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第六章:少女は異界の賢者を希う
賢者の刻限4
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契約条件は教えてもらえました。
となると次は手段になるわけですが――
「一番簡単な契約方法は粘膜接触だ。要は身体の内側のことだよ」
「うち……な、内臓!? おなかを切っちゃうんですか?!」
「違う違う。単に『皮膚ではない』ということだよ。皮膚は『外と内を隔てる役割』を持つからね。
これは魔法の解釈的にも同じで、《神気剥奪》も内側と繋げるためにわざわざ穴を開けて刺青を入れたわけだ」
「では《神気剥奪》を使えば……?」
「皮膚に術式用の穴を開けているし技術的には可能だね。ただ繋がりを結ぶのには魔力の通り道である『穴』を合わせないといけない。
私と君では体格も違うし、施した穴を合わせるには少し面倒な作業になりそうだ。けれどもっと簡単な方法……というよりは場所かな」
「何処ですか?」
「内側に繋がる穴といえば代表格は口だね」
「口……?」
「粘膜があれば良いので、鼻や変わり種で眼球というのもあるが……まぁ、どちらもよくわからない絵になってしまうね」
ヴェルターは「ちなみに耳は皮膚と鼓膜が邪魔になるからできないんだよ」なんて笑いながら話しますが、わたしは想像して顔を真っ赤にしてしまう。
え、だって……口って口付けのことでしょう!?
でも今更引くのも変ですし……わたしは構いませんが、ヴェルターは嫌なのでは?
「ヴェ、ヴェルターは嫌じゃないのですか!?」
「うん? 嫌だなんてそんな。ティアナの覚悟を無為にするつもりはないよ?」
「す、少し心の準備をさせてください!」
そう叫んで布団にすっぽりともぐる。
う、嘘じゃないのですね?!
こんなにわたしはドキドキしているのに、ヴェルターは落ち着いて……これが大人の余裕というものですか!
あ、でもヴェルターは召喚獣ですし考えるだけ無駄ですか?
いや! 違います! 他の人から見たらヴェルターはただの人です!
わたしにとっても本人だと理解してしまっているので、今かそんな目では見れません!
あぁぁぁぁあ……とても今更ですが、結婚前の男女が家に二人きりというのもかなりまずいのでは!?
違います! 師匠と同じ家に住むのは自然なことです! 大丈夫!
いえ、でも…たしかに師匠とはいえ二人きりというのはちょっと……?
そうか! だからアミルカーレ様は『許婚』と言ってヴェルターを目の敵に……!!
待って待って! もしかしてヴァルプルギス家とフルラネット家の関係が悪化したり!?
……でもアミルカーレ様が『ティアナの従者』って保証したわけですし、大事にはなりませんよね?
え、あれ…気付いてなかったのってもしかしてわたしだけ?!
というか! 疲れ果てて背負われたり! 大会で抱きかかえられて帰ったり!
裸にコート掛けられただけで抱き上げられたりしてませんか?!
……思ってるより抱き上げられている場面が多くありません?!
というかほとんど衆人環視の中でされてますよ!? 理由はありますが、みなさん聞いてくれるのでしょうか!?
……アミルカーレ様、まさか従者なら問題ないって配慮ですか?!
あぁ、まずい! とても、わたしはまずいことに気付きました!!
今もわたしはベッドに寝ていますし、ヴェルターも横についていますよ!?
ここに誰かが来たら……!?
