名貴族の騎士三男、ファング・ドレイトで6歳だ」
ファングの発言にやはり、残念な表情で見つめていた。
こいつ大丈夫、堂々と名乗って、しかも、有名貴族の三男とか言っているけど本当? めちゃくちゃ髪長いし、服汚いよ。貴族って気品に厳しいんじゃないの。
ファングに向かって、疑いの目を向けている。
「さっきから俺こと残念そうに、ジロジロ見て何か文句あるのか? 俺は名乗ったのだから名前教えろ」
ファングが近づいて来るので、必死に近づかないでと言ってから、
「僕は、レン・フォワードです。さっき貴族と言ってましたが本当ですか?」
未だに、ファングを疑っている。
「無理もないぜ、そりゃそうだな。何せ二ヶ月間ずっと、このフリップ山脈密林に修業してたからな」
ファングの発言に、驚愕していた。
「二ヶ月間も、ここで修業しているのですか? 家族は心配しないのですか?」
「あぁ、俺の家は厳しいんだ。毎回、何処の山脈や森に何ヶ月間か修業の為に放り込まれるから、森や山脈の食材を採りながら、やり繰りしてるんだ。それに三男だから自由にやっているが、家族はかなり期待されてるだ。何でも、一族の中で稀にみない魔力量とかで、家族は、あぁ、言っているが、俺の人生や生き方は自分で決めたいから、家を継ぐつもりは無いけどな。もし継げと言われたら、剣を交えるかも‥‥‥」
ファングが何故か、神妙な感じで家族事情を話している。レンは、ファングの事情に真剣に耳を傾けていた。
「ごめんね、何か辛い話させて」
「いや、初対面のお前に話して、少し楽になったよ。こうしてお前と同じ歳くらいの奴に、会うのかなり久しぶりだからな」
ファングはレンに、心の内を吐き出して、何かスッキリな感じになっていた。
【レン様、そろそろ温泉に向かわないと、また野宿になりますよ】
エレントが、小さな声で早く行かないと、夜を迎えてしまうと言っている。
「それじゃ、僕は温泉に向かうので、これで失礼します。助けてくれて、ありがとうございます」
ファングに挨拶をして、目的地の温泉に向かおうとした時、ファングに止められた。
「まて、お前一人だとまたモンスターに襲われるから、俺が一緒に行って、お前を護ってやるよ。それに温泉があるんだろう。俺も連れて行け。俺ら友達だろう!」
ファングが突然温泉に連れてけと言っているので、レンは嫌そうな顔をしていた。
何で、一緒に行くの? しかも、友達になった覚えは無いのに、いつの間にか、友達になっているし! しかも、護ってあげるとか、僕戦えるのですが。
頭を抱えていたがチラッと見ると、顔の表情は分からないが、ファングは楽しそうな雰囲気をしていた。おそらく、同じ歳位の友達がいないのだろう。ファングの心の助けになれば、良いと思いファングに一緒に行こうと、声をかけて目的地の温泉に向けて歩き出した。
「レン、さっきからずっと距離取りながら話してないか、話しづらいのだけれど」
「駄目、これ以上近付いたら、一緒に行くの無しにするから」
ファングを先頭にして、かなり離れた所にレンがついて行ってる。理由は簡単だ、髪や服が汚くて、体から汗臭い匂いが、充満してるのだ。ファングは近くで話したいが、レンがそれを拒んでいるので、近づいてくることはなかった。しかし、レンと話せるだけで、ファングはかなり嬉しそうだった。
【レン様、もう直ぐ着きますわよ】
エレントが周りを見てきたのか、小さな声で話し掛けている。温泉が近いことが分かると、目をキラキラさせながらファングを抜いて目的地に向かった。彼は慌てて、レンの後ろを追いかけていた。目的地の温泉に着くと、そこは森に囲まれていて、あっちこっちに凹みがあり、そこから源泉のお湯が沸いていた。
「凄い、本当に温泉だぁ!」
「うわ、凄い本当に温泉があるよ。二ヶ月間修業してたが、初めてだよ」
ファングの発言に、何で二ヶ月間もここで修業してるのに、気付かないのか不思議に思い、彼を残念そうに見つめていた。それから、汚いファングを遠くの温泉に行かせて、レンは近くのお湯に浸かっていた。
「はぁ、凄く気持ち良いよ。体が温まるよ」
【そうですわね。レン様】
「えっ、まさか!」
エレントの声がする方を振り向くと、姿を現して遠くで手を振っていた。レンは顔を赤くして、必死に誰かに見られたらどうするのと、手でアピールしていたが、彼女はクスクスと笑いながら分かっていますよと、言っていた。
はぁ、何、やっているんだよ。ファングに見つかったら如何するの? てか、入る時、全裸は駄目だって言ったのに。僕のバカ、また見えちゃったよ。僕、変態だよ。エレントに甘いのかな。
