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しおりを挟む「え、けど何か怒った顔してるよ」
起こった雰囲気の出ている俺を警戒しているのか先輩は後ろへ後ずさった
「てか、ずっとそっちいないでこっちに座ったらどうですか?」
「…いいの?」
「ダメなんて一度も言ってないです」
「じゃあ失礼します」
先輩はまた距離をあけて座る
その距離感に違和感を感じて、先輩の腕を引き近くに引き寄せる
「え?!ちょ、ちょっと!!」
「友達関係なんでしょ
ならこれくらいの距離感普通でしょ」
「そう…なの??」
「友達いないからわからないですか?」
笑いながら言うと先輩の表情が固まってしまった
また同じことをしてしまった、この人にはそういうのは通じないよな
「わ、わからないよ」
怒っているのか怒っていないのかわからない
謝ったほうがいいかと思って先輩の方に体を向けるとあることに気づく
「耳赤いっすね」
「…え?本当?寒いからだよ」
先輩は明らかに動揺した様子で自分の耳を手で包んで隠すからなんだかもっと反応が見たくなった
下から顔を覗き込むと先輩の顔は顔を耳以上に赤くしていた
「顔はもっと真っ赤
俺たち友達でしょ?
何をそんなに照れてるですか?」
「照れてるんじゃない!
これも寒いからっ」
「先輩は寒いと顔赤くなるんですね」
耳を隠していた手をどかして次は両手で顔を隠す
俺は着ていたブレザーを脱いで先輩の肩にかける
「え?」
「寒いって言ったんで」
「こういうのは女の子にしてあげるものでしょ!友達同士じゃあまりしない」
そういう先輩は同じ男なのにこんなに体格が違う
体が小さくてヒョロくて頼りない
先輩の手を掴むと手も小さかったことに気づく
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