たったの五日間という短い間ですが、様々なことが、一気にぐるぐると考えがめぐり続ける。
布団にもぐっているわたしに、ヴェルターが弾むような声で「あぁ、ゆっくりすると良い。私も契約条件を作らねばならないからね」とポンポンとあやすように叩いて囁きました。
・
・
・
今はそろそろ夕方に差し掛かったくらい。
つまり二・三時間ほど悶々としていたわけですが、間で少し寝てしまったのは秘密です。
ヴェルターなら気付いていそうですが、黙っていてくれるのですからわたしも気にしないようにしておきましょう。
うぅ……顔が赤くなければいいのですが……。
「では、視界を閉じて集中していこう。召喚獣との繋がりを感じ取るんだ」
はい、と返事をして、言われた通りに目を瞑りました。
真っ暗になった視界の中で、近くに座るヴェルターの気配を仄かに感じます。
けれどそれ以上には何もありません。
「焦ることはない。契約を失敗しているからね。そんなものだ。
静かに呼吸をして。眠るように、けれど集中を切らさないように」
――とん
おでこを押される感覚がしたかと思うと「私の人差し指を感じるかい?」と質問され、反射的に開きそうになった目をぎゅっと閉じて「はい」と返事をする。
何も見えないところに急に現れた圧と熱は、わたしの意識を持って行ってしまいます。
わたしの背を押すように「そこに集中してみようか」とヴェルターは優しく続けました。
まだ自覚的に魔法を使ったことがないわたしでも、魔力は感覚的なものだとは朧気に理解しています。
だからこそ説明を言葉に起こせるヴェルターはすごいとも。
けれど教わる側はやはり感覚的なものでしか実感できないので、あまり意味はないかもしれませんが……。
「ティアナにしては珍しい。集中力が乱れているね?」
「あ、すみません」
「これもある意味成長だ。君は集中力を分割できるようになったのだからね。
やはり瞬発力を必要する高速戦闘を経験したのが良かったみたいだ。できれば試合形式ではなく安全圏外の方が望ましいけれど」
「えっと……明日にでも行きますか?」
思わず成功しなくては来ない明日に約束をしてしまう。
少し顔に熱が走るのを感じたけれど、これは決意の表れです、と理由を入れる。
「すまない、話が脱線したね。訓練方法は他にもあるからやめておこうか。
それより私が触れている額に意識を集中してくれるかな? 少し魔力の密度を上げるから」
「あ、何だか温かかくなってきました」
「では、その熱と自分の魔力を馴染ませられるかな?」
何だか一気に難しいことを言われましたが、何故だかできるような気がしてしまう。
ヴェルターの言葉には、そんな確信めいた何かが秘めています。
「指を離すけれど、その感覚を掴んでおいて。では契約に移るとしよう」
「えっ――」
――ちゅっ
頬がカッと熱くなると同時に、閉じていた目が驚きで見開いてしまう。
けれど先程の集中力は維持していて、口からは「な、ななななんで!?」なんて言葉が零れた。
目の前に居るヴェルターは、不思議そうな顔でわたしを見て、それでいて「うん? あれ、鼻が良かったかな?」なんておかしなことを口にする。
「鼻は表面に粘膜が外には出ていないから、指か何かを突っ込まないといけないんだよね。
魔法に不慣れなティアナが集中を維持できるよう、行動を伴わない方法を取り計らったつもりだけれど、何かまずかったかな?」
そういう問題ではありません!!
強く思うけれど、口には出せずにさらに顔が赤くなってしまう。
その間にもヴェルターは視線を外して「うーん」と唸り、見当外れのことを話し始めました。
「あぁ、そうか。ティアナの指を口に含む、なんて方法もあったか。
左手なら《神気剥奪》に干渉されることもなかったわけだし、これは失敗したね」
そういうことでもない!!
「な、何でおでこに!?」
だってヴェルター、あなた口付けだと言ったでしょう!?
…………あれ、言ってない?
思い至ってさらに顔が赤く火照ってしまう。
けれど
「魔法の処理は頭で行うから、そこに近ければ近いほど精度が上がっていくことになる。
当然粘膜接触同士の方が効果は高いけれど、額なら皮膚上でも最大限恩恵が受けられるからね。
特に毎日のように鏡で自覚的に見る顔は印象に残り、集中するにも想像しやすい。現にティアナは一発で私との再契約を行ったよ?」
わたしのあの覚悟は何だったのでしょうか! 恥ずかしい!
それならそうと言ってくれればよかったのです! ヴェルターもわざわざ濁すような言い方をして!
ぼす、とヴェルターのお腹に一撃を見舞って
「寝ます!」
と叫び、布団を被って隠れました。
どうか、わたしの恥ずかしがる顔をヴェルターが見ていませんように!
