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第2章 幽霊屋台を追いかけて
7.昼食
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ダッシュボードの上に地図を広げ、これから回る道順を宵山と相談しながら食事を摂る。
同時に、私は宵山に気付かれないように、座席の間にさりげなくおにぎりやお茶を置いて、神様に幽霊を摘み出させた。
(野良犬を親に内緒で飼ってる気分だな……)
またしても神に対して失礼な感想を抱きながら、私はポーカーフェイスを維持する事に努めた。
宵山に気取られないか多少緊張したが、温かいお茶とおにぎりを口にすると、なんだかほっとさせられる。
おにぎりの味は悪くない。むしろどこか懐かしいような美味しさであった。
『生姜焼き弁当、美味いか?』
『え? ああ、思った以上に美味いよ。摘んでみるか?』
宵山は弁当を突き出す。すかさず手を伸ばしてくる神様を横目で牽制しつつ、私は手を振った。
『いや、大丈夫だ。ありがとう。ほんと、意外と美味いよな。店の雰囲気的にちょっと心配だったけど……』
そう言っている間に、神様はまんまと一枚宵山の生姜焼きを摘み上げて、嬉しそうに口に運んでいた。
姿が見えないというのも、つまみ食いには便利なものだ。
その後も、宵山は後部座席の神様に気が付いた様子は無く、我々は昼食を平らげると目的地へと向かった。
同時に、私は宵山に気付かれないように、座席の間にさりげなくおにぎりやお茶を置いて、神様に幽霊を摘み出させた。
(野良犬を親に内緒で飼ってる気分だな……)
またしても神に対して失礼な感想を抱きながら、私はポーカーフェイスを維持する事に努めた。
宵山に気取られないか多少緊張したが、温かいお茶とおにぎりを口にすると、なんだかほっとさせられる。
おにぎりの味は悪くない。むしろどこか懐かしいような美味しさであった。
『生姜焼き弁当、美味いか?』
『え? ああ、思った以上に美味いよ。摘んでみるか?』
宵山は弁当を突き出す。すかさず手を伸ばしてくる神様を横目で牽制しつつ、私は手を振った。
『いや、大丈夫だ。ありがとう。ほんと、意外と美味いよな。店の雰囲気的にちょっと心配だったけど……』
そう言っている間に、神様はまんまと一枚宵山の生姜焼きを摘み上げて、嬉しそうに口に運んでいた。
姿が見えないというのも、つまみ食いには便利なものだ。
その後も、宵山は後部座席の神様に気が付いた様子は無く、我々は昼食を平らげると目的地へと向かった。
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