温泉で顔を赤くしながら、エレントの事を考えていた。
「どうした、顔が赤いぞ、のぼせたのか?」
遠くで入っていたファングが、レンの所に来て、心配な雰囲気で声をかけていた。
「うわ! お化け」
「誰が、お化けだ!」
ファングの長い髪がお湯に濡れ、顔が見えないのでお化けだと思い咄嗟に声を出していた。
「ごめん、ファングか、向こうで洗ってきた?」
「当たり前だろう。レンが俺を避けるから、必死に洗って来たんだぞ。それにやっと、お前と近くで話せるしな」
ファングはレンの近くに入れて、かなり嬉しそうだった。それから、二人は湯に浸かりながら楽しく、今までの事を互いに話していたのだ。二人の時間は過ぎていき、そろそろフリップ村の宿に向けて歩こうとしていた。
「戻る前に、一つ聞いていい」
「あぁ、俺の分かる範囲なら、教えてやるぜ」
「前髪、もの凄く長くて、前が見えてないのに、どうしてスムーズに歩けてるの?」
「そのことか仕方ない、レンだけ特別に教えてやるよ。家族には一切教えてない能力何だ。簡単に言えば、魔力を地面や空に放つことで、俺の範囲500メートルのあらゆる物質や物体、魔力を映像的に把握出来るんだ。だから目を瞑っても、相手の場所を把握出来るぜ。このことは、俺達だけの秘密だからな」
ファングは自慢げに話してくれた。
何その凄い能力、スパイや暗闇などに向いてるんじゃないの。もしかして、精霊に気が付いてる。
恐る恐る、ファングに聞いて見た。
「あのう、ファング、僕以外に誰かいる?」
レンの質問にファングは、お前しかいないのに他に誰かいるんだよと、言っていたので、精霊には気付いていないみたいだ。
「それじゃ、僕は戻るね!」
「レン、また会えるよな。その時はまた俺と遊んでくれ!」
「そうだね。友達だから、その時はまた一緒に遊ぼう!」
ファングは、かなり寂しそうな雰囲気を出しながら、彼に向かって手を振り、フリップ村に向かって、歩いて行った。ファングの別かれは、本のつかの間で、直ぐに再開することになるとは、この時のレンはまだ知らない。日が暮れる頃には、無事にフリップ村に戻り、宿へと戻って眠りについた。
ファングの出会いから一夜が過ぎ、リズワール王国へ向けて、フリップ村からリズワール平原に向けて、歩いていた。
「昨日の温泉、気持ちよかったね」
【そうですわね。お肌が綺麗になりますわ】
昨日の感想を語りながら歩いていると、エレントの発言が気になる。精霊が温泉に入るのだろうかと考えていたが、精霊は自由だと前に話していたので、あまり深く考えることはなかった。それから数時間後、ようやくリズワール王国に着いた。
「学生の間、暫くこの国で過ごすのか、ちょっと楽しみ」
ここリズワール王国は、リノワール王国と似ていて、貿易が盛んな国で多くの物資を扱っている、更にこの国は種族問わず、誰でも暮らせる場所でもある。レンは取りあえず、観光は何時でも出来るので、学生寮に向かって歩き出した。歩いて数十分、ようやく学生寮に着いた。
「うわ、凄く大きいよ。3階建てだよ。あれ、学生寮に誰かい‥‥‥!」
目に入ったのは、会いたくない人が、そこにいた。そして勢い良く走って飛び付いてきた。
「レン、会いたかったよ。無事で何よりだ!」
「グェ! レイジ兄さん、苦しいよ。それに人前で、恥ずかしいからやめて」
レイジ兄さんの手を叩きながら、顔を赤くして怒っていた。抱きつくのが終わり、
「何で、レイジ兄さんがここに?」
「何言ってるだ。父さんに荷物届けるように、言われていただろう」
「言われていますが、実際、いつから居たのですが」
レイジ兄さんに問い詰めると、レンが出発した次の日から、ここに来ていた事を知り、深いため息を漏らしていた。それから荷物を運んで貰い、学生寮の玄関口に来た。
「すみません、誰かいませんか?」
「はい、今、行きます」
奥から学生が、一人やって来た。
「おや、君たちは誰だい」
「僕は、レン・フォワード。今年から、リズワール王国魔法騎士学園中等部に入るので、ここの学生寮から通う事にしてるのです。こちらは、僕の兄さんで今日は、荷物運びを手伝ってもらっています」
「俺は、レリック・ドレイト。剣武術科中等部2年で寮長をやっている。君がそうか、特待で中等部に入った一人だと、話は聞いている。これから案内しよう」
レリックに案内されて、1階の個室に案内された。その間にレンは、レリックの言葉が引っかかる。
僕以外に、特待で入った人がいるのか? まぁ、あり得ない事ではないが、かなり凄い人なのかも!