そんなわたしの心情を知ってか知らずか、ヴェルターは「ゆっくりお休み」と布団から少し飛び出す頭を優しく撫で部屋を出て行きました。
ヴェルターの去った部屋で色んな意味で熱い顔を自覚しながら、明日どんな顔をして会えばいいんでしょうか……なんて考える。
少なくとも明日はわたしが召喚者として初めて自覚できる成果です。
悩みは尽きないけれど、また明日も会える、と思うとだらしなく頬が緩み、気付けば眠りに落ちていました。
となると次は手段になるわけですが――
「一番簡単な契約方法は粘膜接触だ。要は身体の内側のことだよ」
「うち……な、内臓!? おなかを切っちゃうんですか?!」
「違う違う。単に『皮膚ではない』ということだよ。皮膚は『外と内を隔てる役割』を持つからね。
これは魔法の解釈的にも同じで、《神気剥奪》も内側と繋げるためにわざわざ穴を開けて刺青を入れたわけだ」
「では《神気剥奪》を使えば……?」
「皮膚に術式用の穴を開けているし技術的には可能だね。ただ繋がりを結ぶのには魔力の通り道である『穴』を合わせないといけない。
私と君では体格も違うし、施した穴を合わせるには少し面倒な作業になりそうだ。けれどもっと簡単な方法……というよりは場所かな」
「何処ですか?」
「内側に繋がる穴といえば代表格は口だね」
「口……?」
「粘膜があれば良いので、鼻や変わり種で眼球というのもあるが……まぁ、どちらもよくわからない絵になってしまうね」
ヴェルターは「ちなみに耳は皮膚と鼓膜が邪魔になるからできないんだよ」なんて笑いながら話しますが、わたしは想像して顔を真っ赤にしてしまう。
え、だって……口って口付けのことでしょう!?
でも今更引くのも変ですし……わたしは構いませんが、ヴェルターは嫌なのでは?
「ヴェ、ヴェルターは嫌じゃないのですか!?」
「うん? 嫌だなんてそんな。ティアナの覚悟を無為にするつもりはないよ?」
「す、少し心の準備をさせてください!」
そう叫んで布団にすっぽりともぐる。
う、嘘じゃないのですね?!
こんなにわたしはドキドキしているのに、ヴェルターは落ち着いて……これが大人の余裕というものですか!
あ、でもヴェルターは召喚獣ですし考えるだけ無駄ですか?
いや! 違います! 他の人から見たらヴェルターはただの人です!
わたしにとっても本人だと理解してしまっているので、今かそんな目では見れません!
あぁぁぁぁあ……とても今更ですが、結婚前の男女が家に二人きりというのもかなりまずいのでは!?
違います! 師匠と同じ家に住むのは自然なことです! 大丈夫!
いえ、でも…たしかに師匠とはいえ二人きりというのはちょっと……?
そうか! だからアミルカーレ様は『許婚』と言ってヴェルターを目の敵に……!!
待って待って! もしかしてヴァルプルギス家とフルラネット家の関係が悪化したり!?
……でもアミルカーレ様が『ティアナの従者』って保証したわけですし、大事にはなりませんよね?
え、あれ…気付いてなかったのってもしかしてわたしだけ?!
というか! 疲れ果てて背負われたり! 大会で抱きかかえられて帰ったり!
裸にコート掛けられただけで抱き上げられたりしてませんか?!
……思ってるより抱き上げられている場面が多くありません?!
というかほとんど衆人環視の中でされてますよ!? 理由はありますが、みなさん聞いてくれるのでしょうか!?
……アミルカーレ様、まさか従者なら問題ないって配慮ですか?!
あぁ、まずい! とても、わたしはまずいことに気付きました!!
今もわたしはベッドに寝ていますし、ヴェルターも横についていますよ!?
ここに誰かが来たら……!?
