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第2章 幽霊屋台を追いかけて
1.車に揺られて
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『彷徨う幽霊屋台……ってところか?』
宵山はハンドルを握り、前方を見たまま呟いた。
『ああ。そんな噂、聞いた事無かったけどなぁ……』
助手席に座っている私も、流れていく外の景色を眺めながら返答する。
道の先の方まで、灰色の雲が垂れ込めた空が延々と続いている。
(幽霊屋台……)
不気味な事に変わりないが、船に比べると些か迫力には欠ける。
緩いカーブの続く山路を、彼の白いミニバンはするすると下って行った。
宵山に一通り、今日の取材内容について説明すると、彼は残念そうに呟いた。
『じゃあ、結局普通のラーメンしか食えないんだなぁ。楽しみにしていたのに』
『湊川君、お前に詳細を伝えて無かったのか?』
『ああ、美味いラーメンを食べに行く取材を、お前として来て欲しいって言われたから直ぐOKしたんだ』
何か騙されているような気もするが、宵山は全く気にしていない様子で笑った。彼は単純だが良い奴なのだ。
朗らかで笑顔が爽やかなムキムキの体育教師として、生徒にもご父兄にも人気だという。
(でも、もう少し人を疑う気持ちがあっても良いのかもな……)
宵山はハンドルを握り、前方を見たまま呟いた。
『ああ。そんな噂、聞いた事無かったけどなぁ……』
助手席に座っている私も、流れていく外の景色を眺めながら返答する。
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(幽霊屋台……)
不気味な事に変わりないが、船に比べると些か迫力には欠ける。
緩いカーブの続く山路を、彼の白いミニバンはするすると下って行った。
宵山に一通り、今日の取材内容について説明すると、彼は残念そうに呟いた。
『じゃあ、結局普通のラーメンしか食えないんだなぁ。楽しみにしていたのに』
『湊川君、お前に詳細を伝えて無かったのか?』
『ああ、美味いラーメンを食べに行く取材を、お前として来て欲しいって言われたから直ぐOKしたんだ』
何か騙されているような気もするが、宵山は全く気にしていない様子で笑った。彼は単純だが良い奴なのだ。
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