新しい学生生活の前に、かなりワクワクしていた。
「それじゃ、今日から、学生の間はこの部屋を使ってくれ。食堂と風呂は1階にあるから、自由に使って大丈夫だぞ。分からない事があったら、2階にいる俺に言ってくれれば対応しよう。それと3階は高学年がいるから挨拶には失礼ないように頼むぞ」
レリックは寮について伝えた後、その場を後にする。
「それじゃ、レイジ兄さん、後は僕がやるので、荷物を置いて帰って下さい」
「レン、あんまりだよ。せめて荷物を整理してからでも良いだろう」
その後、二人は揉めながら荷物を整理し、帰らないレイジ兄さんを何とか自宅に帰らせようと、必死に説得していのだった。
「レン、本当に歩いて行くのか? 僕がゲートで、簡単に送って行くよ」
「はい、大丈夫です。折角なので、学園の寮まで歩いて行きます。それに、途中の村にある温泉に入りたいので」
レイジ兄さんが心配している中、レンは温泉が入りたくて、ウキウキしている。
「レイジ、レンはもう子供ではないのだから、レンのやりたい用にさせてあげないさい」
「そうだぞ。それに、レンには精霊エレントが付いているので大丈夫だろう」
マイクとセリアが若干心配しているが、精霊が護ってくれるだろうと考えていた。
「それじゃ、父様、母様、レイジ兄さん行ってきます」
「気をつけて、行くのよ!」
「荷物は後で、レイジにゲートを使って、届けさせるからな」
「レン、時々手紙を送ったり、休みの日は自宅に帰ってきてねぇ」
家族に別れを告げて、リズワール王国へ向けて歩くはずが、何故か中心部へ足を運んでいた。
【レン様、何故中心部を歩いているのですか?】
レンの不可が異な行動に、姿を消しているエレントが尋ねて来たので、万が一に備え保存食を買いに、雑貨屋フィルフォントのギリアに伝えていたことを教えた。雑貨屋フィルフォントに着くと、干し肉と乾パンをギリアから受け取り、リュックに入れて今度こそリズワール王国へ向けて、歩き始めたのだ。それから歩き始めて数時間、リノワール平原からエレイント森林へ、辿り着いていた。
「ここを通ったら暫く来ないから、寂しくないエレント」
【レン様と一緒にいられれば、問題ないですわ。それに、私が見たことのない世界を見れますので】
何百年もエレイント森林に棲んでいたので、未練はないか聞いたが不要だったみたい。むしろレンと契約したことで、自由に慣れて喜んでいた。レンは苦笑いしながら、リズワール王国へ向けて歩き出した。途中、エレイント森林にある大きな湖で休憩と昼食を兼ねていた。
「エレント、僕はここで昼食をしているから、何処で遊んでくれば」
【分かりましたわ、遊ばないですが、湖にいますね】
「湖に? もしかして‥‥‥」
【うふふ、姿が見えてないのに、レン様、何か変な事考えてませんか?】
レンは頬を赤くしながら顔を背向き、食事をしていた。その間、エレントは湖に向いていった。それからお昼を終えて、出発しようとした時、茂みから可愛いモンスターが現れた。
「何、この可愛い白いウサギは?」
【まぁ、珍しい、キャロットですわ。人目に滅多に現れないウサギで、かなり珍しいですね】
エレントがキャロットの事を教えていると、キャロットをマジマジと見つめている。すると、キャロットは警戒しつつ近付いて来た。
【まぁ、珍しい、人に近づく何て。レン様が可愛いから近づいて、来たのでしょうか】
エレントの発言に若干頬を膨らませていたが、可愛いキャロットを見て直ぐやめる。
「キャロットを抱く事、出来ないかな?」
【警戒心が強いので、無理でしょう】
キャロットを抱きたくて仕方がない為、近づいたが逃げられた。暫くその状態が永遠と続いた。エレント曰く、キャロットを追いかける姿が、凄く可愛かったらしい。日が暮れて、レンは歩きながらエレントに向かって怒っていた。
「どうして、時間教えてくれなかったの、村までまだ距離あるのに」
【レン様があまりに可愛いかったので、見取れていましたわ】
エレイント森林の先にある村まで、まだかなり距離があるので寝床をどうしようか、頭を抱えながら悩んでいた。
