女神の代わりに異世界漫遊  ~ほのぼの・まったり。時々、ざまぁ?~

大福にゃここ

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再会 2

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「マルゴさんが<村長>で、オスカーさんが<村長代行>に!?」

「ああ。これまで色々と我慢して来た村民みんなも、<治癒士>のアリスさんを追い出したのが村長の孫ポーリンだったことで不満が爆発寸前だったんだ。 そこに、『カモミールティーむらおこし計画』の横取り未遂がバレたことで、とうとう爆発しちまった」

 私が村を出てからの短期間に、村には大きな変化があったようだ。

 元々村民たちの村長たぬき一家に対する評価は決して高くなかった。村長の奥さんが亡くなった後、王都で働いている村長の姉マルゴさんに助けを求めるくらいだからね。マルゴさんが尻拭いをしてやることでかろうじて村長としての体面を保っていただけだ。

 でも、旅の途中の<治癒士>(と思われていた)の私を村に引き留めるために取った手段(軟禁未遂)や、その後のポーリンの態度(マルゴさんに対してもひどかった!)を見て、良識のある村民たちの心は村長一家から離れるばかり(村長の息子たちのルシアンさんへの仕打ちを考えても、人望なんてあるわけないよね)。

 そこに、マルゴさん主導で始まった『カモミールティー普及計画』の横取り未遂。詳細は知らなかった村民たちだけど、マルゴさん一家やルベンさん一家が取り組み始めた計画には興味深々だった。

 誰かに「そんな花、どうするんだ?」と聞かれる度に「利益が出るとわかったら、あんた達も加わるといい。村の為にもなる」と言っていたおかげで、村おこしの一環だと期待されていたようだ。それを横取りして自分たちだけの利益にしようとした村長一家と腰巾着たちに、村民たちの我慢も限界を超えた。

 連日「あんたが村長になってくれ」という嘆願がマルゴさんに届けられ、とうとうマルゴさんがたぬきに見切りをつけることになってしまった。

 決断したマルゴさんの行動はとても素早く、村長に不満のある村民たちをあっという間にまとめ上げて村長おとうとに引導を渡し、ついでとばかりに『カモミールティー普及計画』を『カモミールティー製造販売計画』に切り替えて村を挙げての話にすると、夫であるオスカーさんを村長代行に任命して村長交代劇の後処理を丸投げし、自分はカモミールティーの製造の責任者として動き始めた、と。

 マルゴさんは<村長兼カモミールティー計画責任者>、オスカーさんは<村長代行>、ルベンさんは<顔役代表兼カモミールティー計画副責任者>、ルシィさんはルベンさん&オスカー一家のお世話係でオースティンさんは村で1番の稼ぎ頭(=一番の納税者)として商人相手の外交要員。 

 で、どうしてルシアンさんだけこんな所にいるのかというと、

「<村長代行>命令なんだ。領主さまに❝村長交代の届け❞を出すついでに、<冒険者>として外の世界を見てこいって。『とりあえずはBランクまで上げろ、目標はAランクだ』って言われたんだけど、……Bランクって結構大変だよな?」

 とのことらしい。

 王都で<冒険者ギルドの総ギルドマスター>まで務めたオスカーさんの見立てでは、

 今後村は急成長をすることになる。元々、凄腕の魔道具制作者のオースティンさんがいるお陰で村への人の出入りが増えていた。そこへ❝村長交代劇❞があり❝カモミールティー計画❞が始動したことで村民たちの熱量は日々上がる一方。この動きを商人が目にしたら、きっと人や物資の流入がはじまり、ますます村は大きな熱量を急激に生み出すことになり……、

「だん、じょん……?」

「ああ、村の近くに『魔物を生み出す迷宮ダンジョン』が生まれる可能性があるそうだ」

 急激に増える熱量は、『ダンジョン』を生み出す可能性があるらしい。……この世界にダンジョンなんてあったんだ?

 村の近くにダンジョンが出来たらそれを目当てに<冒険者>たちが集まり、冒険者や素材目当ての商人も集まって来る。そうすると当然村は発展して、ついでとばかりにならず者たちも集まって来るだろう。その時にルシアンさんが村出身の<上位ランク冒険者>として村に戻るだけで、村(その時はもう町かな?)の治安に大いに役立つ。とのことだった。

 でも、その為にルシアンさんを危険な職業に就けるなんて……と少しだけ嫌な気持ちになっていた私は、

「とか言いながら、『外の世界が楽しかったらそのまま戻ってこなくてもいいし、冒険者なんていつ辞めても構わん。人生を楽しめ!』とか言っちまうオスカーおじさんは、何を考えてるんだろなぁ」

 苦笑しながら続けたルシアンさんの言葉を聞いて反省する。

 これはルシアンさんへのご褒美だ。前・村長マエル一家のせいで苦渋を舐めることになったのに、それでも村の為に戦っていたルシアンさんに、❝自由❞をくれたんだ! 

 まだ若いルシアンさんにとって、村の外の生活は良い刺激&良い経験になるだろう。

「それでな……。オスカーおじさんに『もしも運よく嬢ちゃんに会えたら❝携帯食❞を売ってもらえ! あれを手に入れることが上位冒険者への近道だ』って言われてその為の資金まで渡された。 
 あのくそ不味い携帯食を食わずに活動できるなら、と思ってアリスさんの後を追ってこの街に来てみたんだけど、……売って貰えるか?」

 ついでに私の商売も応援してくれるらしい。アルファ化米などの携帯&保存食はオスカーさんの一言が開発のきっかけだったもんね。

 と言ってもルシアンさん相手に商売をする気もなくて、当然無料で渡そうとしたんだけど……。ルシアンさんに拒まれた。ついでに、❝親しき中にも礼儀あり❞的なお説教までいただく羽目になり……。

 ちゃあんと! お金をもらって販売しましたよ! 

 でもね? オスカーさん! 携帯食購入の資金に大銀貨1枚(=100万メレ)は多すぎるんじゃないかな!?

 お釣りは当然、初期装備を揃える為の資金だと判断していいんだよね? ルシアンさんはそんなつもりはないようだけど、ちゃんと説明したのかな!?

 とりあえず、明日は一緒に装備品を見に行く約束を取り付けて、話題を変える。

 まだまだ聞きたい話はいっぱいあるんだ。 ルシアンさんの旅の話とか、ね。

 え? ジャスパーで私の話を聞いた……? いや、その話は別に聞かなくてもいいかな。 あ、でもアルバロたちが元気かは知りたい! 

 モレーノ裁判官の話は……、噂でしか知らない? そっか、残念。

 じゃあ、直接連絡しようかな。マルゴさんが村長になったのなら、新・領主であるお父さまにきちんとお願いしておきたいし、そろそろあの穏やかな声も聴きたいしね♪

 前・村長たぬき一家の話? 村でおとなしく暮らしてるんじゃないの? マルゴさんが村長として目を光らせているなら、問題を起こせる気がしないんだけど^^

 ルシアンさんとの再会は、楽しいおしゃべりでアッという間に時間が過ぎてしまった。 
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