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【第一部】真夏にこぼれた夢
琥珀色に流れて
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(あ……)
二人の動きが止まる。
触れた場所から、芽衣の肌の熱がじわりと伝わってくる。
さっきまで麦茶のグラスに触れていたため、冷たくなっていると思っていたが、身体の芯に熱が残っているかのようだった。
芽衣は慌てて手を引こうとした。
すると、その肘が、飲みかけの麦茶のグラスに当たった。
ガシャッと鈍い音がして、グラスが倒れる。
琥珀色の液体が、デスクと床のフローリングに広がった。
「あっ! わ、ごめんなさい! ごめんなさい!」
芽衣が慌ててテーブルの上で横倒しになったグラスを立て直し、ポケットのハンカチでテーブルを拭おうとする。
「大丈夫、大丈夫! ペーパータオル……!」
浩一もすぐに立ち上がり、キッチンカウンターからペーパータオルの束を掴んで持ってくる。
狭い作業スペースで、二人は身を屈めて床を拭き始めた。
浩一のすぐ間近に、屈んだ芽衣のうなじがあった。
ベビーパウダーと、女性特有の甘い汗の匂いが混じり合っている。
床を拭く二人の肩が、腕が、密着する。
「すみません、本当に……」
「いえ、こっちこそ、変なとこに置いて……」
浩一は、Tシャツ越しに彼女の背中に触れた自分の腕に、柔らかくも確かな弾力を感じて息を呑む。
芽衣もまた、浩一の腕の硬さに気づいたのか、拭く手が止まった。
二人は、至近距離にあり、同じ音を聞いていた。
エアコンの音と、子供の寝息──。
すでに視線は絡み合っている。
わずか数十センチの距離。芽衣の目は潤んでいた。
それは、詫びるような目であり、何かを懇願するような目でもあった。
どちらからともなく、顔が近づく。
琥珀色した彼女のセミロングの髪から、ほのかに甘い香りがした。
浩一は、彼女の頬に手を伸ばした。
ためらうように触れると、芽衣は小さく震えたが、逃げなかった。
浩一は、その潤んだ唇に自分の唇を重ねた。
二人の動きが止まる。
触れた場所から、芽衣の肌の熱がじわりと伝わってくる。
さっきまで麦茶のグラスに触れていたため、冷たくなっていると思っていたが、身体の芯に熱が残っているかのようだった。
芽衣は慌てて手を引こうとした。
すると、その肘が、飲みかけの麦茶のグラスに当たった。
ガシャッと鈍い音がして、グラスが倒れる。
琥珀色の液体が、デスクと床のフローリングに広がった。
「あっ! わ、ごめんなさい! ごめんなさい!」
芽衣が慌ててテーブルの上で横倒しになったグラスを立て直し、ポケットのハンカチでテーブルを拭おうとする。
「大丈夫、大丈夫! ペーパータオル……!」
浩一もすぐに立ち上がり、キッチンカウンターからペーパータオルの束を掴んで持ってくる。
狭い作業スペースで、二人は身を屈めて床を拭き始めた。
浩一のすぐ間近に、屈んだ芽衣のうなじがあった。
ベビーパウダーと、女性特有の甘い汗の匂いが混じり合っている。
床を拭く二人の肩が、腕が、密着する。
「すみません、本当に……」
「いえ、こっちこそ、変なとこに置いて……」
浩一は、Tシャツ越しに彼女の背中に触れた自分の腕に、柔らかくも確かな弾力を感じて息を呑む。
芽衣もまた、浩一の腕の硬さに気づいたのか、拭く手が止まった。
二人は、至近距離にあり、同じ音を聞いていた。
エアコンの音と、子供の寝息──。
すでに視線は絡み合っている。
わずか数十センチの距離。芽衣の目は潤んでいた。
それは、詫びるような目であり、何かを懇願するような目でもあった。
どちらからともなく、顔が近づく。
琥珀色した彼女のセミロングの髪から、ほのかに甘い香りがした。
浩一は、彼女の頬に手を伸ばした。
ためらうように触れると、芽衣は小さく震えたが、逃げなかった。
浩一は、その潤んだ唇に自分の唇を重ねた。
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