どうしよう。まさかここで野宿するの? 無理だよ。それに前みたいに、スターウルフに襲われたら僕、死ぬよ。
いろいろと想定してる間にも、辺りは暗くなり、夜を迎えていた。夜のエレイント森林は、昼間と違ってかなり不気味な雰囲気が辺りを覆っていた。
【仕方ありませんわね。ちょっと待っていて下さい】
「ちょ、待って、一人にしないで」
エレントは、周りの様子を見に飛んでいった。一人になったレンは、顔を強張りながら体を震えるさせていた。遠くの方からモンスターの呻き声が聞こえるなか必死にその場に留まり、エレントが戻って来るのを待った。数分後、エレントが戻り近くに小さな湖が道から、外れた所にあるので、指示されながら茂みをかき分け歩いた。案内された小さい湖に来ると、レンは目を輝かせている。
「凄い、昼間の景色とまた違うよ!」
目に映った光景は、月が湖に映り込んでいて、月の光でまた違った景色を纏っている。
【喜んでくれて、うれしいですわ!】
夜になり、人目もなくなっていたので、何時の間にか姿を現していた。レンは買って置いた、保存食を食べながら、夜の湖を眺めているのだった。
「さて、寝床どうしようか?」
食事も終わり、寝床をどうしようか考えている時、エレントが何か唱えていた。すると、目の前に植物の揺りかごが出来ていた。
【レン様、ここで一緒に寝ましょう】
エレントは楽しそうにしているが、レンは急に顔を赤くしていた。
「まさか、ここに寝るの?」
顔を赤くしながら嫌そうな表情をしているが、エレントが手招きをしている。
【モンスターに襲われますよ。さぁ、レン様早く】
エレントの説得にしぶしぶ了承して、揺りかごに入った。それから顔を赤くしながら、隣にはエレントが見つめていた。
「あのう、眠りにくいのですが?」
【大丈夫、しっかりと、レン様を護っていますから】
エレントはクスクスと笑っていた。レンは、何で精霊に護られているんだ、僕のバカと、心で叫びながら、眠りについた。
朝を迎えて、少し顔を赤くしながら揺りかごから出ると、エレントが何か唱えて揺りかごのあった場所が元通りになっていた。それから朝食は、昨日食べた保存食を食べ、再びエレイント森林を歩き、経由地の村に向けて歩き出た。昼前には経由地の村、フリップ村に着く。ここフリップ村は、国と国の間にある村で、貿易が盛んで近くの山には、火山地帯ではないのに温泉が沸いている珍しい所である。レンは、取りあえず今日泊まる宿を探してフリップ村を歩いていた。
「エレント、他の人に姿見えているから、空を飛ばないようにね」
【大丈夫ですわ。レン様との約束守りますから】
エレントはウキウキしながら、フリップ村をレンと一緒に歩いてフリップ村の宿にやって来ていた。
「すみません。二人用の部屋ありますか?」
「おや、僕一人じゃないか?」
「へっ」
後ろを振り向くと、エレントは姿を消していた。小さな声で可愛い人間扱いしてくれるのですねと、言っていた。
いつの間に、でも周りが叫んでないから上手くやったな。
ため息を吐きながら、
「すみません。二人用からだと、思ったので。一人用の部屋、空いてますか」
「空いてるよ。合金貨六枚だね」
お金を払った後、温泉について宿の人に聞いていた。
「フリップ村の近くにある、フリップ山脈密林に温泉があるのですか?」
「そうだよ。あそこはたくさん沸いているから、自由に温泉に入れるんだ。だが、最近モンスターを見かける報告があるから、行くなら気を付けるように」
宿の人の情報を元に、フリップ山脈密林に向けて宿を後にした。若干モンスターが気掛かりだが、武器をリュックから取り出し、腰脇に取り付け、フリップ山脈密林に向けて歩いていた。
「しかし、山脈なのに、まるでジャングルだね。本当に温泉あるのかな?」
【私も初めて来ましたが、植物や森が密集する所にあるのでしょうか?】
