護堂先生と神様のごはん 幽霊屋台は薄暮を彷徨う

栗槙ひので

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第2章 幽霊屋台を追いかけて

8.最初の目的地

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 腹ごしらえを済ませて、温まった体に眠気が襲ってくるのを堪えつつ、私は窓の外を覗いた。
 田舎道は空いており、最初のポイントまではコンビニから十分もかからなかった。

『あの病院の角を曲がった辺りだな』

 着いた場所は、これといった特徴もなく、人気も無い路地だった。

『目の前は公園だけど、なんか暗いし誰もいないな』

 私は車を降りて、携帯のカメラで周囲を撮影しながら呟いた。道幅はあるが、薄汚れたコンクリートの壁と公園に挟まれ、雰囲気的にも暗い印象だ。

『こんな所に屋台を出すもんか? この辺の会社員が、通勤時に使う抜け道だったりするのかな?』

 宵山も不思議そうに首を捻っている。土地勘が無いのではっきりとは分からないが、地図を見る限り電車より車通勤の方が多そうな場所だ。わざわざ車を停めてまでラーメン屋台に寄る人も少ないだろうし、出店場所には不向きな気がする。

『さっきの病院が割と大きそうだったから、関係者とかが寄るのかもな……まあ、そもそも幻って時点で儲ける気があるのかどうか……』

 私は簡単に周囲の外観と感じた事について地図に書き込むと車に戻った。
 そっと後部座席を覗くと、神様は呑気に昼寝している。気楽なものだ。
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