たったの五日間という短い間ですが、様々なことが、一気にぐるぐると考えがめぐり続ける。
布団にもぐっているわたしに、ヴェルターが弾むような声で「あぁ、ゆっくりすると良い。私も契約条件を作らねばならないからね」とポンポンとあやすように叩いて囁きました。
・
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今はそろそろ夕方に差し掛かったくらい。
つまり二・三時間ほど悶々としていたわけですが、間で少し寝てしまったのは秘密です。
ヴェルターなら気付いていそうですが、黙っていてくれるのですからわたしも気にしないようにしておきましょう。
うぅ……顔が赤くなければいいのですが……。
「では、視界を閉じて集中していこう。召喚獣との繋がりを感じ取るんだ」
はい、と返事をして、言われた通りに目を瞑りました。
真っ暗になった視界の中で、近くに座るヴェルターの気配を仄かに感じます。
けれどそれ以上には何もありません。
「焦ることはない。契約を失敗しているからね。そんなものだ。
静かに呼吸をして。眠るように、けれど集中を切らさないように」
――とん
おでこを押される感覚がしたかと思うと「私の人差し指を感じるかい?」と質問され、反射的に開きそうになった目をぎゅっと閉じて「はい」と返事をする。
何も見えないところに急に現れた圧と熱は、わたしの意識を持って行ってしまいます。
わたしの背を押すように「そこに集中してみようか」とヴェルターは優しく続けました。
まだ自覚的に魔法を使ったことがないわたしでも、魔力は感覚的なものだとは朧気に理解しています。
だからこそ説明を言葉に起こせるヴェルターはすごいとも。
けれど教わる側はやはり感覚的なものでしか実感できないので、あまり意味はないかもしれませんが……。
「ティアナにしては珍しい。集中力が乱れているね?」
「あ、すみません」
「これもある意味成長だ。君は集中力を分割できるようになったのだからね。
やはり瞬発力を必要する高速戦闘を経験したのが良かったみたいだ。できれば試合形式ではなく安全圏外の方が望ましいけれど」
「えっと……明日にでも行きますか?」
思わず成功しなくては来ない明日に約束をしてしまう。
少し顔に熱が走るのを感じたけれど、これは決意の表れです、と理由を入れる。
「すまない、話が脱線したね。訓練方法は他にもあるからやめておこうか。
それより私が触れている額に意識を集中してくれるかな? 少し魔力の密度を上げるから」
「あ、何だか温かかくなってきました」
「では、その熱と自分の魔力を馴染ませられるかな?」
何だか一気に難しいことを言われましたが、何故だかできるような気がしてしまう。
ヴェルターの言葉には、そんな確信めいた何かが秘めています。
「指を離すけれど、その感覚を掴んでおいて。では契約に移るとしよう」
「えっ――」
――ちゅっ
頬がカッと熱くなると同時に、閉じていた目が驚きで見開いてしまう。
けれど先程の集中力は維持していて、口からは「な、ななななんで!?」なんて言葉が零れた。
目の前に居るヴェルターは、不思議そうな顔でわたしを見て、それでいて「うん? あれ、鼻が良かったかな?」なんておかしなことを口にする。
「鼻は表面に粘膜が外には出ていないから、指か何かを突っ込まないといけないんだよね。
魔法に不慣れなティアナが集中を維持できるよう、行動を伴わない方法を取り計らったつもりだけれど、何かまずかったかな?」
そういう問題ではありません!!
強く思うけれど、口には出せずにさらに顔が赤くなってしまう。
その間にもヴェルターは視線を外して「うーん」と唸り、見当外れのことを話し始めました。
「あぁ、そうか。ティアナの指を口に含む、なんて方法もあったか。
左手なら《神気剥奪》に干渉されることもなかったわけだし、これは失敗したね」
そういうことでもない!!
「な、何でおでこに!?」
だってヴェルター、あなた口付けだと言ったでしょう!?
…………あれ、言ってない?
思い至ってさらに顔が赤く火照ってしまう。
けれど
「魔法の処理は頭で行うから、そこに近ければ近いほど精度が上がっていくことになる。
当然粘膜接触同士の方が効果は高いけれど、額なら皮膚上でも最大限恩恵が受けられるからね。
特に毎日のように鏡で自覚的に見る顔は印象に残り、集中するにも想像しやすい。現にティアナは一発で私との再契約を行ったよ?」
わたしのあの覚悟は何だったのでしょうか! 恥ずかしい!
それならそうと言ってくれればよかったのです! ヴェルターもわざわざ濁すような言い方をして!
ぼす、とヴェルターのお腹に一撃を見舞って
「寝ます!」
と叫び、布団を被って隠れました。
どうか、わたしの恥ずかしがる顔をヴェルターが見ていませんように!
そんなわたしの心情を知ってか知らずか、ヴェルターは「ゆっくりお休み」と布団から少し飛び出す頭を優しく撫で部屋を出て行きました。
ヴェルターの去った部屋で色んな意味で熱い顔を自覚しながら、明日どんな顔をして会えばいいんでしょうか……なんて考える。
少なくとも明日はわたしが召喚者として初めて自覚できる成果です。
悩みは尽きないけれど、また明日も会える、と思うとだらしなく頬が緩み、気付けば眠りに落ちていました。
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