心配になっていた。温泉なら普通蒸気が見えても良いのだが、歩いても一向に見えないのだ。道を迷ったのかと思ったが、一本道の為、間違うはずがなかった。フリップ山脈密林を歩いていたが、一向に着かないので取りあえず、少し道外れの開けた場所で少し遅い昼食をした。
「全然、目的地に着かないんだけど、もう少し詳しく聞けばよかった」
頬を膨らませながら、エレントに八つ当たりしている。
【レン様が、ちゃんと聞かなかったのが、悪いのですよ】
可愛い仕草をする、レンを慰めながら優しく答えていた。すると、奥の茂みが若干揺れいるのにエレントが気付く。
【レン様、何か来ます!】
「もしかして、モンスター?」
モンスターの気配を感じて、身構えている。奥から現れたのは、体長1メートル位のアルマジロらしきモンスターが、レンに向かってやって来ていたのだ。
「あれって、アルジロットだよね」
【そうですわね。凶暴なモンスターですわ。レン様のご飯に、釣られたのかも】
その場を離れたかったが、直ぐ近くにいるので、むやみに動けなかった。アルジロットはレンに向かって走って来た。
「エレント、僕が合図したら足止めお願い。その間に、アルジロットに攻撃するから」
【かしこまりましたわ、レン様。くれぐれも無理をしないで】
エレントに指示して、アルジロットがエレントの足止め範囲に来るのを待っていた時、
「ソニックブレード」
風刃がアルジロットに命中して、飛ばされていた。その光景を漠然と目撃していた。
【レン様、大丈夫ですか】
「僕は大丈夫だけど、いった何が起こったんだ?」
未だに何が起きているのか、理解出来ないまま、アルジロットは密林地帯の奥に向かって逃げていた。
「大丈夫か? 間一髪だったな。俺が来たからもう安心だぜ」
声が聞こえる方を見ると、自信満々に馴れ馴れしく話し掛けてくる少年がいた。
誰、この少年、何か自信満々に言ってくるのですが。しかも髪、金髪見たいだけど、汚れいて、長すぎて、顔の輪郭すら見えないし、服がボロボロ、お風呂入っているの。
残念そうに目を細めて、少年を見ていると、
「何、俺を残念君みたいに、見てるんだ」
少年は、かなり怒っていた。
「いや、君誰なの、馴れ馴れしく話し掛けてきて」
すると、少年は自信満々に答えていた。
「俺は、リズワール王国の有名貴族の騎士三男、ファング・ドレイトで6歳だ」
ファングの発言にやはり、残念な表情で見つめていた。
こいつ大丈夫、堂々と名乗って、しかも、有名貴族の三男とか言っているけど本当? めちゃくちゃ髪長いし、服汚いよ。貴族って気品に厳しいんじゃないの。
ファングに向かって、疑いの目を向けている。
「さっきから俺こと残念そうに、ジロジロ見て何か文句あるのか? 俺は名乗ったのだから名前教えろ」
ファングが近づいて来るので、必死に近づかないでと言ってから、
「僕は、レン・フォワードです。さっき貴族と言ってましたが本当ですか?」
未だに、ファングを疑っている。
「無理もないぜ、そりゃそうだな。何せ二ヶ月間ずっと、このフリップ山脈密林に修業してたからな」
ファングの発言に、驚愕していた。
「二ヶ月間も、ここで修業しているのですか? 家族は心配しないのですか?」
「あぁ、俺の家は厳しいんだ。毎回、何処の山脈や森に何ヶ月間か修業の為に放り込まれるから、森や山脈の食材を採りながら、やり繰りしてるんだ。それに三男だから自由にやっているが、家族はかなり期待されてるだ。何でも、一族の中で稀にみない魔力量とかで、家族は、あぁ、言っているが、俺の人生や生き方は自分で決めたいから、家を継ぐつもりは無いけどな。もし継げと言われたら、剣を交えるかも‥‥‥」
ファングが何故か、神妙な感じで家族事情を話している。レンは、ファングの事情に真剣に耳を傾けていた。
「ごめんね、何か辛い話させて」
「いや、初対面のお前に話して、少し楽になったよ。こうしてお前と同じ歳くらいの奴に、会うのかなり久しぶりだからな」
ファングはレンに、心の内を吐き出して、何かスッキリな感じになっていた。
【レン様、そろそろ温泉に向かわないと、また野宿になりますよ】
エレントが、小さな声で早く行かないと、夜を迎えてしまうと言っている。
