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第3章 墓場とラーメン
10.常連さん
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『イラッシャイ』
『ラーメン一つ、チャーシュー追加で!』
幽霊感丸出しの人が、私の隣に座った。年齢としては、二十代前半位に見える。亡くなっているのなら、まだ若いのに残念な事だ。
彼はふと私の方を見ると、気さくに話し掛けてきた。
『あれ、お兄さんまだ生きてますよね? よくこの店に来れましたね!』
『あ、はい偶然見つけまして……貴方はその、既に亡くなられてるんですか?』
初めて見た幽霊と、普通にこんな会話をする日が来るとは思わなかった。
お化けはもっと怖いものだと思っていたが、彼は服装以外生きている人間と殆ど差がない。
『ええ、ちょうど僕の一周忌で法事に戻って来たので、霊界に帰る前に寄ったんです。この店は去年知ったんですけど、もっと早く知って通い詰めたかったですよー』
特に未練もないのか、幽霊男は朗らかに語った。
『そうそう僕が死んだ時、こっちの死神さんが僕を霊界まで連れて行ってくれたんです。法事の度に挨拶してたら仲良くなっちゃって』
彼の奥に座った黒コートがこちらに向かって会釈した。
死神とまで仲良くなれる彼のコミュ力は見上げたものである。生きた人間とすら上手く話せない私は、彼を見習うべきなのかもしれない。
そんな話をしていると、また別の客が並んでいたので、そろそろ席を開けなくてはと思い、私は立ち上がった。
そしてある事に気がつく。
『ラーメン一つ、チャーシュー追加で!』
幽霊感丸出しの人が、私の隣に座った。年齢としては、二十代前半位に見える。亡くなっているのなら、まだ若いのに残念な事だ。
彼はふと私の方を見ると、気さくに話し掛けてきた。
『あれ、お兄さんまだ生きてますよね? よくこの店に来れましたね!』
『あ、はい偶然見つけまして……貴方はその、既に亡くなられてるんですか?』
初めて見た幽霊と、普通にこんな会話をする日が来るとは思わなかった。
お化けはもっと怖いものだと思っていたが、彼は服装以外生きている人間と殆ど差がない。
『ええ、ちょうど僕の一周忌で法事に戻って来たので、霊界に帰る前に寄ったんです。この店は去年知ったんですけど、もっと早く知って通い詰めたかったですよー』
特に未練もないのか、幽霊男は朗らかに語った。
『そうそう僕が死んだ時、こっちの死神さんが僕を霊界まで連れて行ってくれたんです。法事の度に挨拶してたら仲良くなっちゃって』
彼の奥に座った黒コートがこちらに向かって会釈した。
死神とまで仲良くなれる彼のコミュ力は見上げたものである。生きた人間とすら上手く話せない私は、彼を見習うべきなのかもしれない。
そんな話をしていると、また別の客が並んでいたので、そろそろ席を開けなくてはと思い、私は立ち上がった。
そしてある事に気がつく。
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