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しおりを挟む「え?もしかして怪我しました?」
「なんで…」
なんでよりによって春也なの!!!
慌てて長い横髪を前に垂らして顔を隠す
「すいません、咄嗟に手出ちゃって
腰に腕回した時痛かったですよね?」
「あ、いや全然大丈夫ですっ
ありがとうございます!」
声のトーンを上げて、男だと…いや、僕山岡千秋だとバレないように必死になる
「なら良かったです」
春也は眩しいくらいのスマイルを浮かべる
普段、僕の前ではこんなふうに笑わないくせに
「千夏さん!大丈夫ですか?」
「勢いよく転んだからびっくりした!」
2人が駆け寄ってくる
「あれ?お友達ですか?」
春也が2人の方を見つめるとわかりやすく動揺して顔を赤らめてる
「あっ、は、はい
そうです…」
「あのいきなりですけど…
内先輩ですよね…
ファンです!!!」
この子どさくさに紛れて何言ってるの??
「ファン??
俺にファンなんていたんすね!
嬉しい!」
春也は嬉しそうにキラキラスマイルを後輩に向ける
「カッコいい…眩しい
これがいけてるメンズ…」
「あれ?千夏ちゃんクレープは?」
そう言えば転んだ瞬間、僕の手元から飛んでいったような…
ゆっくり後ろを振り返ると無惨な姿になったクレープの姿
「あ……」
楽しみにしてたクレープが…
「千夏ちゃん?!落ち込まないで!
ね??新しいの買って…
あ、手持ちのお金もうないや」
「大丈夫です!私がっ
あ…」
僕もさっきので手持ちのお金は使ってしまった
「うぅっ…」
泣きそうになりながら地面に落ちたクレープを拾う
応援ありがとうございます!
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