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しおりを挟む「誕生日おめでとう
河田くんがいるおかげで、僕はすごく幸せだよ
本当にありがとう」
「え?」
「こんなこと言ったらまた気持ち悪いって言われちゃうね
でも、今日くらいはいいでしょ」
先輩は照れ隠しするように笑う
「キモいなんて思わないです…」
「どうしたの?
いつもの河田くんなら嫌がるのに」
自分でもよく感情がわからない
嫌だと思わなかったのも事実だし、初めてそんな事を言われて驚いている
「河田くん、僕もプレゼントもらっていい?」
「え?これですか?」
ケーキを指差すと先輩は首を横に振る
「河田くん、僕とさ…」
「……なんですか」
まさか付き合ってとかいい出す??
けどもしこの人と付き合ってって言われたら??
正直、それ程嫌悪感を覚えていない自分がいる
どう答えたらいい
もしまた振ったらこの人はもう俺に関わらないようにするのか?
女といても緊張とかしないくせに、今この瞬間、俺は緊張をしている
「僕達さ、今後は先輩後輩関係じゃなくて…」
やばい、何でこんな緊張してるんだ
告白なんて何回もされてる
こんな緊張を覚えることじゃないのに
「友達関係になろう」
「え???」
予想していた言葉と全然違くて、思わず声が出てしまう
そこは付き合ってくれない?だろ!!普通!
この空気でこの感じで友達関係?!?
やっぱりこの先輩わからなすぎる
「あの河田くん…
なんか怒ってる?嫌だった?」
「いや、何で俺が怒る理由があるんですか?
何一つ怒る理由なんてないですよ」
「だって怒った顔してるから…」
「元からこんな顔です」
自分ではわからないけど内心苛ついているのは確かだ
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