「それじゃ、僕は温泉に向かうので、これで失礼します。助けてくれて、ありがとうございます」
ファングに挨拶をして、目的地の温泉に向かおうとした時、ファングに止められた。
「まて、お前一人だとまたモンスターに襲われるから、俺が一緒に行って、お前を護ってやるよ。それに温泉があるんだろう。俺も連れて行け。俺ら友達だろう!」
ファングが突然温泉に連れてけと言っているので、レンは嫌そうな顔をしていた。
何で、一緒に行くの? しかも、友達になった覚えは無いのに、いつの間にか、友達になっているし! しかも、護ってあげるとか、僕戦えるのですが。
頭を抱えていたがチラッと見ると、顔の表情は分からないが、ファングは楽しそうな雰囲気をしていた。おそらく、同じ歳位の友達がいないのだろう。ファングの心の助けになれば、良いと思いファングに一緒に行こうと、声をかけて目的地の温泉に向けて歩き出した。
「レン、さっきからずっと距離取りながら話してないか、話しづらいのだけれど」
「駄目、これ以上近付いたら、一緒に行くの無しにするから」
ファングを先頭にして、かなり離れた所にレンがついて行ってる。理由は簡単だ、髪や服が汚くて、体から汗臭い匂いが、充満してるのだ。ファングは近くで話したいが、レンがそれを拒んでいるので、近づいてくることはなかった。しかし、レンと話せるだけで、ファングはかなり嬉しそうだった。
【レン様、もう直ぐ着きますわよ】
エレントが周りを見てきたのか、小さな声で話し掛けている。温泉が近いことが分かると、目をキラキラさせながらファングを抜いて目的地に向かった。彼は慌てて、レンの後ろを追いかけていた。目的地の温泉に着くと、そこは森に囲まれていて、あっちこっちに凹みがあり、そこから源泉のお湯が沸いていた。
「凄い、本当に温泉だぁ!」
「うわ、凄い本当に温泉があるよ。二ヶ月間修業してたが、初めてだよ」
ファングの発言に、何で二ヶ月間もここで修業してるのに、気付かないのか不思議に思い、彼を残念そうに見つめていた。それから、汚いファングを遠くの温泉に行かせて、レンは近くのお湯に浸かっていた。
「はぁ、凄く気持ち良いよ。体が温まるよ」
【そうですわね。レン様】
「えっ、まさか!」
エレントの声がする方を振り向くと、姿を現して遠くで手を振っていた。レンは顔を赤くして、必死に誰かに見られたらどうするのと、手でアピールしていたが、彼女はクスクスと笑いながら分かっていますよと、言っていた。
はぁ、何、やっているんだよ。ファングに見つかったら如何するの? てか、入る時、全裸は駄目だって言ったのに。僕のバカ、また見えちゃったよ。僕、変態だよ。エレントに甘いのかな。
温泉で顔を赤くしながら、エレントの事を考えていた。
「どうした、顔が赤いぞ、のぼせたのか?」
遠くで入っていたファングが、レンの所に来て、心配な雰囲気で声をかけていた。
「うわ! お化け」
「誰が、お化けだ!」
ファングの長い髪がお湯に濡れ、顔が見えないのでお化けだと思い咄嗟に声を出していた。
「ごめん、ファングか、向こうで洗ってきた?」
「当たり前だろう。レンが俺を避けるから、必死に洗って来たんだぞ。それにやっと、お前と近くで話せるしな」
ファングはレンの近くに入れて、かなり嬉しそうだった。それから、二人は湯に浸かりながら楽しく、今までの事を互いに話していたのだ。二人の時間は過ぎていき、そろそろフリップ村の宿に向けて歩こうとしていた。
「戻る前に、一つ聞いていい」
「あぁ、俺の分かる範囲なら、教えてやるぜ」
「前髪、もの凄く長くて、前が見えてないのに、どうしてスムーズに歩けてるの?」
「そのことか仕方ない、レンだけ特別に教えてやるよ。家族には一切教えてない能力何だ。簡単に言えば、魔力を地面や空に放つことで、俺の範囲500メートルのあらゆる物質や物体、魔力を映像的に把握出来るんだ。だから目を瞑っても、相手の場所を把握出来るぜ。このことは、俺達だけの秘密だからな」
