女神の代わりに異世界漫遊  ~ほのぼの・まったり。時々、ざまぁ?~

大福にゃここ

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のんびりとした時間を過ごした♪ 

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 ❝今日は1日ゆっくり過ごす❞

 そう最初に掲げた目標はあっさりと破られた。とうか、いつもよりも忙しない1日になった気がする。

 ちゃぷちゃぷとお湯を掻きながら私に向かってくるハクの鼻先を軽く指で抑えて遊んでいると、

「あしたはゆっくりすごす?」

 お湯に沈まないように私の顎を下から支えてくれているライムが聞いた。

 今日が予定外に忙しなかったので、明日はハクやライムと遊びながらのんびり過ごしたい気もするけど、

「明日は近辺でできる依頼を受けに行こう。晴れていたらピクニック、雨なら街の中でついでにお買い物ができるような依頼があればいいね!」

 ❝のんびり過ごす❞と決めると逆に忙しない日になる気がする。だから明日は、❝近場で採取か弱い魔物を狩りながらまったり過ごすか、お使いのような依頼を受けながら街の中をブラブラする❞ことにしてみる。

「お弁当は肉が良いのにゃ♪」

 ハクの賛同も得られたし、明日も良い日になるといいな♪











 ❝おいしい依頼は早い者勝ち❞らしいので、朝のまだ暗いうちに宿を出て冒険者ギルドに向かっていると、

「お嬢さん! こんなに早い時間にどこへ行くんだい? 夜明け前は危険だから送ってやろう」

 巡回中の衛兵さんに声を掛けられた。

 衛兵さんに守られながら依頼を探しに行く冒険者……? うん、ないな。

 見覚えのある衛兵さんに、親切な気持ちだけありがたく受け取るとお礼を言うと、

「お嬢さんに何かあったら子供たちが困っちまうんだから遠慮はいらないぞ。どこまで行くんだい?」

 衛兵さんは再度行き先を聞いてくれる。

 ミネルヴァ家の近くの詰め所の衛兵さんは本当に親切だなぁ。でも、大丈夫! 行き先は次の角を曲がったら見えてくる、

「<冒険者ギルド>よ」

 だからね。もう、すぐそこの場所なので安心してね?の微笑みを添えて答えると、

「こんな時間に<冒険者ギルド>? 急ぎの依頼でも出しに行くのか? 何か困っていることがあるなら俺たちが力になるぞ。今なら隊長も詰所にいるから相談しに行こうぜ」

 衛兵さんは心配そうに眉をひそめたあと、ニカッと笑って詰め所に案内しようと歩き出した。

 あれ!? 私が依頼を出す方だと勘違いされてる!

 衛兵さんの勘違いを正す為に、改めて自分が依頼を受ける方、冒険者だと自己紹介すると、彼は驚いたように目を瞠って振り返り、

「お嬢さんは大金持ちのお嬢さまで、趣味で商人をしているって聞いたぞ? なんで冒険者なんかしているんだ!?」

 なんのこと?な勘違いを口にする。本業<冒険者>、趣味で<商人>をしていると説明してもしばらくは信じてもらえなかったのは……。とても遺憾です!













 今日の依頼は討伐依頼で<ハウンドドッグ>を3頭。場所はラリマーから25㎞ほど離れた平原。お天気は快晴♪

 なので、ハウンドドッグの討伐を【マップ】を使ってサクッと終わらせ、今日の午後の予定はピクニックになった。

 近くにいる魔物をサクッと狩って近辺の安全を確保したら、帆布を敷いてみんなでごろりと横になり、空を見上げる。そうすれば、

「ねえ、アリス。 あのくも、ヤキイモだよね?」
「じゃあ、あっちの雲はハンバーグなのにゃ!」
「その隣の雲はりんごですわね!」
「我には桃に見えるが?」
「ああ、ほんとだね~。じゃあ、あれは……、マルゴさんの丸パンだ!
 よし。今日のお弁当はハンバーガーと焼き芋、デザートはリンゴと桃にしよう!」

 あっさり決まる、今日のお昼ごはん。

 みんなでまぁるく輪になって、風にそよぐ草花を眺めながらのお昼ごはんはいつもよりも一段おいしく感じるから嬉しいね!

 寛いで横になりながら鼻先を寄せているスレイとニール。揺れるニールの尻尾の先を獲物に見立てて肉きゅうパンチを繰り出すハクと、スレイの背中でだらりと広がっているライム。

 のんびりと思い思いに過ごす従魔たちの姿は、それだけで心の癒しになる(別に疲れている訳ではないんだけどね?)。

 ギルドに報告に戻るのは、夕方のギルドが込み合う時間の前でいいだろう。今は、昨日の分も合わせてのんびり気ままに過ごすことにする。

 たまにやって来る冒険者たちが遠目に私たちを見て目を丸くしていることさえスルーしたら、今日は本当にのんびりと穏やかな、素敵な1日だ♪









 温かいスレイの背に揺られ、どうしても仲良くしたがる瞼を必死で引き離しているうちに、気が付けば街に到着していた。

 (今日は寝なかったのにゃ。偉いのにゃ!)

 なんてハクに褒められながらギルドで依頼完了手続きを済ませても、夕食用の屋台が本格的に開くまでには少し時間がある。

 時間を潰す為にのんびりと街を散策していると、ガラガラ音を立てながら凄い勢いでリヤカーを引いた男性が私たちを追い抜いて行った。

 少し先の教会の手前で止まったので、「病人か怪我人でも乗せているのかな?」と何となしに考えていると、

 リヤカーを引いていた男性が勢いよく私を振り返り、

「アリスさん! 怪我人が出ているんだ! 助けてくれ!!」

 大声で叫んだ。

 ……教会まで来ておきながら、私に声を掛けるのはどうなんだろう?

 ほら、教会の門番さんが、凄く怖い目つきで私を睨んでいるよ? なんだか険しい目をした神父さん(?)も出て来て、あなたと私を睨んでいるし。

 ……ねえ。どうして私が睨まれているんだろうねぇ?
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