ファングは自慢げに話してくれた。
何その凄い能力、スパイや暗闇などに向いてるんじゃないの。もしかして、精霊に気が付いてる。
恐る恐る、ファングに聞いて見た。
「あのう、ファング、僕以外に誰かいる?」
レンの質問にファングは、お前しかいないのに他に誰かいるんだよと、言っていたので、精霊には気付いていないみたいだ。
「それじゃ、僕は戻るね!」
「レン、また会えるよな。その時はまた俺と遊んでくれ!」
「そうだね。友達だから、その時はまた一緒に遊ぼう!」
ファングは、かなり寂しそうな雰囲気を出しながら、彼に向かって手を振り、フリップ村に向かって、歩いて行った。ファングの別かれは、本のつかの間で、直ぐに再開することになるとは、この時のレンはまだ知らない。日が暮れる頃には、無事にフリップ村に戻り、宿へと戻って眠りについた。
ファングの出会いから一夜が過ぎ、リズワール王国へ向けて、フリップ村からリズワール平原に向けて、歩いていた。
「昨日の温泉、気持ちよかったね」
【そうですわね。お肌が綺麗になりますわ】
昨日の感想を語りながら歩いていると、エレントの発言が気になる。精霊が温泉に入るのだろうかと考えていたが、精霊は自由だと前に話していたので、あまり深く考えることはなかった。それから数時間後、ようやくリズワール王国に着いた。
「学生の間、暫くこの国で過ごすのか、ちょっと楽しみ」
ここリズワール王国は、リノワール王国と似ていて、貿易が盛んな国で多くの物資を扱っている、更にこの国は種族問わず、誰でも暮らせる場所でもある。レンは取りあえず、観光は何時でも出来るので、学生寮に向かって歩き出した。歩いて数十分、ようやく学生寮に着いた。
「うわ、凄く大きいよ。3階建てだよ。あれ、学生寮に誰かい‥‥‥!」
目に入ったのは、会いたくない人が、そこにいた。そして勢い良く走って飛び付いてきた。
「レン、会いたかったよ。無事で何よりだ!」
「グェ! レイジ兄さん、苦しいよ。それに人前で、恥ずかしいからやめて」
レイジ兄さんの手を叩きながら、顔を赤くして怒っていた。抱きつくのが終わり、
「何で、レイジ兄さんがここに?」
「何言ってるだ。父さんに荷物届けるように、言われていただろう」
「言われていますが、実際、いつから居たのですが」
レイジ兄さんに問い詰めると、レンが出発した次の日から、ここに来ていた事を知り、深いため息を漏らしていた。それから荷物を運んで貰い、学生寮の玄関口に来た。
「すみません、誰かいませんか?」
「はい、今、行きます」
奥から学生が、一人やって来た。
「おや、君たちは誰だい」
「僕は、レン・フォワード。今年から、リズワール王国魔法騎士学園中等部に入るので、ここの学生寮から通う事にしてるのです。こちらは、僕の兄さんで今日は、荷物運びを手伝ってもらっています」
「俺は、レリック・ドレイト。剣武術科中等部2年で寮長をやっている。君がそうか、特待で中等部に入った一人だと、話は聞いている。これから案内しよう」
レリックに案内されて、1階の個室に案内された。その間にレンは、レリックの言葉が引っかかる。
僕以外に、特待で入った人がいるのか? まぁ、あり得ない事ではないが、かなり凄い人なのかも!
新しい学生生活の前に、かなりワクワクしていた。
「それじゃ、今日から、学生の間はこの部屋を使ってくれ。食堂と風呂は1階にあるから、自由に使って大丈夫だぞ。分からない事があったら、2階にいる俺に言ってくれれば対応しよう。それと3階は高学年がいるから挨拶には失礼ないように頼むぞ」
レリックは寮について伝えた後、その場を後にする。
「それじゃ、レイジ兄さん、後は僕がやるので、荷物を置いて帰って下さい」
「レン、あんまりだよ。せめて荷物を整理してからでも良いだろう」
その後、二人は揉めながら荷物を整理し、帰らないレイジ兄さんを何とか自宅に帰らせようと、必死に説得していのだった。
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